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カタルーニャGP125cc決勝 スペイン人の完全勝利
IntelliMark記事
2006年6月21日

6月18日、MotoGPの125cc決勝レースが、晴天となったスペインのカタルーニャ・サーキットで行われた。

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この日の125ccレースは、気温は24度、路面温度は44度、湿度は36%という少し蒸し暑いコンディションとなり、MotoGPの熱狂的なファンとして知られるスペインの観衆10万7千624人の中で開催された。

■地元に戻ったマステルMVAアスパル勢

開幕からの連続2連勝を果たし、その後も安定した好成績を残し続けるポイントリーダーのスペイン人ライダーであるアルバロ・バウティスタにとって、今回のグランプリは本人および所属するマステルMVAアスパルチームのホームレースであり、バウティスタの開幕戦のスペインGPと同様の活躍が予想される。

また、同じくマステルMVAアスパルに所属し、自身のホームである前回のイタリアGPで優勝したマティア・パッシーニにとっても、カタルーニャは昨年に独走優勝を飾った最も得意とするサーキットだ。ロングストレートを得意とするアプリリアを駆るマステルMVAアスパル勢のチームメイト同士の争いにも注目が集まる。

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■小山選手は左手首を骨折し欠場、アジョ「あの日本人となら上手くいく」

レース前日の最終予選で、スペイン人のスポット参戦ライダーに後部から追突されて転倒し、左手首を2ヶ所骨折したマラグーティの小山知良選手は今回のレースを欠場している。

次回のアッセンTTにも小山選手は出場できす、アッセンでの小山選手の代役には、イタリアGPにグリリーニ・レーシングからスポット参戦して16位を獲得した葛原大陽選手の出場が決定している。

予選で小山選手が骨折したあと、チーム監督のアキ・アジョは「最悪だ。今週の事はもう忘れた方がいい。」と小山選手の災難を悔しがっていた。またアジョは、代役ライダーの発表の場では「あの日本人(小山選手)となら仕事はとても上手く行くんです。また、小山選手が復帰するまでの代役として葛原大陽選手を選んだのは正しい判断だと思います。」とコメントしている。

小山選手は予選で追突されるセッション終了10分前までは2番手タイムを記録しており、新エンジンを投入したマラグーティのマシンの仕上がりの高さを見せていた。葛原選手が今週のアッセンでどこまでの活躍を見せるかにも期待がかかる。

■スターティング・グリッド

写真1列目ポールポジションは開幕戦からランキングトップを守り続けるマステルMVAアスパル(アプリリア)のアルバロ・バウティスタ2番グリッドはランキング2位、KTMのミカ・カリオ3番グリッドはマルチメディア・レーシングに所属する地元スペインのパブロ・ニエト4番グリッドはマステルMVAアスパルのエクトル・ファウベル

2列目5番グリッドは昨年のカタルーニャの覇者であるマステルMVAアスパルのマティア・パッシーニ、6番グリッドはKTMのフリアン・シモン、7番グリッドはデルビのルーカス・ペセック、8番グリッドにはジレラのシモーネ・コルシが続いた。

昨年度125ccチャンピオンであり、今年はエリット・カフェラテ・チームに所属のトーマス・ルティーは3列目10番グリッドからのスタート。

■レース開始、ホールショットを奪ったのは地元パブロ・ニエト

シグナルが消え、各マシンが一斉に1コーナーに向かう。スタートを成功したマルチメディア・レーシングのパブロ・ニエトとマステルMVAアスパルのエクトル・ファウベルが順調に加速し、先頭で1コーナーに飛び込んだのはパブロ・ニエト。

オープニングラップの1コーナー出口、先頭にパブロ・ニエト、2番手のアルバロ・バウティスタ、3番手のエクトル・ファウベル、4番手のバルジール・セードルフ・レーシングのファブリツィオ・ライ、5番手にエリット・カフェラテのトーマス・ルティー、6番手にジレラのシモーネ・コルシ、7番手にKTMのミカ・カリオ、8番手にKTMのフリアン・シモン、9番手にマステルMVAアスパルのセルジオ・ガデアが続いた。

