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イギリスGP 初日から飛ばすペドロサ
インテリマーク編集部
2006年7月1日

6月30日、MotoGP第9戦目となるイギリスGPが、今年でGP開催20回目となるドニントン・パーク・サーキットで第一日目を迎えた。

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この日の天候は終日晴れ。一日目のこの日はMotoGPクラスの午前と午後のフリー走行、および小排気量クラス(125cc,250cc)の午前のフリー走行と午後の第1予選が行われている。

■MotoGPクラスの代役ライダー

カタルーニャで負傷したドゥカティーのセテ・ジベルナウの代役としてはプラマック・ダンティーンチームのアレックス・ホフマン、ホフマンの代役にはスペイン選手権のエクストリーム・クラスのライダーであるイバン・シルバという顔ぶれは先週のアッセンTTと同じ。

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上記の2名に加え、今回はアッセンTTの初日午前のフリー走行で左肩を骨折したフォルツナ・ホンダのトニ・エリアスの代役として、現在はSBKライダーであり、2004年にWCMからMotoGPに参戦していたミッシェル・ファブリツィオが出場している。

■3連戦中に負傷したMotoGPライダーの回復状況

カタルーニャで鎖骨を骨折し、金属プレートで固定する手術を6月20日受けたセテ・ジベルナウは順調に回復に向かっており、次回のドイツGPからの復帰を目指してプールでトレーニング中だ。トニ・エリアスの左肩の骨折は手術受ける必要はなかったものの、現在もまだ痛みがとれない事から大事を取って今回のいイギリスGPは欠場し、次回のドイツGPに向けて治療(物理療法)を続けている。

■良好な回復力を見せるメランドリとロッシ、無理を避けるカピロッシ

アッセンTTでレースに出場を果たした、カタルーニャで左肩を脱臼したフォルツナ・ホンダのマルコ・メランドリ、アッセン初日のフリー走行で左足首と右手首の骨にひびが入ったキャメル・ヤマハのバレンティーノ・ロッシは、今回のイギリスGP初日も問題なく走行を行っている。

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メランドリと同じくカタルーニャでのオープニングラップ中にセテ・ジベルナウの大クラッシュに巻き込まれて左胸と腹部を強打したロリス・カピロッシは、アッセンTTの3日間には胸部の激しい痛みと闘いながら全てのセッションに出場を果たし、ポイントを獲得する事に成功した。しかしながら、今回のイギリスGP初日は午前のフリー走行にのみ出場し、午後のフリー走行は欠場している。

■小排気量クラスの予選状況

この日は125ccクラスと250ccクラスの第1予選が午後にそれぞれ行われている。両予選とも天候に恵まれドライ・セッションとなった。

125ccクラスの第1予選結果

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125ccの初日暫定ポールはポイントリーダーであるマステルMVAアスパルのアルバロ・バウティスタ(1分37秒228)。2位はKTMのミカ・カリオ(1分37秒374)、3位はバウティスタのチームメイトであるマステルMVAアスパルのマティア・パッシーニ(1分37秒421)、4位はバルジール・セードルフ・レーシングのファブリツィオ・ライ(1分37秒623)。

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昨年度チャンピオンのトーマス・ルティーは10位(1分38秒287)、KTMのフリアン・シモンの代役として出場中のスイス人ライダーであるランディ・クルメンナッハ(1分40秒728)は36位で第1予選を終えている。

カタルーニャで左手首を骨折して欠場中の小山知良選手の代役として、マラグーティから出場中の葛原大陽選手(1分42秒720)は初日40位だった。

250ccクラスの第1予選結果

カタルーニャGP直前に自宅近くで右腕を骨折したエクトル・バルベラは今回のイギリスGPから復帰を果たしている。尚、前回まで彼の代役として出場していたアプリリア・ワークスのテストライダーであるアレックス・デボンの出場は今回から取りやめとなっている。

