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ドイツGP1日目 低速サーキットに苦しむキャメルヤマハ
インテリマーク編集部
2006年7月15日

7月14日(金)、ドイツのザクセンリンク・サーキットにて、MotoGP第10戦となるドイツ・グランプリが開催された。

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ザクセンリンクは毎年初日の金曜日から観客が多く訪れる。絶頂期には25万人の観衆がサーキットでレースを観戦したと伝えられる程にレース熱の高い地域だ。

1日目のこの日、MotoGPクラスは午前と午後の計2回のフリー・プラクティス、125ccと250ccクラスは午前にフリー・プラクティスと午後に第1予選が行われた。

気象条件は午前中が不安定となり、セッション順に、125ccクラスはドライ-ウェット宣言、MotoGPクラスはウェット宣言、250ccクラスはドライ宣言がなされたが、午後は全クラスがドライ路面に恵まれている。

■小排気量クラスの第1予選結果

ドイツGP1日目のこの日、125ccクラスと250ccクラスは午後に第1予選(ドライ路面)が行われた。以下に各クラスの予選順位を示す。

125ccクラス

125ccクラス初日の暫定ポールはマステルMVAアスパルのマティア・パッシーニ(1分27秒546)、2番手はデルビのルーカス・ペセック(1分27秒686)、3番手はポイントランキング2位につけるKTMのミカ・カリオ(1分27秒869)、4番手はマルチメディア・レーシングのパブロ・ニエト(1分27秒966)。

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5番手はジレラのシモーネ・コルシ(1分27秒985)、6番手は現在のポイントリーダーであるマステルMVAアスパルのアルバロ・バウティスタ(1分28秒112)、7番手はマステルMVAアスパルのセルジオ・ガデア(1分28秒202)、8番手はバルジール・セードルフ・レーシングのファブリツィオ・ライ(1分28秒273)。

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左手首を骨折し、カタルーニャGPからイギリスGPまでの3戦を欠場していたマラグーティの小山知良選手は今回のドイツGPから復帰している。小山選手の初日の順位は20番手(1分29秒505)となった。

250ccクラス

250ccクラス初日の暫定ポールはフォルツナ・アプリリアのホルヘ・ロレンソ(1分25秒124)、2番手は同じくフォルツナ・アプリリアのエクトル・バルベラ(1分25秒160)、3番手はマステルMVAアスパルのアレックス・デ・アンジェリス(1分25秒634)、4番手はヒューマンゲスト・ホンダの高橋裕紀選手(1分25秒779)。

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5番手はレプソル・ホンダの青山周平選手(1分25秒813)、6番手はジレラのマルコ・シモンチェリ(1分25秒831)、7番手はチーム・トースのロベルト・ロカテリ(1分25秒835)、8番手はキーファー・ボス・レーシングのアンソニー・ウェスト(1分25秒868)、9番手にはKTMの青山博一選手(1分26秒373)が続いた。

現在のポイントリーダーであるヒューマンゲスト・ホンダのアンドレア・ドヴィツィオーゾは、自身の最も苦手とするザクセンリンクのライン取りに苦しみ、この日は10位に低迷している。1ポイント差まで迫られたランキング2位のロレンソを抑えたいドヴィツィオーゾは初日の結果に落胆しながらも、明日への意欲を高めたいと以下の通りコメントした。

写真「バイクには小さな問題がありますが、1.3秒の遅れの理由にはなりません。本当にこのサーキットは好きじゃないんです。」とドヴィツィオーゾ

「正しいライン取りがまだ完全に把握できていません。第3区間で十分な速さが出せませんし、さらに残りの区間も同様に苦しんでいます。」

「ここまで遅れを取るとは思いませんでしたし少し落ち込んでます。でも、問題はそれほど大きいわけじゃありませんし、今日の事は忘れて明日への意欲を高めます。」

なお、初日のこの日は、2004年にセバスチャン・ポルトが記録したサーキット・レコードである1分25秒118を上回るタイムは出なかった。

■MotoGPクラス初日の総合順位

MotoGPクラスは午前にフリー・プラクティス1と午後にフリー・プラクティス2の二つのセッションが行われたが、午前がウェットだったせいもあり、ドライとなった午後は全ライダーが午前のタイムを更新している。

