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BSB第7ラウンド 清成選手が今期初のダブルウイン |
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2006年7月9日
ブリティッシュ・スーパーバイク選手権(BSB)の第7ラウンドが、MotoGPのカタルーニャGPと同じ6月18日に、イギリスのスネタートンで決勝日を迎えている。この日の天候は終日晴れとなり、穏やかなレース日和となったようだ。
■ドゥカティー勢の圧勝となったシーズン前半
今回のスネタートンは、BSBのシーズン折り返し地点となる。現在までにポイントランキンのトップを独走しているのは、前回のマロリー・パーク戦までに今期7回の優勝を果たしているドゥカティーのグレゴリオ・ラビラ(223pt)。ランキング2位は今期に一度も優勝はしていないものの、2位表彰台を6回と3位表彰台2回を獲得しているドゥカティーのレオン・ハスラム(161pt)。
■タイトル獲得に向けて優勝回数を増やしたいHMプラント・ホンダ勢
ランキング3位はHMプラント・ホンダの清成龍一選手(149pt)。清成選手はマロリー・パーク戦までに2回の優勝と1回の2位表彰台、2回の3位表彰台を獲得しているが、ラビラとの74ポイントまで開いた差をシーズン終盤までに縮める為には、今後にどれだけ優勝を重ねられるかにかかっている。
清成選手に続くランキング4位は、清成選手のチームメイトであるHMプラント・ホンダのカール・ハリス(110pt)。
■シェーン・バーンは初日に怪我
リズラ・スズキのシェーン・バーンは、6月16日(金)午前のプラクティス・セッションでの高速走行中に転倒してを意識を失った。バーンは地元の病院に搬送されて医療検査を受けたが、意識は後に回復し、幸い骨折などのダメージも見つからなかった。
8日間の安静を命じられたシェーン・バーンは今回のスネタートン戦を欠場する事になったが、次戦のノックヒル戦には問題なく出場できる。尚、今回の決勝当日はアドバイザーとしてリズラ・スズキのピットに元気な姿を見せている。
■盗難されたバーンのGSX-R1000、大量の肥やしの中から発見
今回のスネタートン戦が終わった翌月の7月5日、BSB合同テストがイギリスのクロフト・サーキットで行われたが、その前日の7月4日夜に鍵をかけてサーキットのガレージに保管されていたリズラ・スズキのバイク2台が5日早朝までに何者かにより盗み出されている。
幸いバイクは警察への通報により5日午前中に発見され、バーンはその1台を当日午後のテストから使用する事はできたが、イギリスのスポーツサイトであるMCNによれば、警察とチームが発見した際に2台のバイクは大量の肥料(肥やし)で完全に覆われており、チーム・スタッフの懸命の努力により1台は走行できるレベルに清掃されたようだ。
■6月18日のスターティング・グリッド
1列目ポールポジションはドゥカティーのレオン・ハスラム、2番グリッドは同じくドゥカティーのグレゴリオ・ラビラ、3番グリッドはHMプラント・ホンダの清成龍一選手、4番グリッドはSBKシルバーストーン戦にスポット参戦してポールポジションを獲得したバージン・モバイル・ヤマハのトミー・ヒル。
2列目5番グリッドにはHMプラント・ホンダのカール・ハリス、6番グリッドにはホンダ・ストバルト・モータースポーツのマイケル・ルター、7番グリッドにはリズラ・スズキのジェームス・ハイドン、8番グリッドにはレッドブル・ホンダのジョナサン・レアが並んだ。
■レース1
シグナルが消え、好スタートを決めたのは清成龍一選手とカール・ハリスのHMプラント・ホンダ勢2名。
清成選手とハリスの2台は序盤から後続を引き離し、そのまま21ラップを逃げ切るかのように見えたが、3ラップ目にカール・ハリスが高速転倒してコースにはペース・カーが入った。
カール・ハリスはこの転倒直後に脳震盪を起こして意識を失ったが、幸い怪我は一切負わなかったようだ。
ペース・カーがコースを4周してからレースは再開し、清成選手が再びレースをリードしたが、すぐに2番手につけたドゥカティーのレオンハスラムが背後に密着し、清成選手に対してプレッシャーを与え続けた。
ハスラムの真後ろには彼のチームメイトのラビラがつけたが、ラビラは8ラップ目にペースが維持できなくなり徐々に後退。
この日の清成選手のCBR1000RRはドゥカティーに一歩も譲らない加速を見せ、ストレートでのハスラムの追撃を一切許さなかった。
最終ラップの21周目までハスラムを抑えきり、HMプラント・ホンダの清成龍一選手が今期3度目となる優勝を果たした。0.3秒差で2位チェッカーを受けたのは最後まで清成選手に食い下がったドゥカティーのレオン・ハスラム。3位表彰台を獲得したのはポイントリーダーであるドゥカティーのグレゴリオ・ラビラ。