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250ccの初日暫定ポールはフォルツナ・アプリリアのホルヘ・ロレンソ(1分32秒115)、2位はマステルMVAアスパルのアレックス・デ・アンジェリス(1分32秒670)、3位はフォルツナ・アプリリアから今回より復帰したばかりのエクトル・バルベラ(1分32秒846)、4位はヒューマンゲスト・ホンダのアンドレア・ドヴィツィオーゾ(1分32秒891)。

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KTMの青山博一選手(1分32秒959)は5位、その弟であるレプソル・ホンダの青山周平選手(1分33秒378)は8位、ヒューマンゲスト・ホンダの高橋裕紀選手(1分33秒540)は初日を10位で終えた。

この日、2004年のダニエル・ペドロサのコースレコードである1分33秒217を上回るタイムを記録したのは1位のホルヘ・ロレンソから5位の青山博一選手まで。

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尚、セバスチャン・ポルトの後任として前回のアッセンからレプソル・ホンダのライダーとして出場し、オープニング・ラップの事故に巻き込まれて鎖骨を骨折したマルティン・カルデナスは欠場しており、今回レプソル・ホンダから出場しているのは青山周平選手の一名のみ。

■MotoGPクラス初日フリー・プラクティス(初日総合)の結果

イギリスGP初日のMotoGPクラスは、午前にフリー・プラクティス1、午後にフリー・プラクティス2が行われており、午後に欠場したロリス・カピロッシを除いて全てのライダーが午前のタイムを午後に上回っている。

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MotoGPクラス走行中の午前の気温は21度、路面温度は30度、湿度は19%。午後は気温が27度、路面温度は44度、湿度は14%と、一部のライダーがコメント内でも述べている通り非常に午後の現場は暑く感じられたようだ。

■ケーシー・ストーナーはスペシャル・スポンサー・カラーのマシン

ケーシー・ストーナーの乗るホンダLCRのマシンは、今回のイギリスGPのみスペシャル・スポンサー・カラーがペイントされている。

イギリスGPでホンダLCRのメイン・スポンサーを務めるのは、英国のウェブサイトであるEurobet.com。このEurobet.comは1995年に世界で初めてインターネット経由の賭けを合法的に開始した会社であり、MotoGP年間シーズン中にいくつかの冠スポンサーを務める事で有名なbetandwin.comと同様に、サッカー、バスケットボール、競馬、モータースポーツ、テニス等、多岐に渡るスポーツの勝敗予想をカジノ方式で争うサービスをネット上のユーザーに提供している。

■今回のイギリスGPから導入された新型パーツ

カワサキ・レーシング・チームは新型のエキゾースト・パイプ、レプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンは新型シャシー、チーム・ロバーツのケニー・ロバーツ・ジュニアも新型シャシーを導入している。

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■体力を2日目以降に温存するカピロッシ

午前中のフリー・プラクティスでは他と遜色ない8番手タイムを記録していたロリス・カピロッシだが、アッセンに引き続き胸部の痛みが今回も消えず、通常の呼吸が難しい事から、2日目以降の事を考えて初日は午前のフリー走行をキャンセルし、予選とレースに備えたようだ。

■コースレコードを初日に12人が上回る。

昨年はレースが大雨でコースレコードが2004年以降更新されていない事もあり、この日は2004年にコーリン・エドワーズが記録したコースレコードである1分29秒973を12番手タイムのカルロス・チェカまでが上回った。

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2005年にバレンティーノ・ロッシが記録した予選最速ラップの1分27秒897を上回るライダーは今回いなかったが、初日トップタイムをマークしたダニ・ペドロサは0.073秒差までこのタイムに迫っている。

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以下に初日のフリー・プラクティス1と2の総合順位と各ライダーの状況、およびコメントを示す。

1位)ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ 1分28秒970

あまりレースウイーク初日からは飛ばさない傾向がここまでにあったレプソル・ホンダのダニ・ペドロサだが、今回のイギリスGPでは午前と午後の両方でトップタイムをマークし、午後には2005年のバレンティーノ・ロッシの持つ予選でのファーステスト記録である1分27秒897に0.073秒差まで迫っている。

