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2006年9月5日
MotoGPは再びヨーロッパの地を離れ、マレーシア、オーストラリア、日本の3連戦に突入する。大きな移動を伴う忙しい3連戦の最初の第1戦が、今週の金曜日の9月8日からセパン・サーキットで開催されるマレーシアGPだ。
■灼熱のセパンに向かうフォルツナ・ホンダ勢
最終戦のバレンシアまで緊迫したタイトル争いが展開されそうなシーズン終盤戦だが、ポイントリーダーであるレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンと現在40ポイント差のランキング4位につけるフォルツナ・ホンダのマルコ・メランドリにも、初の年間タイトル獲得の可能性はまだ十分にある。ランキング3位からの逆転優勝を狙うバレンティーノ・ロッシとメランドリの差は僅かに2ポイント差だ。
マルコ・メランドリとトニ・エリアスの2人のライダーが所属するフォルツナ・ホンダ・チームは、タイトル争いに弾みをつける上で重要となる灼熱のマレーシアGPに向けての準備を開始している。
■今年のラグナ・セカの経験から高温対策が進んだミシュラン
マレーシアのクアラルンプールにある熱帯の密林を切り開いて建築されたセパン・サーキットは、毎年高い気温と湿度に見舞われ、ライダーの体力を激しく消耗させる事で知られている。また、路面温度も高温となる事から、ライダーの体力だけではなく、タイヤの消耗も早い。
ミシュラン・タイヤのオートバイレース責任者であるニコラス・グベールは、それぞれのサーキットの特徴と路面温度に合わせて、タイヤは個別に製造されると述べる。
「コースレイアウトや路面の材質、およびライダーのライディング・スタイルは、タイヤを決定する上で最も重要な要素と言えます」とグベール。
「セパンは一日の間に路面温度が大きく変化します。午前中は40度前後ですが、午後には55度まで上昇します。」
また、タイヤに厳しいセパンでは、ライダーの走りの差がタイヤの消耗度合いに大きく影響するとグベールは言う。
「特に路面温度の高いセパンやラグナ・セカ、それにカタールでは、各ライダーのライディング・スタイルはタイヤの寿命に大きく影響します。これは特にレース序盤ですが、高熱がグリップ力を奪う中で、ライダーがいかにタイヤを滑らせ過ぎずに温存できるかにかかっています。」
ミシュランは、今年のラグナ・セカで60度前後の高い路面温度を経験した事により、当時のデータを分析してさらに高温対策を進化させる事に成功したという。フォルツナ・ホンダをはじめ、セパンを得意とするブリヂスト勢の活躍を恐れるミシュラン勢にとっては朗報に違いない。
ちなみに、今年の1月と2月に行われたセパンでのプレシーズン・テストでの路面温度は48度であり、これは今週末に予想される路面温度よりも約10度ほど低い。
■メランドリ「今年のセパンに向けてはバイクも体調も万全」
高温の気象条件とテクニカルなサーキットはライダーの体力を消耗するが、マルコ・メランドリのセパンに向けての体調は万全なようだ。マシンの仕上がりにも体力にも自信はあるとメランドリは語る。
「年間シーズンも終盤に突入しますから、これからは全てのレースに全力を尽くし、着実にこなしていく時です。」とメランドリ。
「またマレーシアでレースができるのは嬉しいです。いいサーキットであると同時にテクニカルで高速コーナーも多くありますから簡単なコースではありません。それにセパンはいつもすごく高温ですから、グリップがあまり得られず簡単に転びやすいんです。」
「ライダーの体調も1つの成功への鍵ですが、それについては自信があります。常にこのレベルのサーキットを前提に、モトクロス用のバイクでスーパーモタードをしたり、マウンテン・バイクを使って体力トレーニングをしていますからね。」
「これからの3レースは対照的な特徴を持つサーキットばかりですが、どれも好きですし、今からRC211Vで走るのが待ちきれません。」
「去年セパンに着いた時には足に35針縫う怪我をしていたので万全な体調ではありませんでしたが、今回はバイクのベース・セッティングも仕上がってるので自信があります。このセッティングは残りの他のサーキットでも役に立つと思いますよ。」
「セパンではタイヤ選択も、もう1つの成功の鍵です。」
■ブルノで改善したマシンに自信を示すエリアス
チェコGPでのレース後の2日間のテストで、トニ・エリアスはバイクのバランスを全体的に見直し、マシンに好感触を取り戻している。調子の良くなったマシンでセパンでの好成績を期待したいとエリアスはコメントしている。
「チェコでの2日間のテストは、バイクの挙動を分析して改善する上で重要でした。」とエリアス。
「ブレーキング時の重量配分を大きく見直し、いい方向性をつかめたと思っています。厳しい作業でしたが、成果にはつながってくれると思いますよ。」
「セパンは大好きなコースです。テクニカルですし、ハードブレーキングが必要な区間が所々にあります。チームとは頑張って作業を続けて、このレースからいい結果を残したいですね。」
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