MotoGP 速報ニュースサイト インテリマーク
最新ニュース 2007年冬季データ 2007年のMotoGP年間予定、及び各クラスのレース結果 2007年のMotoGP各クラスのポイントランキング インテリマークフォーラム/2輪ロードレースカレンダー/MotoGP天気予報/世界サーキット時計 運営/お問い合わせ
元のページに戻る
カタルーニャGP初日、苦戦するドゥカティー
インテリマーク編集部
2007年6月9日

2007年MotoGPシーズンの第7戦目となるカタルーニャGPが、昨日の6月8日に第1日目を迎えている。天候が大荒れとなった前回までのルマンやムジェロと異なり、今週のカタルーニャは初日となったこの日から日曜日の決勝までの3日間を通し、好天になる事が見込まれている。
写真
ここでは、晴天に恵まれた初日のカタルーニャにおけるMotoGPクラスのフリー・プラクティスの結果と状況を紹介する。

■3日間を通して好天に恵まれそうなカタルーニャ

この日のMotoGPクラスは午前にフリー・プラクティス1、午後にはフリー・プラクティス2の合計2時間のセッションが行われており、両方ともに陽射しに恵まれたドライ路面が得られている。
写真
■午後の路面温度が54度まで上昇

午前のプラクティス開始時の気温は21度、路面温度は27度、湿度は32%と過ごしやすい気象条件だったようだが、午後のプラクティス開始時に気温は33度、路面温度は43度にまで上昇し、さらにセッションが進むにつれて路面温度が54度まで上がった事から、一部のライダーはタイヤまわりのセッティングに苦しんで午前の自己ベストタイムを更新する事ができなかったという。


■転倒者と怪我人の状況:ペドロサは無傷
写真
この日の目立った転倒者は、午後のセッション開始10分の時点で3コーナーを高い速度で通過中にスライドして転んだレプソル・ホンダのダニ・ペドロサの1名のみだ。幸いペドロサ本人には全く怪我はなかったものの、マシンのダメージが大きかった事からペドロサは転倒後にセッティングが完璧ではないセカンドマシンに乗り換える事になり、ごれが原因で午前のタイムを更新する事ができていない。

■ジャックの右腕はほぼ回復

前回のムジェロでは怪我に苦しんだカワサキの2名だが、オリビエ・ジャックは中国で手術を受けた右腕の筋力はほぼ今回までに回復しており、本人はライディングにはまったく支障のないレベルだとコメントしている。
写真
■ド・ピュニエの左ひざが悪化、ひざはフットボールサイズのまま

その一方で、ジャックのチームメイトのランディー・ド・ピュニエは、ルマンで負傷した右肩の状態はほぼ完全な状態に回復したものの、たいしたことがないと思われていた前回のムジェロで負傷した左ひざの内出血が悪化しており、関節の周辺がフットボールのように腫れ上がっている。このためド・ピュニエは、今回は左ひざまわりだけ通常より10センチ広い特別のライディング・スーツで走行している。

■バロスは胃腸炎
写真
その他には、プラマック・ダンティーンのアレックス・バロスが中国GPからずっと胃炎と胃腸炎に悩まされているが、これは特に走りへの影響があるものではないようだ。


■MotoGPクラス、初日のフリー・プラクティス総合順位

以下に、カタルーニャGPにおけるMotoGPクラスの初日2回のフリー・プラクティスの総合順位を示す。
写真
1) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分43秒099
2) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分43秒313
3) ジョン・ホプキンス USA リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 1分43秒389
4) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP7 1分43秒543
5) トニ・エリアス SPA ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分43秒551
6) ロリス・カピロッシ ITA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP7 1分43秒631
7) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキ・MotoGP GSV-R 1分43秒713
8) コーリン・エドワーズ USA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分43秒768
9) マルコ・メランドリ ITA ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分43秒811
10) アレックス・バロス BRA プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 1分43秒857
11) カルロス・チェカ SPA ホンダ・LCR RC212V 1分43秒866
12) 中野真矢 JPN コニカミノルタ・ホンダ RC212V 1分44秒003
13) ランディ・ド・ピュニエ FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分44秒141
14) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分44秒267
15) オリビエ・ジャック FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分44秒466
16) アレックス・ホフマン GER プラマック・ダンティーン デスモセディチ GP7 1分44秒528
17) シルバン・ギュントーリ FRA ダンロップ・ヤマハ・Tech3 YZR-M1 1分44秒665
18) 玉田誠 JPN ダンロップ・ヤマハ・Tech3 YZR-M1 1分44秒743
19) ケニー・ロバーツJr USA チーム・ロバーツ KR212V 1分45秒284
20) カーチス・ロバーツ USA チーム・ロバーツ KR212V 1分45秒871

