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イタリアGP初日 ロッシ、今度こそ反撃開始?
インテリマーク編集部
2006年6月3日

6月2の日金曜日、2006年MotoGP第6戦目となるイタリアGPがムジェロサーキットで1日目を迎えた。MotoGPクラスはこの日、午前と午後にフリープラクティス1と2がそれぞれ行われている。

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イタリアを拠点とするチームやスポンサーは各クラス共に非常に多い。MotoGPクラスでイタリアを拠点とするチームはドゥカティー・マルボロ・チーム、フォルツナ・ホンダ・チーム、コニカミノルタ・ホンダ・チーム、ホンダLCR、キャメル・ヤマハ・チームの5つ。また、ダンティーン・チームの拠点はスペインだが、メインスポンサーのプラマックはイタリアの工業機械メーカーだ。

■イタリアGPのイベントに盛り上がるMotoGPチームとスポンサー

MotoGPクラスに参戦する11チームのうち6チームがイタリア資本のチームであり、19名のレギュラー・ライダーのうち3名(バレンティーノ・ロッシ、ロリス・カピロッシ、マルコ・メランドリ)がイタリア人だ。

また、今年のイタリアGPには様々なイベントが用意されている。

今期のスズキのメインスポンサーであるタバコの巻紙メーカーであるリズラは、特別のキャンペーンガール「リズラガールズ」を今回用意しており、噂では巻紙製の衣装を身にまとい、日曜日のスターティング・グリッドに登場するとされている。

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この他にも、ドゥカティーチームはイタリアGP前日にリアルGPレプリカである公道用市販デスモセディチの試作車と製品仕様(ドゥカティー公式によれば日本での税抜価格は750万円を予定)をムジェロで初公開、プラマック・ダンティーン・チームはミス・イタリアにノミネートされたミス・エレガンスとミス・デボラをスズキと同じく日曜日のスターティング・グリッドに配備する計画を公表しており、各チームのイタリアGPに捧げる情熱の高さが窺い知れる。

さらに、イタリアGPの開催とタイミングを合わせて、今回がホームレースとなるMotoGPクラス連続チャンピオンのバレンティーノ・ロッシが、来期の2007年もヤマハワークスでMotoGPクラスに参戦する事を6月1日に正式に発表しており、同時にヤマハは2007年の新レギュレーションとなる800ccマシンをバレンティーノ・ロッシと共同で開発する事を表明している。

■小排気量クラスの予選状況

6月2日の125ccと250ccクラスは、初日のこの日に第一予選を迎えている。午前中のフリー・プラクティスは全クラス路面状況はドライだったが、午後の125cc第一予選開始時にはフルウェットとなる大雨が通り過ぎた関係から、125ccは午前と午後で上位タイムのライダーの顔ぶれが大きく異なる結果となった。

写真記事125ccクラスの予選初日暫定ポールはKTMのフリアン・シモン2位はWTR・ブラウエルUSAのミケーレ・ピロ3位はカルディオンABモーターレーシングのカレル・アブラハムとなっており、フリアン・シモン以外はここまであまり上位グリッドに顔を出した事のないライダーの名前が並んでいる。

マラグーティ・アジョ・コルセの小山知良選手14位、今回スポット参戦を果たした葛原大陽選手(2005年の125ccにフル参戦をしていた葛原稔永選手の弟)は16位で初日の予選を終えている。

ちなみに、午前中の完全ドライ状態でのフリー走行の順位は、今期の上位グリッド常連のアルバロ・バウティスタ(マステルMVAアスパル)に続いてセルジオ・ガデア(マステルMVAアスパル)、ミカ・カリオ(レッドブルKTM)、マティア・パッシーニ(マステルMVAアスパル)が並び、本拠地となるアプリリア勢の強さが目立った。

天気予報によれば日曜のレースはドライセッションが予想されている。

写真記事250ccクラスの第一予選は午前のフリーと同じくドライセッションとなり、暫定ポールにはカルディオンABモーターレーシングのベテランであるヤコブ・シュムルツ2位にはフォルツナ・アプリリアのエクトル・バルベラ3位にはヒューマンゲスト・ホンダのアンドレア・ドヴィツィオーゾ4位にはマステルMVAアスパルのアレックス・デ・アンジェリスがつけている。

