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２００６年６月１０日
MotoGPのイタリアＧＰ決勝日と同じ６月４日、イギリスのマロリー・パークではブリティッシュ・スーパーバイク選手権(BSB)の第６ラウンドが行われた。
前回５月２１日の第５戦は、大雨により決勝レースが全て中止されるという前代未聞の事態となり、その前日の２３日に今期初めてのポールポジションを獲得していた清成龍一選手にとっては非常に残念な結果となった。
例年以上に悪天候が続く今年のBSBだが、今回のマロリー・パークは晴天に恵まれ、終日ドライでのレースが行われている。マロリーパークは全長2.2キロメートルの短いサーキットであり、今回は１レースあたり２８周回となる。
■好調のまま中盤戦に突入するドゥカティー、追う清成選手
今シーズンのポイントランキングはドゥカティーのグレゴリオ・ラビラが61ポイント差で２位のチームメイトであるレオン・ハスラムを引き離してトップに立っており、現在ランキング３位である清成龍一選手はラビラから74ポイント差を空けられている。
今年の清成選手はレース内容事態は悪くないものの、予選グリッドで上位に食い込めない事がレース展開に悪影響を及ぼしている。シーズンが中盤に差し掛かる中、ドゥカティー勢の独走を阻止したいホンダの清成選手にとっては、そろそろ優勝回数を増やしたい時期だ。同時に、好調のラビラやハスラムにとってはここまでの調子を維持し、中盤戦を逃げ切りたいところだろう。
■スターティング・グリッド
この日は終日ドライ・セッションとなり、スターティング・グリッドには明るい陽射しが注いだ。
１列目ポールポジションにはポイントリーダーのドゥカティー、グレゴリオ・ラビラ。２番グリッドにはラビラのチームメイトであるレオン・ハスラム、３番グリッドにはレッドブル・ホンダのジョナサン・レア、４番グリッドにはHMプラント・ホンダの清成龍一選手が並んだ。
１列目を確保した清成選手は、「マロリーパークは好きなサーキット。予選グリッドには満足できたし、レースでは優勝を狙いたい。」とその意気込みを述べている。
 ２列目５番グリッドにはストバート・モータースポーツ（ホンダ）のマイケル・ルター、６番グリッドにはHMプラント・ホンダのカール・ハリス、７番グリッドにはストバート・モータースポーツ（ホンダ）のマイケル・ラバティ、８番グリッドにはリズラ・スズキのシェーン・バーンが続く。
バーンのチームメイトのジェームス・ハイドンは金曜日午後のプラクティスで右肩を負傷しており、今回のレースは欠場となった。
前回ＳＢＫイギリス戦のシルバーストーンにスポット参戦し、ポールポジションを獲得したバージン・モバイル・ヤマハのトミー・ヒルは１７番グリッドからのスタート。
■レース１
オープニングラップ、ポールポジションのグレゴリオ・ラビラがスタートに失敗して後退する中、清成選手は怒濤の加速で１コーナーに飛び込みホールショットを奪った。
第４ラップ目、ストレートでグレン・リチャードがクラッシュし、その直後にトミー・ヒルを始めとする３人のライダーが新しくなったシケインで転倒した。この事故によりセーフティー・カーがコースに入り２周回を走行。
レース再開後、オープニンラップからトップを維持し続ける清成選手を、２番手を走行するレッドブル・ホンダのジョナサン・レアが激しく後ろから狙うが前には出られない。
３番手にはストバート・ホンダのマイケル・ルターが続き、その後方からリズラ・スズキのシェーン・バーンとドゥカティーのレオン・ハスラムが追い上げる。ハスラムの後方６番手にはドゥカティーのチームメイト、グレゴリオ・ラビラ。
 先頭集団の順位は殆ど変動がなくレースは終盤に向かう。
１６ラップ目、レオン・ハスラムはマイケル・ルターとシェーン・バーンを交わし３番手に浮上。さらにハスラムは２番手を狙うがジョナサン・レアがこれをブロックする。トップの清成選手は３秒先で独走体制に入る。
２３ラップ目、ハスラムを抑えて２番手を走行していたジョナサン・レアがクラッシュ。この結果、トップ３名は清成選手、３秒後方のレオン・ハスラム、さらに３秒後方のグレゴリオ・ラビラとなった。スズキのシェーン・バーンはラビラの２秒後方まで後退。
