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2006年7月29日
MotoGPアメリカ・グランプリの決勝当日と同じ7月23日、ブリティッシュ・スーパーバイク選手権(BSB)の第9ラウンドが、イギリスのオールトン・パークで行われた。BSBがオールトンでレースを開催するのは今期2回目となる。
HMプラント・ホンダの清成龍一選手は、第7ラウンドではダブルウインを飾り、第8ラウンド午前のレース1でも続けて今期5度目の優勝を果たしている。この時点で清成選手はドゥカティーのレオン・ハスラムを年間ポイントで追い抜き、ランキング2位に浮上した。
■前回、電気系トラブルにより清成選手は再びランキング3位に後退
第8ラウンド午後のレース2の走りでも、勝利への勢いが続くように見えた清成選手だが、結果は電気系トラブルによりリタイア、ノーポイントに終わっており、ランキングは再び3位に後退している。
■ラビラの後半の不調と清成選手の復調により、ポイント争いは僅差に
しかしながら、開幕から好調に勝ち続けていたポイント・リーダーであるドゥカティーのグレゴリオ・ラビラが、第8ラウンドのレース1で11位に終わり5ポイントのみを獲得、レース2ではリタイアしてノーポイントに終わった事から、第6ラウンドの終了時点では74ポイント差まで広がっていたラビラと清成選手の年間ポイント差は大きく縮まった。
第9戦を前にして、清成選手とトップのラビラとの差は20ポイント、ランキング2位につけるドゥカティーのレオン・ハスラムとは9ポイント差となり、シーズン後半に向けてはランキングトップの3名による僅差のポイント争いが展開されそうだ。
■スターティング・グリッド
1列目ポールポジションはHMプラント・ホンダのカール・ハリス、2番グリッドはランキング2位につけるドゥカティーのレオン・ハスラム、3番グリッドはHMプラント・ホンダの清成龍一選手、4番グリッドは前回のノックヒル戦で今期初の2位表彰台を獲得したレッドブル・ホンダのジョナサン・レア。
5番グリッドは前回のノックヒル戦でBSB復帰後初の勝利を獲得したリズラ・スズキのシェーン・バーン、6番グリッドはバージン・モバイル・ヤマハのトミー・ヒル、7番グリッドはホンダ・ストバルト・モーター・スポーツのマイケル・ルター、8番グリッドにはポイント・リーダーであるドゥカティーのグレゴリオ・ラビラがつけた。
この日は終日天候に恵まれ、レース1とレース2は共にドライ・セッションでの各17ラップの戦いとなった。
■レース1
オープニング・ラップの1コーナー、ホールショットを奪ったのは3番グリッドから好スタートを決めたHMプラント・ホンダの清成選手。すぐに2番手につけたドゥカティーのレオン・ハスラムが清成選手の背後に迫り、プレッシャーを与え続けている。
2ラップ目、ハスラムはロッジ・コーナーで清成選手を交わしトップに立った。清成選手の0.7秒後方には3番手を走行するバージン・モバイル・ヤマハのトミー・ヒル。
4番手を走行していた清成選手のチームメイトでありポールポジション・スタートのカール・ハリスは、コーナー終端でフロントを失い転倒、2ラップ目に戦列を離れた。
トップのハスラム、2番手の清成選手、3番手のヒルは4番手となったマイケル・ルター以降の後続を引き離し、先頭集団は3台編成になるかと思われたが、3ラップ目にはドゥカティーのグレゴリオ・ラビラがルターを交わして3番手のヒルに徐々に迫り始める。
5ラップ目、清成選手は危なげなくハスラムからトップを奪い返すと、その後は自身の走りに集中して2番手のハスラムを引き離し、逃げの体制に入った。6ラップ目にグレオリオ・ラビラがトミー・ヒルを交わして3番手につけた頃、清成選手は2番手のハスラムを1秒後方に追いやっている。
清成選手がトップを快走する中、ドゥカティーのチームメイト同士が激しく2位を争い始める。8ラップ目にラビラはハスラムを捕らえて2番手に浮上し、3番手となったハスラムはチームメイトから前を奪い返そうと必死の追走を続けた。
12ラップ目、ハスラムはラビラを交わして再び2番手に順位を上げた。3番手となったラビラの5秒後方ではリズラ・スズキのシェーン・バーンがトミー・ヒルを交わして4番手に。トミー・ヒルはジョナサン・レアにも交わされ6番手に後退。
上位の順位は最終ラップまで入れ替わる事なく、後続を4.67秒引き離し先頭でチェッカーを受けたHMプラント・ホンダの清成龍一選手。清成選手は前回のノックヒルに続き今期6度目の優勝を果たした。
2位でチェッカーを受けたのはドゥカティーのレオン・ハスラム、ハスラムから1秒遅れてドゥカティーのグレゴリオ・ラビラが3位でコントロール・ラインを抜けた。4位はリズラ・スズキのシェーン・バーン。
■レース2
レース2でも好スタートを決めたのはHMプラント・ホンダの清成龍一選手。清成選手の真後ろ2番手にはチームメイトのカール・ハリス、3番手にはレッドブル・ホンダのジョナサン・レアがつけた。レアの背後にはドゥカティーのレオン・ハスラムが4番手を走行している。
ポイントリーダーであるドゥカティーのグレゴリオ・ラビラは7番手。
