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2006年9月24日
カワサキ・レーシング・チームのスポット参戦ライダーを含む3名のライダーは、エースライダーとメーカーのホームである日本グランプリにおいて全員がリタイア、ノーポイントという結果に終わった。
■好位置をキープし続け、最後は4位を狙った中野選手
9月24日に栃木県のツインリンクもてぎで行われたMotoGP決勝レースにおいて、カワサキの中野真矢選手はレース中は6位前後の好位置をキープし、最終ラップには4位を走行するセテ・ジベルナウに追いつく事に成功している。
■ジベルナウに完全にインを閉められた90度コーナー
しかしながら、チェッカーを目前にした90度コーナーで、ジベルナウをイン側から交わそうとした際に中野選手は行き場を失い、マシンの傾きを元に戻そうとした際にジベルナウの後輪にフロントが接触して転倒した。慌ててグラベルに飛び込んだマシンを起こそうとした中野選手だが、結果は無念のリタイアに終わった。
■不運にもド・ピュニエはレース直前にエンジンを交換
中野選手のチームメイトのランディー・ド・ピュニエは、午前のウォームアップでは前日の予選と同様に好調なペースで走行したが、レース前にチームはド・ピュニエのエンジンを交換しなければならない事態に陥ったようだ。
レース直前にエンジンが変わった事で、前日までの好調なマシンバランスが得られなくなったド・ピュニエのマシンは、コーナーの出口でリア・タイヤのホイールスピンが発生するようになり、前輪に依存した走りをレース中にド・ピュニエは強いられている。
この結果、コーリン・エドワーズや玉田誠選手と9番手を争った9ラップ目にド・ピュニエはフロントを失い転倒、マシンを大破させて日本GPを終えている。幸いド・ピュニエに怪我はなかった。
■松戸選手はメカニカル・トラブルによりリタイア
ド・ピュニエが大クラッシュを喫した9ラップ目に、カワサキから日本GPにワイルドカード参戦していた松戸直樹選手もメカニカル・トラブルによりピットインし、リタイアを余儀なくされている。
■中野選手「目前のチャンスを狙うしかなかった」
トップ5入りのチェッカー目前に、さらに前を行くジベルナウのポジションを狙った事で、日本GPを2年連続でリタイアする事になった中野真矢選手だが、昨年のように激しく落ち込む様子は見せていない。目の前にチャンスがある以上、リスクを冒してでも順位を上げようとするのがレースだと、中野選手は語る。
「何と言っていいのか分かりませんが、ここにレースをしに来た以上、最終ラップでは4位を狙う以外ありませんでした。」と中野選手。
「もしストレートの終わりで差が大きかったら、追い抜きのリスクを冒さないつもりでいましたが、チャンスは目の前にあったのでそれに挑みました。」
「少し激しくコーナーに入りすぎて、両方のタイヤが滑り始めた時にジベルナウに完全にドアを閉められました。ブレーキをかける事もできましたが、それでは2人とも転倒する事になるので、バイクを起こしてそのまま前に進む方を選んだんです。」
「残念ながらセテのリアタイヤに接触して転ぶ事になりました。」
「レースウイークを通してバイクとタイヤを仕上げてくれたチームに申し訳ないです。ラップタイムも安定していたので、今日の午後はいい結果を期待していましたが、結果は彼らにバイクの修理作業を与えただけでした。」
「ただ、最初に言った通り、ここにレースに来た以上、狙うしかなかったんです。」
「今は残りの2レースが楽しみです。まだポイントランキングの順位を上げるチャンスはありますからね。」
■ド・ピュニエ「マシンの性質が完全に変わってしまった」
好調な仕上がりだったマシンのエンジンをレース前に交換する事になったランディー・ド・ピュニエは、それぞれのエンジンの性質のあまりの違いに走行中は戸惑ったようだ。
ド・ピュニエは乗り方を変更してマシンのバランスを補おうと試みたが、その時点でクラッシュしている。二度と同じ問題が発生しないように原因を探りたいとド・ピュニエは語る。
「フリー走行と予選は好調でしたし、今朝のウォームアップでもレースセッティングの仕上がりの高さを証明できたと思います。なのにレース直前にエンジンを交換しなければいけなくなって、バイクの特性ががらりと変わってしまいました。」とド・ピュニエ。
「コーナーの出口でリアが簡単にホイール・スピンを起こすので、何度かマシンの後ろが激しく暴れてレースの序盤に大きくタイムを落としました。そこからはフロントに依存する走りに切り替えましたが、それでクラッシュしました。」
「どうしてレースで使用したエンジンと今朝のエンジンの感触がここまで違ったのか、これから原因を探る必要があります。今シーズンの残り2戦で同じようなトラブルはもう避けたいですからね。」
■松戸選手「最初からエンジンのパワーが落ちてきた」
序盤からエンジンにトラブルを抱え、マシンを止めずに走るのがやっとだったとする松戸直樹選手は、今週の経験を今後のカワサキのマシン開発に活かしたいとコメントしている。
「レースの最初からエンジンに問題を抱えていました。」と松戸選手。
「パワーがだんだん下がってきて、周回ごとに状況は悪くなってきました。できる限り長くバイクを走らせようとしましたが、9ラップが限界でした。」
「今シーズンで唯一のMotoGP出場を完走して終わる事ができなくて残念です。でも、今週は多くの事を学びましたので、今後のカワサキでのテストと開発作業に役立つ経験はできたと思います。」
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