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2006年7月3日
7月2日(日)、イギリスのドニントン・パークに詰めかけた6万8千人の観衆の中、MotoGPクラスの決勝レースが行われた。
■午前の雨に影響を受ける各チーム
この日の午後のレースは天候に恵まれ、気温は27度、路面温度は45度、湿度は20%とほぼ前日までのフリー走行や予選と同じ気象条件となったが、午前のウォームアップは今回のイギリスGP中唯一の雨天となり、前日の予選以降にセッティングを変更したチームの多くがバイクの挙動を確認する事ができず、レースの走りに影響の出たライダーも少なくなかったようだ。
イギリスGP開始からレース前の二日間中に最も好調な走りを見せていたのはレプソル・ホンダのダニ・ペドロサだ。初日の2セッションをトップタイムで終え、2日目午前のフリー・プラクティス3はケーシー・ストーナーに次ぐ2番手タイム、午後の予選ではポールポジションを獲得している。
■雨のレースを期待したニッキーとカピロッシ
ペドロサのチームメイトのポイントリーダー、今期はレプソル・ホンダのエースライダーとしてRC211Vの開発も精力的に進めているニッキー・ヘイデンだが、彼のイギリスGP初日から2日間の成績はあまり良いとは言えなかった。初日は10番手タイムと9番手タイム、2日目は8番手タイムと予選の11番グリッドであり、平均して全体の10位前後に位置している。
3日目午前の予期せぬ雨のウォームアップ、ニッキー・ヘイデンは今回のイギリスでは初めてとなるトップタイムでセッションを終え、午後のレースも雨になる事を強く望んだが、天気は彼の希望通りにはならなかった。
カタルーニャでの怪我が完治せず、休みながらの走行の為にイギリスでのタイヤ選択に時間があまり取れていないドゥカティーのロリス・カピロッシも、3日目午前の雨がレースまで長引けば自分にとって有利になると考えていたという。
また、「カピロッシのブリヂストンタイヤ選択を助けたい」と、セテ・ジベルナウの代役としてドゥカティー・ワークスからの出場が決まった直後に述べていたアレックス・ホフマンだが、SBKに慣れたホフマンと、カピロッシのタイヤ選択の傾向は全く異なり、カピロッシは「ホフマンのタイヤ選択はあまり自分の役には立たない」と述べ、タイヤ選択作業は全て自分で行ったようだ。
ホフマンはカワサキ時代にも、中野選手とは異なる種類の足回りを選んだと言われている。
■ギャンブルセッティングに挑むロッシとバージェス
2日目までにYZR-M1の新型シャシーをドニントンパークに合わせられず、予選をコーリン・エドワーズの10位、バレンティーノ・ロッシの12位という期待外れの結果で終えているキャメル・ヤマハ勢だが、バレンティーノ・ロッシのメカニックは夜通しの作業を通して最後のセッティング改善を行ったものの、午前の雨のせいでドライのレースに向けたテストは全くできなかったようだ。
バレンティーノ・ロッシは午後のレース用セッティングは「ほぼギャンブル」だと述べた。
■フロントまわりのバランスとサスペンションを見直すコニカミノルタ
16.5インチにタイヤを戻してからフロントの接地感不足に悩んでいる玉田誠選手の所属するコニカミノルタ・チームも、14番グリッド確保という残念な予選結果を経て、チームスタッフはレース前日の夜にフロントまわりのバランスとサスペンションの変更を行ったようだが、他のチームと同様に午前の雨でその効果を全く検証できていない。
玉田選手は初日と2日目のセッションとは異なるマシン・セッティングでレースに挑んでいる。
■新型シャシーの採用を見送ったチーム・ロバーツ
初日と2日目は、ムジェロのテストで好感触を得ているシャシーと今回のイギリスから導入した新型シャシーを平行してテストしたチーム・ロバーツだが、ケニー・ロバーツ・ジュニアは今回のレースでは前回のレースで納得のいっているムジェロ・バージョンのシャシーに戻している。
尚、レプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンも今回より新型シャシーを導入し、従来シャシーと平行してテストをしているが、レースにどちらを用いたかは不明。
■スターティング・グリッド
1列目ポールポジションは、イギリスで初日から好調のレプソル・ホンダのダニ・ペドロサ、2番グリッドはトルコでのポールポジションに次ぐ高グリッドを獲得したリズラ・スズキのクリス・バーミューレン、3番グリッドはカタルーニャの怪我による影響から右半身に痛みを訴えるフォルツナ・ホンダのマルコ・メランドリ。
2列目4番グリッドは、予選では常に好位置をキープする傾向にあるリズラ・スズキのジョン・ホプキンス、5番グリッドはカタルーニャで強打した左胸の痛みから長時間の走行が苦しいドゥカティーのロリス・カピロッシ、6番グリッドは後半戦に向けてレースでの成績を挽回したいカワサキのランディー・ド・ピュニエ。
