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2006年7月10日
7月9日(日)、世界トライアルの第7戦がポーランドのミシュレニッシェで開催された。今回のポーランドGPは、世界トライアル・ヨーロッパラウンド3連戦の3週目となるが、この3連戦の中の過去2戦で最も好調なのはモンテッサ(HRC)のフジガスこと藤波貴久選手だ。
■過去2戦で上位3名とのポイント差を縮めたフジガス
藤波選手は、今シーズン序盤は開幕前のインドアトライアル出場中の怪我(骨折)により苦しめられ、第4戦の日本GPが終了した時点ではランキング5位、ポイントリーダーのアダム・ラガからは31ポイント差まで引き離されていた。
日本GP終了後のオフウイーク中にやっと体調を取り戻した藤波選手は、第5戦のフランスGPではモンテッサのドギー・ランプキンと同失点となったがクリーン1回の差で2位(アダム・ラガは4位)、第6戦のイタリアGPではシェルコのアルベルト・カペスタニーと同失点ながらクリーン1回の差で今期2度目の優勝(アダム・ラガは5位)を飾り、今回のポーランドGPまでに2位のドギー・ランプキン(120pt)と3位のトニー・ボウ(115pt)と僅かなポイント差のランキング4位(114pt)となり、トップのアダム・ラガ(132pt)とのポイント差も18ポイント差まで縮めている。
■11年ぶりのポーランドGPは奇妙なコース
ヨーロッパ3連戦中、全ての試合は猛暑の中で行われる事になった。この日の会場となったポーランドのミシュレニッシェは晴天に恵まれ、気温は35度。3000人の観客の中、まぶしい日差しの中で決勝戦が行われている。
世界トライアル選手権がポーランドを訪れたのは11年ぶりの事であり、現地に用意されたコース前半のいくつかのセクションは、最近のライディング・レベルから見ても少しばかり難度が過ぎたようだ。主催者側もこれを認め、ライダーと審査員たちは話し合いにより円滑に競技を進める上での妥協点を最初に決め、これに従い今回の試合は進行されている。
■慣れないコースに苦戦する選手たち
前半戦のトップは、第1ラップの第3セクションをただ一人クリーンで通過したアルベルト・カペスタニー。それ以外の競技者は全て同セクションで失点を記録している。
15あるセクションのうちの14のセクションは、草木の密集した暗い密林地帯に位置しており、その全てが水辺からそびえ立つ急な斜面を含んでいる。奇妙なコースの中で誰もが曇りがちの表情だったが、1ラップ目の最後に藤波から1失点差でリードを奪ったカペスタニーだけは明るい表情を見せたようだ。
第1ラップ終了時点、ポイントリーダーのアダム・ラガは、2番手の藤波選手より4失点多い3番手、続くドギー・ランプキンは5失点多い4番手となった。
■第2ラップ、追い上げるラガを抑えてフジガスが今期3度目の勝利
第2ラップ、モンテッサの藤波貴久選手は全セクションを16失点のみで通過し、2ラップ目に14失点というベストスコアを記録したアダム・ラガの追い上げを抑えて今期3度目の勝利を手にした。
また、ラガとカペスタニーは同失点のためにタイブレイク(同点者のみでクリーン数を比較)となり、1クリーン差でポイントリーダーであるガスガスのアダム・ラガが年間ランキングの観点で貴重な2位表彰台を獲得している。3位表彰台はラガにタイブレイクで破れたシェルコのアルベルト・カペスタニー。
モンテッサのドギー・ランプキンは4位で今回のポーランドGPを終えており、この時点のポイントランキングはトップがアダム・ラガの149ポイント、2位が藤波選手の134ポイント、3位がランプキンの133ポイント、4位がカペスタニーの125ポイントとなった。
今期3度目の勝利を手にし、ポイントランキングを2位まで挽回した藤波選手は、試合後に以下の通りコメントした。
「2週間で2回優勝できるなんて嬉しいです。ランキングも2位に上がりましたしね。」と藤波選手。
「ラガを捕らえるのは難しいでしょうが、このまま勝ち続ける事ができれば少なくともプレッシャーは与える事ができます。」
「今日は難しい試合でしたね。今朝は第6セクションのダウンヒル部分で思いっきり転んでしまい、腕にひどい怪我をしてしまいました。残りの試合は腕の痛みとの戦いでしたが、最後まで何とか頑張って勝つ事ができて良かったです。」
以下にポーランドグランプリ上位の結果とポイントランキングを示す。
■ポーランドグランプリ結果
1. 藤波貴久 (JPN-Montesa), 44
2. Adam Raga (E-Gas Gas), 45 (16 Cleans)
3. Albert Cabestany (E-Sherco), 45 (15 Cleans)
4. Dougie Lampkin (GB-Montesa), 59
5. Marc Freixa (E- Beta), 68
6. Jeroni Fajardo (E-Gas Gas), 69
7. Toni Bou (E-Beta), 70
8. Tadeusz Blazusiak (POL-Scorpa), 74
9. James Dabill (GB-Beta), 87
10. Shaun Morris (GB-Gas Gas), 97
11: Daniele Maurino (I-Gas Gas), 98
12. Fabio Lenzi (I-Montesa), 123
13. 小川毅士 (J-Montesa), 124
14. Henri Himmanen (FIN-Sherco), 130
15: Jerome Bethune (FRA-Beta), 133
■年間ランキング
1. Raga 149
2. 藤波貴久 134
3. Lampkin 133
4. Cabestany 125
5. Bou 124
6. Fajardo 100
7. Freixa 77
8. Blazusiak 60
9. Dabill 59
10. Morris 36
11. Maurino 22
12. 黒山健一 21
13. 小川毅士 18
14. 小川友幸 16
15. Pascuet 15
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