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ドヴィツィオーゾ、タイトル獲得はあきらめない
インテリマーク編集部
2006年8月26日

8月20日(日)、チェコ共和国のブルノ・サーキットにおいてMotoGP250ccの決勝レースが行われた。この日の天候は晴れ、250cc決勝レース中のコンディションとして気温23度、路面温度32度、湿度22%が記録されている。
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今回のレースを含めてシーズン残り6戦となった250ccクラスだが、最も注目されるのは、現在のポイントリーダーであるフォルツナ・アプリリアのホルヘ・ロレンソと、シーズン前半はポイントランキングのトップに位置づけていたヒューマンゲスト・ホンダのアンドレア・ドヴィツィオーゾが争う年間タイトルの行方だろう。

■注目のタイトル争いの行方

写真ドイツGP終了時点のロレンソとドヴィツィオーゾの総合ポイントは僅か2ポイント差だが、この時点の流れとしてはアプリリア・ワークスマシンを駆るロレンソの方が優勢と言えるかもしれない。

シーズン前半のトルコGPとフランスGPにかけては予選やレースでの転倒が続き、2戦をノーポイントでレースを終えた事から、しばらくはロレンソのライバルであるドヴィツィオーゾにとって有利なシーズン序盤戦となったが、イタリアGPを境にロレンソは調子を取り戻し、中盤戦から後半戦の突入に向けて一気にポイントリーダーに返り咲いた。

写真開幕当初からホンダ250ccのエンジンパワーが今年のアプリリア・ワークス勢と比べて不利だと訴え続けていたドヴィツィオーゾは、最近では直接的にマシンの差を口にする回数は減ったものの、ストレートで毎回確実にドヴィツィオーゾに並びかけて追い抜きをかけるロレンソと、各コーナーでリスクの高いハードブレーキングで追い抜きをかけるドヴィツィオーゾのライディング・スタイルからは、2人のマシン条件の違いがうかがい知れる。

安定してミスをする事が少ないドヴィツィオーゾだが、ロレンソもシーズン中盤以降はミスが全く目立たなくなっており、ドヴィツィオーゾにとって厳しい残り6戦になる事は間違いなさそうだ。

■世界から注目を集める今年の日本勢の活躍

写真今年の250ccは日本勢の活躍が目立つ。プレシーズン中の大方の予想は、今シーズンはアプリリア勢が圧倒的優位に立つというものだったが、アプリリアのロレンソに次ぐランキング2位はホンダのドヴィツィオーゾであり、それに続くランキング3位は、今期2回の優勝を果たし、世界中からの注目を集めるようになった高橋裕紀選手だ。高橋選手もヒューマンゲスト・ホンダ・チームのドヴィツィオーゾのチームメイトとして、ホンダのマシンで今期を戦っている。

写真また、ドイツGPまでに1度の優勝を含む今期3回の表彰台を獲得しているKTMの青山博一選手は、アプリリアを駆るランキング4位のアレックス・デ・アンジェリスに続く5位につけており、250ccに参戦して2年目のKTMのマシンをここまで高い戦闘力に仕上げた彼の実力に改めて世界の注目が集まっている。

写真博一選手の弟であるレプソル・ホンダの青山周平選手も、世界GPデビュー・イヤー5戦目にして表彰台を獲得した事や、毎回上位バトルに加わりアグレッシブな走りを見せる事から、1年目にしてその実力が高く評価されるようになった。

尚、高橋裕紀選手は7月19日に鈴鹿8耐の事前テストで左腕を骨折しており、日本でリハビリを継続するために今回のチェコGPには参加しないが、9月10日のマレーシアGPには問題なく復帰できる事をチームは公式発表している。

■関口選手もGPに復帰

今期の活躍が期待されていた元ヨーロッパ250ccチャンピオンの関口太郎選手は、開幕戦ヘレスの第1予選で昨年に引き続き大怪我を負い、初戦から前回のドイツGPまでの10レースを欠場するという厳しいシーズンとなったが、今回のチェコGPからついにレースへの復帰を遂げた。

まだ足の状態が完全ではない事から、今回のフリー走行や予選では自身の体調を確認しながら無理せず走行した関口選手だが、彼の所属するカンペテーラ・レーシング・チームは関口選手のGPへの復帰を心から喜んでいる。

