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オランダGP決勝 テキサス・トルネードの襲来
インテリマーク編集部
2006年6月25日

6月24日(土)、MotoGPオランダ・グランプリの決勝レースには、アッセン・サーキットが超満員となる9万1千5百人の観客が訪れた。

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■タイヤ選択に悩む各チーム

この日の天候は晴れて気温は23度。完全なドライとなった路面の温度は、初日の木曜日と予選が行われた金曜日よりも約7度高い29度となり、各地チームがレース直前のタイヤ選択に悩んでいる。

今シーズンはレースウイーク中の天候の変動が激しく、フリー・プラクティスや予選で選んだタイヤをそのままレースで使用するとグリップに問題が発生するというケースが多発しており、どのチームも路面温度の状況を朝から慎重に見守ったようだ。

■前戦の大事故と3連戦中の負傷者

また、今回はヨーロッパ・ラウンド中の3連戦の中間に位置するレースであり、連戦中に何らかの怪我を負った場合、複数のレースでポイントを落とす事を心配するライダーの発言が当初から目立っていた。

心配は悪い方に的中し、3連戦の初戦となった前回のカタルーニャGPでは、オープニングラップ中のホームストレートでセテ・ジベルナウが前を行くカピロッシと接触し、フロントブレーキをロックさせたジベルナウのバイクが前輪を軸として時速約200kmの速度で前転しながら空中に投げ出されるという大事故が発生した。

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1コーナーに向かってフル加速する多くのライダーの真ん中で発生したこの事故は、連鎖的に6人のライダーを巻き込み、結果としてその中の3名のライダーが骨折や意識不明などの重傷を負うという事態に発展してしまった。実際、死者が出なかっただけでも幸いとする意見も多い。

■オランダの習慣と重なった過密スケジュール

オランダは敬虔なクリスチャンが多い事で知られる国であり、日曜日は完全な休日として殆ど一般的な業務を行わないという習慣から、グランプリは毎年通常のレースウイークよりも1日前倒しとなる木曜日から土曜日に開催される。

今年は3連戦の中間がオランダGPとなった事から、前戦のカタルーニャGP終了から今回のオランダGPの初日までの期間は4日間しかないという過密スケジュールとなり、事故で怪我を負ったライダーたちの参加は当初絶望的と思われていた。

■僅差のタイトル争いと欠場しない重傷者たち

今回、事故の引き金となり鎖骨を骨折したセテ・ジベルナウは欠場したが、カタルーナニャの事故に巻き込まれた残る2名、胸部と腹部を強打して内臓の障害が心配されたロリス・カピロッシと、首に強度の捻挫を負い左肩を脱臼したマルコ・メランドリは初日からレースまでの3日間へのフル出場を果たしている。

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ポイントランキングの上位に位置するこの2名には、意識を取り戻した直後から欠場の文字は無かったようだ。

カタルーニャGP終了後、ポイントリーダーのニッキー・ヘイデン(119pt)から2位のロリス・カピロッシ(99pt)とのポイント差は10ポイント、4位のマルコ・メランドリ(89pt)との差は20ポイントと今年は僅差のタイトル争いが行われおり、1回の欠場は致命傷となる。

また、前回にカタルーニャでの事故に引き続き、今回のオランダGPでも重傷者が2名出ている。

■カタルーニャに続き今回は最高峰王者が重傷、許されない欠場

写真新型シャシーの熟成によりイタリアGPから完全復活を果たしたキャメル・ヤマハのバレンティーノ・ロッシ(90pt)は年間タイトル3位まで成績を戻していたが、オランダGP初日のフリー・プラクティスで激しく転倒し、アクセルとフロントブレーキを扱う右手首と、ギアチェンジを行う左足首の骨にひびが入ってしまった。

当時ランキング8位につけていたトニ・エリアスも、ロッシと同じ今回のGP初日に転倒して左肩を強打し、肩に近い左腕の上腕骨に軽度のひびが入っている事が確認された。

前述の2名と同様に、19ポイント差のニッキー・ヘイデンの独走を抑えてポイントリーダーの座を奪還したいロッシは、グローブを一人では装着できない右手の痛みに苦しみながらも、今回の予選に参加してレースへの出場権を獲得している。

尚、トニ・エリアスは転倒した日の午後には自国スペインに緊急帰国し、今回のGPの残りのセッションを全てキャンセルしている。

■ニッキー・ヘイデンの優勝を阻止したいキャメル・ヤマハ

バレンティーノ・ロッシとの契約を来年の2007年まで延長したキャメル・ヤマハ・チームの最重要課題はロッシの連続年間タイトルの達成だ。怪我を負ったロッシが自らニッキー・ヘイデンの高ポイント獲得を阻止する事が絶望的となった今回、レースウイーク中にマシンの好調な仕上がりを見せているチームメイトのコーリン・エドワーズが、ニッキーの独走を抑える頼みの綱となる。

ニッキーの優勝による25ポイント加算をエドワーズが抑えれば、今後のタイトル争いに向けたレース展開へのロッシにかかる負担は軽減されるだろう。

■スターティング・グリッド

1列目ポールポジションはリズラ・スズキのジョン・ホプキンス。初の1番グリッドを獲得したホプキンスだが、今年はレースに向けて選択したブリヂストンタイヤがレース中にグリップを失い順位を落とすというケースが多い。今回のタイヤ選択が初のポールポジションを有効に活用する結果につながるかどうかが注目される。

