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２００６年５月１１日
MotoGPクラスにおける中国ＧＰの最大の見所は、１キロメートル以上にも及び、時速320km以上に達するロングストレート終端のブレーキング合戦だろう。ブレーキングを制した者がレースを制するが、逆にブレーキングポイントを見誤れば簡単にコースアウトを喫する可能性もある。
カワサキレーシングチームは上海で、明日から開催される中国ＧＰに向けての準備を進めている。
中国ＧＰを含む今後８つのレースは１１週間で行われる予定になっており、カワサキチームを初め、他のどのチームにとっても移動準備に追われる忙しいスケジュールとなるだろう。
■記憶に残るオリビエ・ジャックの活躍
 昨年の中国、カワサキの中野真矢選手は土砂降りのレースを電気系トラブルにより序盤の２ラップ目にリタイアしており、フラストレーションの溜まるレースウイークとなってしまった。
カワサキレーシングチームにとって昨年の中国ＧＰで最も印象的だったのは、怪我で欠場した当時カワサキのアレックス・ホフマンの代役であるフランス人ライダーのオリビエ・ジャックが、悪天候をものともせずに２位表彰台を獲得した事だろう。
現在までカワサキのMotoGPにおけるレース最高位は、この時のオリビエ・ジャックの２位表彰台、次いで2003年茂木での中野選手の３位表彰台となる。
尚、オリビエ・ジャックは今年の中国ＧＰには参戦しない。
■中野選手の中国での目標は６位以内
中野真矢選手の今週の目標はトップ６以内だ。複数の高速コーナーの途中で必要となる素早い切り返しは、Ninja ZX-RRが得意とする点だと中野選手は述べている。
 「とても長いストレートやそれに続く高速右コーナーなどもあり、特別な作りのサーキットですね。」と中野選手。
「不思議に感じるのは、あのストレートを走ってる時の体感速度が低い事です。距離がとても長くて景色に変化がない事が理由でしょうね。だからストレートエンドにある１速で曲がるヘアピンに飛び込むまでのブレーキングポイントを設定するのがとても難しいんです。」
「あのコーナーへの飛び込みはパスするのに絶好の場所なんで、余計に難しいですね。僅かにブレーキングポイントを遅らせただけで簡単にコースアウトしてしまいますから。だから逆に面白いとも言えますけど。」
「去年はあのコースをドライでは楽しめましたが、自分のライン取りを決めるにはまだ走り込みが足りません。レースでは電気系トラブルでリタイアしていますが、早い切り替えしが必要な高速コーナーの途中にあるいくつかの部分はカワサキに適してると思います。だから今年は６位以内を目指したいですね。」
■雨天レースに自信を示すド・ピュニエ
中野選手のチームメイトであるランディー・ド・ピュニエは、今年のプレシーズンからウェット路面での強さを証明しており、雨のレースへの自信を示している。また、天候に関係なく、前回のイスタンブール以上の順位を中国で獲得する事に意欲を示した。
 「上海はあまり好きなサーキットではありません。バイクよりも４輪レース向きのサーキットだと思います。」とド・ピュニエ。
「そうは言っても面白い区間がいくつかあるのは事実ですね。例えば凄く長い１コーナーとかです。去年は250ccバイクで走りましたが、MotoGPで走ると全く違う印象を持つような気がします。でもあまりサーキットを学習するのに時間をかけられませんから、フリー走行中にできる限りペースを上げられるようにしたいですね。」
「雨ならいい結果が得られると思うので日曜日の天気に興味があります。もちろんドライでもできる限り激しくプッシュしてイスタンブールよりいい成績を目指しますが。今週末が楽しみですよ。」
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