3列目7番グリッドは予選でギアボックスのトラブルに苦しんだカワサキの中野真矢選手、8番グリッドはホンダLCRのケーシー・ストーナー、9番グリッドはチーム・ロバーツのケニー・ロバーツ・ジュニア。
ポイントリーダーのニッキー・ヘイデンは4列目11番グリッド、前回のアッセンで右手首と左足首の骨にひびが入り、痛み止め注射を受けて走るバレンティーノ・ロッシは3列目12番グリッド。
コニカミノルタ・ホンダの玉田誠選手は5列目14番グリッドからのスタートとなる。
16番グリッドにはホームGPに燃えるジェームス・エリソンが、マシンカラーとは異なるイギリス・スペシャル・カラーのレザースーツに身を包んでいる。
■レース開始、メランドリがホールショットを奪う
シグナルが消え、どのライダーよりも勢いよく前に飛び出したのは3番グリッドのマルコ・メランドリ。ポールポジション・スタートのダニ・ペドロサも好スタートを決める中、3列目からスタートしたケーシー・ストーナーが一気に2列目スタートのライダーからポジションを奪い1コーナーに向けて加速する。
オープニングラップ、18台のバイクが一斉に1コーナーに向かい、メランドリがそのままホールショットを奪った。1コーナーから順にマルコ・メランドリ、2番手のダニ・ペドロサ、3番手のケーシー・ストーナー、4番手のクリス・バーミューレン、5番手のジョン・ホプキンス、6番手のケニー・ロバーツ・ジュニア、7番手のロリス・カピロッシ、8番手の中野真矢選手、9番手のコーリン・エドワーズ、10番手のニッキー・ヘイデン、11番手のバレンティーノ・ロッシが高速コーナーに向かう。
■予選に引き続きギアボックスのトラブルに苦しむ中野選手
前半の高速セクションでバーミューレンはストーナーを交わし3番手に。続けてストーナーはホプキンスにも交わされ5番手に後退。ニッキー・ヘイデンはエドワーズと中野選手を交わして8番手に。
中野選手は予選の時と同様にギアボックスのトラブルに苦しみ、シフトダウンがひっかかってスムーズにできない。
■好調のホプキンスが上位に浮上
ホプキンスはチームメイトのバーミューレンを交わして3番手に浮上。
2ラップ目、集団は長い1列となり、先頭から最後尾まで隙間なくライダーが連なっている。先頭からメランドリ、2番手にペドロサ、3番手にホプキンス、4番手にバーミューレン、5番手にストーナー、6番手にロバーツ・ジュニア、7番手にカピロッシ、8番手にヘイデン、9番手に中野選手、その後ろの10番手にはロッシがつけた。
ロッシの後ろから、11番手のエドワーズ、12番手にランディー・ド・ピュニエ、13番手にジェームス・エリソン、14番手に玉田誠選手、15番手にカルロス・チェカ、16番手にアレックス・ホフマン、17番手にカルドソ、最後尾の18番手は前日の予選中に転倒して左足首の靱帯を痛めて苦しむイバン・シルバ。
3ラップ目、ストーナーがバーミューレンを交わして4番手に浮上するが、その他にはあまり順位の変動が見られない。
4ラップ目、先頭4台のメランドリ、ペドロサ、ホプキンス、ストーナーの4台のみが1分29秒台に突入し、5番手のロバーツ・ジュニア以降が少し離されている。
■メランドリの背後につけトップを狙うペドロサ
ペドロサはメランドリの背後につけて隙を窺っている。
5ラップ目の後半、ヘイデンとカピロッシが激しく7番手を争っている頃、2番手のペドロサが先頭のメランドリにバックストレートで並びかけるが、メランドリはブレーキングでシケインにトップで突入し、ペドロサがそれに続く。
■ペドロサがあわや転倒のミス
シケインを抜けてすぐのストレート、メランドリとペドロサの2台が猛加速でヘアピンに向かい、メランドリの前に出ようとブレーキを遅らせすぎたペドロサがヘアピンで止まりきれずに、メランドリとの衝突を避けようとフロントを軽くロックさせてしまう。
「どいて!」とメランドリに叫んだというペドロサの願いは叶い、メランドリはペドロサに衝突される事なくヘアピンをぬけて曲がったが、ペドロサのバイクは前輪をスキップさせるように跳ねながら、そのままストレートの終端ぎりぎりまでオーバーランした。
慌ててマシンを切り返して最終コーナーに向かおうとするペドロサの横をホプキンスが曲がり悠々と2番手に浮上。ペドロサはポジションを1つ後退するだけでこの事態を逃れて3番手に。
■順調な追い上げを見せるロバーツ
ペドロサのすぐ斜め後方ではロバーツ・ジュニアがストーナーを交わし4番手に順位を上げている。ロッシは中野選手を交わし9番手に。
6ラップ目のホームストレート、先頭からメランドリ、2番手のホプキンス、3番手のペドロサ、4番手のロバーツ・ジュニア、5番手のストーナー、6番手のバーミューレン、7番手のヘイデン、8番手のカピロッシ、9番手のロッシ、10番手の中野選手、11番手のエドワーズ、12番手のド・ピュニエ、13番手の玉田選手、14番手のチェカが続く。