今期はアプリリアの250ccマシン開発ライダーとして活躍し、今回のイタリアGPにスポット参戦しているアレックス・デボンは5位、6位にはフォルツナ・アプリリアのホルヘ・ロレンソが続いた。

上位6名のライダーのうち3位のアンドレア・ドヴィツィオーゾを除く5名はアプリリアを駆るライダーであり、このクラスもイタリアメーカーであるアプリリアがその強さを示す結果となっている。

前回のル・マンでは全員が表彰台争いに加わり好調だった日本勢3名、KTMの青山博一選手7位、ル・マンを制したヒューマンゲスト・ホンダの高橋裕紀選手9位、レプソル・ホンダのルーキとしてムジェロサーキットを今回初めて経験する青山周平選手12位という結果で初日の予選を終えた。

■MotoGPクラス、キャメルヤマハの勝利予告は実現するか

MotoGPクラスで今回注目を集めるのは、MotoGPの続投およびヤマハワークスとの契約を2007年まで更新したチャンピオンのバレンティーノ・ロッシだ。ロッシはMotoGP続投と同時に、今期に残る12レースのうち11回の勝利をムジェロから開始するという事実上の勝利予告をオフウイーク中に表明している。

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また、今期のロッシの不調の原因とされる新型マシンの不調に対し、ヤマハは前回のル・マンから新型シャシーを投入する等ワークスの威信をかけて解決策に乗り出しており、今回のイタリアGPではさらに改善が進んだとされる新型シャシーで走るロッシとコーリン・エドワーズの2名のキャメル・ヤマハライダーの動向は、今期のチャンピオンシップの行方を占う上で重要となりそうだ。

キャメルヤマハ以外にも、新型シャシーの熟成をヨーロッパ・ラウンドで狙うチーム・ロバーツ、ムジェロのトップスピード対策を兼ねて新型フェアリングを用意した中野真矢選手の所属するカワサキ・レーシング・チーム、ムジェロを得意とし、復調をアピールするコニカ・ミノルタ・ホンダの玉田誠選手、宿敵ヤマハワークスの勝利予告の実現を阻止したいホンダワークスのレプソル陣営の動き等、イタリアGPの見所は多い。

■ウェットから始まった午後のMotoGPフリー・セッション

MotoGPクラス午前のフリー・プラクティス1(FP1)は完全ドライとなり、気温は13度で路面温度は14度、湿度は39%。

午後のフリー・プラクティス2(FP2)はウェットとなった125ccの予選に続いて行われており、セッション開始直後に路面はウェット状態だった。この為、序盤は午前のタイムを上回るライダーは殆どいなかったが、間もなくして路面が乾きだすと13人のライダーが大幅にタイムを更新している。

午後の気温は16度で路面温度は22度、湿度は25%。

■初日を制したのはロッシ、エドワーズは新型シャシー断念の可能性

初日の2回のフリープラクティスを制したのはキャメル・ヤマハのバレンティーノ・ロッシだ。ロッシはこの日、フランスGPで使用した新型シャシーのマシンと基本的には同じセッティングを使用しており、ル・マンのタイヤトラブル直前までの独走を可能にしたレース用ベースセッティングの仕上がりの高さに満足している。

また、同じキャメル・ヤマハのチームメイトのコーリン・エドワーズは、ル・マン翌日のテストの悪天候と今回の雨の影響から、今回初めてエドワーズに提供された新型シャシーのチューニングに必要な時間が取れていない。このままいけば、エドワーズはムジェロのレースを前回のル・マン以前に使用していた06年従来型シャシーに戻して戦う事になりそうだ。

■MotoGP初日の各ライダーの結果

写真記事初日総合のトップタイムはキャメル・ヤマハのバレンティーノ・ロッシが午前のセッションで記録した1分51秒238。午後は雨に邪魔されてタイムアタックを実質4周しかできず、午前のタイムを更新するには至らなかったが、それでも午後のタイムテーブルの中ではトップタイムを記録している。

