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BSB第8ラウンド 清成選手「喜びと悔しさの両方」 |
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2006年7月28日
MotoGPのドイツGPが行われていた7月16日(日)、ブリティッシュ・スーパーバイク選手権(BSB)の第8戦が、イギリスのノックヒル・レーシング・サーキットで行われた。
前回のスネタートン戦でダブルウインを決めたHMプラント・ホンダの清成龍一選手は現在ランキング3位であり、スネタートン終了時にはランキング2位であるドゥカティーのレオン・ハスラムまで2ポイント差に迫っている。
■後半戦は常にドゥカティーの前でチェッカーを受けたい清成選手
しかしながら、シーズンの前半戦で好調に優勝を重ねたポイントリーダーであるドゥカティーのグレゴリオ・ラビラと清成選手の差は、この時点でも40ポイント開いたままだ。今年は年間タイトルを狙う清成選手にとって、後半戦ではどのレースにおいてもドゥカティーの2名、特にラビラの後ろではチェッカーを受けたくない状況だ。
当然の事ながら、ドゥカティー勢にとっては全く逆の状況であり、後半に向けて調子を上げてきた清成選手の優勝だけは阻止したいところだろう。
■スターティング・グリッド
1列目ポールポジションはレッドブル・ホンダのジョナサン・レア、2番グリッドはリズラ・スズキのシェーン・バーン、3番グリッドはランキング2位につけるドゥカティーのレオン・ハスラム、4番グリッドはポイントリーダーであるドゥカティーのグレゴリオ・ラビラ。
2列目5番グリッドはHMプラント・ホンダの清成龍一選手、6番グリッドはホンダ・ストバルト・モーター・スポーツのマイケル・ラバティー、7番グリッドはラバティーのチームメイトであるマイケル・ルター、8番グリッドには清成選手のチームメイトのカール・ハリスが並んだ。
この日は終日天候に恵まれ、レース1とレース2共にドライ・セッションでの30周のレースが行われている。
■レース1
オープニングラップ、好スタートを決めたのはリズラ・スズキのシェーン・バーン。続く2番手はドゥカティーのレオン・ハスラム、3番手はレッドブル・ホンダのジョナサン・レア、4番手には好スタートを決めたHMプラント・ホンダの清成龍一選手。
清成選手の後ろ5番手にはポイントリーダーのグレゴリオ・ラビラがつけたが、ラビラは3ラップ目にヘアピオンを大きくオーバーラン。マシンにトラブルを抱えたラビラは24番手まで大きく順位を落とし、先頭集団から脱落した。
清成選手が3番手を走行するジョナサン・レアへの追撃を開始する中、3ラップ目にレオン・ハスラムはシェーン・バーンを交わしてトップに浮上。バーンは2番手に後退。
3番手のレアは背後に迫る清成選手からの攻撃を阻止すべく、各コーナーでインを閉ざして清成選手に応戦するが、5ラップ目のヘアピンで清成選手に前を奪われ4番手に。
3番手に順位を上げた清成選手は、続いて0.7秒前方を走る2番手のリズラ・スズキのシェーン・バーンをゆっくりと追い詰めるが、なかなか前には出られない。
激しいバーンと清成選手の攻防戦の後、13ラップ目に清成選手はついにバーンを交わして2番手に浮上。清成選手の前には先頭を行くドゥカティーのレオン・ハスラムだけとなった。この時、清成選手はハスラムの0.7秒後方を走行している。
17ラップを過ぎた頃、清成選手とハスラムの差はなくなり、ハスラムは後方からのプレッシャーを浴び続けている。数回の抜き合いを経験した後、清成選手は27ラップ目には完全にトップに立ち、徐々に2番手のハスラムを引き離した。
2番手のハスラムは最終ラップにミスをしてオーバーラン。シェーン・バーンはその横を通り抜けて2番手に浮上し、ハスラムは3番手に後退。
最初にチェッカーを受けたHMプラント・ホンダの清成龍一選手。清成選手はこれで今期5度目となる優勝を果たした。2位は清成選手から0.6秒遅れてチェッカーを受けたリズラ・スズキのシェーン・バーン、3位はドゥカティーのレオン・ハスラム。
ポイント・リーダーであるドゥカティーのグレゴリオ・ラビラは11位でレース1を終えて5ポイントを獲得。
レース1終了時点に清成選手は年間ポイントでもハスラムを追い抜き、ランキング2位に浮上した。
■レース2
レース2でも好スタートを決めたのはリズラ・スズキのシェーン・バーンだ。その後ろに続いたのはドゥカティーの2台、2番手のレオン・ハスラムと3番手のグレゴリオ・ラビラ。
4番手につけたのはレッド・ブル・ホンダのジョナサン・レアであり、レース1の序盤と同様にその背後には5番手の清成選手がつけている。
先頭を走り続けるバーンの後方には、ドゥカティーのレオン・ハスラムが0.3秒の間隔を保って2番手を走行。
11ラップ目、清成選手はレアを交わして4番手に浮上。しかしその直後、清成選手のマシンに電気系トラブルが発生し、好調な追い上げもむなしく清成選手はそのままリタイアとなった。
