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メランドリ「ルマンは前菜」、玉田選手「マシンは最高の状態になる」 |
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2006年6月1日
今週6月2日の金曜日より開催されるイタリアGPをホームグランプリとするチームは多い。
既にお伝えしたドゥカティー・マルボロとキャメルヤマハに続き、今回もイタリアを拠点とする2チーム、フォルツナ・ホンダ(グレッシーニ・チーム)と、コニカミノルタ・ホンダ(ジャパン・イタリア・レーシング・チーム)のムジェロプレビューをご紹介する。
■ライダーの技量が反映されるテクニカルなレイアウトに美しい景色
ムジェロ・サーキットはイタリアのフローレンス市から約2キロメートルの距離に位置しており、世界でも有数の美しいサーキットの一つとして数えられている。また、コースレイアウトはテクニカルであり、ライダーの技量が結果に反映されやすいサーキットとしても有名だ。
■ヨーロッパラウンドを駆け巡るホスピタリティー
パドック裏には毎戦各チームの色鮮やかなホスピタリティー・トラック(レストランや歓待オフィスを持つ大型トラック)が立ち並ぶが、ヨーロッパラウンドとなると、どのトラックも自力で走行し各サーキット間を移動する。
ホスピタリティーの運営には莫大な費用が必要とされ、これには資金力を持ったスポンサーが不可欠となる。
年間合計11戦となるヨーロッパ・ラウンドの間、フォルツナ・ホンダチームのホスピタリティーは2台のトラックで構成され、1台あたりの走行距離は3万キロメートルに上り、燃料はそれぞれ約12万リットルを消費する。
ホスピタリティーのレストランで振舞われるパスタやサラミはイタリアの大手スポンサーから運ばれ、パンや果物および野菜などの鮮度の問われる食材は現地で調達される。また、各トラックには専属の調理人が配備される。
ちなみにレースウイーク中、飲料水は1万リットル、ビールは3000リットル、コーヒーは1万2000杯が消費される。食材ではジャガイモは600キログラム、150リットルのオリーブオイル、パンとパスタはそれぞれ1000キログラムがレース関係者や招待客の胃袋に納まるという。
フォルツナチームのホスピタリティーは火曜日の午後にムジェロに到着しており、水曜日の朝からイベントの準備を開始している。グランプリ前日の木曜日には、朝食から昼食、食前酒付きのディナーのサービスが開始されるようだ。
■ホスピタリティーでもライダーはダイエット中
イタリアのどんなに美味しい食事が目の前にあっても、ライダーたちは厳しいダイエットを続けなければならないようだ。
フォルツナ・ホンダ・チームのマルコ・メランドリは、食事1回あたりにオイルベースのパスタを60グラムから100グラム、チームメイトのトニ・エリアスは典型的なカタルニアの朝食であるパン・コン・トマテ(オイルとトマトを塗りつけたパン)とハムを食べている。
■フォルツナ・ホンダ、ホームGPでの連勝を狙うメランドリ
今シーズン2度目の勝利を挙げたマルコ・メランドリは、自身のホームグランプリとなるムジェロで前回のル・マンに続く3度目の勝利を狙う。
「ル・マンでの勝利には本当に感動しました。あれをホームレース前のオードブルにしたいですね。」とメランドリ。
「ムジェロとル・マンは全く異なりますが、勝利の直後にイタリアにそのまま戻って来られるのは最高です。ムジェロでは実力の高いライダーが何度も優勝していますから、熱狂的なファンが待つホームGPでの戦いは大変だとは思いますが、自分もその1人ですし表彰台をかけて戦う準備も出来ているつもりです。」
「たくさんのイタリアのファンの前でレースするのは最高です。でも、あんまり調子に乗らないようにだけは気をつけたいですね。ル・マンではほぼイタリア人で表彰台を独占しましたから、今回のムジェロはいいタイミングになりましたね。」
「毎年そうですが、今年も最高のファンが集まってくれるのは間違いないです。」
マルコ・メランドリのチームメイトのトニ・エリアスは、昨年はル・マンの1コーナーで手首を骨折し、ムジェロでのレース欠場を余儀なくされている。MotoGPバイクでムジェロを走るのはエリアスにとって今回が初めてだ。
「ムジェロはテクニカルサーキットですので体力的に万全にしておく必要があります。頻繁にバイクの方向を変えなきゃいけませんからね。ライディングの面では今年のカレンダーの中で最も難しい部類のサーキットです。」とエリアス。
「去年はル・マンで手首を骨折してイタリアに来れませんでしたから、MotoGPバイクでムジェロを走るのは今年が初めてなんです。何の情報も持っていませんから、ムジェロに素早く適応していいベースセッティングを見つけたいと思っています。」
■コニカミノルタ・ホンダ、ムジェロと相性の良い玉田選手
コニカミノルタ・チームのJiR(ジャパン・イタリア・レーシング)は、その名の通り日本人ライダー玉田誠選手をイタリアのチームが支えており、イタリアGPは当然彼らのホームグランプリだ。さらにムジェロは、玉田選手がその活躍により、世界のMotoGPファンにその名を改めて知らしめたサーキットでもある。
玉田選手はMotoGPルーキーイヤーとなった2003年、ブリヂストンタイヤを履くRC211Vで4位を獲得して一躍世界の注目を集めた。その翌年の2004年には、タイヤトラブルでリタイアするまでのレース序盤はロッシとジベルナウの3名でトップ争いを演じている。また、昨年はエストリルの事故による怪我からの復帰戦がムジェロだった。
チーム責任者のジャンルカ・モンティロンは、玉田選手が序盤の苦しい戦いを脱して自信を取り戻した事を嬉しいとしながらも、今後のチャンピオンシップを戦う中で上向きとなりつつある現在の調子を維持する上で、ムジェロは重要なレースであり油断は出来ないと述べた。
ムジェロは好みのサーキットの一つだとする玉田誠選手は、過去数戦で得られたデータによりコニカミノルタチームのRC211Vはベストな状態に改善できると述べる。
「ムジェロは間違いなく自分の好きなサーキットの一つです。」と玉田選手。
「どこまでも続くホームストレートと高速コーナーは乗っていて凄く楽しいです。過去2戦のデータからは興味深い結果も得られていますので、技術的にベストな状態に自分たちのRC211Vを持っていけるあと一歩のところまで来ていると思います。」
「また、最近のミシュランとの共同作業のお陰で、長い間忘れていた感覚を取り戻す事も出来ました。タイヤを正しく選択して、ムジェロではいいレースがしたいですね。」
「ムジェロで勝ちたいライダーは多いので大変なレースウイークになるのは間違いありませんが、イタリアGPは第2の自分のホームレースだと思ってますから凄く待ち遠しいです。」
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