■黙々と順位を上げるロッシ、シルバはレースを断念
ロッシはカピロッシを交わし8番手に浮上。
左足の怪我を押して出場したプラマック・ダンティーンの代役ライダーであるイバン・シルバは、この周回で走行を断念し、リタイアした。
7ラップ目、メランドリ、ホプキンス、ペドロサ、ロバーツ・ジュニアが他のライダーを引き離し、先頭集団は4台編成となる。ジュニアの1.1秒後方からストーナー、バーミューレン、ヘイデン、ロッシが続く。
ペドロサはバックストレート終端のシケイン入り口でホプキンスの真後ろにつけるが、ホプキンスは前を譲らない。
■ニッキーが痛恨のミス、大きく順位を後退
4番手のロバーツ・ジュニアが通り過ぎ、続いてバーミューレン、ヘイデン、ロッシが前を争ってシケインに飛び込んだが、勢いのありすぎたヘイデンだけがオーバーラン。ここでヘイデンは後続のカピロッシ、中野選手、エドワーズにも前を奪われ、11番手まで後退した。
8ラップ目、先頭のメランドリ、ホプキンス、ペドロサが前を争う中、4番手のロバーツはその後ろを安定して走行。
■ペドロサが再び2番手に
ペドロサはシケイン入り口でホプキンスのインを奪い2番手に復帰。
9ラップ目、先頭からメランドリ、ペドロサ、ホプキンス、ロバーツ・ジュニア、その1.6秒後方にストーナー、さらにその1.7秒後方にバーミューレンとロッシが続く。
カルロス・チェカは玉田選手の前を奪い13番手に。
シケインの入り口ではペドロサがメランドリの真後ろにつけてインを窺うが、最初にコーナーを抜けたのはメランドリ。
■ホプキンスのミス、その隙に浮上するロバーツ
ロッシがヘアピンでバーミューレンを交わして6番手に上がった頃、ホプキンスは最終コーナーを曲がりきれずにオーバーラン。ロバーツ・ジュニアはその横を通り抜けて3番手に浮上。
10ラップ目、先頭のメランドリとペドロサの2台が熾烈に前を争う。必死の猛ダッシュとブレーキングで逃げるメランドリに食い下がるペドロサ。
■ブレーキングを遅らせ暴れるメランドリのマシン
メルボルン・ヘアピン進入のブレーキングを遅らせたメランドリは、コーナー真ん中でリアを大きくスライドさせて立ち上がり加速に入れないが、ペドロサもメランドリとほぼ同じラインをトレースしてしまい前には出られない。
11ラップ目、ペドロサはメランドリにプレッシャーを与え続けるように走行し、メランドリは最終コーナーでペドロサの追撃を逃れるべく、どこまでも深くブレーキングして激しくマシンを跳ねさせて加速。
中野選手はギアボックスの不調をクラッチ操作で補う事に慣れ、少しペースを上げてカピロッシを交わし8番手に。
■ついにトップを奪い、逃げの体制に入るペドロサ
12ラップ目、ペドロサがバックストレート入り口から3つ程手前の右コーナーであるマクレーンズ・コーナーでメランドリのインを奪い、ついにトップに立った。バックストレートを先頭で加速するペドロサ、その後方には2番手のメランドリ、3番手のロバーツ・ジュニア、4番手のホプキンス、5番手のストーナー、2.4秒後方に6番手のロッシ、7番手のバーミューレン、8番手の中野選手、9番手のカピロッシ、10番手のエドワーズ、11番手のヘイデン、12番手のド・ピュニエ、13番手のチェカ、14番手の玉田選手が続いた。
13ラップ目、先頭のペドロサが2番手のメランドリを0.8秒引き離し、メランドリはこのペースアップにはついて行けない。
■今期のパターンにはまり込むホッパー
ストーナーはホプキンスを交わして4番手に浮上し、タイヤのグリップがなくなったというホプキンスはペースを大きく落とし始める。ホプキンスの後方にはロッシが迫り、その3.7秒後方にバーミューレンと中野選手。
14ラップ目、ロッシはシケイン入り口のインをホプキンスから奪い5番手に。ホプキンスのラップタイムはこの時点で1分31秒台中盤まで落ちている。
■無念の中野選手
ここでカワサキの中野真矢選手の乗るNinja ZX-RRが突然エンジンのパワーを失い失速。中野選手はグラベルにマシンを逃がし、レース継続を断念した。
レース折り返し地点の15ラップ目、トップのペドロサは1分29秒221のハイペースで走行し、その2秒後方となったメランドリは1分29秒755で走行している。
■無理ができなくなるカピロッシ
カピロッシは前日に「30分過ぎてから怪我が痛み出す」と述べていたが、ここでペースを落とし始め、最初にエドワーズ、続いてマクレーンズ・カーブでヘイデンにも交わされ10番手に後退した。
16ラップ目、4番手のストーナーが3番手のロバーツ・ジュニアの背後に密着して走行している。順位は先頭からペドロサ、メランドリ、ロバーツ・ジュニア、ストーナー、ロッシ、ホプキンス、バーミューレン、エドワーズ、カピロッシ、ド・ピュニエ、チェカ、玉田選手、ホフマン、エリソン、カルドソ。