2回のセッションを連続してトップタイムで飾った好調なロッシだが、今期のロッシは初日のフリー・プラクティスでは好成績を残しながらも、予選時に使用するハイグリップタイヤ装着時には06年型YZR-M1の振動に悩まされ、高いグリッド位置を獲得できていない。

■ロッシ、今回は「復活」の宣言無し

今シーズン、以前に2回「復活」を宣言した直後に予選で苦しんだ経験を持つロッシは、今回のコメントでは2日目の予選に自信を示す発言を控えているようだ。06年改良型YZR-M1の真価が問われるのは翌日の予選結果だろう。

ロッシは初日の結果と、レースタイヤでのセッティングに満足を示すコメントを残している。

「今週は最初からいいスタートが切れました。特に午前中が良かったですね。」とロッシ。

「残念ながら午後は雨だったので高速走行は4周しかできていませんが、その短い時間でも自分たちのベースセッティングがいい状態にある事は確認できました。基本的にはル・マンで使用したのと同じ状態のバイクですから、ここのように特性の異なるサーキットでも問題なく使える事が分かって嬉しく思います。」

「まだセッティングに改善は必要ですが、方向性は正しく進んでいますので今日はそれが一番良かったと言える事です。明日も忙しく働く必要はありますが、このまま改善は進められると思います。」

「このレースはライダーや観に来てくれるファンを含む全てのイタリア人にって凄く特別なイベントですから雨が降らない事を祈るだけです。今回は天気も味方について欲しいですね!」

■データが豊富、余裕を見せるドゥカティー

チームのホームとなるムジェロ・サーキットで、ドゥカティーの2名のライダーは自信に満ちた雰囲気で初日の2回の走行を好タイムを持って終えている。1日目はレースに向けてのデータ収集に集中したようだ。

チームと自身にとって完全なるホームグランプリを迎えたドゥカティーのロリス・カピロッシは、初日総合2番手のタイムとなる1分51秒599を記録した。カピロッシは午後のウェット路面を嫌い、路面がドライになるのを待ってから走行を開始している。

ロリス・カピロッシは午後には午前の自己ベストタイムを更新してはいないが、2回のセッションそれぞれにキャメル・ヤマハのバレンティーノ・ロッシに続く2番手タイムを記録しており、ホームレースに向けての仕上がりの高さを示した。

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「今日もまた天候に左右された難しい日でした。」とカピロッシ。

「天気がいつもころころ変わるとバイクのセッティングを効率的に進められなくなります。ここは慎重さが要求されるコースレイアウトですから、バイクは全ての点において完璧に仕上げる必要があるんです。」

「でも初日はここで仕事を多くこなしているテストライダーのヴィットリアーノ・グアレスキのお陰でうまく行きました。今日の路面状況は彼がテストした日とはだいぶ異なりますが、ヴィットリアーノは素晴らしい仕事をしてくれていると思いました。」

「ここまで温度が下がると不都合もありますが、全般的には順調だと思います。両方のセッションで2位ですから仕上がり度合いは高いと思いますが、まだタイヤのテストもたくさん残ってますし、あまり短時間で多くの作業をしたくありませんから天気が良くなってくれる事を期待しています。レースに向けての作業を落ち着いてしたいですからね。」

「気象予報によれば明日の天気は良くなるみたいですが、先の事はわかりません。日曜日は速いライダーだらけですから、今はレースに向けての集中力を切らさないように頑張ります。」

カピロッシのチームメイトのセテ・ジベルナウも、午前の自己ベストタイムを更新してはいないが、午前と午後の両セッション共に3番手をキープしている。この日総合の自己ベストタイムは午前中に記録した1分51秒907だ。

バイクとタイヤの両方に好感触が得られたとセテ・ジベルナウは自信を示す。

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「いつも通り、チームの意欲はとても高いですよ。」とセテ。

「このバイクについて最初の何戦かで多く学んできましたし、一番良くわかったのは、とにかく走れるだけ走行距離を重ねて、チームに情報をより多く提供できるようにする事の必要性です。ですから午後は小雨も気にせずずっと外で走り続けました。」

「ドゥカティーやブリヂストンと共にバイクの正しい方向性を掴めたと思いますし、作業も順調にはかどっています。ここはいつも自分にとっては難しいコースですから、できるだけ多く走りながら残りのレースウイークがいい天気になるように祈りますよ。」

