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チェコGP初日 予選の練習を開始するロッシ
インテリマーク編集部
2006年8月19日

3週間のオフウイークが終わり、MotoGPの第12ラウンドであるチェコGPが、8月18日の金曜日にチェコ共和国のブルノ・サーキットにて開催された。

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グランプリ初日のこの日、午前中には全クラスのフリー走行1、午後にはMotoGPクラスのフリー走行2と、125ccクラスおよび250ccクラスの第1予選が行われている。

毎年天候が不安定になる事で知られるブルノだが、夏休みが明けたばかりのサーキットには明るい陽射しが降り注ぎ、終日を通して気温は25度から28度という過ごしやすい1日となったようだ。1日目の全セッションにはドライ宣言がされている。

■終盤戦に向けて成績の回復を狙うキャメル・ヤマハ

残り6戦をこのまま逃げ切りたいランキングトップと2位を独占するレプソル・ホンダ勢と、ブルノから始まるシーズン終盤には今期の全ての不運をぬぐい去って成績を挽回したいキャメル・ヤマハ勢の戦いが、今シーズン残りの見所になる事は間違いない。

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ラグナ・セカでの勝利から、年間タイトル獲得への自信を言葉として表すようになったポイントリーダーであるレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンのポイント獲得数は194。同じくラグナ・セカでマシントラブルによるリタイアを喫し、ランキング4位に後退して「年間ランキングについては考えてもいない」と発言したキャメル・ヤマハのバレンティーノ・ロッシのポイント獲得数は143だ。

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■低くなったロッシの990ccクラス完全制覇の可能性

ロッシが今年の年間チャンピオンになれば、今期を持って最後となる990ccクラスを完全制覇する事になる。しかしながら、ラグナでのマシントラブルによって今年の不運をだめ押しされる形となったロッシと、ここまでのレースを通して安定した成績を収め続けるヘイデンとのポイント差はすでに51ポイントに開いており、残り6戦となった現状を常識的に考えればロッシの逆転年間勝利への可能性は低い。

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今年のロッシの不調はライダー本人の問題ではなく、06年型YZR-M1の開幕直前に発覚したシャシーまわりのトラブルと、それを解消できなかったヤマハ陣営全体の問題に起因するところが大きい。また、確かに今年は強豪ルーキーおよびヘイデンやマルコ・メランドリなどの若手の台頭が目覚ましかったシーズンでもある。MotoGPルーキーでありながらランキング2位につけるダニ・ペドロサの驚異的な初年度の活躍は、チームメイトとの現時点の34ポイント差さえも奪いかねない勢いがあり、同時にペドロサを僅か10ポイント差で追うフォルツナ・アプリリアのマルコ・メランドリについても、本人がブルノに入る前にコメントしている通り、まだ十分タイトル獲得のチャンスはある。

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■シーズン終盤の行方を左右する本気のヤマハとロッシのタイム

写真いずれにしても、今年はニッキー・ヘイデンが初タイトルを獲得する可能性が一番高い事は言うまでもない事実だ。ただし、毎年のロッシであれば夏休み明けのシーズン終盤戦開始時には2位とのポイント差を100以上開いているのが通例であり、もしヤマハが全てのマシンの問題を夏休み中に解決したのであれば、昨年までのロッシの実力を持ってすれば、バレンシアの最終戦までに何が起きてもおかしくはないだろう。

残りのシーズンの行方をうらなう上で最も重要なデータとなるのは、ブルノ初日から本気でアタックして来る事が予想されるバレンティーノ・ロッシと、そのキャメル・ヤマハのチームメイトであるコーリン・エドワーズのタイムだ。

■125ccクラス第1予選結果

この日午後に行われた125cc第1予選開始時の気温は27度、路面温度は32度、湿度は20%だった。

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暫定ポールポジションとなる2分08秒810のタイムを記録したのは、地元チェコ出身であり、ランキング6位につけるデルビのルーカス・ペセック。ペセックは予選後に「暫定ポールは重要であり嬉しい。でもコーナーでもっといいリズムが掴めるようにするにはさらに作業を継続する必要がある。チェコのファンの前で最高の結果を残したい。」とコメントした。

