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2006年6月11日
鈴鹿8時間耐久ロードレース(8耐)の前哨戦として知られる鈴鹿300kmレースの決勝が、6月11日に鈴鹿サーキットで行われた。
鈴鹿300kmレースは全日本選手権の年間シリーズには属さないが、鈴鹿サーキットにおける二輪ロードレースの最大イベントである鈴鹿8時間耐久ロードレースの前哨戦(プレイベント)として位置づけられる。
300kmレースは8耐とはチーム編成のレギュレーションが異なり、1名のライダーで全周回を走りきるか、8耐と同様に2名のライダーで交代して走るかの選択をする事ができる。多くのチームは後者のライダー編成を選択し、8耐でのピット作業やライダー交代の練習をこの機会にする事が多い。
■高橋裕紀選手と清成龍一選手が出場
今回のレースには、先月のMotoGPフランス・グランプリの250ccクラスで初勝利をあげた高橋裕紀選手、先週のブリティッシュ・スーパーバイク選手権(BSB)マロリー・パーク戦で今期二度目の勝利を挙げた清成龍一選手が、ホンダワークスであるセブンスター・ホンダ・チームのペアライダーとして参戦している。マシンはCBR1000RRW。
HRCは今年の8耐を2台のCBR1000RRW(2チーム)で戦う事が決定しているが、まだ各チームそれぞれ2名のライダーは公式発表されていない。しかしながら、少なくとも今回の300kmに出場した清成選手と高橋選手がホンダワークスチームから8耐にも参戦する事はほぼ間違いないとされている。
尚、高橋選手と清成選手のペアは2004年の8耐にも出場しているが、その時は木曜日のフリープラクティスで高橋選手が転倒し、左の足首を骨折するという残念な結果に終わっている。
■ホンダワークスがJSB仕様のバイクで参戦
8耐と同じくこのレースには複数カテゴリーの混走が許されており、名目上は以下のクラスの出場が可能として定義されている。
・Superbike(SB)
・Superproduction (SPP)
・Stockstports (SST)
・XX Formula (XXF1)
・JSB1000 (JSB)
昨年まで、8耐に出場するファクトリーチームはSuperbike仕様車を走らせていたが、全日本選手権からワークスが撤退しした2003年以降の全日本最高峰クラスは事実上JSB1000仕様車となっており、ここ数年Superbike仕様車で8耐に参戦するのはフルワークス体制で挑むホンダ(HRC)に殆ど限られている。
ホンダワークスのみが余裕の単独勝利を毎年上げ続ける事を危惧したと噂される主催者側の鈴鹿サーキットは、今年の8耐にはSBよりもレギュレーションが厳しいJSB1000仕様で参戦するようHRCに申し入れ、HRCはこれに合意している。すなわち、今年の高橋選手と清成選手が所属するセブンスター・ホンダ・チームのCBR1000RRWは昨年のSB仕様車ではなく、他の主要チームと同じJSB仕様車だ。
これにより、今年の300kmレースと8耐は、各メーカー車がより均一的な条件の下でレースを行う事となり、白熱したレース展開になる事が期待されている。
■伊藤・辻村ペアはSB仕様車
ちなみに今回SB仕様車で300kmレースに参戦しているのは、全日本チャンピオンであり、ブリヂストンのMotoGP開発ライダーとしても知られるベテランの伊藤真一選手(F.C.C.TSR/CBR1000RR/ブリヂストン)と辻村猛選手のペア、および赤い3輪車レーシングクラブ(ホンダCBR1000RR/ミシュラン)の越澤友一選手と松井秀樹ペア。
■予選
6月10日の予選は、梅雨入りしたにも関わらずドライ・コンディションに恵まれている。
この日にポールポジションを獲得したのはHRCのテストライダーである小西良輝選手(トイストーリーRT/JSB/ブリヂストン/ペアライダー安田毅史選手)。タイムは2分08秒966。
予選2番手はモリワキMOTULレーシング(XX-F Div.1/ミシュラン)の森脇尚護選手。タイムは2分09秒179。
清成龍一選手(セブンスター・ホンダ/JSB/ミシュラン/ペアライダー高橋裕紀選手)は2分09秒514の3番手タイム。
伊藤真一選手(F.C.C.TSR/SB/ブリヂストン/ペアライダー辻村猛選手)は2分09秒515の4番手タイムを記録。