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午前中に各ライダーがサーキットに到着した時には断続的なにわか雨が降っていたザクセンリンク・サーキットだが、午後は分厚い雲に覆われながらも、セッション中に雨が再び降ることはなかったようだ。

ドライセッションとなった午後のフリー・プラクティス2実行中の気温は20度、路面温度は27度、湿度は33%だった。

■初となる初日のトップタイムを、鎖骨を骨折中のメランドリがマーク

ドイツGP初日総合のトップタイムはフォルツナ・ホンダのマルコ・メランドリが記録した1分23秒145。

カタルーニャの事故から順調な回復を見せるメランドリは、右の鎖骨が骨折していた事がイギリスGP後に判明したにもかかわらず、ドイツGP初日のトップタイムをマークした。

ザクセンリンクは楽しく走れるとメランドリはコメントしている。

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「表彰台の取れたドニントン・パークのセッティングから今回は作業を開始しましたが、それが役に立ちました。」とメランドリ。

「いくつか技術的に小さな変更を行った事で、バイクの性能が向上しています。初めからバイクの感触が良かったので今回は満足です。」

「ミシュランはいい仕事をしてくれています。今日は2〜3種類のコンパウンドを試しましたが、ドイツのサーキットにとてもよく適合しました。ザクセンリンクは大好きですし、走っていて楽しいです。」

「今回は初日のセッションでの自分の最高順位でした。」

■ペドロサ「重要なのは明日の予選」

初日総合の2番手タイムは、現在ランキング2位につけるレプソル・ホンダのダニ・ペドロサが記録した1分23秒486。

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セッション初日から好位置を記録する事が多くなりつつあるMotoGPルーキーのペドロサは、この日午前はMotoGPバイクでザクセンリンクに慣れる事に集中したという。重要なのは2日目の予選順位とペドロサは語る。

写真「MotoGPバイクでここを走るのは初めてなので、午前のセッションはコースに身体を慣らす事に時間を費やしました。」とペドロサ。

「雲が多く、序盤は雨も少し降りましたので、実質はセッションの半分しか使えていませんが、前進はありましたので問題ありません。」

「午後は自分の走りの改善に集中しながら、サスペンションの基本セッティングとシャシーの調整作業、およびいくつかミシュランタイヤをテストしました。バイクが何回か大きく振られましたが別にたいした事はありませんでした。多分MotoGPバイクでは普通に起きる事なんだと思います。」

「今日の最終的な順位はすごく良かったですね。でも、まだ先は長いし重要なのは明日の予選です。」

■カピロッシ、イタリア国旗を持ち込めるのが嬉しい

この日の総合3番手タイムはドゥカティーのロリス・カピロッシが記録した1分23秒490。

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負傷した左胸の激痛に苦しみながらも、カタルーニャGPの事故当日以外のレースには欠場する事なく参加してきたカピロッシだが、完治はしていないもののようやく痛みは治まる兆しを見せ、本来の走りを取り戻しつつあるようだ。

普通に乗れるようになってきたとカピロッシは語る。

写真「激しい動きが必要なこのコースでは、まだ胸に痛みが現時点で少しあります。」とカピロッシ。

「でも、ほとんど普通に乗ることはできていますよ。午前のセッションから午後にかけてセッティングに大きく手を加えましたが、それが上手くいって既にレースペースも悪くありません。」

「今日はすごく暑くなると予想していたんですが、予想に反して気温が低かったので予定よりもソフトなタイヤを使いました。午後のセッションでもフロントは同じタイヤを選択し、リアタイヤを交換せずに18周走りました。最後は23.7秒台に入れています。」

「明日はブリヂストンがこのコースの為に用意してきたタイヤをテストしたいので、気温がもっと上がって欲しいです。明日に改善が進むようなら、レースでもいい戦いができると思います。ここまでの3レースでポイントを大きくロスしていますから、それを取り戻したいですね。」