写真2番手タイムは現在のポイントリーダーであるマステルMVAアスパルのアルバロ・バウティスタの2分08秒853。バウティスタは、「ブルノは好きなサーキットではないが、今日の結果は悪くなかった。朝は問題を1つ抱えていたが、午後は走りに集中してタイムを2番手まで挽回できた。」とコメントしている。

3番手タイムはランキング2位につけるKTMのミカ・カリオが記録した2分09秒176だ。

マラグーティの小山知良選手は17番手タイムとなる2分11秒141を刻み、初日の予選を終えている。小山選手は初日の走行前に「骨折してから2ヶ月もたつのにまだ腕が少し痛むのは不思議。でも走りに大きな影響は出ないと思う。」と述べていた。

■250ccクラス第1予選結果

250ccクラス第1予選時の気象条件は、気温が28度、路面温度が35度、湿度は14%だった。今回のブルノから、開幕戦のヘレスで転倒し大怪我を負ったカンペテーラの関口太郎選手がグランプリに復帰を遂げている。

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初日予選のトップタイムである2分03秒238を記録したのは、2ポイント差でランキングトップを行くフォルツナ・アプリリアのホルヘ・ロレンソ。ロレンソは予選終了後に「休みの後は自分のスタイルを取り戻すのにいつも時間がかかるので、今日は丁寧に作業をした。フロントに一部問題を抱えているのに結果はトップだった。去年よりタイムは1秒くらい低いがそれでも嬉しい。まだブレーキに2〜3の問題を抱えているので、改善に向けての作業はまだ今後も続ける予定。」とコメントしている。

2番手タイムの2分03秒800はヒューマンゲスト・ホンダのアンドレア・ドヴィツィオーゾ。チームメイトの高橋裕紀選手は鈴鹿8耐の事前テストで骨折した左腕のリハビリを日本で継続する為、今回のブルノを欠場している。ドヴィツィオーゾは「今日はうまくいったが、1秒はタイムを改善しないと戦えるレベルとは言えないので、ベースのセッティングからさらに攻めを中心とした調整を続けたい。明日雨さえ降らなければいいグリップは得られる筈」と予選後に述べた。

3番手タイムはロレンソのチームメイトであるフォルツナ・アプリリアのエクトル・バルベラが記録した2分04秒653。尚、今回のブルノにはアプリリアの開発ライダーであるアレックス・デボン(初日5番手:2分04秒754)がアプリリア・レーシングから出場している。

写真KTMの青山博一選手は予選中盤でハイサイドを喫して転倒したが、特に本人に怪我はなく初日のタイムには2分04秒826を記録し順位は6番手

その弟であるレプソル・ホンダの青山周平選手は8番手タイムの2分05秒095を記録した。周平選手は「初日にしてはいい結果。いい感触が得られているがまだ改善すべき点も多い。セッティングは悪くないがサスペンションの調整がもう少し必要。明日は全力をつくし、さらにタイムを改善できると思う。ここは高速でいいサーキットだが同時に少し難しい。」と初のブルノについての感想を述べている。

5ヶ月ぶりにレースに復帰した関口太郎選手は、この日は慎重な走行に徹したようだ。関口選手のタイムはこの日の25番手となる2分09秒386。久しぶりのグランプリでの初日の走行を終えた関口選手は「今日は自分にとって難しい1日だった。足が自分の思い通りに動かないので方向を変えるのが難しいし、ストレートでは足を閉じたままにするのが大変。でもこのままリハビリを続ければ何日かで良くなると思う。何よりも嬉しいのはレースに復帰できた事。」とコメントしている。

■MotoGPクラス初日の総合結果

MotoGPクラスの初日は、午前にフリー・プラクティス1と午後のフリー・プラクティス2の2回のフリー走行が行われている。両セッションともに路面状況はドライ。

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午前中の気温は25度、路面温度は27度、湿度は24%となり、この時点でトップタイムを記録していたのはレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデン(1分59秒387)。2番手に続いたのはキャメル・ヤマハのバレンティーノ・ロッシ(1分59秒434)だった。午前中は昨年のロッシのサーキット・レコード(レース)である1分58秒787を上回ったライダーはいない。

午後に気温は27度、路面温度は午前から約10度高い36度、湿度は17%となり、ここでロッシは昨年の自己のサーキット・レコードを上回る1分57秒871という好タイムをたたき出した。このタイムは昨年にセテ・ジベルナウが記録した予選でのベストラップである1分57秒504に0.367秒差まで迫っている。