17ラップに突入すると、先頭を行くバーンのペースに2番手のハスラムがついていけなくなり、差が1秒以上に広がってくる。ハスラムの0.5秒後方にはチームメイトである3番手のグレゴリオ・ラビラが迫る。
この結果、トップを快走するバーンの後方ではドゥカティー・チームメイト同士の2番手争いが始まり、3番手のラビラは21ラップ目には2番手のハスラムの0.2秒後方まで接近したが、23ラップ目以降から徐々にペースが落ち、25ラップ目にはジョナサン・レアに交わされ4番手に後退した。ジョナサン・レアは3番手に浮上。
27ラップ目、ハスラムもレアに交わされ3番手に後退。先頭からバーン、2番手にレア、3番手をハスラムが走行する中、ラビラは4番手を走行中にスリップして転倒。
そのままラビラはレースを再開する事なく、ノックヒルのレース2をノーポイントで終えた。
ファイナルラップ、先頭でチェッカーを受けたのは2004年のオールトン・パーク戦以来の優勝をリズラ・スズキにもたらしたシェーン・バーン。バーンはBSBに復帰してから初の優勝を高々とウイリーで飾った。
バーンは「トップに立ってからチェッカーを受けるまで実に長かった。」と、レース中の心境を後に語っている。
バーンから3.1秒遅れて2位チェッカーを受けたのはレッドブル・ホンダのジョナサン・レア。3位はランキング2位の座を1レースで清成選手から取り返したドゥカティーのレオン・ハスラム。
ノックヒルでの2レースを終え、ポイントランキングはグレゴリオ・ラビラが244ポイントで1位、レオン・ハスラムが233ポイントの2位、清成龍一選手は224ポイントの3位となった。清成選手とポイントリーダーのラビラとの差は、10レースを残して20ポイントだ。
清成選手は第8ラウンドを終え、以下の通りコメントしている。
「良かったのと、良くないのと両方です。」と清成選手。
「優勝は嬉しいしレースも楽しめましたが、どうにも残念なのは第2レースの結果です。バイクは全てにおいて完璧でしたから、突然の事に本当に悔しい気持ちでいっぱいでした。」
「でも1レースは勝ちましたからね。ラビラとの差も20ポイントだけになりました。」
■BSB第8ラウンド結果
以下にBSB第8ラウンド、ノックヒルの10位までの結果を示す。
−BSB第8戦ノックヒル レース1−
1, 清成龍一 (HM Plant Honda) 24m34.062s
2, Shane Byrne (Suzuki) +0.591s
3, Leon Haslam (Ducati) +1.461s
4, Jonathan Rea (Honda) +2.361s
5, Michael Laverty (Honda) +15.458s
6, Craig Coxhell (Kawasaki) +19.204s
7, Karl Harris (HM Plant Honda) +19.657s
8, Tommy Hill (Yamaha) +20.093s
9, Glen Richards (Honda) +20.185s
10, Scott Smart (Suzuki) +20.246s
−BSB第8戦ノックヒル レース2−
1, Shane Byrne (Suzuki) 24m28.093s
2, Jonathan Rea (Honda) +3.154s
3, Leon Haslam (Ducati) +3.454s
4, Tommy Hill (Yamaha) +16.542s
5, Michael Laverty (Honda) +16.783s
6, Karl Harris (HM Plant Honda) +19.155s
7, Scott Smart (Suzuki) +19.243s
8, Glen Richards (Honda) +20.265s
9, Craig Coxhell (Kawasaki) +21.543s
10, Michael Rutter (Honda) +27.247s
DNF) 清成龍一 (HM Plant Honda) 9m10.957s
−ポイント・ランキング−
1, Gregorio Lavilla (Ducati) 244pts
2, Leon Haslam (Ducati) 233pts
3, 清成龍一 (HM Plant Honda) 224pts
4, Shane Byrne (Suzuki) 150pts
5, Karl Harris (HM Plant Honda) 129pts
5, Jonathan Rea (Honda) 129pts
7, Michael Laverty (Honda) 118pts
8, Tommy Hill (Yamaha) 108pts
9, Michael Rutter (Honda) 99pts
10, Scott Smart (Suzuki) 74pts
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