「先週は母国の代表チームが偉大な活躍をしてくれたので、イタリア国旗をここに持ちこめる事を嬉しく思います。ここではベストを尽くしますよ。」

■久しぶりの初日からの好位置に自信を示すニッキー

初日の総合4番手はレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデン。現在のポイントリーダーであるニッキーの記録したタイムは1分23秒525。

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この日午前のセッションでニッキーはケニー・ロバーツ・ジュニアに続く2番手タイムを記録しており、イギリスGPでの不調を忘れるのにちょうど良い機会となったようだ。

ここ数戦はレースウイーク初日の順位を下げていたニッキー・ヘイデンは、ドイツGP1日目の4位には満足し、レースに向けての自信を示している。

写真「今日は最初から強かったですね。今年は金曜日から速いとレースウイーク中ずっと調子がいいんです。だから今日の結果は重要ですよ。」とニッキー。

「タイムはもっと縮める必要がありますが、ここではそれは簡単ではありません。コンマ何秒かを縮めるにはサーキットの1周が短いですから。でもレースウイークの最初からいい位置につけたとは思います。」

「いくつかの分野で改善すべき点はありますが、今晩中に対応できる自信が今はあります。」

「レースカレンダー中で予選が一番重要になるサーキットですから、明日はクリーンラップを確保していい順位を取る事がすごく大切です。それにこのコースは狭いですから、日曜日にスタートを成功させる事も重要ですね。」

写真■午前はトップタイムをマークしたケニー・ロバーツ・ジュニア

総合5番手タイムはチーム・ロバーツのケニー・ロバーツ・ジュニアが記録した1分23秒676。

ケニーは午前のハーフウェット状況ではトップタイムをマークしており、好調なシャシーの仕上がりを見せている。今週のケニーの目標は、前回から導入した新型シャシーを1世代前のシャシー(ムジェロ仕様)と同等のレベルに仕上げる事だという。

■終日を通して速いペースを維持したホプキンス

1日目の総合6番手タイムはリズラ・スズキのジョン・ホプキンスが記録した1分23秒693。

昨年のザクセンリンクでは大クラッシュを経験しているホプキンスだが、今年は初日からハイペースのフリー走行を終えている。ホプキンスはこの日ウェットとなった午前は何度もタイムシートのトップに名を連ね、ドライとなった午後も常に上位タイムを維持していた。

ブリヂストンとスズキのマシンの進化のおかげでザクセンリンクが走りやすくなったとホプキンスは語る。

写真「今日は自分たちにとっていい日になりました。」とホプキンス。

「ここでは過去にあまり運に恵まれませんでしたし、以前のマシンではこのコースを楽しんで走る事があまりできませんでした。」

「新しいスズキのマシンと進化したブリヂストンタイヤは、やっとこのコースと自分に噛み合いました。今はライン取りを研究しながら日曜日に向けたタイヤ選びをしています。」

「明日はたくさん周回を重ねながらタイヤの選択がベストかどうかを確かめなければいけないので忙しくなると思います。さらに改善も進めたいし、今から楽しみですよ。」

「明日は予選でいい順位が取れる事を期待していますし、レースに向けての準備も整うと思います。」

■低速サーキット向けのベースセッティングに悩むキャメル・ヤマハ勢

06年型YZR-M1に新型シャシーを投入後は、マシンの調子を取り戻した感のあるキャメル・ヤマハ・チームだが、ここ数戦のドニントン、アッセン、ムジェロ、それにカタルーニャなどのサーキットはどれも今回のザクセンリンクに比べて高速のサーキットであり、新型シャシーの低速サーキット向けのセッティングはまだデータが少ないようだ。

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バレンティーノ・ロッシとコーリン・エドワーズの2名のヤマハワークス・ライダーは、揃ってザクセンリンクの低速コースに向けてベースセッティングから見直しているが、初日は思い通りのセッティングを見つける事はできていないという。

総合7番手タイムはディフェンディング・チャンピオン、キャメル・ヤマハのバレンティーノ・ロッシが記録した1分23秒871。初日から厳しい状況になる事は覚悟していたとロッシはコメントしている。