ちなみに、ロッシはこの時に予選タイヤでの走行テストを行っており、この結果は、キャメル・ヤマハチームの夏休み中の予選タイヤ対策に進展があった事を示すものだろう。

午前に好調だったニッキー・ヘイデンは、午後には午前中に記録した自己のタイムを更新する事ができず、総合順位は10番手タイムに終わっている。

■カワサキは新型シャシーを導入

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スズキがブルノに向けてエンジンとシャシーの新型パーツを多く導入しているのと同様に、カワサキも今回から日本のカワサキのエンジニアが夏休み中に完成させた新開発のシャシーをマシンに導入している。今期のカワサキはホイールスピンとトラクション不足にレース中は悩まされる事が多かったが、今回の新型シャシーはその問題を改善する為に開発されたものだ。

■MotoGP初日総合順位と各ライダーのコメント

以下に、初日午前と午後のMotoGPクラスの総合順位とタイム、および各ライダーの状況とコメントを紹介する。

トップタイム)バレンティーノ・ロッシ ITA キャメル・ヤマハ 1分57秒871

前回のラグナ・セカを残念な結果に終えたバレンティーノ・ロッシだったが、その次戦となった今回のブルノでは、夏休み中に本人が予言していた通り、初日からベースセッティングを完璧に仕上げている。

チームメイトのコーリン・エドワーズが総合4番手タイムを記録している事からも分かるように、キャメル・ヤマハ・チームのYZR-M1はやっと残り6レースを前にして本調子を取り戻したようだ。

今期を通しての苦しいレースウイークを振り返れば、ブルノ初日にトップタイムを記録できた事は本当に嬉しいとバレンティーノ・ロッシは語る。

写真「バイクの調子は最初からすごくいいし、今日はすごく期待の持てる結果になりましたね。もっと調子があがるように、まだいくつか作業を進める予定です。」とロッシ

「タイヤが正しい挙動を示すように、新しいサスペンションのセッティングを何種類か試しました。特にリアタイヤですが、期待通りの反応をしてくれるのでとても満足できます。」

「今年はプラクティス中に苦しむ事が多く、3列目か4列目ばっかりでしたので、初日をこの成績でスタートできたのはすごく嬉しいです。明日の午後(予選)に向けた調整もしたかったので、今日は予選タイヤのテストもしました。1列目のグリッド確保にチャレンジしたいですからね。」

「今日トップタイムが取れた理由はそのせいですが、いずれにしても午前は2番手タイムを記録しましたし、レース用のセッティングもいい状態ですので、走りのペースは確保できたと思いますよ。」

「明日もこの調子で作業を続けます。」

2番手)ランディ・ド・ピュニエ FRA カワサキ・レーシング 1分58秒028

今シーズンは転倒などによる怪我もあり、苦しいデビュー・イヤーを過ごしているカワサキのMotoGPルーキーであるランディー・ド・ピュニエは、MotoGPデビュー・イヤーにおけるレースウイーク初日の自身最高位である2番手タイムをこの日に記録している。

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ド・ピュニエは午前中に2台のマシンを乗り換えながらセッティングを探り、それぞれに異なるサスペンションとエンジンのセッティングを交互に試したという。また、同時に多くのブリヂストンタイヤのテストも行ったようだ。

ド・ピュニエは午後の前半は午前の作業を継続し、セッション終了近くに予選タイヤに履き替えた後で、バレンティーノ・ロッシに続く2番手タイムを記録した。

レースペースは安定しているがまだ不十分だとするド・ピュニエは、2日目にはレースタイヤでのタイムアップを狙うとコメントする。

「今日はいろんなマシンのセッティングをテストする事に集中しました。タイヤもそれぞれのバイクで試せるだけ試しています。」とド・ピュニエ

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「殆どの周回で2分フラットくらいのタイムを安定して出せるようになりましたが、今日は最適と言えるタイヤが見つからなかったので、さらにいいバイクのセッティングを追求する事ができませんでした。でも、その点について明日は大丈夫でしょうから、レースに向けて大きくラップタイムを向上させる事ができるようになると思います。」