■ロレンソは来期もアプリリア・ワークスから250ccに参戦

アプリリア・レーシングの公式発表によれば、ホルヘ・ロレンソはアプリリア・ワークスとの契約を2007年まで更新している。アプリリアはロレンソの今期の活躍と圧倒的な勝利の挙げ方を称え、来期もロレンソとチームが組める事についての喜びを伝えている。

■スターティング・グリッド

1列目、ポールポジションはフォルツナ・アプリリアのホルヘ・ロレンソ2番グリッドはヒューマンゲスト・ホンダのアンドレア・ドヴィツィオーゾ3番グリッドはKTMの青山博一選手4番グリッドはフォルツナ・アプリリアのエクトル・バルベラ
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2列目5番グリッドはマステルMVAアスパルのアレックス・デ・アンジェリス、6番グリッドはレプソル・ホンダの青山周平選手、7番グリッドはチーム・トースのロベルト・ロカテリ、8番グリッドにはカルディオンABモーターのヤコブ・シュムルツがつけた。

久しぶりのレース出場となるカンペテーラ・レーシングの関口太郎選手は6列目24番グリッドからのスタートとなった。

■レース開始、ドヴィツィオーゾと青山博一選手が好スタート

シグナルが消え、一斉に各マシンが1コーナーに向かう中、ひときわ鋭い加速で前に飛び出したのはアンドレア・ドヴィツィオーゾと青山博一選手の2台だ。
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博一選手はドヴィツィオーゾの前に出るとそのままホールショットを奪い、それにドヴィツィオーゾ、アレックス・デ・アンジェリス、ホルヘ・ロレンソが続いた。1コーナー途中でロレンソはデ・アンジェリスを交わして3番手に浮上。

■オープニングラップでトップに立つ青山博一選手

1コーナーから順に、先頭はKTMの博一選手、2番手にヒューマンゲスト・ホンダのドヴィツィオーゾ、3番手にフォルツナ・アプリリアのロレンソ、4番手にマステルMVAアスパルのデ・アンジェリス、5番手にレプソル・ホンダのマルティン・カルデナス、6番手に同じくレプソル・ホンダの青山周平選手、7番手には今回アプリリア・ワークスからスポット参戦しているアレックス・デボン、8番手にはチーム・トースのロベルト・ロカテリ、9番手にフォルツナ・アプリリアのエクトル・バルベラが走り抜けた。
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11コーナー付近でドヴィツィオーゾが青山博一選手を交わして先頭に立ち、博一選手が2番手に後退する中、デ・アンジェリスはロレンソを抜き返して3番手に。そのままデ・アンジェリスは最終シケインで博一選手とドヴィツィオーゾの2台も交わしてトップに立った。シケイン出口でロレンソはドヴィツィオーゾを交わして3番手に。

■目まぐるしく順位を入れ替えるトップ4台、先頭はデ・アンジェリス

2ラップ目、先頭からデ・アンジェリス、2番手の博一選手、3番手のロレンソ、4番手のドヴィツィオーゾがホームストレートを加速し、その後ろからカルデナス、周平選手、デボン、ロカテリ、バルベラ、シモンチェリが続いた。

コース第1区間でロレンソは博一選手を交わして2番手に浮上。続いてドヴィツィオーゾが博一選手とロレンソを交わして2番手となり、先頭を行くデ・アンジェリスの後ろにつける。

最終コーナーでロレンソはドヴィツィオーゾを交わして再び2番手に順位を戻した。

青山博一選手のチームメイトであるKTMのマヌエル・ポッジャーリはメカニカルトラブルでピットイン、そのままリタイアした。

■ロレンソがトップに

3ラップ目の6コーナー、ロレンソはデ・アンジェリスの前を奪いついに先頭に立った。博一選手は2番手を走行するドヴィツィオーゾの前に出ようとインへの飛び込みをうかがうが前には出られない。

先頭集団はロレンソ、デ・アンジェリス、ドヴィツィオーゾ、青山博一選手の4台となり、5番手を走行するカルデナスは徐々に先頭の4台から離され、カルデナスの背後には6番手のロカテリ、7番手のバルベラ、8番手の周平選手がつけている。

コース後半、デ・アンジェリスがロレンソのインを奪い再びトップに立ち、2台は熾烈に前を奪い合う。3番手を走行していたドヴィツィオーゾは11コーナー付近でロレンソの前を奪い2番手に。ロレンソは3番手に後退した。