初日から満足のいく結果が得られたとペドロサはコメントする。

「今日はとても順調でした。プラクティスとしてはいい一日になりましたね。」とペドロサ。

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「天気がいいし、暖かいからミシュランの調子も良かったので、ここまでの成果は嬉しいです。」

「今日はタイムシート上の先頭に立ちましたが、まだ余裕とは言える状態ではありません。レースタイヤの選択についてもっと考える明日の方が重要ですし、タイムがこれだけ隣接している以上、明日の予選でもいい仕事を続ける必要があります。いいレースをする上で大切な事ですからね。」

「MotoGPバイクでドニントンを走るのは今回が初めてですが、ここではRC211Vがもの凄くパワフルに感じます。特にコースの最後の部分が凄いですね。また、ブレーキングを何回も行いましたが、肩と腕に負担がかかってとても疲れます。」

「でも残りのレースウイークは楽しみですよ。」

2位)ジョン・ホプキンス USA リズラ・スズキ 1分29秒025

先週は自身初のポールポジションを獲得したホプキンスは、初日のセッションも一貫して速いペースをキープし、総合2番手となる好タイムをマークしている。

翌日はレースのセッティングを更に改善できると、ホプキンスは自信を示す。

「いいセッションでした。」とホプキンス。

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「日曜日に使えるいいタイヤを探しています。いい結果が得られるようにブリヂストンとうまく協力しあってますよ。」

「バイクの調子も本当にいいし、チームも真剣に働いていますから、現段階では全て順調です。」

「さらに安定性を改善できるように明日に試す事も何点か残っていますが、今回のチャレンジは本当に楽しみですし、間違いなく面白くなるね!」

3位)ケーシー・ストーナー AUS ホンダLCR 1分29秒064

午前のセッションでは2番手タイム、午後は3番手タイムの高順位を維持したケーシー・ストーナーは、初日の両セッションを一貫して速いペースで走行したが、本人はマシンのセッティングに納得がいかないようだ。

まだやるべき作業は多いとストーナーは語る。

写真「今日はバイクにいい進歩が見られましたが、まだ完璧なセッティングにはほど遠いです。」とストーナー。

「午後の終盤に新しいタイヤを初めて試しましたが、少しフロントまわりの感覚に苦しみました。多分セッティングの方向性が間違った方向に行ってしまったんだと思います。」

「ここはMotoGPバイクだと激しい走りが必要な速いコースです。今シーズンはウェットが多かったので、今回みたいにいい天気が続く時は休む暇がありませんね。」

4位)マルコ・メランドリ ITA フォルツナ・ホンダ 1分29秒196

カタルーニャで負った全身の怪我が痛むと前回のアッセンでは語っていたメランドリだが、今回のイギリスGPではまだ痛みは残るものの、左半身の痛みはだいぶ改善されたらしい。

メランドリは2年前のドニントン・パークでは右腕を骨折しており、いまだにその痛みも残っていると語る。

「バルセロナの怪我にはまだ苦しんでますが、今日は速く走れたので嬉しいです。」とメランドリ。

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「まだ痛みますが、今は身体の右側の痛みだけになりました。鎖骨と腕と手首です。ただ、実はアッセンで走ってから痛みが余計にひどくなっていて、今回のコースもその点であまりいいコースとは言えないですね。ハードブレーキングが必要な区間はとくに辛いです。」

「ここでは2年前に右腕を骨折していてそれも未だに痛みますが、だから余計に今回の結果は嬉しいです。」

「バイクは好調ですから、日曜のレースに向けて体力を温存しながら明日も頑張ります。」

5位)中野真矢 JPN カワサキ・レーシング 1分29秒275

カワサキ・レーシング・チームはイギリスGPから新型のエキゾースト・パイプ(エンジンからマフラーにかけての排気管)を採用している。

この日、中野選手は日曜日に向けたレースタイヤの選択を中心に作業を進めている。どのライダーもメルボルン・ループ区間のストップ・アンド・ゴーを中心とする過激なブレーキングエリアに調子を狂わされ、コース全体を走行する上でのリズムを掴めない事が初日は多いようだが、今日の中野選手にそのような事はなかったようだ。

