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2006年6月15日
前回のイタリアGPではストレートで次々と他のバイクに抜かれ、トップ10入りを果たす事ができなかったカワサキレーシングチームは、明日のカタルーニャに向けて新たなマシン改善に取り組んだようだ。
高速サーキットであるムジェロでの残念な結果の後、カワサキ・レーシング・チームのエンジニアは、カタルーニャの4,727メートルの高速コースでは中野真矢選手とランティー・ド・ピュニエの乗るNinja ZX-RRが他と戦えるレベルになるように努力を重ねている。
■イタリアで中野選手がレース後に訴えたZX-RRの課題への対処
イタリアGPで導入した新幹線と航空機の空力技術を採用したフェアリングに続き、今回のカタルーニャでは新型のエキゾーストシステム(排気系システム)を導入し、中野選手が前回のレース後に訴えていたドライバビリティー(操舵性)の改善に乗り出している。
この対策により、開幕直後から中野選手が問題視していたコーナー脱出時のドライバビリティーの向上が望めるらしい。
また、イタリアで中野選手が強く求めていたエンジンのトップエンドのパワーについても、エンジンのテストをカワサキのエンジニアが日本で繰り返した結果、限界回転域(レブリミット)をさらに上まで引き上げる事に成功したとの事だ。
利用できるエンジンの回転域が増える事によってマシンのギア選択の自由度が高まり、カタルーニャの1,047メートルのストレートで中野選手とランディーはスリップ・ストリームから抜け出して前のライダーを交わし易くなる筈だ。
■タイヤの右側に負担のかかるコースレイアウト
昨年のカタルーニャでのレースを2位で終えたセテ・ジベルナウが「タイヤの片側が減ってしまい最後にプッシュできなかった」とコメントした事からも分かる通り、カタルーニャは右コーナーでのタイヤ消耗を意識したタイヤ選択が重要となる。
カタルーニャの13コーナーのうちの大多数は右コーナーだ。
タイヤの耐久性が厳しく要求されるカタルーニャにおいて、昨年のブリヂストンライダーは全員苦しい結果でレースを終えているが、今回ブリヂストンタイヤとカワサキのスタッフは密接して作業を行い、日曜日の25周のレースに耐えられるタイヤ選択を慎重に行うとしている。
■中野選手、実際に使ってみなければ効果は分からない
カワサキのエースライダーである中野真矢選手は、カタルーニャはテクニックのみで速く走れるサーキットではないと述べ、新システムの導入についてもすぐに効果が得られるとは限らないとコメントする。
「ムジェロと同様にカタルーニャは高速サーキットですが、ムジェロと違って速く走る秘訣みたいなものはありません。」と中野選手。
「フリー走行と予選の間にいいセッティングを見つける必要があります。また、コーナー脱出時にバイクのドライバビリティーを改善する為にカワサキのエンジニアが持ち込んだ新しいエキゾースト・システムもテストしなければいけません。」
「理論上はレブリミットが高くなればスリップストリームを抜けてからメイン・ストレートで他のライダーを抜きやすくなる筈ですが、どのくらいの効果が出るかは金曜日に実際に使って見るまではなんとも言えません。」
「もし全てがうまく重なって期待通りの結果がフリー走行や予選で得られるようなら、日曜日のレースは戦えるでしょうね。」
■ド・ピュニエにとってカタルーニャは相性の良いサーキット
250ccクラスではカタルーニャで2回の表彰台を獲得しているランディー・ド・ピュニエは万全の体調でバルセロナに到着しており、ここまでのMotoGPでの自己最高位である12位よりも上位の成績を獲得する事に意欲を燃やしている。
カタルーニャは好きなサーキットだとランディーは語る。
「シーズン前のカタルーニャでのテストは好調でしたから、このサーキットでNinja ZX-RRをどう扱うべきかは理解しているつもりです。」とランディー。
「250ccではここで2回勝っていますので、このサーキットは凄く好きです。自分たちにとってはいいレースウイークになりそうな気がします。」
「今回のレースには体調も万全の状態で臨めますし、今度こそNinja ZX-RRの本当の性能がこのコースで体感できると思います。日曜のレースではいい戦いができると思いますし、スペインをこれまでのMotoGPクラスでの自己最高位で終えたいです。これが今週の目標です。」
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