最終コーナーで4番手の博一選手がドヴィツィオーゾの前に割り込もうとするが、3番手のドヴィツィオーゾはブレーキングでこれを阻止。

■先頭を奪い合うロレンソとデ・アンジェリス
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4ラップ目のストレートでロレンソはデ・アンジェリスの前に出て先頭に立ち、ドヴィツィオーゾは1コーナーで深いブレーキングでデ・アンジェリスから前を奪い2番手に順位を上げた。デ・アンジェリスは3番手に後退し、その後ろに4番手の青山博一選手がつける。

3番手のデ・アンジェリスが前方のドヴィツィオーゾと絡む中、順調にポジションを上げてきたロカテリはカルデナスを交わし、博一選手の後ろとなる5番手を走行している。博一選手は最終コーナー立ち上がりでリアタイヤをゼブラ・ゾーンに乗り上げ、砂煙をあげながら加速していく。

5ラップ目、ホームストレートを先頭のロレンソ、2番手のドヴィツィオーゾ、3番手のデ・アンジェリス、4番手の博一選手、5番手のロカテリ、6番手のカルデナス、7番手のバルベラ、8番手の周平選手が加速する。

■デ・アンジェリスは火花を散らしてリタイア

この時1コーナーで、ドヴィツィオーゾを追いかけマシンを傾けながら3番手を走行していたデ・アンジェリスがスライドしながら転倒。火花を散らしながらデ・アンジェリスのマシンは起き上がる事なくコースアウトし、グラベルに直行した。

デ・アンジェリスは必死にマシンを起こそうとしたが、ここでレースの継続を断念し、リタイアした。

デ・アンジェリスの脱落後、2番手のドヴィツィオーゾは先頭のロレンソのマシンに密着するように走行。3番手となった博一選手がこの2台に続き、先頭集団は3台となった。

■逃げるロレンソと追いすがるドヴィツィオーゾ

6ラップ目、ロレンソはドヴィツィオーゾを引き離すようにペースを上げるが、後続の2台がこれに追いすがる。ロレンソ、ドヴィツィオーゾ、博一選手の3台は、均等に0.2秒間隔ほどの距離を保っている。

7ラップ目、2番手のドヴィツィオーゾは先頭のロレンソとの距離をつめ、博一選手がこれに若干引き離された。この時の順位は先頭からロレンソ、2番手にドヴィツィオーゾ、3番手に博一選手、4番手にロカテリ、5番手にカルデナス、6番手にバルベラ、7番手に周平選手、8番手にデボン。

■ドヴィツィオーゾがトップに
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3コーナーでドヴィツィオーゾはロレンソのインに鋭く飛び込み、ロレンソから先頭を奪い取った。トップ3台の差は再び縮まり、ドヴィツィオーゾ、ロレンソ、博一選手の間隔は均等に0.1秒程だ。

8ラップ目、各コーナーのブレーキングでトップのドヴィツィオーゾは背後のロレンソを引き離そうとややリスクの高いコーナリングを見せるが、ロレンソは安定した走りでそれを追っている。

3番手の博一選手が12コーナー出口で2番手のロレンソに並びかけるが、前には出られない。

■ブレーキングで先頭を死守するドヴィツィオーゾ
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9ラップ目のホームストレート、ロレンソはドヴィツィオーゾに並びかけて一瞬前に出るが、ドヴィツィオーゾは1コーナーのブレーキングでロレンソからの追い抜きを阻止した。

10ラップ目、4コーナーからのダウンヒルで博一選手はロレンソに並びかけ、そのまま前を奪って2番手に浮上。ドヴィツィオーゾ、博一選手、ロレンソの3台が隙間なく1列に並んで加速していく。

最終コーナーでロレンソのマシンはイン側を攻めすぎてゼブラゾーンに乗り上げた。砂煙をあげて激しく暴れるマシンをロレンソは押さえつけながらホームストレートに向かう。

■突然トップ集団に加わるロカテリ

11ラップ目のストレート、ロレンソはドヴィツィオーゾに並びかけてトップを奪った。博一選手も先頭のロレンソに続きドヴィツィオーゾの横に並びかけて2番手に。

先頭の3台が1コーナーに向かう中、突如として後方から4番手のロカテリが激しい追い上げを見せてトップ集団に加わり、1コーナーに飛び込もうとするドヴィツィオーゾのインに強引に飛び込んだ。