■早くから先頭集団に加わる復調したトーマス・ルティー

ルティーはファウベルとファブリツィオ・ライを交わして3番手に浮上し、先頭のニエトは2番手のバウティスタを引き離すように猛ダッシュを続けている。

タイト右コーナーで後方の3台のバイクがクラッシュした頃、マティア・パッシーニは激しい追い上げでファブリツィオ・ライを交わして5番手まで順位を挽回した。

集団となって進む各ライダーの順位は目まぐるしく変動している。

2ラップ目のストレート、先頭のパブロ・ニエトの真後ろではルティーとバウティスタが横並びとなり加速。1コーナーの進入でマシンのバランスを崩しながらトーマス・ルティーがアルバロ・バウティスタの前を奪い2番手につける。

ルティーは先頭のニエトを追い上げ、すでにオープニングラップでニエトが開いた差はなくなった。バウティスタも前の2台を追走し3台が前を奪い合う。

コーナーでバウティスタは2台を交わして先頭に立ち、2番手となったルティーと3番手のニエトとエクトル・ファウベルが追い上げる。

■一歩もひかない猛ダッシュのニエト

3ラップ目の1コーナー手前のブレーキングでバウティスタ、ニエト、ルティー、ファウベルの4台が横1列に並んだ。そのすぐ後ろにはファブリツィオ・ライとマティア・パッシーニが迫る。後方にはデルビのルーカス・ペセック。

ここで1コーナーから最初に抜け出たのはニエト、続いてルティーが2番手を確保したその後ろにバウティスタがつけている。すぐにバウティスタはルティーを交わして2番手となった。先頭のニエトは再び猛加速を見せてバウティスタとルティーから逃げる。

■KTM2台とジレラがクラッシュ、フリアン・シモンは重傷

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コース中盤、KTMのミカ・カリオとジレラのシモーネ・コルシが接触して2台が転倒し、後方を走っていたカリオのチームメイトのフリアン・シモンも同時に転倒した。

フリアン・シモンは右太ももの大腿骨を骨折するという大怪我を負い担架で救急車に運ばれており、翌日には手術を受け、今後2ヶ月間は治療に専念する事が決定している。

■先頭はバウティスタ、それを奪うパッシーニ

4ラップ目、先頭からバウティスタ、2番手にニエト、3番手にファウベル、4番手にパッシーニ、5番手にルティー、6番手にライ、7番手にペセック、8番手にガデア、9番手にヒューマンゲスト・ホンダのガボール・タルマクシがコントロールラインを通過していく。

5ラップ目の入り口、パッシーニが前に出てバウティスタから先頭を奪いトップに立った。バウティスタの後ろにつけるファウベルの前に4番手のニエトが割り込もうとするが失敗。

1コーナーを抜け、先頭のパッシーニと2番手のバウティスタがファウベルをやや引き離した。

■イタリアGPに続くチームメイト同士のブレーキング競争

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6ラップ目、バウティスタがコーナーの進入でブレーキングを遅らせてパッシーニから先頭を奪い返した。パッシーニはバウティスタの背後について抜き返しを狙う。3番手のファウベルと4番手のルティーは1列になってパッシーニの後ろを走行。

7ラップ目、先頭からバウティスタ、パッシーニ、ファウベル、ルティーの4台が、やや後続のニエト、ペセック、ガデア、タルマクシを引き離した。

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■逃げ始めるバウティスタ

高速ロングコーナーでトップのバウティスタが2番手との差を開き、ペセックは先頭の4台に迫る。

写真8ラップ目、ファウベルがパッシーニを交わして2番手に浮上し、その後ろではパッシーニとペセックとルティーが真横に並んでコーナーに飛び込み3番手を争っている。

9ラップ目に入ると先頭集団は5台となり、バウティスタ、ファウベル、パッシーニ、ペセック、ルティーの順でホームストレートを抜け、1コーナーではペセックがパッシーニを交わして3番手に浮上した。

10ラップ目の入り口、後続を引き離しにかかるバウティスタが先頭でホームストレートを通り抜け、その後ろではペセックがファウベルを交わし2番手に。

■力尽きるニエト

先頭集団にはガデアが加わり、トップのバウティスタ、0.2秒後ろにペセックとファウベル、その0.2秒後方にルティーとパッシーニ、さらに0.2秒後ろにガデアが続いた。

ニエトはガデアの0.4秒後方に下がり、その後ろをガボール・タルマクシとファツリツィオ・ライが走行。

12ラップ目のホームストレート、先頭のバウティスタの後方でファウベルとペセックが真横に並び1コーナーに進入。バウティスタ、ペセック、ファウベル、ルティーの順で1コーナーを抜けた直後にパッシーニがルティーの前に飛び込み4番手に。