「夏休みの前は予選タイヤでの走りに苦しむ事が多かったので、今日の午後に一度予選タイヤを試しました。シーズン序盤には持っていた自信をもう一度取り戻したかったんです。今回それがうまくいって本当に嬉しいです。2番手で初日を終える事ができましたからね。」

「セッティングについては、明日のフリー走行を使って作業をまだ進める必要があります。午後の予選でも、今日と同じ走りを再現できるようにしたいです。」

3番手)ロリス・カピロッシ ITA ドゥカティー・マルボロ 1分58秒470

昨年はブルノで2位表彰台を獲得しており、ブリヂストンタイヤの進化と合わせて今回のレースウイークでの自身の活躍に期待を寄せていたドゥカティーのロリス・カピロッシは、初日から総合3番手タイムを記録して幸先の良い終盤戦へのスタートが切れたようだ。

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カピロッシはこの日、マシン全体のセッティングをブルノに合わせて調整するのに時間を費やし、多くのライダーが予選タイヤを履いた中で、レースタイヤのまま好タイムを記録する事に成功している。

タイムは嬉しいが、セッティングには苦労したとカピロッシは語る。

「ここではセッティングが速く見つけられると思っていたのに、結局そうはならなかったので最高に嬉しいとは言えません。」とカピロッシ

「午前はいいセッティングで開始できると思っていましたが、コーナリングが大変でトラクションも得られませんでした。午後には、特に最後の20分間に多くの変更を加え、やっといい解決策が見つかったという感じです。」

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「その後は古いタイヤを履いて微調整を行い、それから新しいレースタイヤに履き替えて走ったらすごく速くなったんです。他のライダーたちがどんなタイヤを履いていたかは知りませんが、自分はレースタイヤしか履いてないので今回の結果は嬉しいですね。」

「自分たちのバイクの戦闘力と潜在能力は高いんです。ただ、常にいいセッティングが簡単に見つけられて、その能力をフルに発揮できるとは限りません。いずれにして自分はベストをつくしますし、ファクトリーのメンバーも真剣に働いてくれます。」

「ここでのいいセッティングは手に入れましたから、明日は完璧と言えるようなレースタイヤを探す予定です。」

4番手)コーリン・エドワーズ USA キャメル・ヤマハ 1分58秒851

鈴鹿8耐の序盤でのリタイアを夏休み中は悔やんでいたエドワーズだが、ブルノ初日の結果には本人も満足できたようだ。マシンに不安がなくなったとエドワーズは語る。

「シーズンここまでの不運がブルノで突然に好転するなんて、なんか奇妙にさえ感じますよ!」とエドワーズ

「今日はここに到着すると同時に2つの異なるセッティングから始める事にしました。1つは去年のテストで見つけた自分のデータをベースにしたものと、もう1つはバレンティーノの2005年のレースセッティングです。」

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「あの頃に自分のライディング・スタイルを変更しましたからね。それで今朝は両方のセッティングをそれぞれ試しましたが、結果は基本的にバレンティーノのセッティングは調子良くて、自分のは全然ダメ!」

「すごく感じ良く乗れたので、午後はいい方だけのセッティングにして細かな調整作業を続けました。最後はとても良くなりましたよ。」

「まだレースウイーク序盤ですが、最初からいいスタートが切れれば自分たちが何かいい方向性をつかんでる事がわかり、安心できるので良かったです。明日もバレンティーノと自分がこのままの調子で作業を進められるといいですね。」

5番手)ケニー・ロバーツ Jr USA チーム・ロバーツ 1分59秒119

写真レースウイークの最初の2日間ではなく3日目のレースで速く走れるマシン作りを急ぐというチームロ・バーツのケニー・ロバーツ・ジュニアは、初日の総合タイムを5番手という好成績で終えている。

「3日目の朝にニッキー・ヘイデンがマシンの調子を上げてくるのと同じ事ができなければいけない」と語るロバーツ・ジュニアは、あまり他のライダーが予選タイヤを装着していないセッション前半には総合順位2番手をキープしており、レースに向けてのマシンの仕上がりは悪くない事を示していた。

6番手)中野真矢 JPN カワサキ・レーシング 1分59秒240

中野選手はこの日の予選前半で長距離走行をテストしており、その間は常にタイムシートのトップ3につけていた。尚、初日の中野選手は予選タイヤを使用していない。

中野選手はレースに向けてのセッティングが好調である事に満足すると同時に、今回からカワサキが導入した新型シャシーについても好感触を示している。中野選手はこの日の午前と午後の両方で新型シャシーを試した結果、フロントのトラクションが改善され、その結果フロントとリアの両方の接地感が増したとコメントしている。

