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2006年6月22日
波乱のカタルーニャGPから僅か4日間を経て、MotoGPアッセンTTがオランダのアッセン・サーキットで本日より開催される。今回はヨーロッパラウンド3連戦の2番目のレースだ。
カタルーニャGPのオープニングラップで負傷した3名のライダーについてだが、以前の各チームの公式発表にもある通り、ドゥカティーのセテ・ジベルナウの3週間から5週間のGP欠場と、19日に退院したロリス・カピロッシのアッセン出場は既に決定している。
■メランドリ、アッセンでの医療検査に合格し、初日の出場が決定
怪我をした3名のうち、残る1名のマルコ・メランドリだが、日本時間の22日午前2時にフォルツナ・グレッシーニ・チームは「メランドリはアッセンで医療検査を受け、医師からアッセン出場へのゴー・サインを得られた」と報じた。
メランドリは午後のフリー・プラクティス2走行後に再検査を受ける予定にはなっているが、少なくともアッセンTT初日となる本日の出場は確定した。
昨日はスクーターでアッセンを3周だけ走行してみたというメランドリは、以下の通りコメントを発表している。
「今の回復状況に満足しています。」とメランドリ。
「事故にあった日曜日は自分がここに来られるとは全く考えていませんでしたから、願いが完全に叶いました。」
「昨日からクリカモバイルでリハビリを開始して、今日もそれを続けています。バイクに乗りたくて仕方ありませんが、まずは走行後の体調を確認するつもりです。」
「まだ痛みます。今まで気がつかなかった場所も痙攣したり痛み始めました。例えば今は右肩の方が(脱臼した)左肩より痛いです。だいぶよくはなりましたが、今の自分の課題は可能な限り早く体調を元に戻す事です。」
尚、今週のセテ・ジベルナウの代役は、現ダンティーン・プラマックのライダーであるアレックス・ホフマン。ホフマンは今年はサテライト仕様のドゥカティー・デスモセディチに乗っており、去年はカワサキでブリヂストンタイヤの経験を持つ事から、ブリヂストンタイヤを履くワークス・デスモセディチの代役ライダーとして今回のチャンスを掴んだようだ。
また、ダンティーン・プラマックのホフマンの代役は、スペイン選手権のエクストリームクラスでルイス・ダンティーンのチームに所属しているイワン・シルバ。
■公道を思わせるテクニカル・サーキット
アッセンのコースがサーキットとしての設備を持ったのは1954年のオランダ・モーターサイクル・グランプリ(別名:ダッチTT)であり、元々は公道だった。アッセンが世界GPの公道レースコースとして使われ始めたのは1949年の事であり、その5年後にライダーと観客の安全面を確保する為の施設が追加されている。
アッセンはその公道レース時代から一度もGPカレンダーから外れていない最も歴史あるGPサーキットであり、昨年までは公道の面影をそのまま残す独特のコースレイアウトがバレンティーノ・ロッシを始めとする多くのGPライダー達に好まれていた。
■大幅な改修の後「普通のサーキット」へ
今回、先日のメランドリの「テクニカルで難しい部分がなくなっているので今の怪我を負った自分にとっては良い」というコメントからも分かる通り、アッセンは昨年からの改修工事によりコースレイアウトが大幅にが変更されている。
アッセンは現在MotoGPが開催されている世界中のサーキットの中では、最も長い5,997メートルの全長を誇っていた。
昨年中は今回の改修により全長4,750メートルまで短くされる事が公表されていたが、今年初めの工事中に関係者が計測した際には、さらに200メートル短い4,555メートルになっていた事が判明している。
■元のコースの4分の1近くが全く別のレイアウトに
最も大きな改修箇所はコース北側だ。複数の長い直線とそれらをつなぐS字カーブ等は削られ、代わりにテラスと観戦施設が設けられている。コースの切断された部分には「新ノースループ」と呼ばれる上海サーキットの1コーナーと似た形状のカーブが追加され、それがストレートの折り返し地点となっている。
ノースループとあわせてコース全体の各所にも小さな改修が加えられており、この結果、14個あった右コーナーは6つまで減らされ、13個あった左コーナーは11個となった。
■コースを覚え直す為に用意された異例の30分
ライダーが慣れ親しんだコースの大幅な改修後の走行は、全く新しいサーキットを走る時よりも危険な場合があるが、今回は各クラスの初日午前のフリー走行が通常よりも長く取られ、ライダーがコースを学習し直す時間が与えられている。
MotoGPクラスのフリー・プラクティス1は通常1時間のところ、アッセンTTだけは1時間30分の走行時間となり、グランプリ初日の開始時刻も現地時間の9時ではなく8時15分の早朝となる。
また、昨年までのMotoGPクラスのアッセンでの決勝レースは全21周だったが、今年からはコース全長が短くなった事により5周追加されて26周のレースになる。
■過密スケジュールに怒るロッシと以前のコースを懐かしむニッキー
今年の過密スケジュールを以前から反対していたキャメル・ヤマハのバレンティーノ・ロッシは、今回の3連戦のスケジューリングを批判すると同時に、今回のアッセン改修を残念とするコメントを発表している。
「3週間連続のレースには問題があります。」とロッシ。
「1戦目に怪我をした場合、残り2戦も欠場を強いられる可能性があります。また、3戦目までにライダーは疲れてしまい、全員が集中力を失い始めて厳しい状況になるでしょう。」
「以前のアッセンは好きなコースの一つでしたし、いつもMotoGPバイクであそこを走る事に凄く情熱を燃やしていました。悲しい事にコースレーアウトが変更され、今は刺激のない普通のサーキットです。改修内容を見る限り、もう以前の『アッセン・マジック』はどこにもありません。」
「とにかく、改修後もいいコースのままである事を祈っていますし、レースの面白いサーキットである事は間違いないと思います。オランダのファンは素晴らしいし、いつも雰囲気は最高です。」
また、現在のポイントリーダーであるレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンも、古いコースレイアウトの方が好きだったと語る。
「木曜日にアッセンで新しいコースを見るのは面白いでしょうね。」とニッキー。
「古い方のコースレイアウトは本当に好きでした。別に古い公道コースに戻して走りたいという意味ではありませんが、以前のコースは古き良き時代の面影がありましたし、あそこではいつもいい走りが出来ていましたからね。」
「べつに文句を言ってる訳じゃないですよ。今のもいいコースだと思いますし、すぐに走れると思います。」
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