|
|
|
|
新エンジンに好感触を示す中野選手と、落胆するド・ピュニエ |
|
|
|
|
2006年9月8日
9月8日(金)、マレーシアのセパン・サーキットにてMotoGPクラス初日のフリー走行が、午前と午後の2回に渡り行われた。午前中のフリー・プラクティス1開始時の気温は29度、路面温度は32度、湿度は41%、午後のフリー・プラクティス2では路面温度が10度以上も大幅に上がり、気温は32度、路面温度は45度、湿度は30%となっている。
この日のトップタイムは、多くのライダーがセパンでの強敵として予想した通り、ブリヂストン・タイヤを履くドゥカティーのロリス・カピロッシ(2分01秒711)だ。
■初日はタイムを伸ばせなかったカワサキ勢
同じくセパンが得意だと言われるブリヂストン・タイヤを履き、新チューニングのエンジンを試して戦ったカワサキの中野真矢選手だが、この日は総合10番手タイムという結果に終わった。中野選手のチームメイトのランディー・ド・ピュニエも総合13番となっており、当初のカワサキのセパンでの期待通りの結果とは言えない1日となったようだ。
■新エンジンの効果は大、問題は最終調整
しかしながら、中野選手のセパンにかける意気込みは弱まる事がない。この日、中野選手は午前の最初に前回のブルノまでに使用していた古い仕様のエンジンを試し、セパンとカワサキZX-RRの相性に問題がない事を確認した直後、今回から導入された新しい仕様のエンジンに午前のセッション中に乗り換えている。
上限の出力が改善されてトップ・スピードが明らかに良くなった事から、セパンに大きい期待が持てるとする中野選手だが、この日初めて試したエンジンまわりのセッティングにはスロットル・レスポンスが低下するという問題があり、低速コーナーでタイムを伸ばす事ができなかったようだ。午後のプラクティスに向けて、中野選手はスタッフと共に点火タイミングの調整を続けたが、1日目の間に納得のいく調整は完成しなかったらしい。
■中野選手「明日は大丈夫」
中野選手は、セッティングさえ完了すればセパンで有利にレースウイークを過ごせると信じており、日本から来ているカワサキのスタッフと共に、翌日の予選までにマシンを完成させたいとしている。
「改良型のエンジンがここでは調子がいいです。確実にセパンの2本の長いストレートではトップ・スピード(最高速度)が上がっています。」と中野選手。
「ただ、今日はこのエンジンを2時間しか試せませんでしたので、まだ明日もいくつかの調整作業を続けなければいけません。今の段階では70%くらいの仕上がりですね。コーナー出口での出力がまだ過激すぎます。でも、明日コースに出ている時間中には、この傾向を改善できると思いますよ。」
「同時に、今日はシャシーバランスのチューニングも行いました。ブリヂストン・タイヤの選択と同じくらい、ここで走るには重要な事なんです。」
「温度がかなり上がりましたので、今日の午後のコンディションはかなり体力的に厳しかったです。それで午後のフリー・プラクティス中にタイムを伸ばす事ができなかったので、その点については今も少しがっかりです。」
■ブレーキ・トラブルに悩み、落胆するド・ピュニエ
ランディー・ド・ピュニエは、慣れ親しんだセパンで初日からの好成績を期待していたが、この日はブレーキ系のトラブルに見舞われ、安定したラップタイムを記録する事ができずに落胆している。2時間のセッションでは問題を解決できずに、レースのセッティングに向けてのデータ収集もままならなかったようだ。ド・ピュニエは、カワサキのスタッフの夜通しの作業により、2日目の朝までには問題が解決する事は間違いないとするものの、1日の遅れは大きいとコメントした。
「今日は自分の期待していた通りのレースウイークとは言えませんでした。」とド・ピュニエ。
「今朝のフリー・プラクティス序盤はマシンの感触が良かったのに、ペースを上げ始めたらフロントブレーキに問題が出るという変な現象に悩まされました。周回を重ねる度に制動力が安定しなくなったので、セパンのような高速サーキットを走るのには致命的です。」
「ラップタイムが安定しないので、セッティング作業を進めるのもおまけに難しくなりました。問題を解消しようとセッティングを何度も変更しましたがダメで、ここまでは全くうまくいってません。」
「スタッフがこの問題を解決してくれる事は間違いありませんが、どちらにしても今日1日のコースでの走行時間を無駄にした事に変わりはありません。明日にタイムを大幅に改善するのは難しくなるかもしれませんね。」
|
|
|
|
|
|
|
|
|