「過去にブルノでは色々問題を抱えてきましたが、今日乗った感じではもうその心配はなさそうです。」と中野選手

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「新型シャシーは確実に進歩しています。グリップが良くなりましたし、以前にあったチャタリングの問題も解決しました。ブリヂストンタイヤの評価を色々しなければいけなかったので、実は今日は午前のかなり早いうちからセッティングの変更を済ませていました。」

「去年と比べると2006年型エンジンは高回転域が追加されていますので、このサーキットでは以前よりも簡単に速く走る事ができます。」

「午後のロングランを通して自分のタイムはすごく安定していましたから、明日の予選でもいい結果が期待できると思います。今日の進歩には満足できますし、夏休みから気持ちを切り替えるのには最高のスタートでしたね。」

7番手)カルロス・チェカ SPA TECH3ヤマハ 1分59秒254

この日総合の7番手タイムはダンロップタイヤを履くTECH3ヤマハのカルロス・チェカだ。シーズン中盤からタイヤの開発状況に納得するコメントを残し始めたチェカは、初日の午前からトップと1秒以内のタイムを記録し、午後には午前のニッキー・ヘイデンのトップタイムを上回っている。バイクのセッティングとタイヤ選択の方向性は見えているとチェカはコメントした。

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「午前中はタイヤのテスト中にいくつかトラブルがありました。期待していたタイヤが思い通りの挙動を示してくれなかったんです。」とチェカ

「午後にはいい方向性がつかめるようになり、タイヤのグリップがあまり得られない事を前提に作業を進めました。今の段階では、タイヤの耐久性には自信が持てるようになっています。」

「タイヤが均一に摩耗した状態のグリップは想像以上に高いので、もう少し柔らかめのコンパウンドを選択してもいいかもしれませんね。ここまでのバイクのセッティングとタイヤ選択の方向性はすでにはっきりしています。」

写真「ラップタイムはいい結果でしたが、そのほとんどは予選タイヤです。ただ、基本的にレースタイヤでもトップ10には入ってますし、安定したタイムで周回する事もできています。」

「明日はタイヤのグリップだけではなく、コーナリングやチャタリングの対策などの別の分野の改善を進める予定です。これがうまくいけばもっとタイムは改善出来ます。コースそのもののグリップレベルは悪くないですよ。これだけ古いサーキットとしては驚異的だと思います。」

「このコースでチャタリングの対策はほとんど取れませんが、ハードブレーキンをした時に前輪が跳ねるのはなんとかしたいですね。この点については午前に比べれば相当改善が進みましたし、もう少し調整すればさらに良くなるでしょう。」

「夏休みを終えてここに戻ってこれた事が嬉しいです。終盤戦に向けていいスタートも切れましたしね。」

8番手)ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ 1分59秒258

ダニ・ペドロサはMotoGPバイクで初となるチェコを走行し、午前には5番手タイム、総合では8番手のタイムを記録し、残りのレースウイークに期待の持てる1日を過ごしている。ペドロサは、午後にタイムが思い通りに伸ばせなかったのはコースの汚れが原因だと述べた。

写真「今日の午前中はとても調子良く作業を開始できましたね。コースそのものは少し汚れていて、100%と言える路面状態ではありませんでした。午後にタイムをあまり伸ばせなかった理由はそれです。」とペドロサ

「明日もこのまま作業を続けて予選とレースに備えるつもりです。MotoGPバイクをこのコースに合わせて調整するのはそれほど難しくありませんでした。ここでは250ccとそれほど大きな違いを感じないんです。ちょっとサイズが大きいかなって程度ですね。」

「もちろんストレートエンドでのスピードは遙かに速いですよ。でもコーナリング中の違いはバイクの大きさと重量くらいです。」

「とにかく、明日も改善が進められるように頑張って、予選ではいいグリッドを確保したいと思います。」

9番手)マルコ・メランドリ ITA フォルツナ・ホンダ 1分59秒313

シーズン終盤に向けて、年間タイトルの獲得も意識して頑張ると夏休み中に述べていたマルコ・メランドリは、他の何人かのライダーとは異なり予選タイヤに履き替える事は一度もなく、初日の総合タイムを9番手に終えているが、マシンの仕上がりには納得している。初日の結果には満足とメランドリは語る。

