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更なる勝利に飢えるニッキー、チームロバーツに新型シャシー
インテリマーク編集部
2006年6月29日

明日の6月30日(金)より、MotoGP第9戦のイギリスGPがドニントン・パークで開催される。

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■第二次大戦で一度閉鎖されたドニントン・パーク

1931年に設立され、イギリスのノッティンガムから20kmに位置する伝統あるサーキットのドニントン・パークは、第二次大戦の勃発と同時に一度閉鎖され、大戦中に全てのモーター・スポーツのイベントはキャンセルされている。

その後は何年間が放置されたが、サーキットを1971年に買い取った地元の熱狂的なモーター・スポーツファンのトム・ウィート氏の努力により復興してドニントン・パークは現在に至る。元々はF1を誘致する事を目的として再建され、初めてF1の開催が実現したのはアイルトン・セナが勝利を収めた1993年のヨーロッパGPだった。

二輪の世界GPがドニントン・パークで開催されるのは今回で丁度20回目となり、日曜日のMotoGPクラスのレースは30周回で行われる。

■ステディー・ニッキーとタイトル争いに燃えるホンダ勢

昨年まではキャメル・ヤマハチームのバレンティーノ・ロッシに押され気味だったホンダ勢だが、今年はヤマハYZR-M1のチャタリング絡みのトラブルにバレンティーノ・ロッシの不運が重なり、シーズン前半を優位に過ごす事となった。

ロッシの不運だけではなく、今期はレプソル・ホンダのエースライダーであるニッキー・ヘイデンの安定した走りが目立つ。ニッキーの優勝経験はは昨年のラグナ・セカと前回のアッセンの2回のみだが、今年は昨年までに見られがちだったレース後半に表彰台争いから脱落していくシーンは殆どなく、常に安定した成績を保っている。

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シーズンの中間地点にある現在、ニッキーは後続を42ポイント引き離すポイントリーダーだ。

そのニッキーをランキング2位で追うのもレプソル・ホンダ勢、MotoGPルーキーのダニ・ペドロサであり、第四戦の中国GPではポール・トゥー・ウインを果たす等、デビュー・イヤーとは思えない活躍を見せている。

また、MotoGPクラスのデビュー2戦目にしてポール・ポジションを獲得したホンダLCRのケーシー・ストーナーや、今期2回の優勝を果たしているフォルツナ・ホンダのマルコ・メランドリ、直接的なホンダチームではないもののRC211Vのエンジンを搭載したチーム・ロバーツのケニー・ロバーツ・ジュニアの安定した走りなど、シーズン後半戦に向けて復調するバレンティーノ・ロッシとコーリン・エドワーズのキャメルヤマハ勢を抑えようとするホンダパワーの層は厚い。

特に今回のイギリスGPは、イギリスに開発拠点を持つチームロバーツにとってのホームGPでもあり、また新たな新開発シャシーの投入が決定している。

ここでは、前回紹介したフォルツナ・ホンダとコニカミノルタ・ホンダを除くホンダ勢(チーム・ロバーツ含む)のイギリスGPに向けてのコメントを紹介する。

■ニッキー「ハングリー精神を忘れない」、ペドロサ「実力を向上させたい」

前回のアッセンTTで自身2度目の優勝を果たし、ラグナ・セカ以外のサーキットで勝利をあげておきたいと言う願いを達成したレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンだが、彼の欲望は留まるところを知らないようだ。

今シーズン、フランス以外では全ての表彰台を獲得しているニッキーは、アッセンでの優勝後もハングリー精神を忘れないままシーズンを突き進みたいと述べる。

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「先週の勝利後は本当に興奮していましたが、それも長くは続きません。すぐにいつもの仕事に戻って現在の好調さを維持しなきゃいけませんからね。」とニッキー

「ドニントンでのレースウイーク中はずっとスマートで強くありたいですね。予選でいい順位を取れば、日曜日に向けては既に仕上がりもいいのでまた優勝をかけて戦えると思います。」

「年間タイトルをリードするのはいい事ですが、まだシーズン前半ですからこのまま集中力を切らさずにハングリー精神のまま行きますよ。」

「ドニントンはチームのメンバー何人かのホームGPです。レプソル・ホンダチームの中にはたくさんイギリスを拠点とするメンバーがいますから、彼らの為にも最高の結果を今回も残したいですね。」

「以前にも速く走れていますから、このコースの第1区間は大好きです。クレイナー・カーブは大人の男と子供の間で明快に差の広がる超高速カーブですよ。速く走るにはガッツといいセッティングが不可欠です。」

「最後の区間ではあまり速く走れた事がありませんね。ヘアピンあり、シケインありですから、今週もっとその辺を上達させるように頑張ります。」

また、ニッキーのチームメイトのダニ・ペドロサは、ここまでのシーズン前半戦でルーキーイヤーながら2回のポールポジションと1回の優勝を果たしている。

ペドロサも多くのレプソルメンバーと同じく、現在はロンドンに生活拠点を置いている。ドニントン・パークはあまり好きではないと述べるペドロサだが、イギリスではアッセンのように悔いの残る走りはしたくないとコメントした。

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「自分の全体的な能力をドニントンではもっと向上させたいです。アッセンは3位でしたが、あのレースには満足していません。」とペドロサ

「今一番取り組みたいのはレースのスタートです。ここまでにも何度か上手くいきませんでしたからね。フリー走行と土曜の予選も練習に使えると思います。」

「路面が改善されてがたつきは減りましたが、それでもドニントンはあまり好きなサーキットではありません。MotoGPバイクの凄い速度を考えるとエッセス(ダンロップブリッジ後のシケイン)やヘアピンではもの凄いハードブレーキングが必要になるでしょうね。それにコーナー脱出時のホイールスピンも激しいですから、バイクのコントロールは大変だと思います。」

「あと心配なのは天気です。去年はひどい雨でしたから、天候の様子も見たいです。」

■ストーナー、レース中のミスを減らして表彰台を獲得したい

アッセンではダニ・ペドロサとの熾烈な戦いの末、惜しくも表彰台を逃したホンダLCRのケーシー・ストーナーだが、今回のイギリスでは今期ここまでのレース中に目立つ事が多かったミスをなくし、確実に表彰台を狙うとコメントしている。

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「初めてオーストラリアを出てレースしたのはイギリスでしたから、ドニントンはちょっとホームGPみたいな雰囲気です。」とストーナー

「アッセンでは4位でしたが、結果には満足していません。一番最後にミスをして表彰台を逃しました。」

「ムジェロでも勝てるレースペースで走っていたのにあの結果ですから、とにかくミスをなくしてもっと成績を上げる事が大切です。」

■チームロバーツ、ドニントンからまた新型シャシー

イタリアGP翌日のムジェロでのテスト以降、シャシーの性能をフルに発揮したと述べるチーム・ロバーツのケニー・ロバーツ・ジュニアは、今回チームの拠点となるイギリスGPではさらに新型のシャシーを投入する事を明らかにしている。

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「新型フレームの制作が完了しましたので、ドニントンからはそれを使います。」とジュニア

「今シーズンのここまでに経験して学んだ事を取り込みました。ホンダから教えてもらった知恵も反映しています。」

「ドニントンに向けての準備は万端ですよ。いい結果が出せるかどうか試したいですね。」


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