■逃げるペドロサ、コーリンとクリスが接触
17ラップ目、トップのペドロサは2番手のメランドリを3.2秒引き離して単独走行を続けている。
エドワーズはバーミューレンにシケイン後のストレートで並びかけ、メルボルン・ヘアピンにはバーミューレンより先にオーバーラン気味で突入した。そのイン側にバーミューレンは進入したが、外側から折り返してきたエドワーズと接触してしまう。
行き場を失ったバーミューレンはコース上に転倒。ハンドルの曲がってしまったマシンをピットに戻し、スズキスタッフによる修理を受けてバーミューレンは再びコースに出たが、ポイント圏外となる最後尾の16番手まで順位を落としてしまう。
バーミューレンのマシンの左ステップ(足乗せ)は曲がったまま、チェーンと接触している。
■ストーナーの背後まで迫るロッシ
19ラップ目、ロッシはストーナーの1.6秒後方まで近づく。目に見えて2台の間隔が狭まる。
20ラップ目、先頭からペドロサ、4.6秒後方に2番手のメランドリ、3番手のロバーツ・ジュニア、4番手のストーナー、1.5秒後方に5番手のロッシ、8.8秒後方に6番手のホプキンス、7番手のエドワーズ、8番手のヘイデンが続く。
2位集団のメランドリ、ロバーツ・ジュニア、ストーナーの3台は前を争いながらほぼ同時にシケインに飛び込む。その先のメルボルン・ヘアピンでストーナーはロバーツ・ジュニアに並びかけるが、前を奪う事はできなかった。この3台の間隔は殆どない。
21ラップ目、前の周回と同じくストーナーがメルボルン・ヘアピンでロバーツ・ジュニアのインに飛び込み、今回は前を奪う事に成功して3番手に順位を上げた。
■2位集団に加わるロッシ、後退を続けるホプキンス
22ラップ目、ペドロサの5.7秒後方の2位集団に、ついにバレンティーノ・ロッシが加わった。集団はメランドリ、ストーナー、ロバーツ、ロッシの順。この4人のうち、ロッシだけは遙か前方で飛ばすペドロサと殆ど変わらない1分29秒台中盤のハイペースで走行している。
ホプキンスはエドワーズとヘイデンに交わされ8番手まで後退。
■メランドリのミス、2位集団が変動
23ラップ目、ペドロサが後続を6秒まで引き離した頃、メランドリは背後に迫るストーナー、ロッシ、ロバーツの3台を抑えてマクレーンズ・カーブにインを閉めながら激しく飛び込んだが、イン側によりすぎた為に右側ゼブラゾーンの上を通り、マシンが大きく跳ね上がった。
焦ったメランドリはマシンにしがみついてバランスを立て直したが、その隙をついた後方3名に前を奪われてしまう。ロッシは一気にメランドリとストーナーを交わして2番手となり、この時の2位集団の順位は一瞬、ロッシ、ストーナー、ロバーツ、メランドリとなったが、すぐにストーナーがロッシを交わして2番手に浮上し、メランドリも後にロバーツを交わす。
24ラップ目、コントロールラインを先頭からペドロサ、6.6秒後方から2番手のストーナー、3番手のロッシ、4番手のメランドリ、5番手のロバーツ・ジュニア、さらに10.7秒後方のエドワーズが通過。エドワーズの2秒後方にはヘイデン、ホプキンスが続く。
■ストーナーを順番に交わすメランドリとロッシ
メランドリはバックストレートの終端附近で前を行くロッシの左隣に並びかけ、ロッシの真横を奪って先にシケイン入り口に飛び込んだ。ロッシはメランドリを後方から見つめて追い上げる。
25ラップ目のシケイン、メランドリはストーナーの前に割り込み順位を2番手に戻した。続くメルボルン・ヘアピンではロッシが半ば強引なブレーキングでケーシーのインをつき、3番手に浮上して2番手のメランドリを追う。
■奪われたら奪い返す、手負いのイタリアン2名
26ラップ目のバックストレート、2番手のメランドリ、3番手のロッシがシケインの入り口を目指して猛加速をしている。続くブレーキングでロッシは2ラップ前にメランドリが仕掛けて来たのと同じ位置からシケインの入り口に飛び込み、メランドリのインを奪って2番手に浮上。猛加速を開始する2台。
ロッシから前を奪い返そうとメランドリが次のヘアピンにフルブレーキングで飛び込むが、ロッシは無茶とも言えるライン取りでヘアピンのさらに内側に入り、跳ねるマシンを無理矢理に抑えて走行。メランドリに決して前を渡そうとはしない。
手負いのイタリアン同士の熾烈なバトルの後方では、3番手のストーナーと4番手のロバーツが引き気味で走行している。
27ラップ目、ポイント圏内の15番手を上機嫌で走行するカルドソをペドロサが交わし、さらに7.4秒後方からロッシ、メランドリ、ストーナー、ロバーツの3台がカルドソに迫る。カルドソは慣れた走りで全員に前を譲る。
■速すぎる2台
28ラップ目、2番手のロッシと3番手のメランドリの争いは熾烈を極める。ロッシは残り3周となるこの周回を1分29秒196、メランドリは1分29秒164で走行しており、後方のストーナーとロバーツは1秒近く差をつけられ始めている。