写真
この日に午前のタイムを午後に更新できなかったライダーは、メインマシンを午後に大破したペドロサの他、ストーナー、エリアス、カピロッシ、エドワーズ、チェカ、ホフマン、カーチス・ロバーツなどの8名であり、各ライダーのコメントによれば、ミシュラン勢と比較して若干ブリヂストン勢が午後の路面温度の上昇に苦しんだ様子だ。
写真
なお、カタルーニャのサーキットレコード(990cc)は2006年にニッキー・ヘイデンが記録した1分43秒048、ベストラップレコード(990cc)は2006年にバレンティーノ・ロッシが記録した1分41秒855。


■各チームの状況

以下に、全体的にペドロサとロッシの好調さと、ドゥカティー勢の午後の低迷が目立ったカタールニャGP初日の各チームの状況とライダーコメントを示す。

■地元GPの初日を総合トップで飾ったレプソル・ホンダとペドロサ
写真
カタルーニャでホーム・グランプリを迎えたスペインのチームであるレプソル・ホンダ勢では、チームと同じく地元スペイン出身のライダーであるダニ・ペドロサが好調だ。ペドロサは午前のセッションでこの日の総合トップタイムをマークしている。

その一方、ペドロサのチームメイトのニッキー・ヘイデンは午前中にマシンに問題を抱えており、初日は大きく作業時間をロスしたようだ。

■ペドロサ「転倒後のセカンドバイクが完璧じゃなかった」

ペドロサは午後のセッション開始10分後に3コーナーで高速走行中に転倒し、グラベルに飛び込んでメインマシンに大きなダメージを受けた事から午前のタイムを更新する事はできなかったが、午前の記録していた1分43秒099が午後のタイムシート上のトップとなったフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシを0.2秒抑えて初日総合のトップの座を守っている。
写真
今回のペドロサのタイムは2006年の990ccマシンでチームメイトのニッキー・ヘイデンが記録したカタルーニャのサーキット・レコードに0.05秒差まで迫る好タイムだ。

「午前はすごく調子が良かったですね。一貫した速いペースで多くの周回をこなす事ができたので、レースウイークのいいスタートが切れたと思います。まだタイヤ選択は残っていますが、セッティングの状態はいい感じだしすごく好調です。」とペドロサ。

「午後のセッションにもすごく自信がありましたが、残念ながら3コーナーで大回りをしてしまい、マシンを倒し込みすぎてグラベル側に転んでしまいました。あれは自分のミスですし、極めてよくある感じの転倒でした。」

「怪我をしなかったのは幸運でした。ただ、残念ながらバイクがすごいダメージを受けてしまったので、メカニックには余分な仕事をたくさん作ってしまいました。セカンドバイクの状態は良かったけど完璧ではなかったので、それ以降は自分の思い通りの速さでは走れなくなっています。初日はこんな感じですが、明日に向けてはすごく順調です。」

■ヘイデン「調子は悪くない」
写真
ここまでのシーズン序盤を通してマシンのセッティング改善に苦しんできたニッキー・ヘイデンは、チームの地元のスペインでの初日を14番手タイムで終えている。この日のヘイデンはシャシーバランスへの要求が厳しいカタルーニャの特性にマシンを合わせるべく調整作業に取り組んでおり、初日の順位は高くはなかったものの、2日目以降に向けてのセッティングの方向性は悪くはない状態だという。