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2番グリッドには、今シーズンの予選結果は好調だが、レースに入ると細かなマシンの不調に悩まされ続けて結果に繋がらずに苦しむカワサキの中野真矢選手。0.01秒差という僅差でポールポジションを逃した中野選手だが、今回はレースに向けたマシンの仕上がりにも大きな自信を示している。

3番グリッドはようやく新型シャシーのセッティングが仕上がり、他のライダーを圧倒するレースペースをフリー走行中に見せているキャメル・ヤマハのコーリン・エドワーズ。今回の優勝候補の筆頭だろう。

2列目4番グリッドはレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデン。2日目までのフリー走行ではレースタイヤで1分37秒台に突入できなかった事もあり、レースでの走りに不安を見せたニッキーだが、この日の午前のウォームアップまでにレース用セッティングが仕上がり、1分37秒001という好調な走りを見せている。

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5番グリッドはニッキーのチームメイト、MotoGPルーキーのダニ・ペドロサ。抜き所の減ってしまった改修後のアッセンに不満を示すペドロサだったが、2日目には新しい区間にも慣れたと発言した。6番グリッドにはリズラ・スズキのクリス・バーミューレン。

3列目7番グリッドには「優勝にも値する」と怪我を押して出場した予選の結果に満足するフォルツナ・ホンダのマルコ・メランドリ。8番グリッドにはダンロップタイヤの進化に自信を示す発言が相継ぐTECH3ヤマハのカルロス・チェカ、9番グリッドにはセテ・ジベルナウの代役として異例のチーム間での抜擢を喜ぶドゥカティー・ワークスのアレックス・ホフマン。

コニカミノルタの玉田誠選手は5列目13番グリッド、メランドリと同じく重傷を顧みず出場したドゥカティーのロリス・カピロッシは5列目15番グリッド、今回のオランダGP初日に骨折したバレンティーノ・ロッシは苦痛の表情を見せながら予選を通過し、最後尾の18番グリッドを獲得。

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尚、セテの代役として今回ドゥカティーから出走するホフマンの代役はスペイン選手権のエクストリーム・カテゴリに出場中のイバン・シルバが担当。シルバは今回17番グリッドからスタートする。

■カワサキがウォームアップ・ラップ中にトラブル

予選11位だったカワサキのランディー・ド・ピュニエはウォームアップ・ラップ中にマシンの不調を訴え、ピットに戻りセカンドバイクに乗り換えた。

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■レース開始、エドワーズ、ホプキンス、中野選手が好スタート

シグナルが消え、キャメル・ヤマハのコーリン・エドワーズとリズラ・スズキのジョン・ホプキンスが好スタートを決めて第1コーナーに向かう。二人の真ん中にはカワサキの中野真矢選手。中野選手のチームメイトのド・ピュニエはピットレーンからスタート。

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オープニングラップのホールショットをエドワーズが奪い、1コーナーから順番に先頭のエドワーズ、2番手にホプキンス、3番手に中野選手、4番手にフォルツナ・ホンダのマルコ・メランドリ、5番手にレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデン、6番手にレプソル・ホンダのダニ・ペドロサ、7番手にリズラ・スズキのクリス・バーミューレン、8番手にチーム・ロバーツのケニー・ロバーツ・ジュニアが続く。

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9番手にTECH3ヤマハのカルロス・チェカ、その後ろにはチームメイトのジェームス・エリソンが走行し、TECH3の二人の横に並びかける形でコニカミノルタの玉田選手が併走。さらにその後ろには12番手となったホンダLCRのケーシー・ストーナーがつけ、すぐにエリソンを交わし11番手に順位を上げた。

■優しいホフマン

ドゥカティー・ワークスから参戦のアレックス・ホフマンは1コーナーから2コーナーにかけて集団からはじき出される形となり13番手まで順位を落とし、14番手を走行するチームメイトのロリス・カピロッシの前を走行。

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ホフマンは怪我をしたチームメイトを気遣い、カピロッシの邪魔にならないようにペースを落として前を明け渡すが、カピロッシのペースは上がらない。

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メランドリはヘイデンに交わされ5番手に順位を落とした。

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2ラップ目、ストーナーに背後に迫られたカルロス・チェカは前方のロバーツ・ジュニアを交わし9番手に。先頭を行くのはエドワーズ、ホプキンス、中野選手。

■中野選手、変更したフロントタイヤにチャタリング

ヘイデンが中野選手を交わし、中野選手は4番手に後退。中野選手はフロントをレース直前にハードタイヤに変更しており、それがチャタリングを起こしてペースを上げられない。

バーミューレンは中野選手の後ろを走るメランドリとペドロサの間に後方から直線的なラインで割り込み6番手に浮上した。

玉田選手はチェカとロバーツ・ジュニアを交わし、順位は先頭からエドワーズ、2番手にホプキンス、3番手にヘイデン、4番手に中野選手、5番手にメランドリ、6番手にバーミューレン、7番手にペドロサ、8番手に玉田選手。

玉田選手の背後には9番手となったストーナーが迫っている。

■逃げるエドワーズ

先頭のエドワーズは後続を引き離しにかかりファーステストを記録。少し遅れかかるホプキンスが必死にエドワーズとの差をつめようと追い上げている。それを後ろから追うニッキー・ヘイデンと中野選手。