写真「ここに来る前から、ここはあまり好きなサーキットではない事を覚悟していましたし、いつも初日から大変な努力が要る事も分かっていました。」とロッシ。

「残念ながら今回もその予想は的中してしまい、バイクやコースから良い感触が得られていません。一連の事を解決してバイクの状態を良くしようと努力しましたが、ずっと問題を抱えたままですし作業のいい方向性も見つかっていません。」

「幸いまだ明日の2時間がありますから作業は続けられますが、時間を効率的に全て使うためにも明日は晴れて欲しいですね。」

「とは言っても、自分が怪我をしていたここいくつかのレースで、ジェリーや他のエンジニアたちが少ないデータでマシンを仕上げる力を見せつけてくれていますから、まだ自信はあります。」

「明日もこのまま今やれる事に集中します。日曜日のレースが厳しくなることは今から予想できますが、いつも激しいレースほど面白いですよ。」

■ドイツから新型シャシーを導入したストーナー

総合8番手タイムはホンダLCRのケーシー・ストーナーが記録した1分23秒889。

ストーナーは今回のドイツGPから新しいシャシーを導入しており、シャシーそのものには好感触をつかんだようだ。

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スポーツ・ニュースサイトであるユーロスポーツ(英)の伝えるところによれば、ストーナーは新しいシャシーの導入によりマシンの切り返しが素速く行える事を喜んでいるが、1日目の今回はそのセッティングを最後まで詰める事ができず、右コーナーでタイムをロスしているという。トラクション・コントロールとリアのグリップまわりのセッティングにはもう少し時間を必要とするようだ。

■セテ、まずは感覚を取り戻す作業から

この日の総合9番手は、カタルーニャGPの事故で鎖骨を骨折し、前回のイギリスGPまでの3連戦を欠場していたドゥカティーのセテ・ジベルナウ。セテの復帰一日目のタイムは1分24秒022。

手術した鎖骨の痛みは走りに影響が出るほどではないが、左コーナーで力が入らない事が問題だとセテは語る。

写真「戻ってこれて良かったです。痛みに関しては、正直思っていた程ではありません。」とセテ。

「鎖骨の痛みが走っている時に少し気になりましたが、特に走りに影響が出るレベルじゃなくて良かったと思います。今1つ心配なのは、左肩にあまり力が入らない事です。ここは左コーナーが多いのに、左を曲がっている間は力が入らないんです。今は4〜5周なら大丈夫ですが、その後は厳しいですね。」

「でも今日はまだバイクに復帰した初日ですから、明日はもう少し良くなる筈です。」

「休んでいた間中はずっとトレーニングは続けていました。ただ、やれる事は必然的に制限されますから、バイクに実際に乗ってみない事には体力がどれだけ回復しているかは分かりませんので、今はそのテストをしているような感じです。」

「バイクの調子はそんなに悪くありませんが、今はライディングの感覚を取り戻す方が大事です。スピードと、怪我のある状態での乗り方に慣れなければいけません。」

■2日目以降の改善に前向きなムードのコニカミノルタ・チーム

コニカ・ミノルタ・ホンダの玉田誠選手の1日目のタイムは、この日総合10番手となる1分24秒030。

コニカミノルタ・チーム責任者のジャンルカ・モンティロンは、「マコトのタイムとトップタイムの差は大きくない。マコトがさらにタイムを縮めるための支援を続け、過去数戦の悪い流れを断ち切りたい」と前向きな発言をしている。

玉田選手も、初日の結果に満足しているとのコメントを発表している。

写真「今日の2時間のセッションの結果にはすごく満足しています。」と玉田選手。

「トップのライダーから0.8秒の差は、ストレートから最初の右コーナーに進入する時と、ダウンヒルのバックストレートから続く左コーナーで抱えている小さな問題が原因です。」

「明日までに、チームのエンジニアとこの問題を解決できると思いますし、もっと攻撃的に走れるようになると思います。」

「タイヤについての作業も多くこなし、リアタイヤをテストしている間にだいたいフロントタイヤの選択は決まりましたが、温度が昨年のレベルまで上がるようなら慎重に評価を続けたいと思います。」