「ルマンのテストの後で、バイクにいい進化の傾向が見られています。コーナリングもコーナーへの進入も凄く良くなっていますし、バイクのバランスやポジションは大幅に改善されました。乗ってて今はコーナーでも快適です。」

■天候が残念とホッパー、F1テストで路面が悪くなったとケーシー

初日総合4番手タイムはリズラ・スズキのジョン・ホプキンスが午後に記録した1分52秒082。この自己ベストタイムを更新する直前まで、ホプキンスは多くの異なるサスペンションとシャシーのセッティングを試している。

「天気のせいで予定していたセッティング作業が全部出来なかった事に少しがっかりしてます。」とホッパー。

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「今朝はマシンの感触を良くできるように、スタッフと一緒に最適なセッティングを探りました。ここは難しいコースなのでいいリズムを自分で掴めるようにする必要もあります。ここはミスが許されないサーキットですし、失敗すると本当に滅茶苦茶になりますからね。今は出来るだけスムーズに乗ってバイクの感触を探ってるところです。」

「午後はいい感じでしたが、雨のせいでやりたかった事は全部できていません。路面が乾くのを待っていたので周回を多く重ねられなかったんです。セッション終了間際の数周にはブリヂストンのレースタイヤで自己ベストを出せましたから、日曜のレースに向けてはいい結果でした。」

「明日はとにかく晴れて欲しいですね。レースに向けていいセッティングができるように頑張ります。」

総合5番手タイムはホンダLCRのケーシー・ストーナーが記録した1分52秒101。ストーナーは今回のムジェロの路面状況が昨年と比べて悪化したと感じており、原因はF1のテストではないかとコメントしている。

写真記事「また今日も天気があまり良くなくて貴重な時間が減りました。」とストーナー。

「両方のセッションで高いレベルを維持できたと思いますが、ただコースの路面状況が去年と比べて悪くなったような気がします。多分F1のテストに使う事が原因だと思いますが、でこぼこがたくさん増えたように感じました。」

「予報では明日の天気もあまり良くなかった筈ですが、明日の予選はとにかくいい天気になって欲しいです。あと、もう少しフロントまわりの感触とリアのグリップを高めておきたいです。ここの高速コーナーでは重要な問題になりかねませんからね。」

■開幕からの課題を今も追求し続けるニッキー

この日の6番手タイムはレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンが午後に記録した1分52秒177。

ニッキーが最新型の06RC211Vでムジェロを走るのは当然今回が初めての事であり、ドライ路面で色々試したかったニッキーにとって、天候が不安定な初日はフラストレーションの溜まる1日になったようだ。

写真記事「午後には少し進歩の兆候がありましたが、まだ自分の苦手な第2区間のライディングを改善する必要があります。」とニッキー。

「今日は変な天気でしたね。基本的に今の仕様のバイクでムジェロを走るのは今回が初めてですからドライが良かったんですが、あまり路面が良くなくてフラストレーションが溜まりました。」

「ここ数戦と同じ課題に今回も取り組んでいます。トラクションの改善とエッジのグリップ力の強化、あとはコーナーへの進入でクラッチがもう少しスムーズに扱えるようにする事です。」

「明日はいくつか大きな改善に挑戦する事になると思います。今回も予選への真剣な取り組みといいレース用セッティングが大切です。」

前回のル・マンでの勝利を、所属チームのフォルツナ・ホンダおよび自分にとってホーム・グランプリとなるイタリアGPに向けての「前菜」としたいとコメントしていたマルコ・メランドリの初日のタイムは、総合7番手タイムとなる1分52秒339。

写真記事1日目はマシンのフロントまわりの改善を行ったメランドリは、過去に参戦していた小排気量カテゴリーでは4回の表彰台を獲得している。

「一日目に実施できたテストには満足しています。」とメランドリ。

「フロントまわりの感触を改善する事に今日は集中し、今後に向けていいデータが得られました。バイクとタイヤの調子は本当にいいですよ。ミシュランとはいくつかタイヤのテストも始めており、それを明日も続けて行う予定です。」