4ラップ目に突入直後、前日の発言通りチェカの後ろに必死についていたジェームス・エリソンが12番手を走行中にコーナーを曲がりきれずにグラベルへ直行し転倒。

砂煙が上がる中、エリソンがかつてなかった程の悔しがりようを見せた頃、スズキのクリス・バーミューレンがメランドリを交わし5番手に。

■ロッシがコースアウト

写真14番手のポイント圏内を走るロッシは前方を行く2台のドゥカティーに迫る。カピロッシに前を譲って13番手を走行中のアレックス・ホフマンをロッシは右コーナーの外側から抜こうとするが、骨折した左足を浮かしてバランスを崩しそのままコースアウト。

ロッシは転倒する事なくエスケープエリアを通って速度を落とさずショートカットし、コースに復帰した。

5ラップ目、ストーナーは玉田選手を交わし8番手に浮上。この時の順位は先頭からエドワーズ、2番手のホプキンス、3番手のヘイデン、4番手の中野選手、5番手のバーミューレン、6番手のメランドリ、7番手のペドロサ、8番手のストーナー。

9番手となった玉田選手の後ろにはロバーツ・ジュニア、チェカ、カピロッシ、ホフマン、ロッシが続いた。

■ニッキーは中野選手を交わし3番手、後方はオージー・バトル

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6ラップ目、ニッキー・ヘイデンが激しく先頭の2台を追い上げ、トップ集団がヘイデンを加えた3名となる中、中野選手は徐々に後退して単独4番手に移行していく。

ストーナーはペドロサの前に割り込み、続いてメランドリも交わして5番手に浮上した。さらにストーナーは同郷のオーストラリア出身、バーミューレンの前も狙うが、バーミューレンは決して前を譲らず熾烈なオージー間のバトルが続く。

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7ラップ目、先頭集団の3名から中野選手が1秒遅れて4番手を走行し、その約3秒後方でオージー同士が火花を散らしている。コーナーでバーミューレンがストーナーを引き離す。

■ロッシがドゥカティーの2名を交わし、カピロッシがコースアウト

ロッシはついにホフマンを交わし、そのすぐ前を行くカピロッシの右コーナーイン側に飛び込み12番手に浮上したが、その弾みでカピロッシは4ラップ目にロッシがコースアウトしたエスケープエリアにコースアウト。カピロッシはホフマンの後ろに戻って14番手に後退。

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カピロッシが自分より後退した事により、ホフマンはやっと自分のペースで走り出した。

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■いつも通り前半の追い上げを見せるストーナー

写真ストーナーはバーミューレンとペドロサを交わし中野選手の3.4秒後方の5番手に。

8ラップ目、フロントタイヤのグリップ不足に悩み出した玉田選手はロバーツ・ジュニアに交わされ10番手に後退。

先頭からエドワーズ、2番手にホプキンス、3番手にヘイデン、その1.3秒後方に4番手の中野選手、さらに3.4秒後方には5番手のストーナー、6番手のペドロサ、7番手のメランドリ、8番手のバーミューレンが、順番にホームストレートを通り過ぎていく。

■カルドソ、今回もタイヤの不調を訴えピットイン

18番手の最後尾を走行中だったプラマック・ダンティーンのホセ・ルイス・カルドソはダンロップのフロントタイヤの不調を訴えピットイン。新しいタイヤを装着して再びコースに戻った。

ペドロサにメランドリが並びかけコーナー入り口を争い、イン側に入れなかったメランドリがコースアウトして草の上を走行。その横を6番手ペドロサが通り抜ける。メランドリの後方には8番手のバーミューレンと9番手のロバーツ・ジュニアが迫る。

■謝るケニー、今回は後退し続けない中野選手

ロバーツ・ジュニアは高速右コーナーの入り口で強引にバーミューレンのインを奪いバーミューレンに軽く接触。左手を挙げて後方となったバーミューレンに謝るケニー。

9ラップ目、先頭からエドワーズ、ホプキンス、ヘイデンの先頭集団、その1.3秒後方から中野選手、さらに3.3秒後方からストーナーとペドロサが続いた。メランドリはペドロサの1.18秒後方まで後退している。

3番手を走るニッキーヘイデンがタイト右コーナーでミスをして少しホプキンスとの差を開けた頃、チャタリングが解消して徐々にペースの上げられるようになった中野選手が先頭集団3名との距離を縮める。

■トップを快走するエドワーズ、2番手につけるニッキー

先頭のエドワーズはさらに好調にペースを伸ばして2番手のホプキンスから逃げようとしている。ヘイデンはミスによる遅れを挽回しホプキンスの背後につけた。最終シケインでヘイデンがホプキンスを交わし2番手に浮上。

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10ラップ目、先頭のエドワーズ、2番手のヘイデン、3番手のホプキンス、その1秒後方に中野選手、さらに3.3秒後方からストーナーとペドロサが1コーナーに飛び込む。ペドロサの1.7秒後方にはメランドリ、ロバーツ・ジュニア、バーミューレンを交わした8番手の玉田選手が続く。

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■スズキが揃ってペースダウン「グリップに問題」

リズラ・スズキのバーミューレンはフロントタイヤのグリップを失い、徐々にペースが上げられなくなり後退。

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先頭のコーリン・エドワーズが1分37秒686で周回する中、12番手を走るバレンティーノ・ロッシもほぼ同タイムの1分37秒777で走行している。