アッセンでの調子をドニントンにも持ち込めたと中野選手は語る。

写真「アッセンでの勢いをそのままドニントンに持ち込む事ができましたね。」と中野選手。

「今回のプラクティスの順位には満足しています。今日の作業の中心は日曜日のレースに向けたリアタイヤのテストでした。3種類の異なるリアのスリック・タイヤを試しましたが、思っていたよりハードめのコンパウンドを選択した方がいいようです。ドニントンにしては温度が今回は高いですからね。」

「今日は多く周回を重ねましたが、いいリズムが掴めて速く走れました。特にストップ・アンド・ゴーのメルボルン・ループ区間が良かったですね。あそこはタイムを簡単にロスする事が多いんですが。」

「ですから全体的に今日の成果には満足しています。明日はさらに改善できると思います。」

6位)コーリン・エドワーズ USA キャメル・ヤマハ 1分29秒379

前回のアッセンで惜しくも優勝を逃したコーリン・エドワーズは、午前は4番手のタイムを記録し、午後には総合順位を2つ下げたが、日曜のレースに向けてセッティングを改善する上での貴重なデータ収集は進んだようだ。

今日の結果は期待した程ではなかったとコーリンはコメントする。

写真「今日は期待したほど自分のペースは良くなかったですね。でもまだ明日試したいセッティングがいくつかあります。」とコーリン。

「トラブルを2〜3抱えていましたが、午後のセッションではだいぶ改善されてきました。コーナーへの進入の切り返し時は少し良くなりましたが、それほど大きな問題ではありませんが一部の区間で少し振動が出ます。」

「今日はタイヤもいくつか試しましたが、まだやるべき事は多く残っています。予選でラップタイムを追いかける前の午前中に必死で頑張らなきゃいけない状態です。」

7位)バレンティーノ・ロッシ ITA キャメル・ヤマハ 1分29秒416

アッセン初日午前のフリー走行で左足首と右手首の骨にひびが入ってからまだ1週間しか経過していないバレンティーノ・ロッシだが、左足首の骨の状態はそれほど深刻ではないと本人はコメントしている。問題は右手首の方だが、アッセンに比べれば痛みは少なくなったらしい。

ドニントン・パークを大得意とするバレンティーノ・ロッシは、この日の走行を非常に楽しんだようだ。今晩も怪我の治療は進め、明日の様子を見たいとロッシは語る。

「またバイクに乗れて嬉しいし、バイクを楽しめています。」とロッシ。

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「アッセンは自分にとって厳しいレースウイークでしたが、自分の療法士がうまく手当をしてくれるので、まだ100%とは言えませんが体調は良くなりました。特にブレーキングの時にまだ痛みがありますが、(手首を)動かすのは楽になりました。重要なのはそれですからね。」

「このコースには3箇所すごいハードブレーキングが必要な場所があり、そこでちょっと苦しんでるので、正直この部分がレースでどうなるかわかりません。午後のセッション終盤には力が入らなくなってしまいましたが、これも問題になりそうです。」

「今のラップタイムを見る限り、いくつかの区間ではコンマ数秒くらいの改善が必要ですが、バイクのセッティングを少し変えれば解決できると思います。」

「今晩も少し治療を受け、手首を氷で冷やしながら明日の様子を待ちます。」

8位)ケニー・ロバーツ Jr USA チーム・ロバーツ 1分29秒544

写真マシンの開発拠点をイギリスに持つチーム・ロバーツにとって、今回のドニントンはチームのホームGPと言える。

今回からは中国でホンダからアドバイスを受けた内容をより多く反映した新型シャシーを投入したケニー・ロバーツ・ジュニアは、午前と午後に7番手と8番手という安定した速いタイムを維持している。トップのダニエル・ペドロサとの差も約0.57秒と僅差だ。