ここでロカテリは一気に3番手に浮上。強引だった事を謝るジェスチャーを、ロカテリは後方4番手となったドヴィツィオーゾに送っている。3コーナーに入ると、すぐにドヴィツィオーゾはロカテリのインを奪い3番手に浮上。4コーナーまでの折り返しでロカテリがドヴィツィオーゾに外側かぶせるように対抗するが、順位は変わらない。

■ロレンソと博一選手の熾烈なトップ争い
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12ラップ目のストレート、ロカテリはドヴィツィオーゾに並びかけてまたも3番手に浮上。先頭のロレンソと青山博一選手は並んで1コーナーに飛び込んだが、先に2コーナーに折り返したのはロレンソだ。

博一選手が激しくトップのロレンソのインを狙う中、ドヴィツィオーゾはロカテリからコーナーで3番手のポジションを奪い返し、この間に開いてしまった2番手の博一選手との差をうめようと加速していく。

■5位争いに加わる周平選手

4番手のロカテリの約11秒後方では、5番手のデボン、6番手のカルデナス、7番手のバルベラ、8番手の周平選手の4台が激しく5位争いをしている。バルベラはカルデナスのインを奪い6番手に浮上。

この時の順位は先頭からロレンソ、2番手に博一選手、3番手にドヴィツィオーゾ、4番手にロカテリ、その11秒後方の5番手にデボン、6番手にバルベラ、7番手にカルデナス、8番手に周平選手が続いた。
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■ロカテリが後退

13ラップ目、ペースを維持できなくなった4番手のロカテリが、3番手のドヴィツィオーゾから約2秒引き離された。

6番手のバルベラがデボンから前を奪おうと激しく1コーナーに飛び込むが、デボンはこれを阻止。

14ラップ目、先頭のロレンソの背後につける2番手の博一選手から3番手のドヴィツィオーゾまでの差が1秒まで開いた。ドヴィツィオーゾは前の2台との差を縮める事ができない。4番手のロカテリはドヴィツィオーゾの3秒後方まで下がり、単独走行に入った。

最終コーナーでは5位を争う第2グループの4台が絡み合い、マシンを揺らしながら激しくコーナーから抜けたバルベラは5番手に。周平選手は6番手、デボンは7番手、カルデナスは8番手となった。

■ペースを維持できなくなるデボン

デボンはこの最終コーナーでのバトル後、突如としてペースを落とし始める。

15ラップ目、先頭のロレンソと2番手の博一選手が1コーナーを奪い合い、その1.13秒後から3番手のドヴィツィオーゾが1コーナーに飛び込む。

アレックス・デボンは5位争いのグループについていけなくなり、7番手となったカルデナスの3秒後方まで後退した。

■逃げ切り体制に入るロレンソ
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16ラップ目、先頭のロレンソがペースを上げ、2番手の青山博一選手が徐々に追走できなくなる。ロレンソは博一選手を0.8秒引き離し、逃げ切りの体制に入る。3番手のドヴィツィオーゾはペースを変える事なく2番手の博一選手から1秒後方を走行。

4番手を単独走行するロカテリの13秒後方の3台は激しく前を奪い合っている。バルベラを交わした周平選手は5番手、バルベラは6番手に後退した。7番手のカルデナスはバトルする周平選手とバルベラの背後につけている。この時、8番手のアレックス・デボンはカルデナスの6秒後方を走行。

■博一選手に追いつけないドヴィツィオーゾ

17ラップ目、トップのロレンソと2番手の博一選手の差は1.5秒まで広がった。博一選手と3番手のドヴィツィオーゾとの差は1秒のまま全く変わらない。
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4番手を単独走行するロカテリの1.5秒後方には5番手の周平選手が迫り、その背後から6番手のバルベラが何度もアタックをかけている。7番手のカルデナスは徐々にバルベラから引き離され始めた。

18ラップ目、2番手の博一選手を2.3秒引き離した先頭のロレンソが単独走行に入る中、3番手のドヴィツィオーゾは博一選手との差を若干縮め始めた。博一選手とドヴィツィオーゾの2台の差は0.8秒。
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■周平選手を終盤に交わすバルベラ