「自分は気分も最高ですしモチベーションも高いです。挑戦しがいのある面白いレースがイタリアのファンの前でできると思います。」

午後のセッション序盤のレインコンディションではトップを維持していたチーム・ロバーツのケニー・ロバーツ・ジュニアが最終的に記録したタイムは、初日総合8番手となる1分52秒350。

前回のル・マンではマシントラブルによりレースをリタイアしているロバーツ・ジュニアは、フランスから導入した新型シャシーとサスペンションのチューニングはほぼ目標の8割のレベルに達しており、ムジェロから始まるヨーロッパ・ラウンド中により完成度を高めたいと、イタリア入りする前にコメントしている。

■玉田選手「いい走りを見せる」、エドワーズ「旧型シャシーに戻す」

この日の9番手タイムはコニカ・ミノルタ・ホンダの玉田誠選手が午後のセッションで記録した1分52秒466。

上りかけたマシンの調子と自分の感覚をイタリアでより確実なものにしたい玉田選手だが、ムジェロのコースで初日からの悪天候は難しかったようだ。

2日目はドライ路面で走りたいと玉田選手は語る。

写真記事「イタリアGP初日のプラクティスからこの気候になると簡単じゃありませんね。」と玉田選手。

「雨が断続的に降ったので日曜日のレースに向けてのセッティングは進めにくかったです。でも今日の結果にはかなり満足していますし、RC211Vの感触もどんどん良くなっていくのが分かりました。」

「明日はいい天気だといいですね。特に予選がドライになって欲しいですし、もしそうならいい走りを見せる事ができる筈です。」

総合10番手はキャメル・ヤマハのコーリン・エドワーズ。午後は雨により満足のいくタイムアタックが出来なかったエドワーズの初日の自己ベストタイムは午前中のドライセッションで記録した1分52秒513。

新型シャシーに高い期待を示していたコーリン・エドワーズだが、ドライの時間が完全に確保できなかったイタリアGP初日だけでは満足のいくシャシーセッティングは出来なかったようだ。シャシーの導入タイミングをエドワーズのチーフメカニックは以前から心配していたが、どうやらその心配は的中してしまった様子だ。

写真記事

エドワーズは、フランスで調子の良かった従来シャシーに戻し、今回のムジェロでは新型シャシーの使用を断念する方向らしい。

「今日はとりあえず新型シャシーを試してみましたが、ちゃんと仕事を進める前にドライ環境でセッティングする時間がもっと必要です。」とエドワーズ。

「ル・マンのテストでは天候が悪くて時間が足りず、シャシーの作業をここに持ち込んだんです。午前中に全ての作業を最初からやり直したくはありませんから、明日は元の良く知ってる状態に戻すのが一番でしょうね。フランスでは調子が良かったしここでも問題なさそうですから、わざわざ新しいシャシーを使う為だけに時間を浪費する意味はないと思います。」

「幸い明日の天気は良さそうですので、今日出来なかったセッティング作業を行うつもりです。日曜の間違いなく激しくて面白いレースに備えたいですね。」

■中野選手は新旧のフェアリングを比較検証中

初日総合の11番手タイムはカワサキ・レーシング・チームの中野真矢選手がFP2で記録した1分52秒667。

中野真矢選手は初日のセッションを利用し、空力効率に優れ、トップスピードを稼ぐのに有利な新型フェアリングと新型リアショックを搭載したマシンと、前回のムジェロまでの従来仕様の2つのマシンを交互に乗り比べながら比較評価している。

午後の雨で2台のマシンをテストする時間が少なくなった中野選手だが、翌日の予選と日曜日のレースにどちらのマシンを使用するかの選択を行うには十分な時間だったとしている。また同時に、両方のマシンで異なる種類のブリヂストンタイヤのテストも中野選手は行っているが、レースで使用するタイヤ選択の為のテストは2日目以降も続けるという。

写真記事

「午後のプラクティスの直前に雨が降り始めたので、最初はウェットタイヤで走行しました。」と中野選手。

「でもコースがすぐに乾いたので、10分後にはスリックタイヤに履き替える事ができました。午後は1台のバイクに新型フェアリングと新型リアショックをセッティングしたので、従来型セッティングの1台との比較テストを交互に行っています。」