9位)ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ 1分29秒557

2006年最新型RC211Vの開発を続けるニッキー・ヘイデンは、この日初めて投入された新型シャシーのテストを行った。

新型パーツの導入時はタイムを落として慎重な走りを毎回見せる傾向があるニッキーだが、今回のシャシーには好感触が得られ、セッティング次第で調子はすぐに上げられると自信の発言をしている。

写真「今日は1台に新しいシャシーを導入して、もう1台のバイクとそれぞれ異なる事をいくつか試しました。」とニッキー。

「片方はフロントまわりが良くなり、もう1台はリアまわりの感じが良くなりましたから、明日は両方のいい部分を合体させるつもり。それが済めばタイム差はもっと縮められますよ。」

「午前のセッションは他とのタイム差もあまりなくいい感じでした。今回もまた初日は自分たちが思うほどいいスタートが切れなかったので、明日もまだいくつかここでやる事があります。いつもどのバランスで妥協するかは難しい問題ですが、明日は大きく前進できるように頑張ってみます。」

「0.5秒差は小さくありませんし、明日の予選タイムも重要です。でも、やるべき事はちゃんと見えてきますよ。」

10位)ロリス・カピロッシ ITA ドゥカティー・マルボロ 1分29秒798

大事を取って午後のフリー・プラクティス2をキャンセルしたロリス・カピロッシは、左胸の具合はアッセンの時よりは良くなっているが、今回は無理をするのを避けたと語った。

「今日の午前のセッションはうまくいきました。」とカピロッシ。

「タイヤの仕上がりにはとても満足しています。バイクのセッティングもここではあまり変更する必要がありません。

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「でも10ラップ程走ってからは、アッセンの時ほどではないにしても胸がまた痛み始めたので、今日の午後は戦略を変えて休憩する事にしました。明日はコースに戻りますし、レースは痛み止めの注射を打って出場する予定です。」

「レースではいい走りができると思いますし、ポイントも多く持ち帰れる筈ですよ。まだタイトル争いの可能性も強く信じてますしね。」

「2週間後のザクセンリンクまでには80%か90%の状態まで体調は戻せると思いますから、その後の残り7戦はどの観点から見てもいい戦いができるレベルになると思います。バイクもタイヤもライダーもね。」

11位)玉田誠 JPN コニカ・ミノルタ・ホンダ 1分29秒806

アッセンの結果を受けて厳しい発言が多かったコニカミノルタ・チームだが、トップのペドロサとの差が1秒以内となった今回の結果については満足しているようだ。

コニカミノルタ・チーム責任者のジャンルカ・モンティロンは、「満足な結果を持って今回のレースウイークを開始する事ができた。今からトップとの差を縮める方法を検討して、シーズン後半に向けて期待の持てる分岐点としたい。チームはいつも通りマコトがレースで最良の結果を得られるように技術的な観点から支援を続けたい。」とコメントした。

また玉田選手も、午後に1分29秒台を記録できた事は満足できるとコメントしている。

写真「今日は午前のプラクティスの後に変更したセッティングがうまくいったのでとても満足しています。午後はバイクのフィーリングも良くなり簡単に1分29秒台を記録できました。」と玉田選手。

「明日はタイヤのテストに集中し、今回のレースに一番適したタイヤを選びたいと思います。」

「今日は気温が高かったし、週末を通して高い温度だと思いますから、リアタイヤの選択には特に注意を払いたいですね。」

12位)カルロス・チェカ SPA TECH3ヤマハ 1分29秒842

過去2戦でダンロップタイヤの開発状況に大きな進歩が見られたと喜ぶカルロス・チェカは、初日に2004年のコースレコードを更新している。

写真「コースの前半と後半で特性が異なるのでこのサーキットはとても難しいのですが、後半部分で大きな問題を抱えてしまっているようです。」とチェカ。

「今日はいくつかの異なるリアタイヤをテストしており、セッション終盤にはいいペースで走れるようになってきましたので、このまま作業を続けます。」

「今日はアッセンと同様に非常に標準的なベースセッティングから作業を開始しましたが、こことはあまり相性が良くないようですので、もう少し違うセッティングをいくつか試す必要があります。もう少しフロントまわりの加重が得られるようにしないとだめですね。」