残り2周の19ラップ目、ホームストレートを先頭からロレンソ、2.7秒後方に2番手の青山博一選手、その0.8秒後方に3番手のドヴィツィオーゾが加速して通り抜ける。ドヴィツィオーゾの10秒後方にロカテリ、その14秒後方に青山周平選手、その0.2秒後方の真後ろにはバルベラ。

バルベラは周平選手を交わし、5番手のポジションで最終コーナーに飛び込んだ。周平選手は6番手に。
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ファイナルラップ、先頭のロレンソはハイペースを維持したまま2番手の博一選手との差を2.7秒に保っている。3番手のドヴィツィオーゾは博一選手の0.5秒後方まで迫ったが、劇的に差が縮まる様子はない。

写真■優勝はロレンソ、博一選手は2位を確信して最終コーナーに

ロレンソの逃げ切りが確実になる中、コース後半の11コーナーで3番手のドヴィツィオーゾは必死に2番手を行く博一選手を追いかけるが、差はあまり縮まる事なく、そのまま余裕を持って博一選手は最終シケイン入り口にドヴィツィオーゾを抑えて飛び込んだ。

フォルツナ・アプリリアのホルヘ・ロレンソが今期6度目の優勝を飾ってコントロールラインを抜けた頃、最終シケイン折り返しの左コーナーで突然ドヴィツィオーゾは鋭く早めに切り返し、そのままスロットルを開けるという直線的なコーナリングを見せた。

■最後に予想外のコーナリングを見せたドヴィツィオーゾが逆転2位

この結果、いつも通りのラインで最終コーナーを立ち上がろうとした博一選手の内側には、0.5秒近く後方を走行してい筈のドヴィツィオーゾが突然真横に並びかけた。慌てた博一選手はすぐに加速体制を取ったが、コントロールライン目がけて全開加速中のドヴィツィオーゾには追いつけない。2位チェッカーを受けたのはヒューマンゲスト・ホンダ・チームのアンドレア・ドヴィツィオーゾだ。
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KTMの青山博一選手はドヴィツィオーゾから0.017秒差で3位チェッカーを受け、今期4度目となる表彰台を獲得した。

4位にはチーム・トースのロベルト・ロカテリ、5位はフォルツナ・アプリリアのエクトル・バルベラ、レプソル・ホンダの青山周平選手は6位でチェッカーを受けた。カンペテーラ・レーシングの関口太郎選手はGP復帰戦を17位で終えている。

■青山博一選手はランキング4位に

ポイントランキングは1位がホルヘ・ロレンソ(199pt)、ランキング2位がアンドレア・ドヴィツィオーゾ(192pt)と順位は変わらず、2人のポイント差は7に開いた。ランキング3位は今回欠場した高橋裕紀選手(133pt)。

青山博一選手(132pt)は今回の表彰台とアレックス・デ・アンジェリスのノーポイントによりランキングが4位に浮上し、デ・アンジェリス(131pt)はランキング5位に後退した。

■2位は逃したが笑顔の博一選手

ドヴィツィオーゾが嬉しそうに手を振りながら走る横で、青山博一選手は身動きせずにゆっくりと前に進んでいたが、すぐに博一選手は気を取り直したように、周りの観客に向けて手を振り始めた。
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パルクフェルメではロレンソがカメラに向かって叫び声を上げ、その後は堂々とした態度で歩きながらチームからの祝福を受けている。青山博一選手は笑顔が溢れるチームスタッフの中に飛び込み、本人も満面の笑みを見せている。

ドヴィツィオーゾとロレンソは、2人とも落ち着いた様子で握手を交わした。
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■各ライダーのコメント

以下にレース後の各ライダーのコメントを示す。

優勝)ホルヘ・ロレンソ SPA フォルツナ・アプリリア

写真夏休みを過ぎると調子を落とす事が多かったので、今回の優勝はすごく嬉しいです。以前は予選やレースで急に目立たなくなったりしていました。

レース序盤は難しい展開でしたね。何人かのライダーが自分を抜こうと必死なので危険な感じがしました。それに何より、リアタイヤが少し滑っていたので自分の望む速さで走る事ができなかったんです。