「小雨がちらついたので2台を比較するのにあまりいい路面状況とは言えませんでしたが、明日のセッティングに向けての方向性を確認するには十分な時間が取れたと思います。」

「また、同時に2〜3種類ブリヂストンのリアタイヤをテストしていますが、やっぱり路面が満足いく状態ではなかったのでレースタイヤの選択については明日に持ち越しました。午前のフリーと午後の予選でもう少し周回を重ねてから決めたいと思います。」

「いつもそうですが、1年振りに高速サーキットに戻ると勘を取り戻すまでは大変です。脳の記憶を再構成しなおしてブレーキングポイントを叩き込まなきゃいけませんからね。でも一度それが済めばレースの楽しめるコースですよ。」

昨年は手首の骨折によりイタリアGPを欠場しており、今回がMotoGPバイクでの初めての走行となるフォルツナ・ホンダのトニ・エリアスが初日に記録したタイムは、この日12番手タイムとなる1分52秒789。

エリアスはコースの学習を行いながら、リア・グリップの改善を中心としたセッティング作業に集中したようだ。

写真記事「ムジェロはすごく好きなサーキットですが、MotoGPで走るのはこれが初めてです。」とエリアス。

「挑戦しがいのあるコースですから、今はライン取りを研究中です。午後は残念ながら雨が断続的に降ったのでセッティングはあまり進みませんでした。」

「バイクをより理解するのと、前回のレースで抱えていた問題を解決するにはもう少しドライで走る時間が欲しいですね。」

総合の13番手タイムは中野選手のチームメイト、カワサキのランディー・ド・ピュニエが午前のFP1で記録した1分52秒805。

ランディーはNinja ZX-RRのセッティングに終日集中し、午後のフリー・プラクティスでは午前のタイムを更新できなかったが、翌日には自己ベストをさらに更新する自信があるとコメントしている。また、中野選手と同様に2日目の午前はレースタイヤの選択に集中するようだ。

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「午後は天気が安定しなくて難しいコンディションでしたが、午前と午後の両方のセッションとも上手くいきました。」とランディー。

「状況は誰にとっても同じですからね。それに午後にやり遂げた仕事の内容にはとても満足しています。午前は最終区間でタイムをロスしていたので、午後には違うライン取りを試しました。明日も同じ事を数周回試す予定ですが、タイムは改善される筈です。」

「全体を通してバイクの感触は問題ありませんので、夜にセッティングを大きく変更する事は無いと思います。午後は14番手タイムでしたが、ポールポジションからの差は1秒しかありませんからね。」

「今一番重要なのは、明日はもっと今まで以上にポールのタイムに近づく自信がある事なんです。このコースは好きですし、今期レースする中で最高のサーキットの一つだと思います。Ninja ZX-RRで走れて本当に嬉しいです。」

■ペドロサ「今日は気楽に走った」

14番手タイムはレプソル・ホンダのルーキー、ダニ・ペドロサが記録した1分52秒819。

寒さと不安定な天候を嫌うペドロサは、1日目はプッシュする事を避けてリスクを負わないライディングに徹したようだ。天候の良くなる2日目からプッシュしたいとペドロサはコメントする。

写真記事「今日は気楽に走りましたよ。すっごく気楽に!」

「今回はこのバイク(MotoGP)で走る初日だからそれでいいんです。今日は特に午後の天候が安定しない難しい状況でしたからね。明日はもっと激しくプッシュしてリズムが掴めるようにしたいと思います。今日はドライの時間が少しでもあって良かったです。」

「順位はあまり高くありませんが、今日は全くタイムアタックをしていませんから結果には凄く満足できます。バイクのセッティングには触れずにこのサーキットをどうやって走るか学習していました。MotoGPバイクなら確実に難しいコースですからね。」

「ストレート最後のブレーキングポイントは本当に重要です!スピードに身体を慣らして少しずつ覚えないとダメですね。明日の天気が良くなってもっと前進できる事を期待しています。」

15番手タイムはダンロップタイヤ開発の双肩を担うTECH3ヤマハのカルロス・チェカ

前回のチームのホームレースであるフランスGPではTECH3移籍後の自己最高位となる11位を獲得し、まだ課題は多いとしながらも、ダンロップタイヤの開発状況に明るい兆しが見えるとコメントしたチェカのこの日のタイムは1分53秒230。