11ラップ目、中野選手が先頭集団に復帰しトップグループは4台体制に。

■全くいつもの走りが出来ないカピロッシ

胸に激痛を抱えた14番手を単独走行するカピロッシは全くタイムが伸びず、1分40秒台までラップタイムを落とし始めた。

ペドロサはストーナーを交わし5番手に。

12ラップ目、11番手を走行するカルロス・チェカの背後にバレンティーノ・ロッシが迫る。ピットレーンからの最後尾スタートとなったランディー・ド・ピュニエはプラマック・ダンティーンのイバン・シルバとカルドソを交わして15番手を走行。

■中野選手が3番手に復帰

ここでバーミューレンと同様にタイヤのグリップを失いペースの上がらなくなったホプキンスを中野選手が交わし、表彰台圏内の3番手に浮上。

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ホプキンスはチームメイトと同様にペースを徐々に落とし始める。

13ラップ目、エドワーズとヘイデンはハイペースの走行を続け、3番手の中野選手を再び引き離した。ホームストレースを先頭からエドワーズ、ヘイデン、その1.9秒に中野選手、ホプキンス、さらに3秒後方にペドロサ、ストーナーが通り抜ける。ストーナーの1.5秒後方にはロバーツ・ジュニア、さらに1.4秒後方にはメランドリと10位の玉田選手がつける。

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ストーナーはペドロサの後方でストーカーまがいの走行を繰り返している。

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■ロッシを気にする玉田選手、ポイント圏内の端に追いやられるカピロッシ

14ラップ目、エドワーズがヘイデンを引き離しにかかり、0.7秒まで2台の差は広がった。玉田選手はチェカに交わされ11番手に後退。その後ろに12番手のバレンティーノ・ロッシが迫り、玉田選手は後方を振り返ってロッシの状態を気にしている。

ポイント獲得を狙う瀕死のライダー、ロリス・カピロッシはカワサキのフランス人、ランディー・ド・ピュニエに交わされ、辛うじてポイント圏内の15番手に後退した。

■レース中にライン取りを改良するニッキー

エドワーズが1分37秒487で周回して逃げる中、最後までエドワーズを抜けないと感じたニッキー・ヘイデンは、自分のラインを途中から改造したという。ヘイデンは1分37秒286のペースで先頭を走るエドワーズを追い上げ始める。

16ラップ目、ペドロサとストーナーの5番手争いは膠着状態が続いている。

ロッシは玉田選手を交わし11番手に、チェカはバーミューレンを交わして9番手に浮上。

17ラップ目、カピロッシのラップタイムが1分41秒台まで落ちた。カピロッシの20秒後方にはプラマック・ダンティーンのイバン・シルバが16番手を1分43秒台で走行している。

■ルーキー・バトルに水を差すホッパー

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2番手のヘイデンと3番手の中野選手の差は2.5秒。ホプキンスはさらに後退し、ダニ・ペドロサにも交わされ5番手に。その背後にはストーナーがつけ、4番手のペドロサ、5番手のホプキンス、6番手のストーナーの3台が全く隙間のない1列となった。

ペドロサはホプキンスを壁にしてストーナーから逃げ始めるが、ストーナーはホプキンスが壁となり前に出られない。

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ロッシは1分38秒台ジャストで走行するペドロサよりも速いペースで周回しており、ここではバーミューレンを交わして10番手に浮上。

■追いつけないペドロサ、中野選手のペースは先頭の2台と同じ

18ラップ目、中野選手は先頭集団の2名と同じ1分37秒台中間のペースで走行しており、後方の1分38秒台のペドロサはこれに追いつけない。

19ラップ目、先頭からエドワーズ、0.7秒後方には必死に前を追う2番手のニッキー・ヘイデン、2.8秒後方に中野選手、さらに4.2秒後方に4番手のペドロサ、5番手のホプキンス、6番手のストーナー、それに追いついた7番手のロバーツ・ジュニアが続く。ジュニアの4.9秒後方には8番手のメランドリ。

エドワーズはこの周回を1分37秒588で走行し、ヘイデンは1分37秒225のハイペースをそれを追っている。中野選手のペースは1分37秒977。

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■一時的に1分39秒台までペースを落とすホプキンス

ホプキンスはここでペースを1分39秒台前半まで落とし、ストーナーとロバーツ・ジュニアに交わされ7番手まで一気に下がった。

20ラップ目、先頭の2台はハイペースで飛ばし続け、3番手の中野選手を3.6秒まで引き離した。中野選手と4番手のペドロサの隙間は4.2秒のまま縮まらない。

21ラップ目、バレンティーノ・ロッシはチェカを抜けないままその後ろを走行し続けていたが、右コーナーでチェカを交わし9番手に順位を上げた。ロッシの5秒前には単独走行のマルコ・メランドリ。

■エドワーズを捕らえたニッキー

22ラップ目、ついにニッキー・ヘイデンがコーリン・エドワーズの0.1秒後方まで迫った。中野選手は若干タイムを落としてヘイデンから5秒後方を単独走行している。

エドワーズとヘイデンは膠着状態のまま、2台揃って猛スピードでコーナーを折り返して行く。

ロッシは1分38秒088の中野選手よりも0.1秒速いペースで走行し、チェカを後方に追いやった。

■星条旗の高さを争う熾烈なトップ争い

最終シケインでニッキー・ヘイデンがエドワーズの真横に並びかけると、エドワーズはクイックな切り返しと伸びのある加速を見せ、ニッキーを前に出す事なくホームストレートに向かって猛ダッシュした。それを同じように猛ダッシュで追いかけるニッキー・ヘイデン。