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「初日のセッションには満足しています。午前はマシンの重量配分について多くの作業をこなし、このサーキットにバイクを適合させる事ができました。」とメランドリ

「午後は自分のバイクの感触をさらに向上できるように調整作業を進め、今はコーナリングの改善に重点を置いています。多くのライダーがこの時は予選タイヤを履いたようですが、自分たちは計画通りの作業をそのまま進めました。」

10番手)ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ 1分59秒387

午前中にトップタイムをマークし、ブルノに入る前には「そろそろ初日からいいタイムが出せるレベルに来ている筈」とコメントしていた内容を実証して見せたポイントリーダーのニッキー・ヘイデンだが、午後は路面温度の上昇に合わせてセッティングをいくつか探った為に、午前のタイムを更新する事ができないまま初日の総合順位を10位で終えている。フロントまわりにまだ課題が残るとヘイデンは説明する。

写真「今朝から作業が調子に乗って嬉しかったですね。また仲間と一緒に働けるのも最高です。」とニッキー

「こうやってみんなと真剣に頑張る事が大好きですから、午前のセッションは全て好感触でしたよ。ただ、午後については同じような感触は得られていません。」

「路面温度が少し変わったので数種類の異なるセッティングをバイクに施したんです。一度は完全に午前と同じ状態にバイクを戻したんですが同じような好感触にはならなくて、ラップタイムも更新できませんでした。」

「まだコースの数箇所で自分の走り自体を改善しなきゃいけない場所がありますし、何ヶ所かはもう少しフロントまわりを扱いやすくする必要があります。ストレートの加速も課題の1つです。」

「今晩はチームでこれらの課題についてしっかり話し合う予定ですから、明日までにはなんとかしますよ。」

11番手)ジョン・ホプキンス USA リズラ・スズキ 1分59秒406

新パーツを多く導入し、スズキ勢が期待して望んだ初日のブルノだが、思いの他リズラ・スズキの2名のライダーは苦戦したようだ。

セッティングを探すのに苦しんだジョン・ホプキンスだが、午後のセッションではようやく良いベースセッティングを見つける事ができたようだ。日曜日のレースに向けてはいい方向性で2日目からの作業を進められるだろうとホプキンスはコメントしている。

写真「今日は調子を取り戻してるって感じでしたね。リズムをつかみ直すって状態でした。」とホプキンス

「日曜日のレース用のタイヤをブリヂストンのメンバーと一緒に真剣に探りました。マシンのセッティングについても同様です。」

「今晩を通してまだ何点か作業する事がありますが、全体を通して言えば今日は妥当な結果だったと言えますね。11番手に満足してるとは言えませんが、明日これより成績が上がればもっと満足できますよ。それが実現できるようにチームと一緒に地道に頑張り続けます。」

「明日は予選で自分たちの最大限の力を発揮できるようにしたいです。」

12番手)ケーシー・ストーナー AUS ホンダLCR 1分59秒607

ケーシー・ストーナーはこの日は技術的なトラブルを抱えており、マシンの改善作業に入るのが遅れたようだ。午後にはセッション中盤にエンジンがストールし、スペアマシンへの乗り換えを余儀なくされている。

その後マシンの感触を改善する方向で作業を進めたチームは、最終的にストーナーが1分59秒台を安定して走行できるレベルのマシンに仕上げる事に成功している。

写真「原因は良く分かりませんが、メインバイクが止まってしまい、午後の計画は台無しになりました。スペアマシンには別のセッティングが施してあったんです。」とストーナー

「最初、スペアマシンはあまりいい感触が得られなかったので、好みのセッティングに近づけていくのに多くの時間を費やす結果になってしまいました。1分59秒台で調子良く走れましたが、レースのペースはもっと速くなると思いますので、もっと改善が必要です。明日は両方のバイクで速く走れるようになりたいですね。」