先頭のペドロサは激しく2番手を争う2台の5秒前を1分30秒台で走行。
■2番手のロッシに食い下がるメランドリ
29ラップ目、シケインとメルボルン・ヘアピンでメランドリのRC211VがロッシのYZR-M1のテールに接触ぎりぎりの距離で迫るがロッシは隙を見せない。どこまでも密着して追い続けるメランドリと最終ラップに突入するロッシ。
ファイナルラップ、ダンロップブリッジを越えたメランドリがロッシに並びかけ、次のブレーキングでロッシを交わして先にシケインに飛び込んだ。真っ赤なマシンが黄色のマシンを従えてメルボルン・ヘアピンに向けての猛加速を開始する。
やや加速が遅れたロッシはメランドリを追い上げるがストレートでは差が縮まらない。
■明暗を分けたメランドリの深すぎるヘアピン進入
メランドリとロッシは通常よりも30メートル近くブレーキングを遅らせたという。メランドリがヘアピンの奥深くにロッシよりも先に突入するが、進入が深すぎたメランドリはヘアピンの中央附近までバイクを曲げる事が出来ない。その内側をやはりオーバーラン気味にヘアピンに飛び込んだロッシが直線的に横切り、メランドリよりも先に脱出加速に入った。慌ててバイクの向きを変えて猛ダッシュをかけるメランドリ。
次のショートストレートでメランドリは前を行くロッシに並びかけるが、最終コーナー内側に向けてのラインを奪ったのはロッシだ。メランドリはロッシのマシンの真横に接触寸前の距離までつけて最終コーナーを曲がるが、ミスをしないロッシの前に出る事はできない。
■ペドロサは余裕の勝利、2位チェッカーはロッシ
レプソル・ホンダのダニ・ペドロサが余裕の単独チェッカーを受けて今期2度目の優勝を飾ったその3.8秒後、キャメル・ヤマハのバレンティーノ・ロッシが0.15秒差でメランドリを抑えて2位チェッカーを受けた。フォルツナ・ホンダのマルコ・メランドリは惜しくもロッシには破れたが3位表彰台を獲得。
続いてその1.7秒後に、ホンダLCRのケーシー・ストーナーが4位、チーム・ロバーツのケニー・ロバーツ・ジュニアが5位でチェッカーを受け、その12秒後方から6位のエドワーズ、7位のニッキー・ヘイデン、8位のジョン・ホプキンス、9位のロリス・カピロッシ、10位のカルロス・チェカが続いた。
■コニカミノルタ首脳陣「協力し合うことをチームに要請」
チャタリングに悩まされてコーナリングに苦しんだというコニカミノルタ・ホンダの玉田誠選手は11位。
コニカミノルタ・ホンダチーム責任者のジャンルカ・モンティロンはレース後に「私たちはポイントを獲得し、年間ランキングのトップ10以内は維持している。レース中には何も進展は見られていないし、それどころか金曜と土曜のタイムを再現する事もできていない。今は大変に厳しい状況だ。ここ2戦の舞台となったサーキットでは、過去にマコトがいい成績を一度も出していない事は理解していた。現在までに築いた我々の技術パッケージは確実に優秀なものだが、マコトが力を発揮できるような対策は見つけなければならない。ザクセンリンク・サーキットはマコトが好む特徴を持つサーキットと言える。私はチームに対し、この難しい状況を打破する為に協力し合う事を続けるように要請する。」とコメントした。
■煙に包まれるパルクフェルメ
マルコ・メランドリは最後の自分のミスが許せないという表情を見せるが、ロッシに話しかけられ少し笑顔を取り戻している。
バレンティーノ・ロッシは、前日はほぼ諦めていた表彰台を獲得し、ペドロサとどちらが優勝したライダーなのか分からない程の喜びようを見せ、パルクフェルメでバーンナウトをしながら綺麗な円を地面に描いた。
観戦席から表彰台前になだれ込んだイギリスの観客はこれに沸き返るが、ルーキーイヤー2度目の優勝を飾ったダニ・ペドロサは、ロッシの突然のバーンナウトの煙の中で息が吸えずに苦しそうだ。
■各ライダーのコメント
以下にレース後の各ライダーのコメントを示す。
優勝)ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ
今週は殆どパーフェクトだったので嬉しいです。チームは全てのセッションで最高でした。
スタートはうまくいって、その後は本当に激しくプッシュしてマルコを交わそうとしましたが、楽じゃなかったです。
抜こうとしてブレーキをかけたら全然止まらなくて、コーナーを曲がろうとしているマルコにどんどん近づいて行ったんです。「どいてくれー!」と叫んだら運良くどいてくれて、またトップグループに戻れました。
このクラスは差が接近してるので、あの段階ではどれだけリードを広げられたのか全然分かりませんでしたが、後半は注意しながら少しペースを落とせました。
この優勝は本当に嬉しいですし、イギリスの観客の人たちにとっても楽しめるレースだったと思います。天候もすごく良かったですしね!