■エドワーズ「思い切ったセッティング変更が必要」

総合11番手タイムはキャメル・ヤマハのコーリン・エドワーズが記録した1分24秒100。ロッシと同様に新型シャシーの低速サーキット向けベースセッティングを模索中のエドワーズは、もう少し思い切ったセッティングの変更が必要だと語る。

「まだ数箇所のセクションではバイクが荒っぽい挙動を見せます。希望のレベルに到達するには、もう少し思い切った変更が明日は必要でしょうね。」とコーリン。

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「現時点で、バイクも自分もまだこのサーキットに慣れきっていない感じがします。第2区間では0.5秒ほどタイムをロスしていますが、これは明らかにあまりよくない状態です。この点についての作業をこれから続けて、他のコーナーについても全体的にスピードが上げられるようにする必要があります。

「今は十分なペースが得られていませんし、努力が空回りしている感じです。まだやるべき事だらけですが、その為にここに来たんですから明日を楽しみにします。」

■タイヤの改善が進むダンロップ勢

シーズン序盤は全くタイヤの耐久性がなく、レースでは5〜6周しかペースを維持できていなかったダンロップ勢だが、ここ数戦は顕著にタイヤの進化が走りに表れてきたようだ。

ワークス仕様のYZR-M1に乗るコーリン・エドワーズとのタイム差を100分の2秒未満まで縮めたTECH3ヤマハのカルロス・チェカを初め、同じくダンロップタイヤを履くプラマック・ダンティーン・チームの2名もタイヤの進化を認め、揃って前向きなコメントを残している。

総合12番手タイムは、ダンロップタイヤを駆るTECH3ヤマハのカルロス・チェカが記録した1分24秒116。チェカは、以前と同様にダンロップタイヤの側面のグリップ力にまだ若干の不満は示すものの、コーリン・エドワーズとのタイム差が今回縮まった事に好感触を示している。

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「午前はトップのライダーたちとのタイム差も小さく、いいスタートが切れましたね。ただ、午後は少しまた差を広げられました。」とチェカ。

「正直、今日は自分たちの状況から言えば上出来です。まだタイヤ側面の、特に右側のグリップ力は必要ですが。」

「低速エリアではそんなにスロットルを開ける必要はありません。おそらく10%か15%も開ければ十分ですし、これについては問題ありませんが、激しい加速が必要なコースの後半ではリアに十分なグリップ力がありません。」

「この状況を改善するにはもう少しタイヤまわりのセッティングを見つける必要があります。特に高速ダウンヒルの右コーナーですが、バイクの加重を右側面に乗せるには難しいし、スロットルを開けた時にマシンのコントロールが難しい状態です。」

「ただ、1つ言えるのは、ここ数戦のレースでは全ての分野において毎回進展が見られていますし、他のヤマハのライダーとのタイム差も近くなって全体的に好感触が得られるようになりました。」

「今がチームと私たちがさらに頑張るべき時です。ダンロップも努力を続けていますので、明日もまたさらに進展がある事を期待していますし、もっとトップに近づけると思います。」

■カワサキ勢の初日は出力過多によるトラブル、2日目に自信を示す

カワサキの中野真矢選手とランディ・ド・ピュニエは、予想以上に低い初日の路面温度に悩まされ、午前と午後の両セッション共に納得のいくセッティングを見つける事ができずに苦しんでいる。

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1日目はリアのトラクションを得る事ができず、高速コーナーなどで必要な速度を出す事がこの日はできなかったというカワサキ勢だが、カワサキ技術責任者の金子直也氏は、2日目に向けてシャシーとエンジン・マネージメントのセッティングを夜に見直す事に加え、2日目以降は路面温度も上昇する事が予想される事から、翌日には得意とするザクセンリンクで期待通りの結果が得られるだろうと自信を示している。

カワサキ・レーシングの中野真矢選手の初日のタイムは、この日13番手となる1分24秒190。1日目はエンジンのパワーが出過ぎてマシンが不安定になったが、翌日に向けてのセッティング変更の方向性は見えていると中野選手は語る。