「数値として見るよりも実際の調子はいいと思います。午後にかけての自分の順位は決して良くありませんが、作業の方向性は見つけましたし、だいぶ一貫したペースを保てるようにもなってきています」とヘイデン。
写真
「午前はかなり厳しいセッションでした。バイクに問題が発生して何が悪いのかを究明するのにかなりの時間を無駄にしてしまい、それで遅れをとる事になりましたが、午後にトランスミッションなどにいくつか調整を加えたら大きく調子を取り戻す事ができました。」

「コースの一部の区間でかなりのタイムをロスしていますが、他の部分のペースはすごくいいんです。午後にはトップから1秒以内には戻しましたが、まだかなり差が開いていますから、明日はさらに改善が進めば嬉しいですね。」

「今はタイヤの感触がいいのが有り難いです。今週末はそれがすごく重要になりそうですからね。」


■カタルーニャに好感触のフィアット・ヤマハ

フィアット・ヤマハチームは2名のライダー揃って初日の内容には好感触を得る事ができたようだ。バレンティーノ・ロッシは午後のセッションでこの日の総合2番手タイム、チームメイトのコーリン・エドワーズは総合8番手タイムを記録している。
写真
フィアット・ヤマハのチーム監督であるダビデ・ブリビオは、カタルーニャではタイヤ選びに重点を置いて作業を進めており、その中で初日から多くの役立つ情報が得られたとしている。またブリビオ監督は、2日目にはマシンにさらなる微調整を加えながらタイヤの最終選択を行うが、現段階でも十分に高いレベルに到達できているとの自信のコメントを残している。

■ロッシ「バイクの調子はすでにOK」

初日に1分43秒313の総合2番手タイムを記録したバレンティーノ・ロッシは、特にこの日の午後にバイクの改善が大きく進んだ事を喜んでいるが、気温と路面温度が高い事から、日曜日のレースは体力的に厳しい戦いになるだろうとコメントしている。
写真
「今週はいいスタートが切れたと思います。バイクの調子はすでにとてもいいですよ」とロッシ。

「午前の調子も悪くありませんでしたが、午後には特にタイヤまわりとセッティングが大きく前進しました。タイヤには何種類か異なる選択肢を持っていますが、ロングコーナーでどれもいいグリップが得られていますし、このコースではそれがすごく重要です。明日は今の作業を続けて、タイヤの最終決定を行うつもりです。」
写真
「今日はすぐにいいリズムがつかめましたし、午後には一貫したペースで走り込む事ができています。ほとんどレースの半分くらいの距離を走りましたが、日曜日にむけての感触は今でも悪くありません。」

「セッティングに関してはまだこれからも改善が進むと思いますし、あと少しの調整でもっと良くなる事に期待しています。ただ、今日と同じくらいに温度が高ければ日曜日は長いレースになるでしょうし、誰にとっても体力的に厳しい戦いでしょうね。」

■エドワーズ「イタリアの時を思えば好調」

写真今シーズンはウェット路面に苦しむ傾向のあるエドワーズは、ルマンとムジェロでは悪天候に苦しめられ、レースの結果には大きく落ち込んでいたが、レースウイークを通して好天が予想される今回のカタルーニャでは初日から好感触が得られており、順位的には総合8番手と高くはなかったものの、作業内容にはほぼ満足が得られた様子だ。

「順位はそれほどよくありませんが、今日は見た目ほど調子は悪くないですよ。少なくとも先週のイタリアの時の事を思えばね!」とエドワーズ。

「トラクションがまだ少し足りない感じですが、今晩の作業に向けていい方針はありますから、明日はこの分野がもう少し改善される筈です。自分たちの得意分野はコーナーへの侵入とコーナリングの速度ですから、ここのコースに合わせてさらに磨きをかければ有利でしょうね。」
写真
「タイヤに関しては特に大きな進展は今日はありませんが、3本か4本感触のいいのがありますので、もう少し周回を走り込めば日曜日に向けての最終決定ができるようになると思います。」

