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ロッシ「バイクは目標レベルに到達した」
インテリマーク編集部
2006年6月12日

キャメル・ヤマハ・チームは前回のイタリアGPからの連続勝利に向けて、今週末に開催されるカタルーニャでのレースに備えている。

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ムジェロでは予選1列目への復帰と今期2度目の優勝を飾ったバレンティーノ・ロッシと、ロッシと同じ新型シャシーを手に入れて次戦からの表彰台を狙うコーリン・エドワーズは、イタリアGP翌日の合同テストでも新型シャシーの調整作業を続けており、ドイツまで続くヨーロッパラウンドでのポイントランキング挽回を狙っている。

■カタルーニャ・サーキットの特徴

カタルーニャは、前回のムジェロと同様に、MotoGPクラスでは最高335km/hに達する長いホームストレートを誇り、長い半径で描かれた滑りやすい中高速コーナーや、二つのタイトな左ヘアピンから構成されるサーキットだ。

長い半径の組み合わせで描かれたいくつかのコーナーはバラエティーに富んだ曲線を生み、全てのライダーにシャシーバランスやフロントまわりのセッティングを要求するコースレイアウトになっている。

また、これはタイヤの寿命にも大きく影響し、ライダーとメカニック、およびチームクルーは慎重にこれを考慮したマシン作りとタイヤ選択が必要となる。

■今期は不運の続いたキャメル・ヤマハ

06年型YZR-M1がハイグリップタイヤ使用時にチャタリングを発生する事が開幕直前に発覚して以来、タイヤトラブルやエンジントラブルでレースをリタイアする等、今年のキャメル・ヤマハ・チームとバレンティーノ・ロッシは散々なシーズン序盤を過ごしてきた。エンジントラブルでリタイアしたフランスGP終了時点のロッシの年間ランキングは8位、トップとのポイント差は43ポイントまで開いていた。

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ル・マンから導入した新型シャシーの効果が予選結果としてようやく表れたのが前回のイタリアGPだ。1列目からスタートしたロッシはすぐにレースをリードし、現在ポイントランキングのトップを行くドゥカティーのロリス・カピロッシを最終ラップで引き離し、ロッシ本来のレース強さを見せつけてホームグランプリでのMotoGP通算55勝を飾っている。

現在ロッシはポイントランキング5位となり、トップのロリス・カピロッシとニッキー・ヘイデンとの差は34ポイントだ。

■カタルーニャで完全復活を宣言したいロッシとヤマハ

今週グランプリが開催されるカタルーニャは、今年3月5日のIRTAテスト中に行われた公式セッションでコーリン・エドワーズがBMW賞を獲得する等、キャメル・ヤマハ・チームにとっては相性の悪くないサーキットの一つだろう。バレンティーノ・ロッシにとってもカタルーニャはヤマハに移籍以来一度も優勝を逃していないサーキットであり、イタリアのムジェロに続いて連続勝利を収めていく足がかりとしたいサーキットだ。

カタルーニャでもロッシが予選で好成績を収め、レースで勝利する事があれば、今度こそ本当にキャメル・ヤマハとバレンティーノ・ロッシが復活したと言えるだろう。

■カタルーニャの勝利でロッシは通算2000ポイント

最高峰クラスでの最多勝利記録ではミック・ドゥーハンを3位に追いやり、残るはジャコモ・アゴスチーニの記録を塗り替えるだけとなった最多勝利2位のバレンティーノ・ロッシだが、前回のイタリアGPでの勝利はヤマハ在籍ライダーとしての最高峰クラス勝利回数22回目を数え、これはケニー・ロバーツ(シニア)の記録に並んでいる。

現在ヤマハでの勝利回数でこれを上回るライダーはウェイン・レイニーとエディー・ローソンのみだ。

これと同時に、ロッシは最高峰クラス通算でのポイント獲得数はミック・ドゥーハンに次ぐ歴代2位となっており、もしカタルーニャで2位以上の成績を上げれば最高峰通算2000ポイントを超す歴代2名のライダーのうちの1名となる。

