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２００６年７月２１日
バイクメーカーのみならず、タイヤメーカーも来年に迫ったレギュレーション変更に向けての準備を進めている。
2007年より、MotoGPバイクの最大排気量は変更され、現在の990ccから800ccに引き下げられる。４ストロークエンジン排気量の引き下げは、世界ＧＰ最高峰クラスが２ストローク500ccマシンから４ストローク990cc(MotoGPクラス)に変更された時点から既に決定していた事であり、FIMがその排気量を800ccとして正式に発表したのは2005年6月だった。
各バイクメーカーは既に800ccマシンのプロトタイプを制作し、来年の開幕に向けてのテストを早くから実施していると伝えられている。
来年のレギュレーションに従い、バイクのエンジン出力は約20％減に抑えられるが、全体の重量制限事態はそれほど引き下げられないため、マシンの外観やサイズが劇的に小さくなるような変化はそれほど見られないようだ。
 最高峰クラスにおいて長年の王者として知られるフランスのタイヤメーカーであるミシュランは7月17日に、夏から本格化する800cc化に向けての取り組みの内容を公式発表した。バイクメーカーと同様、ミシュランもすでにこの準備に入っており、パートナーであるヤマハとホンダとの共同テストは夏以降に開始するという。
ミシュランのオートバイレース総監督であるニコラス・グベールは、800cc化への対応について、以下の通りコメントしている。
「近年の大きな出来事は500ccからMotoGPバイクに変わった時でしたが、あれは大変に大きな一歩でした。」とグベール監督。
「2001年にMotoGPバイクでテストを始めるずっと前から、馬力は大幅に上がり、トルクの特性も大きく変わるだろうと予想していましたので、MotoGPで実際にレースをする前に１年の期間をかけて当時は準備をしました。」
「800ccに関しては、バイクはそれほど今と大きく変わりませんが、馬力が少し下がってトルクも変わるので、タイヤへの負担は比較的軽減されるでしょう。」
「馬力が増大する時の開発作業は大変に難しいものですが、逆の場合はもっと簡単です。私たちは800ccマシンでのテストと評価を、パートナーたちと共に主に日本で近々開始する予定です。」
「ただ、800ccマシンについても検討の時間はしばらく必要でした。990ccマシンに向けての開発を行っている最中でも、800ccの事は常に頭にあります。何か990ccマシンに有益な開発内容を思いついたとしても、それを実証するのに半年の期間が必要なら、今はその開発は行いません。でも、もし800ccにも使える何かが見つかれば、その方向性を保って作業を続けます。」
「多くの人が800ccになればバイクはより機敏になると言いますが、バイクの重量自体は変わらないわけですから、その点について私はあまり確証を持ってはいません。エンジンは少し軽くできる訳ですから、設計者はマス（質量の集中点）を好きなところに配置しやすくなるのは事実ですが、それほど大きな変化は現れないと思います。500cc時代の130キロに戻せるわけではありませんからね。」
「私たちは990ccよりも馬力が少ないバイクを予想しています。ただ、その状態も何年続くでしょうね。１年でしょうか、それとも２年でしょうか？」
「間違いなく800cc向けにタイヤのサイズを大きくしたりはしませんし、断面構造に劇的な変化を設ける気もありません。しかしながら、今後の800ccバイクのタイヤを小さくするような方向性はないと思います。」
「馬力が少なくなる事でタイヤ内の熱は減少しますが、トルクの出力に関しては990ccの時よりも過激になる可能性はあります。この場合、どんなタイヤが必要とされるかの予測が難しくなります。」
「もしトルクがさらに過激になるのなら、タイヤ側もそれを把握しておく事が重要です。しかしながら、最近は電子技術が洗練された事からトルク配分がそれほど大きな課題としては捉えられなくなったみたいですので、テストが始まってから実際に確認するしかないようです・・・。」
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