最終ラップとなる２８ラップ目までハスラムは清成選手を追い続け、その差は1.9秒まで縮まったが、清成選手が中盤に蓄えたリードには届かず優勝はそのままHMプラント・ホンダの清成龍一選手、２位にドゥカティーのレオン・ハスラム、３位にはドゥカティーのグレゴリオ・ラビラが続いた。
清成選手にとって今回の優勝は開幕戦以来の今期２度目。
■レース２
 レース２のオープニングラップでも清成選手はホールショットを奪った。
５ラップ目まで清成選手はトップを走行したが、６ラップ目の終盤にドゥカティーのグレゴリオ・ラビラとレオン・ハスラムの２台が清成選手を交わす。清成選手は３番手に後退し、トップを行くのはポイントリーダーのラビラ。
１４ラップ目、清成選手はレオン・ハスラムがコースを大回りしたイン側ついて２番手に浮上。清成選手の１秒前方にはトップを行くドゥカティーのグレゴリオ・ラビラ。
２５ラップ目、ここで不幸にして清成選手はバックマーカーに前を妨害される。その隙をついてハスラムが再び２番手に。先頭の３台、ラビラ、ハスラム、清成選手は１秒以内の接戦となるが、徐々にラビラが後続２台を引き離して行く。
レース終盤、清成選手はペースを維持出来ずにハスラムの2.5秒後方まで後退。
 ２８ラップ目の最終ラップ、優勝を飾ったのはドゥカティーのグレゴリオ・ラビラ、２位はそのチームメイトのレオン・ハスラム。HMプラントホンダの清成選龍一選手は３位表彰台を獲得した。
この日の２つのレースを優勝と３位表彰台で終えた清成龍一選手は、以下の通りコメントした。
「再び勝てて嬉しいです。ここで今日は全てうまくいきました。表彰台に戻って来られて良かったです。」と清成選手。
「さらに前を狙えるところでバックマーカーに捕まってしまったのは残念でしたが、マロリーでの成績には全体的に満足しています。」
以下にBSB第６ラウンド、マロリーパークの１０位までの結果を示す。
−ＢＳＢ第６戦マロリー・パーク レース１−
1, 清成龍一 (HM Plant Honda) 27:06.734s,
2, Leon Haslam (Ducati) +1.935s,
3, Gregorio Lavilla (Ducati) +4.856s,
4, Shane Byrne (Suzuki) +7.325s,
5, Michael Laverty (Honda) +9.028s,
6, Michael Rutter (Honda) +11.249s,
7, Karl Harris (HM Plant Honda) +22.092s,
8. Dean Thomas +24.764s,
9, Craig Coxhell +27.420s,
10, Ben Wilson (Suzuki) +36.253s.
−ＢＳＢ第６戦マロリー・パーク レース２−
1, Gregorio Lavilla (Ducati) 26m21.786s,
2, Leon Haslam (Ducati) +1.310s,
3, 清成龍一 (HM Plant Honda) +4.188s,
4, Karl Harris (HM Plant Honda) +10.141s,
5, Shane Byrne (Suzuki) +10.409s,
6, Michael Rutter (Honda) +11.305s,
7, Michael Laverty (Honda) +15.904s,
8, Jonathan Rea (Honda) +21.657s,
9, Dean Thomas (Kawasaki) +24.405s,
10, Glen Richards (Honda) +28.108s.
−ポイント・ランキング−
1, Gregorio Lavilla (Ducati) 223pts
2, Leon Haslam (Ducati) 161pts
3, 清成龍一 (HM Plant Honda) 149pts
4, Karl Harris (HM Plant Honda) 110pts
5, Shane Byrne (Suzuki) 105pts
6, Jonathan Rea (Honda) 83pts
7, Michael Rutter (Honda) 81pts
8, Michael Laverty (Honda) 72pts
9, Tommy Hill (Yamaha) 61pts
10, Dean Thomas (Kawasaki) 59pts
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