23ラップ目、先頭の2台が猛烈に追い掛け合う中、中野選手は再び1分37秒台に戻し、後方のペドロサとの4秒の差を保っている。

24ラップ目、エドワーズは再びニッキーを引き離して猛加速。

12番手の玉田選手の後方1秒以内にアレックス・ホフマンが迫っている。

残り2周の25ラップ目、最終シケインでエドワーズとヘイデンが熾烈な争いを繰り返しながら抜けだし、2台揃ってホームストレートに飛び出し第1コーナーに向かう、ヘイデンはエドワーズの横に並びかけたいがエドワーズの加速も伸びる。

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先頭から順番にエドワーズ、2番手のヘイデン、その6.3秒後方に3番手の中野選手、さらにその3.6秒後方には団子状態のペドロサ、ストーナー、ロバーツ・ジュニアが続く。7番手のホプキンスは8番手を行くメランドリの2.7秒前方まで後退。

■飛び込み合戦でエドワーズがコースアウト、先頭はニッキーに

コース後半の右コーナーでヘイデンがエドワーズのインに深く飛び込み、同じように深くまで飛び込もうとしたエドワーズは行き場を失いコースアウトしてエスケープゾーンを通過。ついにトップはニッキー・ヘイデンとなり、コースにショートカットして戻ったエドワーズはヘイデンの1秒後方に後退した。

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怒濤の加速でヘイデンと自身の初優勝に追いすがるキャメル・ヤマハのコーリン・エドワーズ。

■テキサス・トルネード襲来

26周目の最終ラップ、シケインから立ち上がるニッキー・ヘイデンが1コーナーに向かい、その1秒後方からコーリン・エドワーズが続いて猛ダッシュをかける。コーナーの度にエドワーズがニッキーとの差を急激に縮め、コース後半の連続コーナーの右イン側でついにエドワーズがヘイデンに並びかけた。折り返しの左コーナーでエドワーズがヘイデンの前を奪い先頭は再びエドワーズ。残るは最終シケインのみだ。

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ファイナルラップ1周のみで1秒の差をニッキーからを奪い取ったエドワーズはシケイン入り口に先頭で飛び込んだ。

先にラインをエドワーズに奪われたニッキーがシケイン入り口の左側砂地にコースアウトし、飛び込み速度が速すぎたエドワーズもシケイン奥の折り返し前の草に軽くコースアウトしたが、エドワーズは素速く切り返し、チェッカーがすぐ側に見えるコースに復帰しようとスロットルを開けた。

■トルネードはケンタッキーを素通り

諦めて肩を落としかけたニッキーの目の前を、スロットルを開けすぎてリアが草の上でスリップし、その勢いで両足を宙に舞上げ、ハンドルだけをむなしく握るエドワーズと黄色のバイクが横切った。

エドワーズはコントロールラインまであと一歩のところで芝生に転落し、無人のバイクはそのままランオフエリアを走り続け壁に激突、砂を巻き上げながら宙を舞った。

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■ニッキー、ラグナ・セカ以外での悲願の優勝

ニッキーは悠々とその横を通過し、自身のGP通算2度目となる念願の優勝を果たした。

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続いて後続のバイクが次々とシケインを抜けてコントロールラインに向かう。中野選手は横目に黄色の転倒したバイクを見ながら、事態が良く飲み込めないまま2位表彰台を獲得。その後ろからはペドロサとその横に並びかけたストーナーが僅差のチェッカーを受け、僅か0.03秒差でペドロサが3位表彰台を獲得した。

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4位のストーナーから0.5秒遅れでロバーツ・ジュニアが5位チェッカーを受けると、さらにその後方からホプキンス、メランドリ、8位となったロッシ、チェカ、バーミューレン、玉田選手、アレックス・ホフマンがコントロールラインを抜けた。

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■悲しすぎるエドワーズ

なんとかバイクを立て直し、オフィシャル2名に押されてマシンの再スタートに成功したエドワーズは13位でコントロールラインを抜けて無事にチェッカーを受けたが、悲しさと怒りが止まらないエドワーズは一度左腕で宙を殴りつけた後、さらにバイクのシールドにも拳をたたき落とした。割れたフロントシールドが飛び散る中、エドワーズはそのままタンクの上に左腕を乗せ、下を向いたまま身動きする事無くゆっくりと進み続けた。

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■カワサキ中野選手が2004年もてぎ以来の表彰台

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写真この結果、レプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンは昨年のラグナ・セカに続く悲願の優勝を遂げ、カワサキの中野真矢選手は2004年のもてぎ以来の表彰台となるMotoGPクラス自己最高位の2位表彰台を獲得した。3位表彰台はニッキー・ヘイデンのチームメイトのダニ・ペドロサが獲得。

ニッキーの優勝は、ホンダが1966年に初参戦と同時に1回目の優勝を獲得した時から数える事200回目の最高峰クラスでの勝利だ。

■怪我のまま出場したライダーは全員ポイントを獲得

エドワーズの転倒により順位を一つあげて8位となり、8ポイントの獲得に成功したバレンティーノ・ロッシはピットで骨折した右手首を氷で冷やしている。予選の時に見せたような悲痛の表情はもうどこにもない。

カタルーニャの事故から復帰したメランドリは7位となり9ポイント、最も激しい痛みと闘いながら、最後までリタイアを拒んだロリス・カピロッシは15位で悲願の1ポイントを無事に獲得した。