「いずれにしても、ムジェロの時よりもここではかなり満足できています。このまま運良くいけば予選でも調子が取り戻せそうですよ。」


■ブリヂストンユーザーのトップはリズラ・スズキ

昨年のカタルーニャでは不調だったブリジストンユーザーの中では例外的とも言える強さを見せたリズラ・スズキ勢だが、今年のカタルーニャ初日もジョン・ホプキンスが総合3番手タイムの1分43秒389、クリス・バーミューレンが総合7番手タイムとなる1分43秒713を記録し、変わらぬ好調さを見せている。
写真
この日の午後の路面温度は54度まで上昇し、多くのライダーはグリップを得るのに苦しんだようだが、リズラ・スズキ勢はその中でタイムの改善を進める事ができたとチーム監督のポール・デニングはコメントし、スズキGSV-Rがすぐに速く走れるコースが今シーズンは次々と見つかる事を喜んでいる。

■ホプキンス「すぐに好感触が得られた」

初日の2時間の合計周回数としては最も多い55ラップを精力的に走り込んだジョン・ホプキンスは、日曜日に向けてのブリヂストンのレースタイヤとスズキGSV-Rの組み合わせを何種類か試し、セッティングの調整を忙しく繰り返したという。

写真「今日はここで走り始めてからすぐに好感触が得られました。」とホプキンス。

「このコースはいつも本当に楽しめるんです。走るのがすごく面白く感じますね。今シーズンはここまでにスズキとブリヂストンの両方が好調ですし、スチュアートが最初からうまくセッティングを仕上げてくれていたので、すぐにバイクには満足が得られてレースに向けてのタイヤ選びを開始する事ができました。」

「少しだけセッティングを微調整しましたが、特に大きな変更を加える必要はなかったので、コースで走れる時間を十分に活用する事ができています。」

「明日もまだ数点試す事は残っていますが、もう少しタイムが縮められるのは確かです。その後は日曜のレースに向けて最良のセッティングが得られているかどうかを確認するだけですね。」

■バーミューレン「ロングランをしてもグリップに問題なし」

午後には連続して9周のロングランを一貫したペースで行い、そのうちの1周で今回の自己ベストタイムを記録したクリス・バーミューレンも、その中で日曜日のレースに向けてのブリヂストンタイヤのチェックに余念がなかったようだ。
写真
「また楽しく走れるこのコースに戻ってこられて嬉しいです。去年はここでの成績も良かったですからね。」とバーミューレン。

「1日を通してタイヤとセッティングの両面についてバイクの改善を進める事ができました。バイクの感触はすごく乗りやすいし、午後には結構なロングランを行いましたが、実際のレースの距離よりも長く走り込んだタイヤで今回の自己ベストが記録できました。グリップは最後まですごく良かったですよ!」
写真
「まだいくつかの分野に改善点はありますが、スタッフがすでに真剣に取り組んでくれていますから、明日はさらに速く走れる筈です!」


■苦しい初日となったドゥカティー・ワークスの2名

午前中はケーシー・ストーナーが2番手タイム、ロリス・カピロッシが5番手タイムと好調なカタルーニャでの滑り出しを見せたドゥカティー・マルボロ勢だが、路面温度が10度以上高くなった午後には調子を落とし、2名揃って午前のタイムを更新できていない。この結果、ストーナーは初日の総合4番手、カピロッシは総合6番手に順位を落としている。
写真
■ストーナー「午後は迷走状態だった」

午後にはストーナーはセッティングの方向性を見失い、一度に多くの変更を加えて改善を試みたが、結局どれもうまくいかなかったようだ。ちょっと迷走気味だったというストーナーは、2日目にはマシンの状態を好調だった時の形に戻し、改めて別の方向性を探りたいとしている。リアのトラクションには今週も相変わらず不足感を抱いているとストーナーは語る。