写真「バルセロナは自分にとっていつも最高のレースができる場所です。過去2戦はヤマハで優勝していますから、今年も勝ちたいですね。」とロッシ

「去年はジベルナウが速いペースで走ったので彼を追うのに100%の力を出し切り、最後の3ラップは全てファーステストを記録しました。カタルーニャは素晴らしいコースですよ。今年も同じレベルのマシンとタイヤに仕上げられるといいですね。」

「スペインではいつも本当に歓迎してもらえますから、あそこで走るのは楽しいです。」

「やっとバイクも目標としていたレベルに達したと思いますから、今週末のレースは楽しみですよ。ムジェロのテストでも好調でしたし、またトップ争いが見せられると思います。技術的な観点から見ても、新型シャシーにしてからは去年と同じように乗れるバイクになり速く走れるようになりました。でもレースに勝つのはまだ簡単じゃないね!」

「今年のチャンピオンシップはドゥカティーとホンダとヤマハで力のバランスが取れてますし、それに他のライダー達も高いレベルにありますから、ムジェロで勝つ事は自分たちにとって本当に重要でした。」

「残りまだ11レースありますが、全部のラウンドを表彰台で終えなきゃいけませんね。」

■自己の記録を表彰台で更新したいエドワーズ

また、ロッシのチームメイトのコーリン・エドワーズも、苦しいシーズン序盤を過ごしながらも連続ポイント獲得記録を更新中だ。ムジェロでは序盤からグラベルに飛び込みながらも12位でレースを終えて27回の連続ポイント記録を達成している。

現在エドワーズを上回る連続ポイント獲得の記録保持者は、ミック・ドゥーハン、エディー・ローソン、およびチームメイトのバレンティーノ・ロッシの3名だけだ。エドワーズは今週、28回目となるこの記録を表彰台の上で飾るつもりでいる。

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「過去2戦はグラベルに飛び込みましたが、ポイントはどちらも獲得しましたので、これを次の何戦かに向けての期待につなげないといけませんね。」とエドワーズ

「ここまでの事を嘆いても時間の無駄です。そんな事はしていませんし今後もそれはありません。ムジェロで新型シャシーの性能には期待が持てましたから、バルセロナでもっと自分に合わせて調整するのが今から楽しみです。次も所謂高速サーキットですから、バイクを出来る限り素早く調整して最初からいいペースで走れるようにしたいですね。」

また、コーリンは3月のカタルーニャでのIRTAテストでBMW賞を獲得した事について以下の通り述べている。

「もう遙か昔の事に思えますね。でも初期の06年型バイクでいい走りが出来ていたのは事実です。あれから進歩はしていますが、まだ今の状況はそう簡単にはいかないと思いますので着実に行きますよ。」

■ミシュランタイヤ監督「カタルーニャには自信がある」

ミシュランタイヤの二輪レース総合責任者であるニコラス・グベールは、カタルーニャでのレースに自信を示す発言をしている。

「カタルーニャはダウンヒル・コーナーが多くありますので、前輪への要求が厳しいですね。」とグベール。

「レインタイヤは路面状況に応じて何種類か使い分けられるようにしてありますが、コンパウンドと断面形状は基本的に一種類です。」

「スリックタイヤの場合は二つの断面形状を用意しています。1つはタイヤの幅を少し小さくしており、重量が軽くてバイクを傾けるのが簡単です。もう一つは少し大きめのタイヤで、作業はいつもそちらから始めるのですが、ヤマハのライダーは小さい方を好むようです。」

「彼らの希望は耐久性を高める事です。高い耐久性は彼らのレースを有利に運びますし、今回求められるバイクの特性です。カタールニャでは常に好成績を収めていますので、私たちはどちらのタイプのタイヤにも自信があります。」


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