■コニカミノルタ首脳陣「パッケージを信頼」

コニカミノルタの玉田誠選手は今回10位でレースを終えたが、チームの首脳陣はレース後に以下のコメントを発表している。

コニカミノルタ・チーム責任者のジャンルカ・モンティロンは、「チームは可能な限りの力を全て出し切っている。フランスのタイヤメーカーは最高の技術で我々をサポートしており、マコトはミシュランと検討した新しい16インチタイヤを今回使った。しかしながら、それでも状況は何も変わらず、安定して走る事はできても先頭集団との差は大きいままだ。マコトはトップとの差を縮める方法をまだ見つけてはいないが、我々はマシンのパッケージを信頼している。次回のグランプリでも向上を目指して努力はするし、今の我々にできる事は全てやった。」とコメントした。

また、チームの技術責任者であるジュリオ・ベルナルデッレは、「私たちはマコトの力を引き出す為に誠心誠意、努力している。今週はミシュランが我々の意見を反映して開発した新しいフロントタイヤを使う事を決定し、その作業に集中した。残念ながら、テストとプラクティスで得られた進歩と明るい兆候はレース結果に反映されなかったが、ここまでに収集した技術的なデータと、パッケージには絶対的な自信がある。」とコメントしている。

■喜びの止まらないニッキーと中野選手

パルクフェルメでは、何度表彰台を獲得しても悔しそうな素振りしか見せなかったニッキー・ヘイデンが拳を振り上げて喜びを爆発させている。口元がどうしても笑顔になるといった表情のカワサキの中野選手の横には、カワサキチームスタッフの最高の笑顔だ。

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3位を獲得したダニ・ペドロサだけは、まるで転倒でもしたかのような不満な表情のまま表彰台に向かった。

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■各ライダーのコメント

以下にレース終了後の各ライダーのコメントを示す。

優勝)ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ

今日は激しかったですね。でも面白かったし人生の中で最良の日です。

レプソルホンダで勝てた事とホンダの最高峰クラス200勝を記録した事を誇りに思います。スタートはあまり上手くいかなくて、コーリンが前にいるのが見えたので必死で追いつこうと思いました。今回のレースウイーク中、彼のレースペースはずっと良かったですからね。

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レースの最後まで持ちこたえるには何かしなきゃいけないと思ってました。それでコースの真ん中付近のライン取りを変えたんですが、これがとても効果があったんです。終盤は本当に調子が良くなって速くなりました。

最後のシケインに彼が凄く深くまで飛びこんだので、レース序盤にホプキンスに対して使ったライン取りをしました。結局それは失敗してグラベルに飛び込みましたが、同じようにコーリンもコースアウトしたんです。

チームと、僕の周りで働くレプソル・ホンダの全てのスタッフ、それにミシュランに感謝しています。今週はずっとリアにハードタイヤを装着していましたが、レースでは完璧に機能しました。

2位)中野真矢 JPN カワサキ・レーシング

写真MotoGPクラス自己最高位の2位という結果がここで残せて本当に嬉しいです。それに今日は3位だと思ってましたから尚更です!

新しいアッセンでいい結果を出す為には1列目スタートが絶対に必要だと思ってましたし、ブリヂストンがそれを可能にする予選タイヤを持ってきてくれました。

スタートは成功しましたが、オープニングラップではコーリンとニッキー、ジョンについて行く事はできませんでした。今日は午後に温度が上がったんでフロントにハードタイヤを選んだんですが、それでレース序盤はフロントまわりにチャタリングが発生したんです。

それがレース中盤に改善されてからは追い上げができるようになり、ジョンをパスできました。

最後はコーリンから引き離されてたんで前で何が起きたか分かりませんでしたが、最終シケインに来てコースの外に彼のバイクが転がってるのを見て、それから数秒してやっと自分が2位なんだと分かりました。

ここ最近の不運にも関わらず、僕を信じて頑張ってくれたチームに感謝します。チームが僕を信頼してくれれば、僕はバイクに自信が持てます。

この成果は僕だけの力ではなく、必死に頑張ってくれたカワサキ・レーシング・チーム全員のお陰です。

3位)ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ

写真特にメランドリとのバトルですが、レースの序盤にタイムをたくさんロスしました。新品のタイヤと満タンの燃料でブレーキを遅らせるのは難しかったです。毎回同じ事で少し苦しみますから、これからはレースの最初からいい状態にしておかないといけませんね。

最終ラップでストーナーに抜かれましたが、最終区間で抜き返しました。殆ど接触するくらい接近していました。

ニッキーとコーリンのペースは少し自分より速かったので、今回の3位はチームにとって良かったと思います。自分にとってもコーリンがクラッシュしたお陰で表彰台の最後の位置を確保できたので運が良かったですね。

