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2006年5月29日
先回はドゥカティーチームがホームGPとなるムジェロでのレースに意欲を燃やしている事をご紹介したが、イタリアのモンツァを拠点とするキャメル・ヤマハチームにとってもまた、イタリアGPはホームレースとなる。
中国GPとフランスGPの2戦をタイヤトラブルとエンジントラブルでリタイアする事になったバレンティーノ・ロッシのポイントランキングは現在8位であり、ポイントリーダーであるレプソルホンダのニッキー・ヘイデンから43ポイント差のリードを奪われている。
■予選タイヤ使用時のチャタリングはムジェロで一掃されるか?
フランスGPから導入した新型シャシーのレースタイヤ使用時の性能が高かった事は、ロッシがエンジントラブルでリタイアするまでの独走振りから推し量る事ができるが、予選タイヤ使用時の課題はまだ残ったままだ。
フランスGPの初日のフリー走行では新型シャシーに好感触を示し、余裕のコメントを残したロッシだったが、2日目に予選タイヤを履いて順位を3列目まで落とした時には、「期待していたのでがっかりだが、今年の予選では3列目はまだ良い方」と、予選タイヤ使用時の問題は完全には解決できなかった事を明らかにした。
ルマンでの決勝翌日の合同テストでは、ロッシは2台のマシンに新型シャシーを導入したままテスト走行を続け、ミシュランタイヤとの組み合わせによるシャシーのファインチューニングを行っている。当然、このオフウイーク中にはレースとテストで集めたデータを元にヤマハ側も更なる対策を打つ事が予想され、今週のムジェロでのバレンティーノ・ロッシと、同じく新型シャシーを導入してくるコーリン・エドワーズの予選結果が注目されるレースウイークとなりそうだ。
■ロッシの発言が本来のロッシに
バレンティーノ・ロッシは、チームと自分のホームGPとなる今週のイタリアGPでは確実に勝利を手にし、運気を自分に呼び戻したいようだ。また、ルマンのレース後は弱気な発言を見せたポイントランキングについても、43ポイントの差はそれほど大きくないと強気な発言に変わっている。
ちなみに、開幕からの5戦中で1回しか表彰台を獲得できずに年間タイトルを獲得したライダーは現時点では存在しない。
「ムジェロは自分と相性がいいし、過去数年もずっとそうです。」とロッシ。
「凄く特別なレースですし、特に今年はかつてない程に重要です。何年もムジェロに対しては特別な情熱を持って取り組んできましたので、いつも凄まじく忙しいレースウイークになります。それに今回再び勝利を手にしようと思うのであれば、仕事に集中して常に100%の状態でいる必要があります。」
「ルマンで新型シャシーは良く機能しましたし、テストを通していいデータも得られ、ムジェロまでにはさらに改善されますから、今回自信はあるわけです。」
「ここまで不運につきまとわれましたが、まだ12レースも残ってる段階の43ポイントはそれほど大きな差とは思いません。12戦を全部勝つのは難しいでしょうが、11勝と2位が1回取れるように準備しておきますよ!」
「今シーズンのここまでの自分たちの結果は不可抗力でしょう。フランスでは25ポイントを失い、中国では16ポイント、ヘレスでは14ポイントを失いました。これがなければ今頃ポイントランキングは余裕でしたからね。」
「先週も、本来の実力はお見せできたと思いますし、運気が変わったという証拠です。ムジェロはそれをお見せできる最高の場所ですね。」
■新型シャシーに期待を示すエドワーズ
この2ヶ月間の忙しいレースで、去年末に生まれた息子のヘイズ君になかなか会えなかったというコーリンだが、今回のヨーロッパラウンドでは家族が一緒に移動する予定になっており、再会の願いが叶うようだ。
コーリンは、家族と過ごすレースウイークが、自分の好成績につながる事を期待している。
「ヘイズが娘のグレイシーと妻のアリシアと一緒に来る予定になっていますので、当然楽しみで仕方がありません。」とエドワーズ。
「モーターホームで家族と過ごす方が毎回ホテルに泊まるより嬉しいに決まってます。そっちのがコースで実力を発揮できると思いますし、早速今週末から力が割り増しされるといいですね。一番大事な事ですし、それに今シーズンのここまでの状態を考えると有益に思える事は全て取り込みたいですからね。」
「自分のバイクはトルコから同じ物を使ってますが、すでに最適な状態にあり、いくつかの部分についてはこれ以上は改善できない状態です。ルマンのテストでは新型シャシーで30周回走りましたが、明らかに性能は今までのものより高い事がわかりました。」
「ムジェロから新しいマシンになりますが、最初のセッションから全力で取り組み、どこまで行けるか見てみますよ。」
■新型シャシーの改善点
ロッシとエドワーズのマシンに投入された新型シャシーはフロントまわりの性能が改善されており、特にコーナリングとコーナー進入時の安定性が強化されている。
尚、コーリン・エドワーズのチーフメカニックであるダニエーレ・ロマノーリは「高速での切り返しが重要視されるムジェロで最も重要なのはシャシーのセッティング」とし、エドワーズにも新型シャシーが早く導入される事を願っていたとコメントしている。
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