■レース2
午後のレースでもホールショットを奪ったのはHMプラント・ホンダの清成選手だが、オープニングラップ中にドゥカティーのレオン・ハスラムが清成選手を交わしてトップに立った。
清成選手は先頭を行くハスラムを追走して順調にペースを伸ばし、トップに踊り出ようとしたが、その直後の12ラップ目にリズラ・スズキのジェームス・ハイドンが高速走行中にカワサキのディーン・トーマスと接触し激しく転倒。
ハイドンとトーマスは、初日にリズラ・スズキのシェーン・バーンが運ばれた病院に搬送されて検査を受けたようだが、特に命に別状はない。
この事故によりレースは赤旗中断となり、再開後は8ラップのみのショート・ダッシュ・レースで勝敗を競う事になった。
■この日3度目のスタート後、再びペースカー
清成選手はこの日3度目のホール・ショットを奪い、その後ろにはドゥカティーのグレゴリオ・ラビラがつけた。
ラビラは激しく清成選手を追い上げたが2ラップ目序盤に転倒し、これが原因でこの日2回目のペースカーがコースに入ったが、ラビラは怪我を負う事なく歩いてピットに戻っている。
ペースカーが2周してからレースは再開。その後は清成選手が再び先頭に立ち、背後にはレオン・ハスラムがつけるというレース1と同じ展開になった。レース1と同じくハスラムはストレートで清成選手に差をつけられ、前を奪う事ができない。
レース2を制したのもHMプラント・ホンダの清成龍一選手。ドゥカティーのレオン・ハスラムは清成選手と0.4秒差で2位チェッカーを受けた。3位表彰台を獲得したのはバージン・モバイル・ヤマハのトミー・ヒル。
清成選手は今期初のダブル・ウインを達成し、ポイントリーダーであるグレゴリオ・ラビラとの年間ポイント差を40ポイントまで縮め、ランキング2位のレオン・ハスラムまで僅か2ポイント差のランキング3位となった。
清成龍一選手はこの日のレース後、以下の通りコメントした。
「もの凄く嬉しいです。」と清成選手。
「またダブル・ウインができるなんて最高です。両方のレースで調子良く走れましたし、マシンが素晴らしかったですね。レース2の最終ラップは本当にドキドキしました。」
「今回はいいレースウイークでした。」
以下にBSB第7ラウンド、スネタートンの10位までの結果を示す。
−BSB第7戦スネタートン レース1−
1, 清成龍一 (HM Plant Honda) 24m13.531s
2, Leon Haslam (Ducati) +0.298s
3, Gregorio Lavilla (Ducati) +5.629s
4, Jonathan Rea (Honda) +9.584s
5, Michael Laverty (Honda) +10.074s
6, Tommy Hill (Yamaha) +12.036s
7, Michael Rutter (Honda) +12.230s
8, James Haydon (Suzuki) +18.694s
9, Billy McConnell (Yamaha) +21.233s
10, Ben Wilson (Suzuki) +22.477s
−BSB第7戦スネタートン レース2−
1, 清成龍一 (HM Plant Honda) 9m10.957s
2, Leon Haslam (Ducati) +0.402s
3, Tommy Hill (Yamaha) +3.850s
4, Michael Laverty (Honda) +4.071s
5, Craig Coxhell (Kawasaki) +5.961s
6, Chris Martin (Honda) +9.053s
7, Scott Smart (Suzuki) +9.150s
8, Glen Richards (Honda) +9.383s
9, Jon Kirkham (Suzuki) +9.631s
10, Peter Hickman (Kawasaki) +10.210s
−ポイント・ランキング−
1, Gregorio Lavilla (Ducati) 239pts
2, Leon Haslam (Ducati) 201pts
3, 清成龍一 (HM Plant Honda) 199pts
4, Karl Harris (HM Plant Honda) 110pts
5, Shane Byrne (Suzuki) 105pts
6, Jonathan Rea (Honda) 96pts
6, Michael Laverty (Honda) 96pts
8, Michael Rutter (Honda) 90pts
9, Tommy Hill (Yamaha) 87pts
10, Dean Thomas (Kawasaki) 64pts
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