今日の成績は完璧とは言えませんが、ミシュランが頑張ってくれたので満足です。

今年のタイトル争いはいつもより先が読めませんし、このクラスのルーキーとしてランキング2位は上出来だと思いますが、まだ学ぶべき事はたくさんあります。

4位)ケーシー・ストーナー AUS ホンダLCR

スタートが上手くいったのに誰かにブロックされてしまい、1コーナーではみんなに外側から回り込まれました。

写真

でも自分のペースは良くて5位まで挽回しました。ダニが抜いて来た時は数周後ろに貼り付いて走れたので良かったです。

ダニは自分よりちょっと遅かったのですが、リアの左側のグリップに問題があったので抜くのは難しかったですね。

最終ラップではミスをして、ダニを前に出してしまったので嬉しくないですね。良かった事は、自分の今のレースセッティングなら表彰台を狙える事です。

写真5位)ケニー・ロバーツ Jr USA チーム・ロバーツ

スタートに失敗した後は、ひたすら前に抜け出す事だけを考えました。

自分の方がペドロサとストーナーよりはペースが少し速かったと思いますが、自分が二人に仕掛けると、今度は二人が自分に仕掛けて来ました。

予選で確実にいい順位を取れるようにすれば、最初の5周くらいで起きるトラブルに巻き込まれずに済みますね。

6位)ジョン・ホプキンス USA リズラ・スズキ

写真言えるのは、自分たちにやれる事は全部やったって事だけです。

レース序盤はバイクの調子が凄く良くて後続を引き離せましたし、コーリンにくっついて行くのも凄く楽でした。

最大限の事はやったけど、でもバイクを寝かせっぱなしの状況でタイヤが滑り出すような目にあったら、運が悪いと思って引き下がるしかないですよ

もしコーリンの初勝利が見れたら最高でしたが、結局そうはならずに彼の転倒で6位に自分の順位が繰り上がりました。

今週の結果は悪くないと思うようにして、ホームGPみたいな雰囲気のドニントンに向かいます。今からもの凄く楽しみで待ちきれませんよ!

7位)マルコ・メランドリ ITA フォルツナ・ホンダ

今の体調を考えれば7位はいい成績だったと思います。

写真

スタートは良かったんですが、2〜3周するうちに苦しくなってきました。首と両肩と両足が凄く痛かったんです。先頭グループと一緒に走りたかったんですが、走ってるうちに体力が無くなりました。

今日の主な目的はレースを完走する事でしたから、満足するべきでしょうね。

今から自宅のあるイギリスに向かいます。身体を休ませないとね!

8位)バレンティーノ・ロッシ ITA キャメル・ヤマハ

写真自分にとってはすごく厳しいレースでしたが、コスタ医師とマルコ・モンタナーリ、それとクリニカ・モバイルのチーム全員が右手に凄くいい治療をしてくれたのでレースを最後まで走る事ができました。

特にスタートの時に少し痛みがあり、自分の100%の走りはできませんでしたが、問題ないレベルだったと思います。

スタートの時はどうなるか不安でしたが、一度アドレナリンが出始めてからはレースができる気分になり、中盤に差し掛かる頃には体調もだいぶ良くなってちょっと楽しくなってきました。

最後の3ラップは手に力が入らなくなりましたが、持ちこたえる事ができて8位になり、ポイントもそこそこ取れました。

チームは今週難しい状況の中でとても頑張りました。プラクティスであまり多く走れなかったのでデータをあまり収集できていなかったのにタイヤは最高でした。みんなに御礼が言いたいです。

凄くいい走りをしていたのにコーリンは気の毒でした。優勝に値するレースだったのに最後のミスは痛かったですね。

9位)カルロス・チェカ SPA TECH3ヤマハ

写真やっと他のライダー達と戦えるようになりましたから、今回の結果はチームの全員にとって大変に満足できるものです。

レースの序盤はメランドリとペドロサについて行こうと思いましたが、彼らが逃げ始めてからは一緒のペースを保つ事ができませんでした。フロントの調子があまり良く無かったので、無理せず自分のペースで走る事にしたんです。

玉田に追いつき彼を抜かしてから、バーミューレンに捕まりました。ロッシが迫ってきた頃にチャタリングがひどくなり、そのまま彼について行こうとしたらチャタリングの状況がさらに悪くなりました。今の段階ではリスクを冒して転倒し、チームの努力を無駄にするよりも、完走する方が大切です。

私たちは今までの経験から多くを学んできました。今は速く走れるようにはなり、トップとのタイムにも最初から比べて近づきました。

ダンロップは大変前向きに努力をしていますが、レース現場を通して開発できる事は限られていると言えるでしょう。でも私たちは進歩し、非常に強いライバルたちと戦うところまで来ました。

ここまでの2戦で多くの事が進歩しました。今はトップから1秒差に迫りましたから、さらなる進歩を目指して努力を続けなければいけません。

戦えるようになったのは、私にとって何より嬉しい事ですし、進歩のないままダンロップのホームレースを迎える事にならなくて良かったです。

次回のレースではさらにトップに近づけるようになりたいですね。

写真10位)クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキ

レース序盤は調子が良く前の連中とバトルができました。バイクの調子がほんとに良かったんです。

でも9ラップか10ラップ目にフロントのグリップ不足に襲われるようになり、性能がかなり低下しました。走り続けるのは難しいくらいでしたから、無事にうちに帰って来られてトップ10に入り、ポイントも取れたんですから十分ラッキーでした。

今回のミスをしっかり学べばドニントンにはきっと役立ちますよ。

11位)玉田誠 JPN コニカ・ミノルタ・ホンダ

フロントまわりに問題を抱えていました。

写真

1日目と2日目にいい感触が得られた16インチタイヤで走りました。でもレースで5周走った後は、コーナーのブレーキングで完全にフロントの接地感が無くなり、攻めて走る事が出来なくなりました。

予選の時から何も変えていないので、理由がわかりません。

12位)アレックス・ホフマン GER ドゥカティー・マルボロ

写真スタートは本当に上手く行ったんですが、最初の2つのコーナーで悪い場所にいて順位を落としてしまいました。

ロリスが自分のすぐ後ろにいるのが見えたんですが、午前のウォームアップを見る限り彼は自分より先に行くと思えたので、ロリスが前に行くのを邪魔しないようにしました。でも抜かれてからすぐに、ロリスが弱っていていつものようにプッシュできない状態だと分かりました。

