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ダニエル・ペドロサ「MotoGPで勝つには全てが必要」
2006年3月8日 ShoppingOn編集部

カタルーニャでのIRTAテストが終わり、現在MotoGPクラスのライダーやチームは、目前に迫るヘレスでの最後の調整に焦点を合わせている。

ヤマハの好調さと比較して、少し2006年モデルの調整に苦戦している感のあるホンダ勢だが、レプソルホンダが期待するルーキー、ダニエル・ペドロサは地元スペインでの初のMotoGPテストを終えて、2006シーズン開幕を直前に、どのような心境でいるのだろう。

ここでは、レプソルYPFの公式発表から、若き賢者であるダニエル・ペドロサの公式セッション後のインタビュー全文を紹介したい。


ダニ、地元で初の最高峰クラスデビューは少し天候に恵まれませんでしたね。

はい。凄く寒くてタイヤが全然温まらず、バイクの挙動が不安定でした。でも今までとは全く違う経験ができたので、今後のレースには役立つと思います。カタール以外では似たような状況もありえますから。

日曜日にはとうとう雨が降り出してしまいましたね。

すごく残念でした。日曜日は今までの成果を隅々まで分析するつもりだったのに雨ですからね。温度が低すぎて危険ですから、本当はあんまりコースには出たくなかったんです。最後の残り20分は数周だけ走りましたが、車(BMW)を勝ち取る気は全然ありませんでした。

ヘレスではもう少し状況が良くなって、今回延期した何点かのテスト項目を済ませられれる事を望んでいます。開幕前の最後のテストですから。

そしてレースシミュレーションもまだ出来てない・・・?

その通りです!事実そうなんですが、どうしようも無かったんです。ヘレスの初日にやらなければ開幕までに間に合わないでしょうね。

自分の成長度合いを確かめるためにレースシミュレーションが必要だと?

と言うよりは自分のここまでの経験をどこまで活かせられるかを楽しみにしているんです。興味はむしろそっちですね。体力面とバイクの両方について、自分が周回を重ねるごとにペースが落ちていかないか、そこを確かめたいんです。タイヤのせいなのか自分の体力の問題なのか。

マレーシアは雨で機会を失いましたし、バルセロナも同じです。あとはヘレスしか残っていません。



チームはまだ宿題が済んでいない事を心配しているのでしょうか?

いいえ。こういう状況は新しいクラスに移った場合には誰にでもある事ですし、自分にっとては普通の事です。ここまで多くのテストを済ませましたが、開幕を迎えてもまだ自分の学習は続く筈です。

開幕戦と同じコースでテストができるのはとても重要ですね。

本当にそうです。レースするサーキットで数週間テストする事は常に重要です。でも天気がいつも同じとは限らない事は念頭に置かないといけませんよ。テストもレースも同じ天気になるかどうか、自分の経験を少し増やす意味で見守りたいですね。

レース前にヘレスで走れるのは、自分の出せる速度やバイクの感触を事前に知る意味では良い機会だと思います。

去年の11月9日のバレンシアから振り返ってみて、ここまでの最高峰クラスへの適応状況はいかがでしょう。

現在までの成果は、自分の目標からはまだ遠く離れています。ここまでの成績に関してではなく、バイクから得られる感触についてですが。未だにハンドルバーとステップ(足乗せ)の位置には迷っているって感じですかね。別のサーキットに来てみて、全く異なる状況に直面しています。

今のところ「このバイクが完成しており、この方向性は正しい」と明言する事はできません。毎日頻繁に変更を行っていますし、これは要するにまだこのクラスでは未熟である事を意味しています。

スペインのファンを前にしての初のテストでしたが、プレッシャーを感じましたか?

いえ、それは全然ですよ。今回もテストの中の1回にすぎませんから、自分の仕事をするだけです。多くのファンが僕を見て凄く楽しんでくれたのは事実ですし、皆から勝利への抱負を聞かれたりしましたが、今僕とチームに必要なのは勝利ではなく、前進する事のみです。まわりに何を言われようと、重要なのは最初のレースとその後の事です。今はそれで自分は満足していますし、チームにとっても同じです。

新しいカテゴリーでの勝利を考えた場合、今は何が欠けていると思いますか?

この世界は才能さえあれば勝てるクラスもあるし、良いバイクがあれば勝てるクラスもあります。でも今回のクラスに必要なのは、優れた才能と、良いバイクと、良いタイヤと、良いチームがしっかりと噛み合い、おまけに経験も必要です。現時点において特に不足しているのは多くの経験です。



バルセロナのテストをダニエル・ペドロサとしてまとめるとすれば、どんな言葉になりますか?

まとめるとすれば・・・このサーキットをMotoGPマシンで多く周回するのは初めてでしたから、好感触を持つ事ができました。仮に来週もう一度ここを走って今の成績なら落ち込んだかもしれないですけどね。まだ初めての事ですから。

マレーシアには慣れましたが、ここではセパンとバイクの挙動が全く異なります。セパンでは長期間テストしましたからね。今週バルセロナで経験できたのは今シーズンに向けての見通しでしょう。

少なくとも今年の中盤までは、レースウイークの金曜と土曜日には新しい事の発見ばかりだと思います。まだバイクの事を良くわかっているとは言えませんし、サーキットについてもそうです。毎回多くの変更が必要になるでしょうね。

(写真提供:レプソルYPF)


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