「ムジェロの時と似たような状況になりました。十分速く走れてはいますが、あともう一歩という部分にまでは到達できていない感じが現段階ではしますね。」とストーナー。
写真
「午前はそんなに悪くありませんでしたが、午後には悪い方向に進んでしまったようです。かなり多くの事を試しました。違うフロントタイヤを履いたりリアタイヤも変えたり、シャシーのセッティングを変更したりリンケージを調整したりとか、他にも色々行いましたが、どうも基本的に少し混乱しすぎていた気がしています。だから状態をいったん元に戻して、違う方向性で作業をする必要が今はありますね。」

「いつもと同じ台詞ですが、今回もトラクションをもっと増やしたいし、ロングコーナーでのコーナリング性能を上げたいです。」

「バイクの改善をもっと進めなければいけませんが、タイヤについては悪い状態ではありません。ただ、全てを試したわけではないので、明日はリアをもう2〜3本試す予定です。」

■カピロッシ「今回は新型エンジンを使っていない」

前回のムジェロから新しい仕様のエンジンを投入したカピロッシだが、まずは堅実な成績を狙う事を目的に、今回のカタルーニャでは標準仕様のエンジンを使用し、シャシーの調整を中心に行ったという。

写真カピロッシは午後のタイムテーブルでは14番手まで順位を落としているが、これは今期から施行された新タイヤレギュレーションの影響により、使いたかったタイヤの使用を制限せざるを得なかった事が原因だとカピロッシはコメントしている。

「午後は午前の時ほど好調には進みませんでした。午後に使用できたタイヤが午前のセッションで使ったものほど良くなかったのが理由です。」とカピロッシ。

「新しいタイヤルールの影響で、いいタイヤを全てのセッションを通して確保する事がいつもできません。別のタイヤを使わなければいけなくなるんですが、午後に速く走れなかったのはそのせいです。いずれにしても、少なくともすでにこのコースに適したタイヤを見つけたのは確かです。明日はそれをもう1本試してみます。」

「ここでは標準仕様のエンジンを使っています。まずは確実に結果が得られるように、今回は主にシャシーを中心に作業を進めています。今日はラップタイムにも順位にも満足できていませんが、明日の改善には期待が持てますね。」


■高温路面に苦しむグレッシーニ・ホンダ

今期からブリヂストン・タイヤを履くグレッシーニ・ホンダの2名は、この日の午後は路面温度の上昇に苦しめられたようだ。
写真
■エリアス「基本的に好調」

初日の総合5番手タイムを記録したトニ・エリアスは、午後には路面温度の上昇に苦しみ午前中のタイムを更新する事はできなかったが、初日の作業内容にはほぼ満足した様子だ。

「初日の作業内容には満足できました。」とエリアス。
写真
「今回のレースウイークはいいスタートが切れたと思います。今日の2回のセッションともにトップ5に入る事ができましたから期待が持てますね。」

「午前は比較的順調でしたが、午後には路面温度が上昇したので作業が難しくなりました。」

「今日はバイクの感触が改善できるようにフロントフォークの調整に集中しましたので、明日のセッションで効果が得られると思います。その他には、コーナーの進入と出口でリアのトラクションが得られるような調整を続けています。」

■メランドリ「この温度は予想外」

多くのライダーがムジェロに近いセッティングを選ぶ中、マルコ・メランドリは異なるベースセッティングからこの日の作業を開始したという。あまり結果に満足ができていないメランドリの初日の総合順位は9番手だった。
写真
「今日は難しい1日でした。」とメランドリ。

「これだけ路面温度が上がったのは今シーズンの序盤では今回が初めてだと思いますが、これは予想外でした。今日はムジェロの時とはセッティングを変えて、もっとカタルーニャの特性にあうセッティングを探りながら、レースタイヤのテストを行っています。」

「明日は別のセッティングも試しますが、まだ大きく改善の余地はあると思っています。特にコーナーの進入をスムーズにできるようにする事と、レース用のタイヤの選択に集中したいです。」


■2日目に期待するプラマック・ダンティーン

前々回のルマンではアレックス・ホフマンが5位、前回のムジェロではアレックス・バロスが3位表彰台を獲得して勢いに乗るプラマック・ダンティーンだが、カタルーニャの初日はバロスが総合10位、ホフマンが総合16位と、順位的にはあまり高い結果を残す事ができなかった。
写真
しかしながら、バロスはこの日に満足のいくレースタイヤを見つけており、2日目にマシンのセッティングを見つける事で日曜日のレースに向けての準備は整うとしている。ホフマンは終日リアまわりのセッティングに苦しみ、1日目の作業内容にはあまり満足できていない様子だ。

