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2006年8月27日
ブリティッシュ・スーパーバイク選手権(BSB)の第10ラウンドが、8月13日にイギリスのノース・ヨークシャーにあるクロフト・サーキットで行われた。この日の14時から行われたレース1の天候は曇りで路面状況はドライ、16時から行われたレース2では雨が降り出し、路面状況はウェットとなった。
■前回のレースでポイントリーダーとなった清成龍一選手
前回の第9戦オールトン・パークでは、年間ランキングの上位に大きな変動が生じている。当時ランキング3位だったHMプラント・ホンダの清成龍一選手はオールトンで今期2度目のダブルウインを飾り、ポイントリーダーだったドゥカティーのグレゴリオ・ラビラがレース2をリタイアしてノーポイント、ランキング2位だったドゥカティーのレオン・ハスラムは両レースを清成選手の後ろで終えた。
この結果、今回のクロフト・サーキットでのレース開始時点のポイントリーダーは清成選手(274pt)となり、ランキング2位はレオン・ハスラム(269pt 写真左)、グレゴリオ・ラビラ(260pt 写真右下)は一気にランキング3位までその順位を落とした。
今回の第10ラウンドの2レースを含む残り8レースでは、僅差でポイントを争う上位3名の熾烈なチャンピオンシップをかけての戦い展開されそうだ。ポイントリーダーの清成選手にとってはBSB3年目にして初のタイトルがかかっており、残り全てのレースで強豪ドゥカティー勢を抑えたいところだろう。
■スターティング・グリッド
1列目ポールポジションは、ノックヒルに続き今期2回目のポールシッターとなったレッドブル・ホンダの19歳のライダーであるジョナサン・レア。2番グリッドはランキング2位につけるドゥカティーのレオン・ハスラム。レオン・ハスラムは表彰台を多く獲得してはいるものの、まだ今回の優勝は1度も経験していない。
3番グリッドはポイントリーダーであるHMプラント・ホンダの清成龍一選手。4番グリッドは前回のオールトン戦でランキング3位に後退したドゥカティーのグレゴリオ・ラビラ。
2列目5番グリッドはシーズン中盤から調子を取り戻し、第8戦のノックヒルで今回初の優勝を獲得したリズラ・スズキのシェーン・バーン、6番グリッドは今年の鈴鹿8耐で清成選手とMotoGPライダーの玉田誠選手が戦ったホンダ・ワークス・チームの第3ライダーとして登録されていたHMプラント・ホンダのカール・ハリス。
2列目7番グリッドには今年のSBKに2回のスポット参戦を果たしたバージン・モバイル・ヤマハのトミー・ヒル、8番グリッドにはホンダ・ストバルト・モーター・スポーツのマイケル・ルターがつけた。
■レース1 清成選手が序盤からトップ
今にも雨が降り出しそうな空模様の中、辛うじてドライ・セッションとなったレース1は全20周回。
レース1のオープニングラップを制したのは3番グリッドからスタートしたHMプラント・ホンダの清成龍一選手。スタートしてすぐに2番手につけた清成選手は、バックストレートでレッドブル・ホンダのジョナサン・レアを交わしてトップに立った。
清成選手の後ろには、2番手のジョナサン・レア、3番手にドゥカティーのレオン・ハスラム、4番手にドゥカティーのグレゴリオ・ラビラ、5番手にリズラ・スズキのシェーン・バーン、6番手にホンダ・ストバルト・モーター・スポーツのマイケル・ルターが続く。
■注意深く走行する清成選手を3台が一気に交わす
3ラップ目、清成選手はバックストレートでレア、ハスラム、ラビラの3台に交わされ4番手に後退したが、すぐにホームストレートでラビラを交わし3番手につけた。背後に清成選手につけられたハスラムが逃げる。
この時の順位は先頭からレア、2番手にハスラム、3番手に清成選手、4番手にラビラ。5番手のシェーン・バーンはラビラの2.5秒後方を走行。
6ラップ目、清成選手がハスラムを交わし2番手に。先頭をハイペースで飛ばすレアの0.5秒後方から清成選手が追い上げるが、レアは調子を落とさず快調にトップを走行している。