「午後は誰が予選タイヤを履いていたのか詳しく知りませんが、何人かがすごく速いタイムを1周のみで記録しています。でも、レースであのタイムは不可能だと思いますよ。」

13番手)トニ・エリアス SPA フォルツナ・ホンダ 1分59秒893

前戦のラグナ・セカでは、マシンの改善が進んだのにもかかわらずアッセンで負傷した左肩の影響でタイムを伸ばせなかったトニ・エリアスだが、夏休みに間に体調を取り戻し、やっとマシンの改善状況をタイムとして反映する事ができたようだ。

写真エリアスはこの日、チームメイトのマルコ・メランドリと同様に予選タイヤは一度も使用していないとコメントしている。

「午前から調子良くスタートが切れました。バイクの感触はいいですよ。」とエリアス

「午後の他のライダーとのタイム差は、他のライダーたちが予選タイヤを履いたせいでしょうね。」

「夏休みのおかげで体調を取り戻す事ができて本当に良かったと思います。まだ怪我を負った肩は少し痛みますし100%の状態とは言えませんが、全体的に身体の具体はすごく良くなりました。」

14番手)玉田誠 JPN コニカ・ミノルタ・ホンダ 1分59秒919

鈴鹿8耐と日本での休暇を終えてブルノに戻った玉田誠選手は、夏休み前にドイツGPで負ったひざの怪我の痛みに今も悩まされ続けているようだ。

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午前中の玉田選手のマシンにはドイツGPの時とほぼ同じセッティングが施されており、この日1日のプラクティス通して、ブルノ向けての微調整を繰り返している。

写真足が一刻も早く回復するように、夏休み中はひざに負担がかかる事は避けていたと玉田選手は語る。

「7月30日の8耐の後は、ひざの不安定な状態が悪化しないようにバイクに乗るのは避けました。」と玉田選手

「今の唯一の目標は、シーズン終盤を戦えるように体調を取り戻す事です。」

「初日は慎重に時間を使い、日曜日のレースや当日の天候の変化を考えて、リアタイヤのテストを行いました。午前中はトラクション不足に悩みましたが、午後にはその状況は良くなりましたので、今はフロントまわりの感覚を良くするセッティングを見つけようとしています。」

15番手)アレックス・ホフマン GER ドゥカティー・マルボロ 2分00秒507

セテ・ジベルナウの代役を担当して今期3度目のドゥカティー・ワークスからのグランプリ出場を果たしたアレックス・ホフマンは、初日はマシン自体の感触は問題ないとするものの、気に入るタイヤが見つけられなかったようだ。

2日目にブリヂストンから提供されるタイヤが楽しみだとホフマンは語る。

写真「今日はかなりいい気分がいいですよ。」とホフマン

「休暇の後で走りに戻ってこれるだけでも嬉しいのに、今回はまたファクトリー・バイクですからね!」

「ストレートでは妥当なスピードが得られてますが、今はレースペースとしてはまだ不十分です。ロリスが新しいタイヤを履くまでは0.5秒しか離れていませんでしたが、セッション終盤には彼からだいぶ遅れてしまいました。」

「セッティングそのものはOKですが、今日試したタイヤからは自分の望み通りの感触が得られていません。ホイールスピンに苦しみましたが、ここでは普通あまり発生しない現象だと思います。」

「ですから、明日になってブリヂストンがさらに多くのタイヤを試させてくれるのを、今から楽しみにしています。もっとやれるぞって力がみなぎる気分ですよ。」

16番手)クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキ 2分01秒074

ブルノはSBK時代に経験済みのクリス・バーミューレンだが、この日の午前中の走行では前輪を縁石にぶつけてタイヤを損傷している。午後にはマシン全体の振動問題に悩むなど、初日は良いマシンセッティングが得られなかったバーミューレンだが、スズキのチームスタッフと本人は、明日の予選までにマシンの状態が良くできるように努力を続けるとしている。

ブルノは経験しているものの、それほど馴染んではいない事が午前のミスの原因だとバーミューレンは振り返る。

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「ここ数戦の調子を考えると、今回はあまりふさわしいスタートとは言えませんでした。ここでは色々と作業をしないとダメです!」とバーミューレン

