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2006年6月1日
2週間前のフランスGPの後の5月27日、カワサキ・レーシング・チームと中野真矢選手はベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットに渡り、カワサキ・ベネルクスのイベントに参加してNinja ZX-RRのデモンストレーションを行い、爆音を響かせた。
現在チームと中野選手はイタリアに移動し、明日の6月2日から開催されるムジェロでのイタリアGPに備えて準備を開始している。
また、プラマック・ダンティーン・チームもムジェロに入り、スポンサーであるプラマック社のホームであるイタリアGPに高い意欲を示している。
スズキチームの「リズラ・ガール」と同様に、ダンティーン・チームは、6月4日のレース当日のスターティング・グリッドに2005年ミス・イタリアにノミネートされたミス・エレガンス嬢とミス・デボラ嬢の2名を配備する予定だ。
ここでは、カワサキ・レーシング・チームとプラマック・ダンティーン・チームのムジェロに向けてのコメントを紹介する。
■ル・マンでの失望から立ち直りたいカワサキ勢
前回のフランスGPはカワサキの2名のライダーにとっては散々な結果となった。
MotoGPクラスで初のル・マンでのホーム・グランプリを迎えたフランス人ルーキーのランディー・ド・ピュニエは、MotoGPクラスでの予選自己最高位となる4番グリッドからスタートしながらも、オープニングラップの第1シケインでのバレンティーノ・ロッシが発端とされる連鎖反応に巻き込まれ、罪の無い犠牲者として転倒、リタイアしている。
この事故でランディーは頭を強くグラベルに叩きつけて脳震盪を起こしており、レース開始から転倒までの記憶が全く残っていない。また、背中には靭帯の損傷も負ったが、現在はレースへの影響がないレベルには回復しているようだ。
また、カワサキの予選最高位である2番グリッドを獲得した中野真矢選手は、本人も全く認識できていなかったという目視では確認が難しいレベルのジャンプ・スタート(フライング)が検出され、レース中にピットインが必要となるペナルティーを課せられてしまった。再スタート後のレース結果は12位に終っている。
■イタリアGPでの悪夢、破られない最速記録
フランスでの結果をイタリアで取り戻したいカワサキ・レーシング・チームだが、過去に中野選手はカワサキでのイタリアGPで悪夢のような体験をしている。
2年前のイタリアGP以来、中野選手は未だに破られない記録を保持している。MotoGPバイクによる転倒時の最速記録だ。ムジェロの有名なロングストレートでタイヤのバーストによりマシンごと吹っ飛んだ中野選手のその時の速度は、時速280キロを超えていたと伝えられている。
また、昨年は直線でのトップスピードに不利な状況を抱え、激しく戦ったレースを10位で終えている。
しかしながら、今週の日曜日のレースに向けては中野選手とカワサキ・レーシング・チームは大変に前向きだ。イタリアGPより、カワサキNinja ZX-RRには空力効率を最大限に改善した新しいフェアリング(カウル)が用意され、ムジェロでのストレート走行性能が大幅にアップしているのがその理由だという。
この新型フェアリングはカワサキの日本の技術者により設計され、航空機と日本の新幹線に用いられた空力技術が取り込まれている。1.1キロメートルに上るムジェロのホームストレートでのトップスピードは大きく改善されるらしい。
中野真矢選手は新型フェアリングに期待を示すコメントを述べている。
「過去のここでのレースは自分たちにとって厳しい結果でしたが、それはル・マンについても同じ事が言えていました。」と中野選手。
「でも今回のフランスでの予選結果は新型Ninja ZX-RRの高い性能を示しましたし、以前とはマシンが異なる事を証明しています。これはムジェロでも過去のレースより高い成績が望める自信に繋がりました。」
「ムジェロは本当に高速なサーキットですからブレーキングポイントがとても重要ですが、それ以外にも高速コーナーでいいリズムを掴む必要があります。フリー走行と予選でいいセッティングさえ見つかれば、レースは本当に楽しいですよ。でももしセッティングに失敗するようなら、日曜は本当に過酷な思いする事になります。」
「今週からNinja ZX-RRに新型のフェアリングを導入しますが、これはムジェロのロングストレートで有利に働く筈です。あそこのトップスピードは重要なポイントですからね。」
中野選手のチームメイトのランディー・ド・ピュニエは、ホームグランプリでの転倒を残念だとしながら、好きなムジェロでフランスの分を取り返したいと語る。
「ル・マンの転倒の事は何も覚えていません。でも、ホームグランプリで完走すら出来なかった事には本当にがっかりしています。」とランディー。
「背中の靭帯を少し損傷しましたが、今は問題ありませんし、ムジェロでまたバイクに乗れる事を楽しみにしています。ル・マンでは転倒しましたが今週末のレースには自信がありますよ。」
「フリー走行と予選のタイムで分かりますが、フランスではバイクの改善が一歩進みました。イタリアでも同じように作業が進む事を期待しています。ムジェロは凄く好きなサーキットですから、ここではいい結果が残せると思います。」
■スポンサーのお膝元で良い結果を残したいダンティーン
ダンティーンチームのスポンサーであるプラマック社は、イタリアの有名な工業機械メーカーであり、レース好きの社員が多い事でも知られている。
また、プラマック社はホンダの工業用エンジンの大手顧客でもあり、2002年の原田哲也選手のホンダNSR500での参戦、および2003年と2004年のブリヂストン枠での玉田誠選手のホンダRC211Vでの活躍を支えたスポンサーとしても有名だろう。
プラマック・ダンティーン・チーム監督のルイス・ダンティーンは、「ムジェロは多くのスポンサーと支援者の前で行われる重要なレースであり、彼らの期待に応えて良い結果が残せるように最大限の努力をする」とコメントを発表している。
■ホスピタリティー、有名な詩人料理人がディナーを調理
ダンティーン・プラマックのドイツ人ライダー、アレックス・ホフマンは、ホスピタリティーで振舞われるイタリア料理が楽しみだとコメントした。
「イタリアのムジェロでレースするのはすごく好きです。」とホフマン。
「雰囲気が素晴らしいし、まわりの人たちがとても温かいですね。大好きなコースの1つですから今からレースするのが待ちきれません!本当に高速なサーキットですが、特にアラビアータ(コーナー)が好きです。」
「イタリアは大好きです。料理も素晴らしいですよね。フィレンツェ料理が今回のディナーです。チームのホスピタリティーは今回特別ですから、間違いなく美味しい物を食べるチャンスです。調理は詩人料理人として有名なダリオ・チェッキーニが担当します。」
ダリオ・チェッキーニはフィレンツェの有名な調理人であり、肉きり台の上でダンテの神曲を唄う事で知られている。
「とにかく、今回はいい結果を残すチャンスです。レースをチームのスポンサーと支援者の方々、それに友人たちの前でできるんですから。」
また、スペイン人ライダーのホセ・ルイス・カルドソは、ムジェロはドゥカティーに適したサーキットだと語る。
「ムジェロは特別に美しいサーキットですから本当に好きです。」とカルドソ。
「それにこのコースはドゥカティーと相性がいいですからね。複雑で高速、おまけにテクニカルです。」
「チームとは真剣に働いていますから、ファンとスポンサーが応援してくれるここイタリアで最初のポイントが獲得できたら最高でしょうね。」
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