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2006年3月10日 ShoppingOn編集部
公式ニュース等で報じられているカワサキのバイク輸送トラックの転倒事故に関して、カワサキレーシングから詳細な続報が届いているのでお伝えしたい。
2台のZX-RRおよびレース機材を輸送中だったMotoGPカワサキチームの輸送トラックは、現地時間の月曜日にバルセロナを出発し、ペニスコラ郊外のハイウェイ沿いを走行中に強風に煽られ、走行スピードのまま横転して火災が発生した。
同車両には1人のドライバーと2人のレースメカニックが同乗していたが、メカニックの1人、オーストラリア人のジェイソン・コーニーは右足の先を損傷し、小指を失う大怪我を負った。残るドライバーともう1人のレースメカニックであるヨーゼフ・ビュヒナーも肩を脱臼し、靭帯を損傷する大怪我をしている。
この大事故を最初に目撃したのは、カワサキチームと同様にIRTAテスト参加の為に自動車でヘレスに向かっていたダンロップタイヤの二人の技術者であり、彼らは転倒を目撃してすぐに現場に急行した。2人は消火器で火災を消した後に負傷者をトラーレーから外へ運び出し、その場で応急処置をしている。最悪の事態はこのダンロップタイヤの2名により回避されたと言っても良い。
右足を損傷したコーニーは近くの病院で緊急手術を受け、更なる処置を受けるためにドイツの病院に水曜日に移動した。肩を脱臼したコーゼフも火曜日に自宅のあるドイツに戻り、靭帯の裂傷を治療する手術を受けている。幸い、二人の命に別状はない。
現在二人の治療は、昨年アレックス・ホフマンのエストリルでの怪我を担当した医師により行われている。
輸送されていた2台のZX-RRは、先日のバレンシアで好タイムをマークしたマシンだった。輸送トラックは完全に破壊された状態にあったが、荷台の上にあったバイクを積んだトレーラーは3台のクレーンで10時間をかけて取り出され、すぐに飛行機でバレンシアサーキットに輸送された。バレンシアに急行したカワサキスタッフによりトレーラーは開梱され、ZX-RRの損傷チェックが行われている。
トレーラーの中の固定機材を取り除くと、幸いにして2台のZX-RRは無傷で現れたようだ。レースマシンのカウルは割れやすいカーボンで出来ているが、全く外傷は見当たらなかったらしい。トレーラーの内側でさえ、驚くほど小さな損傷で済んだようだ。
代わりの輸送トラックにZX-RRは再び乗せられ、水曜日にはヘレスに到着し、現在カワサキレーシングチームのスタッフにより全力の点検整備作業が行われている。バレンシアでの点検作業を指揮したカワサキレーシングチームのミハエル・バルトレミーは以下の通りコメントしている。
「現在最も重要な事は、二人のメカニックが最悪の事態にならずに済み、現在は回復の状態にあると言う事です。」とミハエル。
「最初は残りのIRTAテストを全てキャンセルする事になると思いましたが、事故直後から現在までの多くの支援活動のお陰で、当初の予定通り3日間の全てのテストに参加する事ができそうです。」
「特に事故直後に素早くメカニックを救ってくれたダンロップの二人に、心から感謝を申し上げます。怪我を負った二人は現在ドイツで元気になりつつありますので、このまま次のIRTAテストに集中し、ヘレスでもカタルーニャと同様にトップタイムをマークしたいと考えています。」
また、カワサキのチームマネージャーのハラルド・エックルも事故直後に連絡を受け、現場のミハエルと連絡を取り合っていたようだ。明日にテストを控えたエックルは以下の通り述べている。
「機材は交換できても人間は交換できません。二人が最悪の重傷を負わなくて本当に良かった。話を聞いた時にはすぐにIRTAテストを中止しようと思いましたが、奇跡的に機材とバイクの損傷は免れ、多くの人たちの支援のお陰で事態は解決に向かっています。」
「バレンシアへの代替トラックを、輸送会社が素早く用意してくれて助かりました。今回の事故が私たちのプレシーズンテストにとって大きな障害となった事は明白ですが、被害が最小限に抑えられた事は幸いでした。明日のテストの成績に影響は無いと信じています。今は二人のメカニックが回復し、早くチームに戻ってくれる事を願うのみです。」
(写真提供:カワサキレーシング)
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