■バロス「明日は大幅な改善が見込める」

日曜日に向けてのレースタイヤに良いものが見つかり、あとはマシンのセッティングの妥協点を見つける事が重要だと語るアレックス・バロスは、2日目以降の大幅なタイム改善に自信を示している。

「初日のフリー・プラクティスの結果は期待の持てるものでしたから、非常に満足できています。」とバロス。

「今日はタイヤのテストに焦点をあて、その中で色々なセッティングを試しました。午後にはラップタイムを大きく改善する事ができましたし、いいレースタイヤを見つける事もできました。」

「バイクのセッティングに関しては、方向性をもう少し煮詰める必要があります。色々な変更をたくさん加えましたが、まだ改善できる余地はかなりあるので、どこかで相互に妥協点を見つけなければいけません。」

「これから自分たちの全てのデータのチェックに取りかかりますが、明日に向けては大きな進歩が見込めると思っています。」

■ホフマン「リアまわりのセッティングが難航」
写真
初日の順位を総合16番手で終え、ブレーキまわり以外にはあまり納得のいくセッティングが見つかっていないというホフマンは、2日目に問題点の解決を急ぎ、日曜日のレースに備えたいとしている。

「今日はフリー・プラクティスの時間を最大限に利用したつもりですが、最終的な結果には満足できていません。」とホフマン。

「ブレーキングに関してはいいセッティングが見つかっているので自信を持てますが、まだリアには正しい感触が得られていませんし、加速の部分でかなりタイムをロスしています。特にコーナーからの脱出時が良くありません。」

「今日は1日を通して1種類のタイヤのみ使いましたが、まだそれをレースで使うべきかどうかの確証が持てていません。」

「いずれにしても、これから改善が進む事には自信が持てます。レースに向けての正しい解決策を見つけなきゃいけないので、明日はかなり忙しい1日を過ごす事になりそうですけどね。」


■抜本改善に再びチャレンジするコニカミノルタ・ホンダ

イタリアGPのレース中に抱えたフロントのチャタリングの原因を、ムジェロと似たコースレイアウト特性を持つカタルーニャで解明しようと、データ収集とセッティング改善に忙しく取り組むコニカミノルタ・ホンダチームは、この日の午後に明るい兆しを得る事ができたようだ。
写真
■チャタリングは午後の終盤に減少

午前中はムジェロの時に増して激しいチャタリングに苛まれ、中野選手は全くコーナリング中に速度を上げる事ができなくなり、順位を17番手まで後退させるという最近のレースウイーク初日の状況と変わらぬ苦しい状況にチームは追い込まれたが、午後のセッティング変更によりマシンの問題は大きく改善され、中野選手は自己ベストタイムを午後のセッション終盤にいきなり0.8秒更新しており、順位を午後の10番手、1日目の総合では12番手まで回復する事に成功している。

■2日目はセカンドマシンのジオメトリを変更

なお、中国では大幅なセッティングの変更に挑戦したが、結果として効果が得られず逆に裏目に出た事から、「トルコ以前の状態が最良のセッティングだった」として大きなチャレンジを諦めたかに見えたコニカミノルタ・ホンダチームだったが、2日目からはセカンドマシンにこれまでとは異なるジオメトリ・セッティング(パーツ全体の総合的なバランス見直し)を行うとしており、ミシュランへの依存傾向が強かったこれまでのチーム方針とは異なる抜本改善に向けての意欲的な姿勢を取り戻している。

これと同時に、中野選手もトルコ以前に行っていたホンダの今期の800ccマシンに適合しやすいライディング・スタイル探しを再開しようとしており、チーム全体がシーズン序盤の不調からの脱出に向けて、自力でのチャレンジに大きな動きを見せようとする様子が今回のカタルーニャではうかがえるようだ。
写真
■モンティロン「明日は過激なセッティングにトライ」