「今日はもっといい結果を期待していましたが、想定外の問題がいくつか発生していましまい、予想していた順位よりもだいぶ下がってしまいました。」と中野選手。

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「この状況を改善できるように、今晩はシャシーのバランスとエンジンのセッティングをしっかり見直す必要があります。現段階はエンジンのパワーの出方が少し激しすぎてバイクがちょっと不安定ですし、それによりコーナーの進入でリアがはじき出されるような感じになります。この影響で今日は何度も危うくハイサイドをするところでした。」

「まだタイヤ選択の幅もありますし、同様にシャシー・セッティング案もいくつか既にありますので、明日は改善が進む筈です。少しのセッティング変更で状況は大きく変わると思いますし、それができればザクセンリンクのコーナー、特に右高速ダウンヒルの8コーナーでも自信が持てるバイクにできます。」

総合14番手タイムは、カワサキ・レーシングのランディ・ド・ピュニエが記録した1分24秒582。この日はリアの暴れるマシンと格闘するような形となり、午後にド・ピュニエは一度転倒しているが、幸い怪我はなかったようだ。

写真「午後のセッションが始まってすぐにラップタイムを1秒くらい改善できましたが、もっとタイムを上げようとプッシュした途端にバイクと格闘するような感じになりました。」とド・ピュニエ。

「セッションの中盤でミスをしてしまい1コーナーで転倒しましたが、特に怪我はありませんでした。ただ、セカンドバイクでコースに出たら全くコーナーに自信が持てなくなりました。ほんのちょっとスロットルに力を入れるだけでリアタイヤがスピンするようになったんです。」

「リアがすぐにスピンしてしまうので、低速コーナーでは自分が開けたいようにスロットルを開けられず、全てのコーナーで大きくタイムをロスしてしまいました。順位が14番手タイムに終わった理由はそれです。」

「今日一日を通してあまりいいスタートが切れたとは言えませんが、今晩中には解決策を見つけて、明日はもっといい結果が得られるようにできると思います。」

■怪我から復帰し、自身の体調を確認しながら走るエリアス

総合15番手はフォルツナ・ホンダのトニ・エリアス。アッセンで左肩を骨折して過去2戦を欠場し、今回ドイツが復帰戦となったエリアスのタイムは1分24秒626。

アッセンでの左肩骨折後に初のサーキット走行となったエリアスは、現在の体調はまだ50%程度とコメントしている。

写真「3週間の自宅待機の後ですから、またバイクに乗れて嬉しいです。」とエリアス。

「骨折の痛みが激しい難しい一日でした。1週間前は左腕を上げる事すらできなかったので、それを思えばまだ相当ましですけど。」

「今の回復状況はだいたい50%から60O%と言ったところですが、大切なのはバイクに乗れるようになった事です。痛みのために周回を多く走る事はできていません。午前は15周で、午後は25周です。」

「今の自分の体調を考えれば、初日の内容には満足できます。また、今日は自分の新しいエンジニアと初めて仕事をしましたが、すごく効率的でした。」

■ダンロップタイヤの改善状況を喜ぶホフマン

総合16番手は、セテ・ジベルナウの復帰によりドゥカティー・ワークスでの代役を終え、今回から所属チームであるプラマック・ダンティーンに復帰したアレックス・ホフマン。ホフマンのホームGP1日目のタイムは1分25秒092。

母国で走れる事が嬉しいと語るホフマンは、ドゥカティー・ワークスで走っている間にダンロップタイヤが進化していた事に驚いている。

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「ここは自分の母国GPですから、ホームでレースができる事を嬉しく思います。チームと一緒にドイツに戻れましたからね。」とホフマン。

「すぐにリズムを取り戻す事がとても難しいのは事実ですが、自信はありますよ。タイヤは進化しましたね。他のライダーと同じペースで前より長く走れるようになったので、以前より楽しめるようになりました。」