8ラップ目、ラビラがハスラムを交わし表彰台圏内に浮上。
■トップに戻り、レース後半を逃げ切る清成選手
9ラップ目、ここで先頭を行くレアがコーナーでミスをして大回りの走行ラインとなり、その内側を清成選手が通り抜け再びトップに立った。清成選手はペースを上げ、10ラップ目には後続と1.5秒以上の差が広がる。
レース折り返し地点の10ラップ目、順位は先頭から清成選手、1.5秒後方に2番手のジョナサン・レア、3番手にグレゴリオ・ラビラ、4番手にレオン・ハスラム、その6秒後方に5番手のシェーン・バーンが続いた。
16ラップ目、4番手のレオン・ハスラムが3番手のチームメイトであるラビラを激しい追い上げてファーステストを記録するが、ラビラの前に出る事はできない。ドゥカティー2台の激しい3位争いは最終ラップまで続き、3番手のラビラと4番手のハスラムの間隔は0.2秒のまま変わらない。
■前回のダブルウインに続き優勝
20ラップを終えて最初にチェッカーを受けたのはHMプラント・ホンダの清成龍一選手。その1秒遅れで2位表彰台を獲得したのはレッドブル・ホンダのジョナサン・レア、3位は最後までチームメイトのハスラムに前を譲らなかったドゥカティーのグレゴリオ・ラビラ。
ドゥカティーのレオン・ハスラムは、トップの清成選手とのタイトル争いを考える上では厳しい4位でレース1を終える結果となった。5位にはリズラ・スズキのシェーン・バーン。
■レース2 マイケル・ルターが序盤をリード
レース2開始までには雨が降り出し、路面はドニントン・パーク以来の完全なウェット状態となった。レース2は全18周回。
オープニングラップを制したのは、8番グリッドからスタートしたホンダ・ストバルト・モーター・スポーツのマイケル・ルター。2番手はドゥカティーのグレゴリオ・ラビラ、3番手にはHMプラント・ホンダの清成龍一選手がつけた。4番手はバージン・モバイル・ヤマハのトミー・ヒル、5番手は清成選手のチームメイトのカール・ハリス。
■ハスラムはスタートに失敗し11番手に後退
ドゥカティーのレオン・ハスラムはスタートに失敗し11番手まで後退し、カール・ハリスはすぐにトミー・ヒルを交わし4番手に浮上。トミー・ヒルは序盤にペースが上げられず、そのまま先頭集団から離れていく。
3ラップ目、ルターが先頭で2番手のラビラに追われる中、清成選手はカール・ハリスに交わされ4番手に後退。その0.5秒後方には5番手につけるレッドブル・ホンダのジョナサン・レア、さらに1秒後ろには6番手まで順位を回復したレオン・ハスラムが激しい追い上げを見せている。
■カール・ハリスがトップに立ち猛チャージを開始
4ラップ目にカール・ハリスはラビラから2番手を奪い、続けて5ラップ目にはルターからも前を奪ってトップに立った。ラビラはハリスを追ってルターの前を奪い2番手に。
6ラップ目、ハスラムは清成選手を交わして4番手に浮上し、清成選手は5番手に後退した。この時の順位は先頭からハリス、2番手にラビラ、3番手にルター、4番手にハスラム、5番手に清成選手。清成選手の3秒後方にはホンダ・ストバルト・モーター・スポーツのマイケル・ラバティーと、リズラ・スズキのシェーン・バーンが走行している。
■順調に追い上げるハスラム
8ラップ目、序盤に先頭を走っていたルターは極端に順位を落とし7番手まで後退。これにより、ハスラムは3番手、清成選手は4番手に。シェーン・バーンはラバティーを交わして5番手に順位を上げた。
トップのカール・ハリスが後続を引き離して逃げる中、3番手のレオン・ハスラムは前を行く2番手のグレゴリオ・ラビラへの攻撃を開始。
12ラップ目、ハスラムがラビラを交わして2番手に浮上した頃、先頭のカール・ハリスは2番手のハスラムとの差を8秒まで広げていた。ここからハスラムはファーステストを記録しながらトップのハリスを追いかけ始める。
■ペースの伸びない清成選手をバーンが交わす
ペースの上がらない清成選手はシェーン・バーンに捕らえられ、13ラップ目にはバーンに交わされ5番手に後退。バーンは4番手に順位を上げた。