今は年間タイトルの順位は全然気にしていません。それは今年の目標ではありませんから。
今でも自分が集中しているのは、最高の走りを目指す事と、そのチャンスを逃さないようにする事です。
2位)バレンティーノ・ロッシ ITA キャメル・ヤマハ
凄いレースでした。それに今回の結果は自分にとって凄く重要です。
ポイントランキングを考える上で、今日の結果はとても良かったと思います。今はレースに勝つ事よりもそっちが重要ですからね。
正直言うと、アッセンの後はここで高い順位がとれるかどうか疑問でした。でもドニントンは自分にとって特別ですし、ファンの人たちも毎年凄く応援してくれる場所ですから、どうしてもいい成績が欲しかったんです。
金曜日にバイクが上手く走らない時には本当に焦りましたが、チームの全員が真剣に頑張っていいセッティングとタイヤを見つけてくれました。予選の後、今日の午前に向けていくつかセッティングを変更をしたんですが、ウォームアップがウェットだったので1回も試せていません。だから今日はそれが正しく機能するかどうかのギャンブルでした。
8周を走った時点でいいペースで走れる事が分かったので、そこからの目標は表彰台を狙う事だと気がつきました。順位を上げていく中でいくつか激しいバトルがありましたが、メランドリに追いついてからはさらに熾烈になりましたね。互いに楽しんで戦いましたし、どちらも一歩も譲りたくありませんでした。
メランドリはいくつかの場所で自分より速かったし、それ以外の場所は自分のが速かったです。最後のヘアピンに向かって2人とも普通より20メートルか30メートルくらいブレーキングを遅らせました。
2人揃ってオーバーラン気味になりましたが、マルコの方が自分より大回りしたので運良く前を奪う事ができましたね。
今日は2位ですが、優勝したくらいの気分です。
3位)マルコ・メランドリ ITA フォルツナ・ホンダ
今日は素晴らしかったですよ!
2週間前の体調を考えれば今日の結果にはとても満足です。ここでレースができるように体調を戻してくれたクリニカ・モバイルの治療には本当に感謝しています。
序盤に数周を走った後で自分の体力が弱ってきた事が分かりましたが、自分のペースを保てるように頑張りました。コースの最初の部分が自分にとっては辛かったですね。でもレースが進むうちにその部分も改善されてきましたし、バイクも完璧でした。
最後から2つめのコーナーでミスしてしまい、2位表彰台を逃したのは残念ですが、バレンティーノとのバトルは凄かったし、ファンの人たちにとっても見応えのある楽しいレースだったと思います。
4位)ケーシー・ストーナー AUS ホンダLCR
もっといい成績を望んでましたが、今日はだめでしたね。
予選直前までの2日間のバイクのセッティングは完璧でしたが、またレースになったらフリー走行の時とは違う挙動が出てしまい、マルコとバレンティーノとケニーの前に出た時はリアがスピンして前に進めませんでした。
それに加えて少し体調も崩してしまい、いつもよりハードなブレーキングができないので、無理せずに4位のポジションを守る事にしました。
レース終盤にマルコとバレンティーノがバトルを始めたら引き離されてしまい、追いつける距離じゃなくなりました。
5位)ケニー・ロバーツ Jr USA チーム・ロバーツ
今日はバルセロナから使ってる古い方のシャシーを使いました。新しい方よりそっちのがまだ馴染む感じでしたからね。
レースのスタートはまあまあでしたし、先頭集団に近づけましたが、レースが進むにつれて自分のライディング・スタイルやライン取りを変えなきゃいけなくなり、少し遅くなりました。
レース序盤の燃料の多い時はフロントまわりがとても良かったんですが、レース終盤に燃料が減ってからはフロントが軽くなりすぎました。代わりにリアの調子は上がったんですけどね。
バレンティーノに捕まってから引き離されるまでの2〜3周は彼に着いて行こうとしました。その後は特に背後からのプレッシャーもなかったのでそのままレースを終え、ポイントも獲得できました。
今週は3台のバイクを使い転倒もしましたから、自分のためにたくさんの仕事をこなしてくれたチームの全員に御礼を言います。
ドイツのレースでいい成績を残すには、到着した金曜日の段階でいいマシンのバランスを見つけなければいけません。過去数週間は多くの変更を加え、大きな進歩がありましたが、今はドイツGPに向けて今までの情報を全て分析する時です。
6位)コーリン・エドワーズ USA キャメル・ヤマハ
今週は歯車が噛み合わいませんでした。6位になってポイントも取れましたが、それでも本当にがっかりですよ。
去年はずっとここでは楽でしたが、最初のプラクティスの時点で今回は状況が違うと分かりました。単純に言えば、全然調子が掴めなかったんです。
レースではバイクの調子はそれほど悪くありませんでしたし、他のライダーも簡単に捕まえる事ができましたが、ブレーキングでパスする為のセッティングが仕上がってなかったので本当に厳しかったですね。レースの最初から最後まで苦しみました。
厳しい数週間でしたが、これからちょっと場面を変えて8耐の準備をしに日本へ向かいます。
