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トップバトルに決着をつけたデ・アンジェリス
インテリマーク編集部
2006年9月11日

9月10日に行われたマレーシア・グランプリの250ccクラスにおける決勝レースでは、ポイントリーダーであるフォルツナ・アプリリアのホルヘ・ロレンソと、7ポイント差でランキング2位につけるヒューマンゲスト・ホンダのアンドレア・ドヴィツィオーゾという、僅差で年間タイトルをかけて争っている2名のライダーの熾烈なバトルが繰り広げられた。
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■ポールシッターのバルベラは転倒、博一選手はマシントラブル

ポールポジションを獲得していたロレンソのチームメイトであるエクトル・バルベラは2ラップ目に転倒リタイアを喫し、5ラップ目には先頭集団の中を走行していたKTMの青山博一選手が原因不明のマシン・トラブルによりスローダウンし、戦列を離れている。

続く6ラップ目には同じく先頭集団のロベルト・ロカテリが転倒して後退。この段階で勝負はロレンソとドヴィツィオーゾ、およびランキング4位につけるマステルMVAアスパルのアレックス・デ・アンジェリスとランキング3位の高橋裕紀選手の4名に絞られた。

■高橋選手は左腕に激痛
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また、鈴鹿8耐の事前テストで左腕を骨折後に初めてレースに復帰した高橋選手は、5ラップ目以降から左腕の痛みに苦しめられてペースを上げる事ができなくなり、デ・アンジェリスはタコ・メーターの故障により序盤のペースアップに苦しんだ事から、レース中盤以降の勝負はロレンソとドヴィツィオーゾによる一騎打ちの様相を呈していた。

■最後まで続くかに見えたロレンソとドヴィツィオーゾの一騎打ち

ドヴィツィオーゾはレース序盤には先頭に立ったものの、自身のミスによりロレンソに前を奪われ、その後は先頭のロレンソのスリップについて背後からのプレッシャーを与え続けた。逃げ切る事ができないロレンソの走りには焦りが色濃く現れ、先行きの見えない2台の争いは最終ラップまで続くかのように見えた。
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■トップ争いに決着をつけたデ・アンジェリス

しかしながら、15ラップ目に上位2名に追いついたデ・アンジェリスは、並走して右コーナーに飛び込んだ先頭2台のラインにイン側からクロスするかのように飛び込み、この結果、デ・アンジェリスとの衝突を避けるように左アウト側に逃げたドヴィツィオーゾは、コーナリングの勢いをなくしてデ・アンジェリスに前を奪われてしまう。

デ・アンジェリスからしばらく前を奪い返す事が難しい状況となったドヴィツィオーゾは、ロレンソから距離を広げられてしまい、次の周回にデ・アンジェリスを交わした後にロレンソとの距離を再び縮める事は不可能となった。

■優勝は逃げ切ったロレンソ

この結果、セパンで最初にチェッカーを受けたのは最後まで逃げ切り今期7回目の優勝を獲得したフォルツナ・アプリリアのホルヘ・ロレンソ。ヒューマン・ゲスト・ホンダのアンドレア・ドヴィツィオーゾは健闘もむなしく2位となり、2人のポイント差は12まで開いている。喜ぶロレンソとは対照的に、ドヴィツィオーゾの表彰台での表情は複雑だ。
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3位はマステルMVAアスパルのアレックス・デ・アンジェリスが獲得し、レース終盤は痛みに身体を震わせながら走ったというヒューマンゲスト・ホンダの高橋裕紀選手4位でチェッカーを受けている。
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この時点で、デ・アンジェリスは高橋選手を抜いてランキング3位となり、高橋選手はデ・アンジェリスと1ポイント差のランキング4位に後退した。

■関口選手は復帰2戦目にポイントを獲得

残る日本勢では、スタートに失敗したという青山周平選手6位を獲得し、大怪我から復帰しての2006年シーズン2戦目となったカンペテーラの関口太郎選手13位に入って今シーズン初のポイントを獲得した。

■上位4名のコメント

以下にレース終了後の上位4名のコメントを示す。

優勝)ホルヘ・ロレンソ SPA フォルツナ・アプリリア

自分が今までに経験した中では一番厳しいレースだったと思います。高温の環境とアンドレア・ドヴィツィオーゾとのバトルの両方でしたからね。
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勝つ事だけを考えていたので、精神的にはかなり辛かったです。ミスをしたらタイトル獲得への挑戦が終わってしまう可能性もあったわけですから。

集団を抜け出してなんとか先頭に立つ事はできましたが、ドヴィツィオーゾが全力で向かってくるのでレース運びはすごく難しいものになりました。最後の数周で逃げ切るのがやっとでしたが、この勝利のおかげでポイント差を広げる事ができましたので、今後も頑張り続けなければいけませんね。

今日のこの勝利を、早朝から起きて観てくれた全てのスペインのファンと、今日40歳の誕生日を迎えた自分のマネージャーであるダニ・アマトリアンに捧げたいと思います。

2位)アンドレア・ドヴィツィオーゾ ITA ヒューマンゲスト・ホンダ

今日は速いペースがつかめていたので、ロレンソと同じレベルで戦う事ができました。

でも、デ・アンジェリスにペースを崩されてしまい、ロレンソとの間隔を維持する上で大切だった数メートルの距離を奪われたんです。それ以降は彼に追いつく事ができなくなりました。
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こういう事が起こる可能性は前からあると思ってましたし、アプリリアのライダーなら仕掛けてきても不思議ではないでしょう。デ・アンジェリス本人は何も悪くありません。彼はやるべき事をやったにすぎませんからね。でも自分にとってみれば、あの追い越しは今回のレースでは致命的でした。

結果としては5ポイントを失っただけですが、本当なら、逆にその分のポイントを獲得できていた筈です。でも、まだタイトル争いは終わってないと信じています。

自分が勝つには、レースの序盤から逃げ切る必要があるんです。今日は自分の全力を振り絞ってトップを維持していました。他のライダーを自分とロレンソの間に入れないようにするには、それが一番正しい作戦ですからね。

少し後続との距離に余裕ができたので、そこからリズムをつかもうと頑張りましたが、小さなミスを犯してしまったためにロレンソにまた捕まってしまいました。

3位)アレックス・デ・アンジェリス RSM マステルMVAアスパル

今回はレース中にタコ・メーターが壊れるという変な問題が発生し、走りの感覚がつかめなくなっていました。
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そのせいで調子が上がらず、アンドレアとホルヘ(ロレンソ)に追いつくまでに時間がかかりました。

故障は自分のチーフメカニックが病気でここに来れなかった事が原因です。でも、ここではアプリリアが自分の希望通りのサポートをしてくれましたので、彼らには本当に感謝しています。

チームはすごく頑張っています。ランキングは3位に上がりましたので、最後までこのままのポジションをキープしたいですね。

4位)高橋裕紀 JPN ヒューマンゲスト・ホンダ

写真今回はかなり厳しいレースでした。自分が経験した中でも一番難しい状況だったと思います。

5周を過ぎたところで左腕が痛み始め、しばらくしたらストレートを走る時には腕を燃料タンクの上に乗せていなければならないような状態になりました。

状況は悪くなり続ける一方で、我慢しているうちに最後は身体が震えてきましたが、幸い後続のライダーとの差が開いていたので、なんとか4位でレースを終える事ができたので良かったと思います。


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