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■125ccクラスのレース内容
●125cc午後決勝レース
3日間のレースウイークを通してドライ・セッションに恵まれたMotoGP中国グランプリ、決勝当日5月6日の最初のレースとして行われた125ccクラスの決勝は、序盤から最後まで激しい混戦のレースとなっている。
■前戦まで不運の続いたパッシーニがホールショット
シグナルが消えて一斉に各ライダーが甲高いエンジン音を響かせる中、ポールポジションからスタートしたポラリス・ワールドのマティア・パッシーニは、開幕から前回までの3レース中に連続して抱えたマシントラブルによる不幸も今回はなく、群集となった他のライダーたちから順調に抜け出して加速し、ホールショットを奪った。
続いて2列目8番グリッドからの好スタートを見せたレプソル・ホンダのブラッドリー・スミスが先頭を行くパッシーニの後方2番手のポジションから1コーナーに飛び込んだが、すぐにスミスはスキルド・レーシングチームのシモーネ・コルシとバンカハ・アスパルのガボール・タルマクシに交わされて4番手に後退。
■逃げ切れないパッシーニ
パッシーニはオープニングラップから攻めの走りでリードを開始し、レース序盤からの逃げ切りを狙って2ラップ目までに大きく後続を引き離しにかかった。
しかしながら、3ラップ目の終盤にパッシーニは2番手のタルマクシを先頭とする後続集団に追いつかれてしまう。タルマクシの背後の3番手にはバンカハ・アスパルのエクトル・ファウベル、4番手にはデルビのルーカス・ペセック、5番手にコルシ、6番手にはマルチメディア・レーシングのラファエレ・デ・ロッサ、7番手にはKTMの小山知良選手が続いた。
■背後に迫るファウベル、タルマクシ、ペセック
4ラップ目以降はパッシーニの真後ろで2番手争いが激化し、ファウベル、タルマクシ、ペセックが目まぐるしく順位を入れ替える。9ラップ目の1コーナーではパッシーニもこの3人の争いに巻き込まれ、4人は激しくトップを奪い合った。
■パッシーニが後退しタルマクシがトップに
ここでついに先頭をタルマクシが奪い、パッシーニは2番手に後退。この時点における先頭集団7台の順位は、先頭からタルマクシ、2番手にパッシーニ、3番手にペセック、4番手にコルシ、5番手にファウベル、6番手にデ・ロサ、4番手に小山選手。
■ラバト率いる第2集団が先頭集団に合体
11ラップ目に入ると、前を奪い合うトップの7台に、序盤からペースの落ちないレプソル・ホンダのエステベ・ラバトとバンカハ・アスパルのセルジオ・ガデアがリードする第2集団が完全に追いつき、バトルはさらなる混戦へと発展する。
■トップ集団をいきなり乗っ取るラバト
トップ集団に追いつくと同時に次々と前方の7台を交わしたラバトは、14ラップ目には先頭に立ってレースをリード。
ガデアは小山選手、タルマクシ、ファウベルの3台を交わして5番手に。
■ラバトの背後にに浮上するガデア
15ラップ目、後半からの追い上げペースに定評のあるガデアは、さらにペセック、パッシーニ、コルシの3台を一気に交わし、トップを行くラバトの後方2番手につけた。最終コーナーを先頭からラバト、2番手のガデア、3番手のペセック、4番手のコルシ、5番手のパッシーニ、6番手のファウベル、7番の小山選手、8番手となったタルマクシが通過する。
■トップ2台の争いを背後でうかがうペセック
16ラップ目に入ると、先頭集団の乗っ取りに成功したラバトとガデアが1コーナーの進入で激しく前を奪い合い、3番手につけるペセックが背後でその様子をうかがっている。ガデアは6コーナー付近でラバトから前を奪うと、そのまま17ラップ入り口に向けての最終コーナーまでトップの維持。
■ペセックが2台を交わしてトップに、パッシーニはタイヤトラブル
17ラップ目の1コーナーでペセックはガデアとラバトの2台を交わして先頭に立ち、4番手のファウベル、5番手のタルマクシ、6番手のコルシ、7番手の小山選手がトップの3台を追う中、リアタイヤに問題を抱えてペースの続かなくなったパッシーニは先頭集団からやや離れた8番手でメインストレートの終端部分を通過している。
残り2周の18ラップ目に入ってもペセックはそのままトップを維持し、その背後ではラバトとガデア、およびファウベルの3台が表彰台圏内をそれぞれに奪い取ろうと必死だ。
■不運の小山選手、最終ラップの1コーナーでマシンが停止
最終ラップとなる19ラップ目のメインストレート、ペセックがグランプリでの初優勝を目指して先頭での猛加速を見せた直後の1コーナー、最終ラップでのポジションアップを確信し、トルコに続く2度目の表彰台を狙っていたKTMの小山知良選手のマシンが突然エンジントラブルにより停止した。
■小山選手「次回は幸運に恵まれたい」
エンジンを再始動する事ができた小山選手は、レースへの復帰を試みて再び走り出すが、続くヘアピンの中でエンジンは完全に停止。最後の1周を残して無念のリタイアとなった。小山選手はレース後に「最終ラップのアタックでは表彰台を狙ったいたのに1コーナーで突然ピストンが死んでしまった。レースだから仕方ないけど、次戦ではもう少し運に恵まれたい。」と述べ、最終ラップでの不運を悔しがっている。
■ガデアも小さなエンジントラブルを抱えて後退
また、2番手を争っていたガデアのマシンにもここで小さなエンジントラブルが発生しており、加速が悪くなったマシンは6番手付近にまで後退。これにより、最終コーナーに向けての優勝争いは、先頭を行くペセック、2番手のファウベル、3番手のラバトの3台に絞られる形となった。
■ペセックがグランプリ初優勝、2位はファウベル
混戦のバトルを制して最初にチェッカーを受けたのは、デルビのルーカス・ペセックだった。昨年からはトップ集団の常連になっていたペセックだが、グランプリで優勝を飾ったのは今回の中国グランプリが初めての事だ。この勝利によりペセックは、今回4位でレースを終えたバンカハ・アスパルのガボール・タルマクシを2ポイント追い抜き、ランキングのトップ(71pt)に立った。
ペセックに続き2位表彰台を獲得したのは、今シーズン開幕戦の勝利者であるバンカハ・アスパルのエクトル・ファウベル。中国グランプリを終えた時点のファウベルのランキングは、チームメイトのタルマクシから4ポイント差の3位。
■ホンダに今期の初表彰台をプレゼントしたラバト
ファウベルに続く3位でチェッカーを受けたのは、第2集団から激しい追い上げを見せて先頭集団に加わり、レース後半をリードして見せたレプソル・ホンダのエステベ・ラバトだった。なお、今年から125ccクラスへのフル参戦を開始したばかりのラバトは、今回のレースで125ccクラスにおけるホンダにとって今期初の表彰台を獲得する事に成功している。
ラバトのランキングは、今回リタイアしてランキングを8位に下げた小山選手と同ポイント(26pt)の9位に浮上した(全てのライダーの順位は結果表を参照の事)。
・決勝時の気温は21度、路面温度は29度、湿度は27%。路面状況はドライ。
・上海のサーキットレコード(125cc)は2006年にA.バウティスタが記録した2分12秒131。
・上海のベストラップレコード(125cc)は2006年にM.カリオが記録した2分11秒572。
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