2週間後のザクセンリンクではもっといい順位を争いたいです。
7位)ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ
厳しい週末でしたし、ここでは状況を好転させる事ができませんでした。
今日の午前中のウォームアップでトップに立てた時は凄く気分が良くて、残り数箇所をテストするにはあと20分くらい足りませんでしたが、それでもレースは雨になって欲しいと思いました。
金曜日は新しいパーツをいくつかテストするのに多くの時間を使い、昨日はいくつか進展があったのに、午後に電気系トラブルが出てしまったってのが今回の言い訳ですが、本当に一番まずかったのはレースウイーク中に全部をこなしきれなかった事でしょうね。
痛い状況でしたが、レースが始まってからはひたすら集中して順位を2つくらいは挽回しました。
今週は何がいけなかったのかをもう一度チームで考えて、ザクセンリンクではもっといい仕事ができるようにしますよ。チームは今週を通して本当に頑張りましたし、次回のレースまでにはもっと強くなって戻ってきます。
8位)ジョン・ホプキンス USA リズラ・スズキ
もっと高い順位を狙ってたので本当にがっかりですよ。5位とか6位とかね。
今日は憑いてない!全力で頑張ったし今日できる全ての事はやったけどね。マシンの調子も良かったし、ブリヂストンも序盤は本当に好調でしたよ。
小さな問題があって大幅にグリップが低下したけど、できるだけ多くポイントが取れるように走り続けてトップ10以内には入れました。今年の最終的な目標は年間ランキングの5位です。
このまま頑張り続けて、何よりもドイツでポイントが稼げるようにしたいです。その後は楽しみにしているアメリカのホームGPですからね!
9位)ロリス・カピロッシ ITA ドゥカティー・マルボロ
今日はアッセンよりいい結果でしたが、体力はもう使い切りました。
自分の走りたいように走れないのでとても厳しかったです。ここでは出来る限り休息を取るようにしましたが、結果としてそれがタイヤ選択に影響しました。
午前に雨が降った時にはタイヤで不利な点がなくなると思い笑みがこぼれましたが、天気だけは選べませんね!
10周くらい走ってから横滑りが激しくなり、おまけに痛みも出てきたので、その後はランディー(ド・ピュニエ)を抑える事だけに集中しました。
次のレースまでに2週間ありますから、ザクセンリンクまでには体調を戻したいです。さもないとまた辛いレースウイークに逆戻りですから。
10位)カルロス・チェカ SPA TECH3ヤマハ
激しいレースでしたね。レース中はずっとプッシュして走りました。
昨日からいくつかセッティングを変更しましたが、数周走ったらフロントとリアの両方にいい感触が得られるようになったのでプッシュする自信が沸いてきました。
玉田をパスするのは簡単ではありませんでしたが、リズムを掴んでからは自分のペースの方が速くなったので彼をパスして引き離す事ができたんです。ホンダのマシンをパスできたのはいい気分です。その後はド・ピュニエも同じように抜く事ができました。
セッティングを変えていたのでタイヤがどこまで持つか疑問でした。基本的に自分たちはまだ学習しながらダンロップタイヤの改善を進めている段階です。レースウイークの序盤は簡単な状況ではありませんでしたから、今回の結果には満足すべきでしょうね。
週末を通していい進展が見られましたから、メカニックとチームがしてくれた仕事に満足しています。また同様にダンロップタイヤの性能にも満足できます。
この調子を維持し続けて、次のレースではさらに高い結果を望みたいです。
11位)玉田誠 JPN コニカ・ミノルタ・ホンダ
今日のウォームアップではいくつか異なるセッティングを試しましたが、必要な全ての事を試すのに十分は時間は取れませんでした。
レースでは今週ずっと使っている16.5インチタイヤを履きましたが、バランスを良くする為にマシンの重量配分とサスペンションを変更しましたので、今回は予選の時とは違うセッティングになっています。
スタートは悪くなかったんですが、1コーナーで大回りしてしまいました。
チャタリングの問題は土曜日に比べてだいぶ改善されましたが、高速コーナーでインを閉めにくい問題に苦しみました。
レース中はずっとオープニングラップと殆ど同じ順位のままでしたね。
12位)ランディ・ド・ピュニエ FRA カワサキ・レーシング
またスタートが全くだめでした。
レースの序盤はバレンティーノ・ロッシやコーリンエドワーズ、それにシンヤのいるグループについて行く事ができたんですが、レースの中盤にリアのグリップを失い始めてからは同じペースを保てなくなりました。
レースの最初の戦略は先頭集団に最初からついて行く事だったので、リアタイヤの二つのコンパウンドのうち、よりソフトな方を選んでいました。ですのでスタートに失敗した時は落ち込みましたよ。
リアが消耗してきてからも出来る限りプッシュして走りましたが、毎周回一秒ずつくらい遅くなり、最後はチェカや玉田誠に捕まってしまいました。
