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2006年9月4日
今週の9月8日(金)から開催されるMotoGPマレーシア・グランプリに向けて、各チームが準備を開始している。
ドゥカティー・マルボロ・チームは、来期のドゥカティーとの契約を済ませたばかりのロリス・カピロッシと、カタルーニャで骨折した鎖骨の再手術後の療養の為に前回のブルノGPを欠場したセテ・ジベルナウの2名のレギュラー・ライダーとともに、マレーシアのセパン・サーキットに戻ってくる。
■体調の回復した2名のライダー
カタルーニャのオープニング・ラップでの不幸な事故の影響により、シーズン中盤は2名のライダーの体調が整わなかったドゥカティー・チームだが、ドゥカティーのマシンとブリヂストン・タイヤが最も得意とするセパン・サーキットには、ようやく2名のライダーが万全な体調で揃う事になった。
ここでは、マレーシア・グランプリに向けてのドゥカティー・チームの公式コメント、およびセパン・サーキットの特徴について紹介する。
■世界一コース幅の広いサーキット
焼け付くような暑さと高い湿度になる事で有名なマレーシアGPは、ライダーには当然の事、マシンやピットレーンで働くメカニックにとっても挑戦しがいのあるグランプリだ。
セパンは、マレーシアのクアラルンプール国際空港に隣接する密林を切り開いて建設さたサーキットであり、初めてグランプリを招致したのは1999年の4月だった。以前にマレーシアGPの舞台となっていたシャー・アラム・サーキットとジョホール・サーキットは、セパン・サーキット建設以後はGPカレンダーから外れている。
セパンは現在のMotoGPカレンダーの中では最も長い全長を誇るだけではなく、コース幅については世界最大のサーキットだ。また、コーナーの種類がバラエティーに富んでおり、高速ストレートを持つ事から、テスト用コースとしても多く利用されている。
■ブリヂストンおよびドゥカティーと相性の良いセパン
実際、今年のプレシーズン中の1月と2月の合計6日間に、ほぼ全チームがセパンでテストを行っていた。この時に、ブリヂストンを履くドゥカティーのロリス・カピロッシとカワサキの中野真矢選手は、ドライとウェットの路面状況を問わず常にトップタイムをマークしており、今シーズンのブリヂストン勢の活躍に期待が寄せられていた。
また、プレシーズン中のテストだけではなく、ロリス・カピロッシは昨年のマレーシアGPではポール・トゥー・ウインを飾っており、ドゥカティーとブリヂストンにとっても相性の良いサーキットである事を証明している。ちなみに、前回のアメリカGP中に現地で開催されたモンテレー・クラッシクバイク・オークションにドゥカティーが出品したデスモセディチは、この時の優勝車両だった。
昨年のカピロッシのチームメイトのカルロス・チェカも、この時に3位表彰台を獲得している。ドゥカティー・チームとして最も高い成績を記録したのは昨年のセパンであり、当然の事ながら、チームは今シーズンのセパンにも高い期待を寄せている。
カピロッシの現在のチームメイトのセテ・ジベルナウにとっても、セパンは昨年にテレフォニカ・モビスター・ホンダのライダーとして2番グリッドを確保した得意のサーキットだが、決勝ではカワサキの中野真矢選手を巻き込む形で序盤にリタイアしている。
■残り5戦にかけるドゥカティー
ドゥカティー・マルボロ・チームは、ホンダ勢にリードされた今シーズンのランキング争いで最終戦までに上位に返り咲く事を目指し、得意とするサーキットが続く残り5戦にかけている。来週のマレーシアからは休みのない3連戦が日本GPまで続く為、チームは忙しいスケジュールに備えて現在準備中だ。
■カピロッシ「ランキングは意識せずに全力をつくすのみ」
現在のカピロッシの年間ランキングは、ポイントリーダーであるレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンから50ポイント差の5位につけている。ランキング2位のダニ・ペドロサからは25ポイント差、ランキング3位のバレンティーノ・ロッシには僅かに2ポイント差まで迫っている。
前戦のブルノで余裕の独走勝利を挙げたロリス・カピロッシは、セパンではレースタイヤの選択に集中したいと以下の通り語った。
「今回のセパンも、自分たちにとって大きな意味を持つレースウイークになるでしょうね。」とカピロッシ。
「みんな年間タイトルについて聞きたがりますが、まだそれについては話したくありません。今言えるのは、残りの5レースで全力をつくす事だけです。結果はその後で分かりますからね。」
「ブルノと同様に、セパンもブリヂストンとは相性のいいサーキットです。去年はポール・ポジションを取ってレースでは優勝するという最高の週末になりましたが、今年も同じ結果が残せるように頑張るつもりです。」
「セパンのコースはとても好きです。素晴らしいレイアウトですし、コース幅が広くて高速コーナーもいくつかありますから、走っていて楽しくて、同時にいいバトルもできるんです。もちろん気温はとても高いんですが、、走行中に自分はあまり暑さを気にしません。そのために厳しいトレーニングをつんでいますからね。」
「セパンで一番重要なのは、いいレースタイヤを選ぶ事です。セパンの高温とコースレイアウトはタイヤにとても厳しいですから、ブリヂストンと一緒に頑張ってレースに適したタイヤを探すつもりです。」
「これから何週間かは、自分やチームにかかわる全員にとって、とても楽しみな期間になると思いますよ。」
「それに2007年シーズンも今からすでに楽しみです。またドゥカティーで走れますからね!新しいGP7にはブルノで初めて乗りましたが、第1印象は悪くありませんでした。乗っていて楽しいし、すごい爆音なんです。もちろんまだ多くの作業は必要ですけどね。」
■レースへの復帰を喜ぶセテ・ジベルナウ
アメリカGP翌週に左の鎖骨の再手術を受けたセテ・ジベルナウは、事故から現在までにジベルナウの怪我の治療を担当している2名の医師による診察を8月30日に受け、マレーシアGPへの出場は全く問題のない回復状態である事を確認した。
レースに戻る事が楽しみで仕方ないとジベルナウはコメントしている。
「今回受けた検査では全ていい結果が得られましたし、最初の手術の後に左腕に力が入らなくなった原因も分かりました。」とジベルナウ。
「どうも神経に問題が出ていたみたいですが、特に新しい損傷箇所は見つかっていませんし、リハビリの分野で完全に解決できるものでした。今後チームとは可能な限り最適なハンドルの位置を調整したいと思います。」
「次のGPからレースに復帰できて本当に嬉しいです。気持ち的にも最高の状態でマレーシアに向かえると思いますから、ずっと親密な状態を保ってくれたチームには心から感謝しています。」
「セパンではプレ・シーズン中もテストしましたので、そのデータが役に立つと思います。ロリスは去年もあそこで勝っていますし、ブルノでの勝利の直後ですから、チームの気分は最高に高まっていますよ。またこのチームに戻れて本当に嬉しいです。」
「今からレースウイークに入るのが待ちきれませんよ!」
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