■ヨシムラスズキはタイヤをブリヂストンにスイッチ
今回最も大きなニュースとして取り上げられたのは、ヨシムラスズキチームがタイヤをダンロップからブリヂストンに変更した事だろう。
尚、予選7番手の渡辺篤選手(ヨシムラスズキwithJOMO/JSB/ブリヂストン)のペアライダーは、現在MotoGPスズキのGSV-R開発ライダーである青木宣篤選手。元々渡辺選手のペアライダーとして予定されていた秋吉耕佑選手はテスト中の負傷により今回のレース出場を断念している。
■レース
6月11日の日曜日、レース開始直前に一度雨が降って路面はウェット状態となり、殆どのライダーはレインタイヤを装着した。
シグナルが消えホールショットを奪ったのはポールポジションスタートの小西選手。清成選手はオープニングラップで3位につけた。
路面は徐々に乾き、コースコンディションは難しい状態に変わる。この影響により、清成選手はレインタイヤからスリックタイヤに変更すべく19周目にピットイン。
小西選手は23周目までレースをリードし、ペアライダーの安田毅史選手と走行を交代し、その後はヨシムラスズキの渡辺篤選手が24ラップから40ラップまでトップを走行して元GPライダーの青木宣篤選手にGSX-R1000を手渡した。
■イトシンが逃げ切り?
ヨシムラ・スズキがピットインした隙に先頭に立ったF.C.C TSRの手島雄介選手(XX-F Div.1/ペアライダー鎌田学選手)は同じくF.C.C TSR(SB)の伊藤真一選手にパスされトップを奪われる。
清成選手は34周目に高橋選手とライダー交代。高橋選手は先頭集団を追いかけ、49ラップ目に手島選手と青木選手をパスして2番手に浮上。先頭は伊藤真一選手。
50ラップ目、高橋選手はこの日のファーステストである2分11秒051を記録。
伊藤真一選手は高橋選手から14秒をリードし、余裕のチェッカーを受けるかのように見えたが、デグナー・カーブで燃料切れを起こしマシンはストップ。無念のリタイアとなった。
■優勝は高橋・清成ペア
優勝を決めたのはセブンスターホンダの清成龍一・高橋裕紀ペア。JSB仕様のバイクで優勝を決めて喜ぶ2名のライダー。
トップから3秒遅れの2番手でチェッカーを受けたのはトイストーリーRTの安田毅史選手(ペアライダー小西良輝選手)。2位から0.3秒遅れという僅差の3位チェッカーはヨシムラスズキの青木宣篤選手(ペアライダー渡辺篤選手)。
■優勝チームのコメント
優勝)セブンスター・ホンダ(Honda CBR1000RRW)
清成龍一選手
鈴鹿のウェットレースはそんなに嫌いじゃないんですが、今日のコンディションは難しかったです。
最初のレースペースはそれ程速くはありませんでしたが、路面が乾いて全体のペースが上がって来ました。先頭のライダーたちがピットに入らないんで、タイヤを交換するタイミングには悩みましたね。
今日の優勝は凄い走りをしてくれた裕紀のおかげです。
高橋裕紀選手
清成さんが激しく攻めてたので、僕の担当分は予定よりも短くなってました。
コースに出て行ったところですぐ伊藤さんに抜かれてしまいました。伊藤さんのライディングはもの凄くスムーズなので、後ろを走ってすごく勉強になりました。
2年前の8耐も清成さんと走りたかったんですが、僕が転倒してしまい結局実現していませんので、今日は清成さんと走れて嬉しかったです。
今年の8耐はホンダのためにも勝ちたいですね。優勝すればホンダの10連勝が達成できます。
■レース結果(上位6チーム)
1. 清成龍一/高橋裕紀 セブンスター ホンダ(CBR1000RRW) 2時間01分39秒219
2. 小西良輝/安田毅史 Toy story RT(CBR1000RR) 2時間01分42秒124
3. 渡辺篤/青木宣篤 ヨシムラスズキ with JOMO(GSX-R1000) 2時間01分42秒446
4. 中須賀克行 YSP&Presto RT(Yamaha YZF-R1) 2時間02分00秒118
5. 藤原儀彦/大崎誠之 Team茶llenger(Yamaha YZF-R1) 2時間02分44秒138
6. 手島雄介/鎌田学 F.C.C.TSR(CBR1000RR) 2時間02分46秒940
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