パッシーニは続けてファウベルも交わし、先頭グループはバウティスタ、ペセック、パッシーニ、ファウベル、ルティー、ガデアの6台。

■再び先頭に迫るパッシーニ、抑えるバウティスタ

13ラップ目、パッシーニはペセックの前も奪って2番手となり、先頭のバウティスタに迫る。高速ロングコーナーでペセックがパッシーニから前を奪い返そうと何度も並びかけるが前には出られない。

14ラップ目のストレートでペセックがバウティスタとパッシーニを交わして先頭で1コーナーに飛び込むが、すぐにパッシーニとバウティスタ、およびルティーがこれに加わり1コーナーを先頭で抜け出したのはパッシーニ。その後ろからバウティスタ、ペセック、ルティーが続く。

バウティスタはレイトブレーキングでパッシーニを交わしてまたもトップに。

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15ラップ目、先頭はバウティスタ、2番手にパッシーニ、3番手にペセック、4番手にファウベル、5番手にガデア、6番手にはルティーが続く。

■ニエトは後方に

パブロ・ニエトとガボール・タルマクシは先頭集団から7秒後方まで後退。

16ラップ目、ホームストレートの終わりで先頭の3台は真横に並び、1コーナーからは先頭を奪い返したパッシーニ、その後ろからはバウティスタ、ペセック、ファウベル、ガデア、ルティーが続く。

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バックストレートでルーカス・ペセックがアルバロ・バウティスタを交わして2番手に浮上。バウティスタは3番手に後退。

■突然トップに立つ昨年度チャンピオン

17ラップ目、先頭集団の様子を後ろで窺っていたトーマス・ルティーが集団を全て交わしてトップに躍り出た。慌ててパッシーニは加速すると再びルティーから先頭を奪い返す。3番手のバウティスタはコーナーでルティーの前に出ようとするが、2番手のルティーはこれを阻止。

18ラップ目、ルティーが再び先頭に飛び出すが、1コーナーを今回制したのはアルバロ・バウティスタ、後ろにはルティー、パッシーニ、ペセック、ファウベル、ガデアが続く。

19ラップ目、デルビのルーカス・ペセックがペースを落とし6番手に後退。

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20ラップ目、エクトル・ファウベルがファーステストを記録してルティーを交わし2番手に浮上。先頭集団はバウティスタ、ファウベル、ルティー、パッシーニ、ガデア、ペセックの順に。

■ラスト2周、団子状態でファウベルがトップに

ラスト2周の21ラップ目、2番手のファウベル以下4台が各コーナーで次々と互いに並びかけ熾烈なバトルを展開、最終コーナーに向けて先頭のバウティスタ、ファウベル、パッシーニ、ルティー、ガデア、ペセックが加速する。

最終ラップ、ファウベルがバウティスタを交わしついに先頭に立つが、すぐにバウティスタがこれを交わしトップを奪い返す。ルティーはガデアとペセックに抜かれ6番手に後退。ガデアはパッシーニも交わし3番手に浮上。

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■最終ラップはマステルMVAアスパル・カップ

先頭からバウティスタ、2番手にファウベル、3番手にガデア、4番手にパッシーニ、5番手にペセック、6番手にルティーの順で前を争うが、集団は1列となり徐々にそれぞれの距離に差が広がっていく。

写真最終コーナーを抜け、先頭でチェッカーを受けたのは今期3回目の勝利を手にした地元スペイン人、マステルMVAアスパルのアルバロ・バウティスタ2位には同じく地元スペイン出身のチームメイトであるエクトル・ファウベル3位にはさらに地元スペイン出身のチームメイトのセルジオ・ガデア、惜しくも表彰台を逃し4位でチェッカーを受けたのは、やはり地元スペイン出身のチームメイト、マティア・パッシーニだ。

■アスパルの完全勝利、バウティスタは今期3勝目

地元スペインのチームであるマステルMVAアスパルチームは優勝から4位までを独占し、表彰台に3人のスペイン人ライダーを送り込んだ。沸き上がるスペインの観衆。

続いて5番手のデルビのルーカス・ペセック、6番手の昨年度チャンピオン、エリット・カフェラテのトーマス・ルティーがチェッカーを受けた。

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開幕2戦目以降は表彰台の真ん中を逃していたポイントリーダーのアルバロ・バウティスタはスペインの国旗を持って嬉しそうに母国観衆の中をウイニングラン。表彰台には3つのスペイン国旗がなびいた。