チェカは今回、ル・マン翌日の合同テストで試して高いグリップ力が得られたリアタイヤを持ち込んでいる。以下に、チェカの公式ページに公開されたコメントを引用する。

「今日は天気が安定しなかったので、あまりいい環境で作業ができませんでしたし、結果にも満足できません。」とチェカ。

写真記事

「午後のセッション開始前に雨が降っていたので路面はウェットになっていて、雨が止んだと思ったら今度は小雨が時々降るのでガレージに再び戻りました。あれでは仕事のリズムが掴めません。それにまだグリップが十分に得られていませんので、100%の状態では走れていません。」

「ただ、使えるデータを収集する事はできましたから、良い結果を残す上での仕事の方向性は見えています。今回はフランスの翌日にテストしたグリップの高いリアタイヤを持ち込みましたが、もう少しコーナーでのリズムを掴む必要がありそうです。」

「まだ少しチャタリングの問題を抱えていますので、フロントまわりには大きな改善が必要です。明日は全体のバランスをもう少し検討しますが、進展は必ずあると思います。」

初日総合16番手タイムはプラマック・ダンティーンのアレックス・ホフマンが記録した1分54秒103。ダンロップのタイヤテストに集中したかったホフマンだが、今回のイタリアGP初日も雨に邪魔され、予定通りにテストは進まなかったようだ。

写真記事「天気が悪くて仕事が思うに進められず、予定の作業を終れませんでした。」とホフマン。

「2〜3個の新しいタイヤをテストしたんですが、まだ作業はたくさん残っていますし、今の状況にはあまり満足できません。明日の午前と午後の両方のプラクティスがドライになってくれれば他のテストも出来ますし、レースに向けてのいいセッティングを見つけられる思います。」

「全てのスポンサー、パートナー、それに多くのファンと友人たちの前でいい結果を残したいです。ここは自分たちのホームレースですから、イタリアでいい結果を残す事は凄く重要なんです。」

初日総合17番手タイムはリズラ・スズキのクリス・バーミューレンが午後に記録した1分54秒106。自身初めてとなるムジェロ初日の2セッションにはドライ路面を期待していたクリスにとって午後の雨はコースの学習を難しくしたようだが、1日を通して自己ベストタイムを安定して更新し続ける事に成功している。

写真記事「今日はコースを楽しめました。」とクリス。

「このサーキットは初めてですが、走り回るのには最高のコースですね。ライダーの視点から見れば好みの全てが揃ったサーキットですよ。高速コーナー、低速コーナー、それに勾配の変化が多く、さらに高速のストレートもあってちょっと凄いです。」

「覚えるのは大変ですよ。ブラインドコーナーも2箇所くらいありますしね。残念ながら今日は全部ドライではありませんでしたが、バイクの改善は進んだので明日はもっと前進できる自信はあります。」

18番手タイムはTECH3ヤマハのジェームス・エリソンが午後に記録した1分55秒354。午前のタイムは初日最後尾となる1分56秒532を記録したエリソンだが、午後には1秒以上自己ベストを縮める事に成功している。

初日の最後尾はプラマック・ダンティーンのホセ・ルイス・カルドソ。カルドソもチームメイトのホフマンと同じく天候によりダンロップタイヤのテストが予定通りに進まなかった事を残念とし、2日目はレースセッティングを完成させてスポンサーの本拠地で良い結果を残したいとコメントした。カルドソのタイムは1分55秒637。

写真記事「今日はタイヤに集中しました。いくつかテストするスリックタイヤがあったんです。」とカルドソ。

「でも天気が不安定で予定通りに計画が進まなかったのが残念です。天気は頻繁に変わりましたからね。予定の作業がたくさんあったので本当にがっかりです。タイヤの開発には多大な努力が必要ですから、天気が良くなってくれる事を祈ります。明日がドライなら残り2つのプラクティス・セッションが最大限に活用できますからね。」

「日曜のレースに向けては、今の自分たちのタイヤに合うセッティングを探すのが重要です。ここのコースは好きですから全てのスポンサーの方々の前で本当にいい結果を残したいんです。」


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