7ラップか8ラップ目からは自分のペースで走り、前を行くバーミューレン、玉田、チェカのグループが見えてきました。でも序盤にロスしたタイムが大きすぎてトップ10入りは狙えませんでした。

まだ改善の余地はありますが、ラップタイムだけを考えれば十分満足できます。

13位)コーリン・エドワーズ USA キャメル・ヤマハ

写真なんて言うか、今回は勝てたレースなのでもの凄く落ち込んでるのは間違いないです。バイクは最初から調子が良かったし、ライディングも楽しめてました。

自分がプラクティスで走ったペースに他の連中が着いてくるのは難しいと思ってましたし、実際そうでしたよね。

会心のスタートを成功させて、ひたすら前に向かって走り続けました。残り2周の時にニッキーがインに入ってきて、彼が走行ラインに戻るのが遅れてこっちの行き場所がなくなりました。真っ直ぐ進むしかなくなりましたが、運良くコースには戻る事ができました。

彼から絶対に遅れないように、自分の全精力をかけて最終ラップに挑みました。彼を抜いてからは守りのラインに徹して最終コーナーに入りました。まさかニッキーがグラベルに突っ込むとは思ってもなかったけどね。分かってたらあんなライン取らなかったよ。

不幸にしてすこしプッシュしすぎて草の上に乗ってしまい、スロットルを開けたらリアがスピンして放り投げられました。

気分は最悪だね。でもニッキーとはフェアなバトルができた凄いレースでした。

14位)ランディ・ド・ピュニエ FRA カワサキ・レーシング

写真シンヤのMotoGPクラスでの過去最高の成績を祝福したいです。今日の自分の成績には不満を持ったままここを離れなければいけませんが、それでもシンヤの成績が嬉しいです。

ウォームアップ・ラップで原因は良くわかりませんが、バイクのフロントに違和感を覚え、そのまま走るのは無理だと気がつきました。ピットに戻ってメインのバイクとは違うセッティングのスペア・バイクに乗り換える以外に方法が無かったんです。

ピットレーンからのスタートは最悪です。1周目はタイヤが全く温まってない新品の状態なんで全くプッシュはできませんでした。

タイヤの温度が上がってからはポジションをいくつか挽回しましたが、今日の午前中のウォームアップでは調子が良かったので、もっと高い成績を期待していました。

でも、もう今日の事をくよくよ考えずに、来週のドニントンでのレースを楽しみにする事にします。

15位)ロリス・カピロッシ ITA ドゥカティー・マルボロ

写真1つだけ良かったのは、レースが完走できて1ポイント取れた事です。

レースは本当に辛くて大変でした。胸の痛みは我慢できるレベルじゃありませんでしたが、決して諦めずに大事な1ポイントを獲得する事ができました。

レースの怪我はいつも悲惨です。ドニントンまでもう何日もありませんので、早く身体が良くなる事を祈ってます。

色々助けて頂き、お世話になったクリニカ・モバイルとコスタ先生に深く感謝しています。

16位)イバン・シルバ SPA プラマック・ダンティーン

自分のMotoGPクラス最初のレースを完走できたのでとても嬉しいです。

写真

素晴らしい経験でしたし、もの凄く楽しかったですね。まだ色々やるべき事は残っていますが、最も心残りなのはポイントが全く取れなかった事です。

レース中にバイクにも慣れてきましたし、特にタイヤが減った時のトラクションなど多くの事を学びました。

レースウイークを通して仕事が出来た事に満足です。チームはプロフェッショナルですから、とても快適に過ごす事ができました。

私を信頼してこの機会を下さったルイス・ダンティーンやチーム、スポンサー、ならびに全ての皆さんに感謝を申し上げます。これからも全力でいきますし誰もがっかりさせないつもりです。

17位)ホセ・ルイス・カルドソ SPA プラマック・ダンティーン

写真残念ながら今日はあまりいい日じゃなかったですね。

タイヤに問題があり、6周を終えた所でピットに戻らざるを得ませんでした。

新品のタイヤに履き替えてコースに戻ったら全てが良くなりました。リズムもレースの最後まで良かったと思います。

本当にがっかりですが、今はもう次のレースを考えます。来週のドニントンではもっとポイントが取りたいです。

DNF)ジェームス・エリソン GBR TECH3ヤマハ

写真すごく残念だった事に間違いはありませんが、今週は今後に期待の持てる成果が得られたと思います。

練習してこつを掴んでいたので、スタートはとても上手くいきました。バイクの感触がとてもいいので、もし誰かが抜いてきても少しは攻められるようになりましたし、横から前輪が近づいてきても躊躇する事なく彼らの前に出る自信があります。

今日はすごくいいポジションにつけてカルロスの後ろを走ってましたが、1コーナーの進入で少し熱くなりすぎてフロントを失ってしまいました。自信があったので、ここで行かなきゃと思い凄くプッシュしてたんです。

色々進歩があったのでいい走りを試すチャンスだと思いましたが、次回のドニントンではしっかり試して飛躍したいですね。

今回の事故では足首にダメージを負ってしまいました。歩くのが辛い状況ですが、1週間をかけてマッサージし、氷で冷やせばなんとかなる筈です。

自分自身には凄く怒ってますよ。シーズン中まったく休まずに頑張ってるチームの努力に報いる結果にはならず、本当に申し訳なく思っています。

来週に期待です。


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