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2007年1月13日
2006年のMotoGP年間シーズンは全17戦だったが、3月10日に開幕レースを迎える2007年シーズンには、ウェイン・レイニーがレースキャリアに終止符を打ってから14年間GPが開催されていないサン・マリノのミサノ・サーキットがカレンダーに加わる。これにより、今年のMotoGPは全18回のレースが世界16ヶ国で開催される事が決定している。
■多くの移動を伴うMotoGPの年間シーズン
昨年はオフウイークを間に持たない3連戦が年間に2回あった事から、過密スケジュールがライダーの疲労を呼び、それが事故につながるとの懸念が主要なライダーたちのコメントとして発表された事もあり、今年はGP開催回数が一回増えたにもかかわらず、3連戦は一度も起きないように配慮されたようだ(2007年度MotoGPスケジュールはリンク先を参照の事)。
3連戦がなくなっても、MotoGPなどの世界グランプリに関わるライダーやチームが、1年間に多くの移動をこなし、緻密な移動計画を縫って活動する事にかわりはない。果たして彼らはどうやって効率的に計画を練り、多くの機材の搬送を伴う移動の手配および実行をしているのだろうか。
■年間に50回は飛行機で移動するMotoGP関係者
昨年を例にあげれば、マレーシアGPが終了した9月10日に各チームは荷物をまとめ、1万7千キロ離れたオーストラリアのフィリップ・アイランドで9月15日の朝には最初のフリー・プラクティスをこなしている。このような慌ただしい移動を何度も年間に経験するGPスタッフの苦労は、恐らく並大抵のものではない筈だ。
どのMotoGPチームのメンバーも、IRTAテストを含まない年間シーズンだけでも約50回程度は飛行機に乗り移動している。また、1年間に平均して各チームは11万キロメートル(世界一周の8.5回分)の距離を移動し、一人あたり合計230時間から250時間は飛行機の中で過ごしている。
■移動計画を担当するのは少人数
殆どの場合、この年間のチーム全体の移動計画を、各チームごとに1人の担当者が計画、手配しているという。スタッフのホテル予約やレンタカーの手配、ならびに輸送会社への機材の綿密な搬送指示など、全てこの担当者の仕事だ。もちろん、一人の担当者が全ての移動計画や実行を取り仕切るのには限界もあるため、彼らは外部にも作業を委託している。
■MotoGP専用の旅行会社が存在
MotoGPパドック内には、常にグランプリ・レース専用のトラベル・エージェンシーが存在している。フライ・アウェイ・スポーツ・トラベル(Fly Away Sports Travel)がその会社だ。MotoGPチームの海外移動に関する手配を、この社員9名の小さな会社が各チームから請け負っている。
このフライ・アウェイ・スポーツ・トラベル社は1994年に設立された会社であり、所有する全ての事務所を衛星ネットワークでデータ接続しており、世界のどのような場所からでもインターネットが利用できる環境を構築しているという。社員9名のうち、3名は必ずMotoGPが開催されるサーキットの現場に移動しており、どこでも各チームから直接的に作業委託を受ける事が可能な体制を整えている。
このサービスを利用しているグレッシーニ・チームによれば、フライ・アウェイ・スポーツ・トラベル社を婦人と共に経営するマッシモ・ベルトッチ氏は、「自動車での移動中に航空チケットの手配をしたこともありますよ!」と述べ、同社の通信インフラの自由度とサービスの迅速性に高い自信を示しているようだ。
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