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■ライダーのコメント

以下にレース終了後の各ライダーのコメントを示す。

優勝)アルバロ・バウティスタ SPA マステルMVAアスパル

写真今日は地元スペインで勝てるという自分にとってもチームにとっても特別な日になりました。エクトルとセルジオも一緒ですから最高です。

レースの序盤は集団から逃げ出そうとしましたが難しかったですね。終盤は体調が良くなかったので、まずは冷静になろうと思いました。

気分がだいぶ落ち着いてからは他のライダーに抜かれないようにペースを保ちました。レプソルコーナーではエクトルに抜き返されましたが、最後までにエクトルとの差を開く事できて良かったです。

カリオがノーポイントに終わったのでランキング争いは有利になりましたが、今日の彼と同じような目に自分もいつ会うか分からないので、毎レースを大事に走りたいです。

2位)エクトル・ファウベル SPA マステルMVAアスパル

写真また表彰台に乗れて嬉しいです。地元ですからできれば優勝したかったですけどね。

凄くレースは面白かったです。それに今回はラップレコードを記録できましたので、それについても満足です。

コーナー出口でアルバロに仕掛けようと思っていましたが、レプソルカーブで隙を与えてアルバロに前に出られてしまい、その後は差が開いて挽回は無理でした。

2位には満足ですが、手放しで嬉しいという訳ではありません。

写真3位)セルジオ・ガデア SPA マステルMVAアスパル

最初に出遅れてしまい、先頭に追いつくまでに時間がかかり難しいレースになりました。

最後に抜く作戦でしたが、アルバロとエクトルに差を広げられてしまい最終コーナーでアタックするチャンスは無くなってしまいました。

でも結果には満足しています。この成績を可能にしてくれたチームに感謝しています。

4位)マティア・パッシーニ ITA マステルMVAアスパル

写真今週はセッティングの変更をたくさん行いました。

特にシャシーはこのサーキットに完璧にあわせたつもりです。でも運悪くレース中にエンジンが完全な状態じゃなくなり、それが今回勝てなかった理由です。

最後はチームメイトと激しく順位を争いましたが、このサーキットはエンジンの調子が完全じゃないと抜き返すのは難しいです。

少なくともチームにとっては完全勝利を達成できましたね。

5位)ルーカス・ペセック CZE デルビ・レーシング

のどが腫れて抗生物質を飲んでいましたので凄く辛いレースでした。

スタートに成功して先頭集団に加わる事ができて、その後は特に問題もなくいいリズムで走れました。

最終コーナーでギアミスをしてしまい、まわりのライダーに表彰台を奪われてしまいました。挽回しようとしましたが既にタイヤが終わっていましたし、ここまで頑張ったのに無理をして転ぶのだけは嫌でした。

体調が悪くて大変なレースウイークでした。セッティングにもあまり集中できず、チームに苦労をかけたと思います。

写真6位)トーマス・ルティ SUI エリット・カフェラテ

スタートには大失敗しましたが、1コーナーが凄くうまく行って外側から何人かパスし、先頭集団に加わって調子よく走る事ができました。

加速の調子は良かったんですがトップスピードが今ひとつでした。それでも表彰台に乗れる自信はあったのに最後から3周目の右高速コーナーで大きく滑ってしまったんです。

そこで表彰台は諦め、後は出来る限りポイントを取る方に気持ちを切り替えました。

DNF)ミカ・カリオ レッドブル・KTM

3周目の1コーナーの上り勾配でバイクが少しコルシと接触しました。

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それでバイクを立て直そうとしたんですが、コルシがラインを変えて自分の方に向かってきたんです。それで互いに衝突する形になって二人とも転倒しました。

フリアンは近くを走っていたので、多分自分たちを避けきれずに転んだんだと思います。

写真DNF)フリアン・シモン レッドブル・KTM

正直なところ、どうやって転倒したのか自分でも良くわかりません。

ひとつ確実なのは自分が足を骨折していて、明日はバルセロナで手術を受ける事だけです。

医者が言うにはきれいな折れ方をしているらしいので、2ヶ月後のブルノには復帰できると思います。さらに詳しくは明日になってみないと分かりません。


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