フリーと昨日の予選が良かったので、今日は12位より上を期待していました。ただ、レース序盤のペースは悪くなかったので今後の励みにはなりますし、レースでの完走をまた経験できた事は嬉しいです。
13位)アレックス・ホフマン GER ドゥカティー・マルボロ
初日と比べれば良くなってますが、ちょっとレースの距離が長すぎてタイヤの持ちが悪いという問題を今週は抱えていました。
難しい選択でしたが、最初はあまりいい印象を持っていなかったかなりハードなリアタイヤを選びました。
ペースを保つのが大変でした。何周かは速いペースで走れてカルロス・チェカを捕まえる事はできましたが、グリップが無くなってきたのでそのペースをキープする事はできませんでした。
多分今回がワークスで走れる最後のレースだったので、本当に落ち込みます。すごい結果が出したかったし、アッセンよりも高い順位を狙ってましたが、ここでは厳しいレースウイークを過ごす事になってしまいました。
いずれにしても、全力は出し切りましたので、このチャンスを与えてくれた全ての方に感謝を申し上げます。
14位)ジェームス・エリソン GBR TECH3ヤマハ
いいスタートはできたんですが、その後は後退気味でした。
予選の後にセッティングを変更したのに、今朝のウォームアップが雨でテストができていません。結局レース中はリアのグリップがあまり得られませんでした。
タイヤのエッジ部分が消耗してからはペースが落ちて、全てのコーナーで大回りしかできなくなり本当に残念です。
レースの序盤はカルロスよりも前に出られたので、彼といいバトルができるようにそのポジションをキープしたかったんですが、結局だめでした。
1つ良かったのはセッティングについてより深く学べた事です。次回のザクセンリンクではきっとこの経験が役に立つ筈です。
イギリスの観衆の前でレースができて、ポイントも取れた事は嬉しいのですが、もっといい成績が残したかったです。
15位) ホセ・ルイス・カルドソ SPA プラマック・ダンティーン
実を言うと、今日は全てが前よりうまくいったのでうれしいです。レース中にこの週末での自己ベストタイムを更新しましたし、リズムも良くなりました。レース前にセッティングを変更してからバイクの感触が良くなったんです。1周目はエリソンについていきましたが、タイヤの性能は少ししか落ちなかったので良いリズムで走ることが出来ました。
15位に入って1ポイントを獲得出来たことにとても満足しています。ドイツではさらに進歩することを望んでいますし、目標はもっとポイントを取ることです。
メカニックだけではなく、チームのみんなに本当に感謝しています。難しい状況の中、事態を改善できるようチーム一丸となって助けてくれました。
16位)クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキ
レースのスタートはまあまあでした。ハードタイヤを履いていたし、群集の中にいる時は凄く楽でした。
コーリンが抜いてきてコーナーの深い所まで飛び込んだので、彼のイン側から抜いていこうとしたんですが、彼もイン側に戻ってきてしまい自分の行き場がなくなりました。
転倒したらハンドルがフレーム側に曲がってしまったので、ピットに戻ってバイクを直すはめになりました。その後コースに戻ってからはそれなりのペースでは走れましたが、ブレーキのアジャスターがなくなっていて少し苦労しました。おまけにステップはチェーンに擦ってるし・・・いい状態じゃなかったですよ!
今週は大きく進歩しましたし、転倒するまでは今まで以上にトップ集団に近かったので、この調子をザクセンリンクまで続けたいです。あそこには一度も行った事がないのでこれから行き方を調べないとね。
DNF)中野真矢 JPN カワサキ・レーシング
レースの始めからギアボックスにトラブルがあり、シフトダウンが難しくて大変でした。
数ラップ走った後はこのトラブルをクラッチ操作で補う方法が分かり、それからは先頭集団に追いつけるように出来る限りプッシュして走りましたが、エンジンが突然パワーダウンしたのが分かってレースを断念する以外に方法がなくなりました。
アッセンの成績が良かっただけに残念ですが、今はもう次のザクセンリンクに集中する必要があります。カワサキ・レーシング・チームにとっては重要なレースですからね。
DNF)イバン・シルバ SPA プラマック・ダンティーン
昨日の予選で転倒してしまって、レースが難しくなったのが本当に悔やまれます。
最後まで走りきることが出来ませんでしたし、100%の状態で臨めずに残念です。ダンロップはとてもよく作業をしてくれて、今週提供されたタイヤはアッセンより優れていました。実際に他のライダーとの差も縮まっていたんです。
MotoGPでの経験はとても為になりました。もっと経験を積んで自分の勇敢さも見せれるよう、また別の機会があればいいと思います。
ルイス・ダンティーン、プラマック、全てのスポンサー、そして一生懸命に働いて私がバイクに慣れるのを助けてくれたチームの全員に感謝を申し上げます。
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