「だいぶ良くはなってきましたが、クイックなハンドリングがまだ難しいので十分な状態ではありません。明日もまだいくつか試しますし、改善できる自信もあります。」

「バイクのセッティングを同じ状態に保ちたいので、異なるタイヤをテストするのが少し難しい状態ですが、タイヤの違いは判別し易いです。」

13位)クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキ 1分29秒941

クリスはスーパースポーツ600クラスでドニントン・パークは経験済みだが、2001年以降の5年間は走行していない。クリスは初日の午前と午後の両セッションをコースを思い出す事に費やしたようだ。

その他には、日曜日のレースに向けたタイヤ選びと、それに合わせたサスペンションのセッティングをこの日に行っている。

写真「ドニントンに戻ってこれたのはいいですね。」とクリス。

「ここで走ったのはもう5年前ですが、SS600で走って時と比べてGPバイクだとかなり狭く(タイトに)感じますね。何もかもが急がされてるって感じですよ!」

「フロントのグリップの耐久性に不安を抱えたので、最後の2ラップは少しシャシーに今までと違うセッティングも試しました。午前に比べてタイムが少し上がり、効果は得られたようですので良かったです。」

「ブリヂストンとタイヤの作業を集中して行いました。まだ明日もいくつか追加の作業を行いますので、さらにタイムは上げられると思いますよ。」

14位)ランディ・ド・ピュニエ FRA カワサキ・レーシング 1分30秒342

ド・ピュニエの初日はフロントまわりのチャタリングに悩まされる一日となったようだ。午後にはシャシーとサスペンションのセッティングを変更してこの問題の解決に取り組んだが、1日目はあまり好ましい結果が得られなかったらしい。

カワサキのチームスタッフは、1日目のド・ピュニエの走行データを参考に夜間のマシン調整を行う事で、2日目までにはこの問題を解決できるとしている。チームの自信を信頼するとド・ピュニエはコメントする。

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「いくつか問題を抱えていたので今日は難しい日でした。」とド・ピュニエ。

「プラクティス中はフロントまわりにチャタリングが出てしまい解決がなかなかできない状態でしたので、両方のセッションを通して安定していいペースで走るのは殆ど無理でした。」

「今日の問題をバイクのデータを参照しながら一晩かけて見直し、チームが解決してくれる筈ですので、明日はいいペースで走れるようになる筈です。」

15位)アレックス・ホフマン GER ドゥカティー・マルボロ 1分30秒387

アッセンでセテ・ジベルナウの代役を務め、レースでは今期の自己最高位となる12位の結果を残したプラマック・ダンティーン所属のアレックス・ホフマンは、今回もブリヂストン・タイヤを駆るファクトリー仕様のデスモセディチでドゥカティー・ワークスのライダーとして参戦している。

ホフマンはドニントンでの初日はあまり好調なスタートではなかったと述べ、低速区間でのホイール・スピンに悩まされたとコメントした。

写真「午前のセッションは他のチームにそれほど負けてはいなかったと思いますが、最初は少し手間取りました。順位が少し低めだったのはその為です。」とホフマン。

「出力の調整が難しくてホイール・スピンに苦しみました。でも午後の20分過ぎくらいからは何点か進歩が見られて、バイクとタイヤから好感触が得られるようになっています。その後は作業も順調でした。」

「リア・サスペンションのセッティングを少し調整して、タイヤのテストをいくつか行いました。明日はここまでに学んだ経験を活かしてさらに前進できると思います。」

「明日の午前の目標はレースタイヤで安定して29秒台に入れる事です。そのリズムのまま予選に入りたいですね。」

16位)ミッシェル・ファブリツィオ ITA フォルツナ・ホンダ 1分30秒762

写真今回のイギリスでは、左肩を骨折したトニ・エリアスの代役として2年ぶりにMotoGPクラスに戻ってきた現SBKライダーのミッシェル・ファブリツィオは、トップクラスのMotoGPマシンの速さに感動し、ライディングを楽しんでいる。

