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ホームGPを迎える不思議男
インテリマーク編集部
2006年9月15日

今回のフィリップ・アイランドでホームGPを迎えるリズラ・スズキクリス・バーミューレンについて、リズキ・スズキ・チームの公式プレスは彼の経歴とコメントを紹介している。以下に、その全文を紹介したい。
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■海外でレース経歴を積み重ねるオージーライダー

各ライダーが二輪ロードレースの最高峰クラスであるMotoGPに到達するまでには、様々なレース・カテゴリーを経験してくる必要がある。実際に、現在のMotoGPライダーの多くは、これまでに各国内の選手権や世界GP小排気量クラス等を経て、最終的にMotoGPクラスのシートを手にしている。

その中でも、クリス・バーミューレンほど多くのルートを経てMotoGPクラスに到達するのは希なケースかもしれない。

オーストラリア人を除く多くの国々の人々は、オーストラリアが遠く離れた異国の地であると考えている。しかしながら、オーストラリア人のライダーは自身のレースキャリアを磨き上げる事を単純な目的として、多くの海外のレースに気軽に参戦する傾向があるようだ。
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この理由を知れば、クリス・バーミューレンがイギリスのレースシーンでキャリア・パスを積むというオーソドックスな手段を使ったと聞いても、特にそれを意外だとは誰も思わない筈だ。

■アジア選手権でランキング2位

バーミューレンについて知った時に驚かされるのは、ダート・トラックでの経験を積んだ後で、アジアの250ccのツーストローク・レースを経験している事だろう。若い彼は250ccGPマシンで活動をしており、マレーシアやタイ、中国、インドネシアなどを中心としたアジア選手権に参加していた。そこでランキング2位を獲得した時のバーミューレンは若干17歳だった。

■故バリー・シーンの勧めによりイギリスへ

クリスについて最初にお伝えしなければいけない事は、彼の楽しみとも言えるレース活動を支援していたのは、彼の家族だけではなく、世界GP500ccクラスで2回の年間タイトルを獲得した偉大なライダー、故バリー・シーンその人だという事実だろう。

バーミューレンはスズキの伝説のライダーとして知られるバリー・シーンに勧められ、2000年にはイギリスに活動の場を移し、スーパースポーツとスーパーストックのカテゴリーに参加している。これが17歳の少年にとって悪い選択肢である筈がない。

写真■WSSとSBKでの輝かしい経歴を経てMotoGPへ

2001年に彼は混戦のアカデミーとも言える世界スーパースポーツ(WSS)の並み居る生意気な若い強豪ライダーや熟練のずる賢いライダーたちに加わり、2003年にはその全員を打ち負かしてWSSタイトルを獲得している。

その後2年間の世界スーパーバイク(SBK)では10勝を記録し、一躍世界の注目を浴びる事となったバーミューレンは、二輪ロードレース最高峰クラスであるMotoGPにスズキからのデビューを今シーズンより果たした。

■MotoGPレギュラー・ライダーとして初のホームGP

MotoGPでの初年度の活躍として2回のポールポジションを獲得したバーミューレンは、今回MotoGPクラスのレギュラー・ライダーとして初めてのホームGPを迎えている。フィリップ・アイランドは彼にとってのホームレースというだけではなく、昨年の2005年にワイルドカードとして初めてMotoGPに出場したのもこの場所だ。
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「以前にフィリップ・アイランドはSBKでも走っていますし、WSSでも過去に勝利しました。でも、オーストラリア人である事に一番感謝したのは去年のフィリップ・アイランドです。」とバーミューレン。

「レース前のイベントととして車でのパレードがあったんですが、応援がすさまじくてバレンティーノ・ロッシと同じくらいの声援をもらいました。オーストラリア人ライダーは僕一人だったからですけどね。」
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「自分でも勝てない事は分かってましたし、表彰台にも乗れない事を多くの人が確信していたと思いますが、それなのに観客の人たちの自分への応援はすごかったんです。」

「今年はフル参戦のライダーとしてリズラ・スズキから出場しますが、今では戦えるレベルのライダーになった事をこれまでにお見せしてきたと思いますし、表彰台に乗れる可能性も十分ありますよ。」

■フィリップ・アイランドに惚れ込むバーミューレン

フィリップ・アイランドは現代の名サーキットとして知られている。バーミューレンは他のライダーたちと同様に、この地元のコースに惚れ込んでおり、その情熱の深さには並外れたものがある。
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「コースサイドの風景が素晴らしいと思います。ストレートで時速300kmまで無心に加速すると、目の前には反対側の海の景色が広がります。それにコースレイアウト自体もすごく刺激的なんですが、オーストラリアそのものが単純に刺激的とも言えますね。」

■長く海外で生活してもホームGPはオーストラリア

オーストラリアを1つの同族国として数えるヨーロッパ人から見ると、フィリップ・アイランドをサンシャイン・コーストに住むバーミューレンが地元と言うのは、スコットランドに住む人間がムジェロを地元と言っているのと同じように感じるようだ。
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「フィリップ・アイランドは自分にとって完全な地元とは少し異なる感じがします。メルボルン(オーストラリア南東側)寄りですし、クイーンズ・ランド(オーストラリア北東側のバーミューレン出身地)からはだいぶ離れています。だいたいロンドンからローマくらいの距離ですよ。ホームGPに違いはありませんけどね。」

「仮に自分が15年間ヨーロッパに住んだとしても、フィリップ・アイランドを真っ先にホームGPとして数えると思います。ブリティッシュGPは自分にっとては2番目のホームレースです。あそこでは長い時間生活しましたし、友達もたくさんいますが、やっぱりホームGPはオーストラリアなんです。」

■畜産とトラクターも趣味の1つ?

ナンバー71のマシンを速く走らせたい24歳のMotoGPルーキーは、若者らしい趣味にも情熱を注いでいる。マウンテン・バイク、モトクロス、ヘビーメタル、改造してハイパワー化したクラッシクなホッドロッド車両などだ。なお、畜産とトラクターの運転も本人は趣味として申告しているようだが。

どうやら、このオージーボーイを海外に連れ出す事は簡単だが、オージーボーイの頭の中からオーストラリアを抜き取る事は不可能のようだ。

(リズラ・スズキMotoGP リリース)


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