でも、レース中盤には先頭に立って走れるようになり、2分3秒5のペースが維持できるようになって後続との差を広げられました。そこからは何の危険もなく単独走行ができています。

素晴らしいセッティングをバイクに施してくれたチームに感謝したいです。エンジンも最高でしたし、目標に向かってまた一歩前進した感じです。

2位)アンドレア・ドヴィツィオーゾ ITA ヒューマンゲスト・ホンダ

2位と3位では獲得できる点数が4ポイントも違いますから、今回の結果はチャンピオンシップを考える上で本当に重要だったと思います。

このコースは自分たちにとっては苦手な部類ですが、アプリリアとの相性はすごくいいんです。ロレンソに勝つには接近戦に持ち込む以外に方法がありませんでしたが、ロカテリに捕まって前に出られた時にトップとの差が開いてしまい、そこからはどうする事もできませんでした。
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今回の結果は喜ぶべきでしょうね。あとはもてぎとかエストリルみたいに、自分たちの得意なサーキットを楽しみにしてます。

2位はいい結果には違いありませんし、貴重なポイントも最終コーナーで稼ぎました。でも、2位ではなく勝ちたかったので、正直心から満足はしていません。

最終コーナーでは激しいブレーキングで青山との距離を縮めて、スピードもできる限り維持しようと考えていましたが、まさか最終ラップで抜けるとは思ってもいませんでした。あそこまで近づくと彼は予想してなかったんでしょうね。

まだ年間タイトルの可能性はありますし、絶対あきらめません。差はまだ7ポイントだけですし、チームはすごく頑張っていますからね。シャシーの状態を考えても戦闘力は常に高いです。

3位)青山博一 JPN レッドブル・KTM

スタートがうまくいったのでそのままレースをリードしようと思ったのですが、デ・アンジェリスのライディングが攻撃的だったので、抜かれた時にはちょっと彼から距離を取っておかなきゃいけないと思いました。安全な方法で抜き返しましたけどね。
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彼が転んでからは前との差を詰めようと頑張りましたが、十分に差を縮める事はできませんでした。

マシンの調子はすごく良かったです。今回から新しい燃料噴射システムを導入したんですが、それがとても好調でした。調整作業はもう少し必要ですけど。

いい仕事をしてくれたチームのみんなに感謝したいです。

5位)エクトル・バルベラ SPA フォルツナ・アプリリア

写真難しいレースでした。良かったのは完走できた事くらいです。

今週末はセッティングに問題が多くて、それを解決する事ができていません。スロットルを開けるとリアが暴れまくるし、転ばないようにするのに必死でした。

午前中のウォームアップでもセッティングを変更しましたが、特にいい効果は得られていません。

トップ集団で走れるレースは楽しいけど、後ろの方でバイクと格闘しながらレースするのは退屈だし、時間も長く感じます。

エンジンの調子自体はいいので、マレーシアではバイクのセッティングを改善したいです。特にシャシーとタイヤが今の課題です。

6位)青山周平 JPN レプソル・ホンダ

写真あまり嬉しい結果じゃありません。

スタートが良くなくて、最初は自分の思い通りにプッシュする事ができませんでした。あまりいい感触が得られてなかったので、転ぶのは避けたかったんです。

今回の目標はレースを完走する事だったので、序盤から飛ばす事もできませんでした。

自分のペースがつかめてからは第2集団の中でポジションを維持しようとしましたが、最後は引き離されてしまい、追いつけなくなりました。

もっと上の結果を期待していたので、あんまり満足していません。

17位)関口太郎 JPN カンペテーラ・レーシング

レースを完走できてとても嬉しいです。

バイクの状態は全て整っていたので、次のグランプリに向けては自分の体調が良くなるよう願っています。もっといい結果が残せるようになりますからね。

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(写真提供:motogp.com)

DNF)アレックス・デ・アンジェリス RSM マステルMVAアスパル

写真今回のレースについてはあまり言う事がありません。

週末を通して頑張りましたが、最後までいい状態にはなりませんでした。予選の順位は悪くなくても、タイム的には離されていましたから、レースでトップと同じペースで走るのは無理があったと思います。

スタートはすごくうまくいったので2周くらいは速く走る事ができましたが、そのうちに全体のペースが上がってきました。今回はライン取りに自信があったので残念です。

今はもう次のレースでいい結果を残す事を考えています。


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