「初日のプラクティスを終えてとても満足です。」とファブリツィオ。

「できるだけ気楽に考えて、マシンの特徴や挙動を学んでみました。このサーキットの速い区間をこのバイクで走るのは本当に楽しめますし、驚異的な感覚です。」

17位)ジェームス・エリソン GBR TECH3ヤマハ 1分31秒306

MotoGPに参戦するレギュラーライダーの中で唯一のイギリス人であるジェームス・エリソンにとって、今週はホームGPだ。

前回のアッセンのレースでは序盤に転倒リタイアし、足に怪我を負ってしまったジェームス・エリソンは、体調はだいぶ回復したとコメントしている。

写真「バイクをもっと乗りやすくしようとしています。自分に一番あったセッティングを見つける為に何度もフレームのセッティングに変更を加え、それを比較しながら試行錯誤を繰り返していました。」

「バルセロナやアッセンの状態と比較しながら、完璧なフィーリングを得られるようにする上でもう少し手を加えるべき場所や方向性が見つかりました。」

「先週の転倒で負った怪我はだいぶ良くなりました。足首はもう少し痛むかと思っていましたが、実際にバイクに乗ってみたら大丈夫でした。休憩している時や、足の事を気にしている時以外は問題ない状態です。」

「今日もまたいくつか学ぶ事ができました。今回の目標の1分30秒台にはまだ到達できていませんが、他の作業が忙しかったのでそれほどがっかりはしていません。」

「午前のタイムは1秒更新しましたので、今晩中にセッティングを調整すればもっとタイムは上げられると思いますし、予選のグリッドも先週みたいにもっと前の方に行けると思います。」

18位)イバン・シルバ SPA プラマック・ダンティーン 1分32秒524

同じダンロップタイヤを履くTECH3チームとは異なり、これまでタイヤに関して前向きな発言の少なかったプラマック・ダンティーン・チームだが、今回はタイヤに改善の兆候が見られたとプラマックチームの公式リリースは報じている。

前回のアッセンに引き続き、セテ・ジベルナウの代役としてドゥカティーから出場しているアレックス・ホフマンの代役としてプラマック・チームから今回のイギリスGPにも出場しているスペイン選手権エクストリーム・カテゴリーのライダーであるイバン・シルバは、ダンロップがドニントンに持ち込んだタイヤは前回のアッセンと比較して性能が良いとコメントした。

「凄く嬉しいです。」とシルバ。

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「アッセンの時と同じタイム差をここでも保ちました。ここで走るのは初めてだと考えれば、悪くない結果だと思います。」

「バイクのセッティングも良くなりましたし、今回ダンロップが提供してくれた素材はオランダの時よりも良くなっています。」

「現段階では、このサーキットの複雑な特性もあり、いいリズムを掴むのに苦労していますが、何人かのライダーの後ろを走行しているうちにすぐに調子は上がると思います。」

「明日のプラクティスではもっとサーキットに慣れる事ができると思います。目標は自分のリズムを掴む事ですね。」

19位)ホセ・ルイス・カルドソ SPA プラマック・ダンティーン 1分32秒576

チームメイトのホフマンの代役のイバン・シルバに初日の順位を上回られてしまったホセ・ルイス・カルドソだが、今回の走行は満足いく内容だったようだ。

ノリックのチームメイトだった2002年の500cc時代以来、ドニントン・パークでは走行していないカルドソは以下の通り語った。

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「今日はいい仕事ができて、レースタイヤ選びに集中する事ができました。」とカルドソ。

「タイヤが進化したと言ってもいいと思います。性能が安定してきましたし、リズムも掴みやすくなりました。明日は別のタイヤをテストして、バイクの最適なセッティングを探ります。」

「全てがいい方向に向かっているのは確実です。以前に500ccで走った時とかなり印象は異なりますが、このコースは大好きです。」


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