「明日は少しセッティングに変更を加える予定ですし、もっとライディングの感触を向上させてラップタイムを縮めたいです。このコースのいくつかのコーナーに対しては既にいいマシンのバランスを見つけていますが、その他のコーナーについては特にフロントまわりのセッティングをまだ煮詰める必要があります。」

「データを分析して、もっと改善を進めます。」

■バーミューレン「雨にコース学習を邪魔されたが楽しかった」

総合17番手はリズラ・スズキのクリス・バーミューレン。初めてのザクセンリンクでの走行を終えた1日目のクリスのタイムは1分25秒293。

今年は初めてのコースの攻略に燃えるクリス・バーミューレンだが、1日目の午前は不幸にして雨となり、セッションを最大限に学習のために利用する事はできなかったようだ。

明日はもっと速くなるとバーミューレンは語る。

写真「また初めてのコースで少し雨が降ったので、自分には有り難くない話です。走行時間が減ってしまいましたからね。」とクリス。

「このサーキットはとても楽しいです。今日は可能な限りの周回数を走り、バイクのセッティングも変更しました。ブリヂストンはたくさん新しいタイヤを持ち込んでくれていますし、向かうべき正しい方向性はほぼ見つかったと思います。」

「今回はコースの学習が中心でしたので、今晩ぐっすり眠れば明日はもっと速くなってると思いますよ。」

■カルドソ「明日は全力でいける」

総合18番手タイムはプラマック・ダンティーンのホセ・ルイス・カルドソが記録した1分25秒707。ダンロップタイヤの進化を喜ぶチームメイトのホフマンと同様に、カルドソもマシンのフィーリングが良くなったとコメントしている。

写真「このコースは好きです。」とカルドソ。

「明日に向けてセッティングを少し変更しますが、今日一日の調子は全体的にとても良かったですよ。」

「明日は全力でいきます。自分の走りも改善したいし、それにバイクの感触が良くてすごく自信が持てるんです。」

「1つ残念なのは最後の周回に転倒した事です。明日までにメカニックは大変な仕事量をこなしてバイクを直さなきゃいけないので、本当に申し訳ないです。」

■チーム監督に心配され始めたエリソン

初日の最後尾となる19番手タイムは、TECH3ヤマハのジェームス・エリソンが記録した1分25秒833。

好調な発展を遂げるダンロップ勢の中で、今回は少し出遅れた感のあるジェームス・エリソンについて、彼の所属するTECH3ヤマハのチーム監督であるエルベ・ポンシャラルは「ジェームスについては少し心配だ。最後尾の成績は決して良いとは言えないし、タイヤは既に大きく進化している。シーズンは半分を過ぎた訳だし、スピードを上げられる方法を何か考える必要がある。もっと速く走れなければ厳しい。」と発言している。

この日は少し大きめのホイールも試す事により進展があったとエリソンは語る。

写真「今週は落ち着いてスタートが切れましたが、レースウイークの度にバイクのセッティング変更が大きいので、毎回1からやり直しになっています。」とエリソン。

「第2区間のねじ曲がったコーナーではいい走りができていますが、最初の区間ではブレーキをかけた後の立ち上がりでマシンが振動して安定感が得られていません。少し大きい径のホイールを今日試したら、接地感は少し粗い感じにはなったものの改善の兆しが見えるようになり、コーナーの進入でより自信が持てるようにはなりました。」

「タイヤの構造は以前と比べると大きく強度が増し、変形する事がなくなったようですので、次は少しソフトなタイヤに戻してみます。ホイールを大径にしたのでタイヤの強度が強すぎる感じに今はなっています。タイヤがハードすぎるとすべてのギャップをひろってしまいますしね。」

「少なくとも、作業の方向性は見つけられました。今の段階でカルロスからはだいぶ離されているのは知っていますが、午後はカルロスが午前に出していたタイムに近づきました。彼からセッション1回分進みが遅れていますね。」

「さらにいい方向性も見つけられると思いますし、新しいフロントタイヤもあります。午前は雨で出遅れてタイムをロスしましたので、今日の午後は自分たちにとっては最初のセッションみたいなものでした。」

「午後のセッションでは進展がありましたので、明日は大きく改善できると思います。」


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