「ブルノではスーパーバイク時代も走ってますが、午前にミスをしたのはコースを本当には覚えてないからだと思います。縁石にぶつけてタイヤを壊してしまいました。」

「午後は激しくチャタリングが出ましたが、チームは原因を把握できたので、明日はいくつか解決策を試す予定です。問題を解決してもっと前に進みたいですね。」

17番手)ジェームス・エリソン GBR TECH3ヤマハ 2分02秒426

常にチームメイトのカルロス・チェカの1秒以内を今期の目標としているTECH3ヤマハのジェームス・エリソンだが、初日はチェカのタイムから3秒離される結果となった。

写真午後のエリソンは自信の持てる自己ベストラップを刻んだようだが、なぜかオフィシャルがそれを記録しなかったとエリソンは残念そうだ。TECH3チーム・オーナーのエルベ・ポンシャラルもこの件に関し、「エリソンの1秒以上速かった筈の自己ベストタイムがチェッカーと同時に消えて記録されなかった。」とコメントしている。

「自分の自己ベストはどうなっちゃったんでしょう?間違いなく制限時間内に出したタイムなのに記録されていないんですよ。」とエリソン

「何がどうなってるのか分かりません。画面を見たらそのタイムが消されちゃってるんです。まだプラクティスにすぎませんから、それほど心配はしてはいませんけどね。」

「今は全ての変更箇所について、着実に改善が進むように慎重な作業をしています。全体的にマシンを下げて、フロント(サス)を柔らかくしてリアを持ち上げるようにしたらバランスが良くなりました。」

「カルロスと同様にマシンからはいい感触が得られています。チャタリングを何とかする必要はありますが、どのタイヤでもしばらく走っていれば症状は良くなっていくようです。予選タイヤはグリップがいいので、それを装着したらまた少し発生しましたが、激しく攻めてブレーキングを繰り返した後は、レースタイヤの時と同じように自信が持てるようになりました。」

「レースタイヤでも予選タイヤと同じようなタイムを出せないといけませんが、すぐにできるようになると思います。今回の改善は間違った方向に行ってはいませんし、去年も今より2秒は速く走れてますから、まず心配ありません。ただ、わかっていてもできなていない状態というのはフラストレーションがたまりますよ。だって今年のバイクは去年よりも数段いいマシンですからね。」

「12ヶ月たってから同じサーキットを前よりもずっとすごいバイクで走って遅いなんて事がある筈ないですよ。明日が楽しみです。」

18番手)ホセ・ルイス・カルドソ SPA プラマック・ダンティーン 2分02秒730

ダンロップタイヤを履くプラマック・ダンティーンのカルドソは、初日はタイヤのテストを中心的に行ったようだが、納得の行く結果に初日はならなかったらしい。

写真「今日は主にタイヤまわりの作業をしました。」とカルドソ

「試したうちの柔らかめのタイヤからはいい感触が得られましたが、レースで最後まで安定したタイムを刻むのは難しいと思います。固い方のタイヤはグリップがありません。明日はもう1種類のタイヤを試しますので、いい妥協点が見つかる事を期待しています。」

「今はスロットルを開けなきゃいけないところでタイムをロスしています。コーナーの出口でもっとグリップが必要なんです。」

「コースにはたくさんのへこみがありますが、これは全員にとって同じ条件ですから仕方ないですね。」

19番手)イバン・シルバ SPA プラマック・ダンティーン 2分04秒244

アレックス・ホフマンの代役として、今期3回目のグランプリ出場を遂げた現スペイン選手権ライダーのイバン・シルバの初日のタイムは、トップから7秒近く遅れている。

シルバにとってブルノ・サーキットは初めての走行を経験するサーキットであり、慣れないMotoGPバイクでこのテクニカルサーキットを攻略するのには苦戦しているようだ。

写真「ここは初めてなんです。繰り返しますけど、以前に一度も走った経験がありませんし、このコースの攻略はすごく難しいですよ。」とシルバ

「もっと大幅にラップタイムを縮めてからでないと、レースに向けての理想的なセッティング作業は始められません。グリップのレベルはアッセンの時と変わりませんが、タイヤがあの時と同じ感触じゃないんです。多分路面の性質の違いだと思います。いずれにしても、またここに戻ってこれたのは嬉しいです。」

「3日前は全く別の種類のバイクでフリー・プラクティスを走っていましたから、そんなに素速く異なるバイクを混乱せずに乗りこなすのは簡単じゃないんです。でも明日はなんとかなるでしょうし、他のライダーにもっとタイムを近づけられるように全力でいきます。」


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