5ラップ目、トップの清成選手の0.2秒後方を2番手のカール・ハリスが維持する中、レオン・ハスラムはジョナサン・レアを交わしてカールハリスの3秒後方の3番手に浮上した。4番手となったジョナサン・レアの0.4秒後方にはリズラ・スズキのシェーン・バーン。
7ラップ目、ポイントリーダーのグレゴリオ・ラビラのマシンが大幅にペースダウン。クラッチ・トラブルに見舞われたラビラは8ラップ目に無念のリタイアとなった。
13ラップ目、先頭の清成選手のペースについて行けなくなったカール・ハリスが徐々に後退。15ラップ目にトップの清成選手と2番手のハリスの間には1秒の差が広がる。ハリスの4.5秒後方には3番手のレオン・ハスラム、その3.5秒後方には4番手のジョナサン・レアと5番手のシェーン・バーンが続いた。
最終ラップまで上位の順位に変動はなく、先頭でチェッカーを受けたのは今回の勝利をダブルウインでで飾ったHMプラント・ホンダの清成龍一選手。清成選手のチームメイトのカール・ハリスは2.7秒遅れて2位チェッカーを受け、HMプランド・ホンダは今回余裕の1・2勝利を達成した。
続いてカール・ハリスから5秒遅れてコントロール・ラインを抜けたのは3位表彰台を獲得したドゥカティーのレオン・ハスラム。4位はレッドブル・ホンダのジョナサン・レア。5位にはリズラ・スズキのシェーン・バーンが入った。
■ポイントリーダーは清成選手
第9ラウンドのオールトン・パーク終了後、年間ポイントにおいて清成選手はドゥカティーの2名を一気に追い抜き、通算274ポイントを獲得してランキングのトップに躍り出た。
ランキング2位は変わらずドゥカティーのレオン・ハスラム(269pt)。ドゥカティーのグレゴリオ・ラビラ(260pt)は第8ラウンドと今回のレース2におけるノーポイントが響き、ポイントリーダーの座を奪われただけではなく、3位に順位を後退させている。
レース後、清成龍一選手は以下の喜びのコメントを発表している。
「今日の結果は本当に嬉しいです。タイトル争いをリードするのはすごく久しぶりです。」と清成選手。
「今日は全てが完璧でした。ミシュランタイヤもバイクも、全部計画通りに進みましたが、第2レースの方がカールからのプレッシャーがあり大変でしたね。でも、ひたすら優勝に向けて集中しました。」
「最初のレースはスタートがすごくうまく決まりました。その後すぐにレオンには交わされましたが、ここはあまり抜き所がないので、一度ペースを上げて再び前に出てしまえば、彼はもう抜き返せないだろうと思っていました。」
■BSB第9ラウンド結果
以下にBSB第9ラウンド、オールトンの10位までの結果を示す。
−BSB第9戦オールトン レース1−
1, 清成龍一 (HM Plant Honda) 27m16.848s
2, Leon Haslam (Ducati) +4.673s
3, Gregorio Lavilla (Ducati) +5.805s
4, Shane Byrne (Suzuki) +11.573s
5, Jonathan Rea (Honda) +12.536s
6, Michael Rutter (Honda) +22.649s
7, Michael Laverty (Honda) +23.180s
8, Scott Smart (Suzuki) +30.844s
9, Billy McConnell (Yamaha) +33.927s
10, Craig Coxhell (Kawasaki) +34.099s
−BSB第9戦オールトン レース2−
1, 清成龍一 (HM Plant Honda) 27m14.948s
2, Karl Harris (HM Plant Honda) +2.786s
3, Leon Haslam (Ducati) +5.766s
4, Jonathan Rea (Honda) +9.633s
5, Shane Byrne (Suzuki) +12.383s
6, Tommy Hill (Yamaha) +20.953s
7, Michael Rutter (Honda) +33.139s
8, Glen Richards (Honda) +42.029s
9, Ben Wilson (Suzuki) +42.271s
10, Gary Mason (Honda) +42.369s
−ポイント・ランキング−
1, 清成龍一 (HM Plant Honda) 274pts
2, Leon Haslam (Ducati) 269pts
3, Gregorio Lavilla (Ducati) 260pts
4, Shane Byrne (Suzuki) 174pts
5, Jonathan Rea (Honda) 153pts
6, Karl Harris (HM Plant Honda) 149pts
7, Michael Laverty (Honda) 127pts
8, Michael Rutter (Honda) 118pts
8, Tommy Hill (Yamaha) 118pts
10, Scott Smart (Suzuki) 82pts
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