ハスラムは12ラップ目から最終ラップまでの間、1周につき1.4秒ずつハリスとの差を縮める事に成功し、最終ラップ突入時に先頭の2台の差は0.1秒差となった。
■ハスラムが最終ラップでハリスを交わして今期初優勝
最終ラップ、レオン・ハスラムは背後からカール・ハリスへの激しいアタックを開始。ハリスはハスラムの攻撃をかわし続け、最終コーナーに2台は並んで飛び込んだが、0.09秒差で最初にチェッカーを受けたのはドゥカティーのレオン・ハスラムだった。
2位はHMプラント・ホンダのカール・ハリス、3位にはハスラムのチームメイトであるグレゴリオ・ラビラが飛び込み表彰台を獲得した。4位はリズラ・スズキのシェーン・バーン、HMプラント・ホンダの清成龍一選手はレース2を5位で終えている。
この時点での年間ランキングは、トップが310ポイントの清成龍一選手、2位が307ポイントのレオン・ハスラムとなり、その差は僅か3ポイントだ。ランキング3位はグレゴリオ・ラビラの292ポイント。
■清成選手「大雨は嫌い」
クロフト・サーキットでの第10ラウンドを優勝と5位で終えた清成選手は、以下の通りコメントしている。
「レース1の開始時は路面が少し湿っていましたが、いい結果でしたね。」と清成選手。
「一箇所で少し注意深く走りすぎて他の3人に抜かれてしまいましたが、その後はとにかく集中して走り、順位を取り戻す事ができました。」
「レース2はあんまりいい結果じゃないです。大雨は嫌いですよ。」
■BSB第10ラウンド結果
以下にBSB第10ラウンド、クロフト戦の10位までの結果を示す。
−BSB第10戦クロフト レース1−
1, 清成龍一 (HM Plant Honda) 27m23.430s
2, Jonathan Rea (Honda) +0.947s
3, Gregorio Lavilla (Ducati) +2.132s
4, Leon Haslam (Ducati) +2.339s
5, Shane Byrne (Suzuki) +19.107s
6, Michael Rutter (Honda) +25.601s
7, Tommy Hill (Yamaha) +37.520s
8, Craig Coxhell (Kawasaki) +38.093s
9, Steve Plater (Suzuki) +38.838s
10, Karl Harris (HM Plant Honda) +39.410s
−BSB第10戦クロフト レース2−
1, Leon Haslam (Ducati) 26m57.266s
2, Karl Harris (Honda) +0.090s
3, Gregorio Lavilla (Ducati) +13.712s
4, Shane Byrne (Suzuki) +15.954s
5, 清成龍一 (Honda) +23.642s
6, Michael Rutter (Honda) +25.553s
7, Michael Laverty (Honda) +26.782s
8, Peter Hickman (Kawasaki) +43.486s
9, Glen Richards (Honda) +45.633s
10, Craig Coxhell (Kawasaki) +49.399s
−ポイント・ランキング−
1, 清成龍一 (Honda) 310pts
2, Leon Haslam (Ducati) 307pts
3, Gregorio Lavilla (Ducati) 292pts
4, Shane Byrne (Suzuki) 198pts
5, Jonathan Rea (Red Bull Honda) 176pts
6, Karl Harris (Honda) 175pts
7, Michael Laverty (Honda) 139pts
8, Michael Rutter (Honda) 138pts
9, Tommy Hill (Yamaha) 127pts
10, Glen Richards (Honda) 87pts
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