今回のカタルーニャで得られるドライ・コンディションはマシンのセッティング改善に取り組む最高のチャンスだとするコニカミノルタ・ホンダのチームオーナーであるジャンルカ・モンティロンは、翌日は1日目よりもさらに過激なセッティング変更に取り組み、これまでとは異なる方向からのチャタリングの解消作業に取り組みたいとしている。

またモンティロンは、このチームの多くの取り組みの中で、中野選手が他の(今期のホンダの)ライダーたちと同様に、800ccマシンに合わせたライディング・スタイルの変更に取り組む事を示唆している。

「今日はシンヤ(中野選手)がホンダのマシンのフロントまわりに抱えているチャタリングの症状を減らすために、いくつかの改善を施しました。」とモンティロン。

「明日はシンヤのためにセカンドバイクの方に大きなセッティング変更をいくつか施して、今日とは別の解決策を試す事になる重要な日です。彼がいいリズムをそのマシンでつかみ、速くて安定したラップタイムを刻めるようにする事が狙いです。」

「今回の気象条件はルマンやムジェロよりもだいぶ良さそうなので、終日得られるドライの路面を利用してこうした過激なセッティングの変更や、その結果を検証するチャンスなんです。」

「フロントまわりのチャタリングを解消し、シンヤの思い通りにコーナリングができるマシンに仕上げたいと思っていますが、その他にも、これまでに他のライダーたちが強いられてきたように、シンヤが新しい800ccマシンに合わせてライディング・スタイルを変更するのに取り組む姿を見ることにもなります。私たちはトップ集団に確実に追いつけるように全力で作業に取り組み続けます。」
写真
■中野選手「大きな進歩だった」

この日の午前と午後の序盤にはムジェロ以上のチャタリングに苦しめられたという中野選手だが、セッティングに調整を施した午後の終盤には問題が若干解消し、タイムを大きく更新する事ができている。また、中野選手は、チームが2日目にチャレンジする根本的なセッティングの見直しにも期待を示している様子だ。

「今日はムジェロの時のセッティングから作業を開始しましたが、午前と午後の序盤にはチャタリングが以前よりもさらにひどくなり、いいラップタイムを刻むのが楽じゃない状態でした。」と中野選手。

「フロントまわりの変更を含むいくつかの異なるセッティングを試した後は、バイクのフロントのチャタリングが少しおさまりましたので、これは結構大きな改善だったと思います。」

「まだやるべき作業はいくつか残っています。もっと速くコーナーリングしたいし、激しく攻めていいラップタイムが得られるようにしたいですからね。チームのエンジニアのジュリオが何点かアイデアを持っているので、明日は異なるジオメトリのセッティングにいくつか取り組む予定です。」

「ここではドライの時間がたくさん得られそうですね。ムジェロと違ってかなり気温も高いんですが、ちょっと自分には暑すぎるかもしれないです!」
写真
■ベルナルデッレ技術監督「初日はチャタリング解消に集中した」

コニカミノルタ・ホンダチームの技術責任者であるジュリオ・ベルナルデッレは、ムジェロでのチャタリングの問題は初日に若干の改善が見られ、タイヤ選びに関してもすでに明確な方針がある事から、2日目以降はラップタイムが持続しやすくコーナリングが素速くできるバイクを目指し、いくつかの異なるセッティングを精力的に試していく構えだ。

「今日は基本的にはムジェロのレース中に抱えたチャタリングの問題を減らす作業に集中しており、特に午後の状況が良くなりました。」とベルナルデッレ。

「これから焦点をあてて行く課題はシンヤが安定して速いラップタイムを維持できなくなる部分です。彼はまるで予選の終盤のアタックでもしているかのように数ラップしか速いタイムを持続できていない状態ですから、彼が20周回を通して速いラップタイムを記録しやすくなるようなセッティングの変更を明日にはいくつか加える必要があります。」

「また、彼は今でも素速いコーナリングができるバイクを望んでいますから、再びその課題にも取り組むつもりです。」

「タイヤに関しては、天候が変わらなければ現段階でも非常に明確な方針が持てていますので、あとは異なるセッティングをさらに試して、シンヤのためにバイクを大きく改善する事を狙います。」


■怪我人がなかなか絶えないカワサキ

初日にカワサキ・レーシング・チームのランディー・ド・ピュニエとオリビエ・ジャックは、再舗装後のがたつく路面の悪さで有名なカタルーニャに合うブリヂストンのレースタイヤ選びを慎重に行い、その中でマシンのセッティング作業を終日かけて行っている。
写真
今回のセッティングの方向性について、カワサキのテクニカル・マネージャーである金子直也氏は「特に高速区間に焦点をあてて作業をすすめている。3コーナーと最終コーナーも非常に重要になるので、明日はマシンのバランスを調整してそれらの区間での効果を狙いたい」とコメントした。

■ジャックの怪我は回復に向かったが

前回のムジェロではカワサキの2名ライダーが揃って怪我に苦しんだが、オリビエ・ジャックは中国で負傷した右腕の症状がかなり回復しており、レースに向けてのセッティングに意識を集中する事が今回からできるようになったという。

しかしながら、ド・ピュニエの方のムジェロで負傷した左足は依然としてフットボールサイズに腫れ上がっているようだ。これは当初に想定された水ぶくれではなく、内出血である事が判明しており、この日のド・ピュニエは左足だけ幅の広くなった特別のライディング・スーツに身を包んで走行に参加している。バイクに乗った時には痛みもあるようだ。

■ド・ピュニエ「やっぱり痛かった」

初日の総合順位を13番手で終えたランディー・ド・ピュニエは、痛みはたいしたことがないと思っていたひざが、実際にバイクに乗った途端にひどく痛んだと語っている。

「ムジェロで転んだ時には今回までにひざの調子は良くなると思っていましたが、残念ながら内出血がひどくなり状況は前より悪くなっています。」とド・ピュニエ。
写真
「最初よりは良くなったものの、まだ関節のまわりが通常の2倍の大きさに腫れ上がっているので、Spidi(バイクウェアメーカー)はひざのまわりがいつもより10センチ広いレザー・スーツを用意してくれました!」

「バイクに乗るまで痛みはひどくなかったんですが、腫れた部分が押さえつけられた瞬間にこれは痛くなるだろうと予想がつきました。今はほんの少しだけ足を休めなきゃいけない状態です。」

「午前の路面状況は完璧とは言えなくてリアのグリップ不足に苦しみましたが、午後にフロントとリアの両方のレースタイヤで試した時にはだいぶ状況が良くなっていました。」

「トップとのタイム差はそれほど開いていないので、明日にもっと改善できるのは間違いありません。」

■ジャック「結果には現れていないが順調」

先週のイタリアGPからこの日までの期間中に筋力トレーニングをかかさなかったオリビエ・ジャックは、ムジェロでは問題となった手術後の右腕の筋力不足が今回のカタルーニャではほぼ問題なくなったと語っている。順位は低いものの、初日の作業内容には満足できている様子だ。
写真
「今日は体力的にムジェロの時よりもだいぶ良くなりました。腕の力もほぼ元通り になってきたので、より正確なライディングができるようになりましたし、やっと自分のハンデを補う事よりもレースに向けてのバイクのセッティングに集中できます。」とジャック。

「午前はリアのグリップに苦しみ、長い高速カーブでスピードを維持することができない状態でしたが、午後にはバイクのバランスを調整した事と路面のコンディションが良くなった事で大きく改善できました。また、フロントとリアのタイヤも何本か試し、すでに日曜日のレースで使用するタイヤの方針はかなり明確になっています。」

「今回の自分の順位には現れていませんが、作業は順調に進んでいます。」


関連記事

MotoGP第7戦カタルーニャ、ロングストレートに不安のないヤマハ

最新のニュース一覧へ 元のページに戻る
インテリマーク - Copyright (c) IntelliMark All Rights Reserved. -
UA_ZOZOTOWN
ZOZOTOWN