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2008年1月19日
マクラーレン・チームは、昨年の12月末にヘイキ・コバライネンとの2008年度契約を発表した時点において、2007年度に同チームの正ドライバーを務めたルイス・ハミルトンとの契約も2008年度に向けて更新する事を表明していたが、今回チームは正式にハミルトンとの契約更新内容を発表した。契約延長期間は5年間だ。
■マクラーレンとハミルトンの契約延長は5年間
イギリスの拠点を持つボーダフォン・マクラーレン・メルセデス・チームは1月18日の金曜日の現地時間の夕刻、2008年以降のルイスハミルトンとの契約を2012年まで延長する事を正式に発表した。これにより、カートレース時代からの過去10年間に加え、今年の2008年シーズンを含む今後5年間も、ハミルトンはマクラーレンF1チームにシートを確保する事になった。
今回の発表に際し、マクラーレン・グループのCEOでありチーム代表を務めるロン・デニスとルイス・ハミルトン本人、ならびにボーダフォン・マクラーレン・メルセデスのCEOに就任したマーティン・ウイットマーシュ氏とメルセデスベンツ・モータスポーツの副社長を務めるノベルト・ハウグ氏が声明を公開しているので、以下にそれらを紹介する。
■ロン・デニス「昨年はルーキーとして予想を遙かに上回る活躍」
ボーダフォン・マクラーレン・メルセデスのチーム代表を務めるロン・デニスは、マクラーレンとルイス・ハミルトンの関係はこの業界での最長記録になるだろうと述べ、以下の通りコメントした。
「ルイスとの契約を更新できた事を、ここに発表できて大変に嬉しく思います。これから先2012年までの5年間を、わたしたちは共に戦う事になります」とロン・デニス代表。
「2006年の11月にルイスとのフォーミュラワンでの最初の契約を交わして以来、フォーミュラワンのルーキーとしての全ての予想を遥かに超える活躍を彼は見せてきましたが、この驚きは過去10年間の彼を良く知っていたわたしたちにとっても同じでした」
「2007年シーズンを通して彼が見せてきた実力は、必要とされた経費の額を十分に上回るものでしたから、この結果を見てわたしたちはハミルトンのマネージャーを務めるアンソニー・ハミルトン氏との友好的な契約交渉に入った訳です」
「今回の発表により、ルイスとわたしたちとの関係は合計15年に及ぶ事になります。これは1スポーツ選手とチームの関係としてはこのスポーツの歴史の中でも最長記録となるでしょうし、特にモータースポーツの世界では大変に希な事です。これはアンソニーを含む関係者全員が成し遂げた偉業と言えるでしょう」
「ルイスは個人としてもプロとしての面でも特別な人間であり、チームは今後も彼を信頼し続けていきます。ボーダフォン・マクラーレン・メルセデスは新しいシーズンを迎える事を楽しみにしていますし、また、ヘイキがルイスのチームメイトとして参加した事で、来年は非常に高いレベルの戦いができるとメンバーの全員が信じています」
■ルイス・ハミルトン「再び世界タイトルに挑戦する」
今回マクラーレンとの契約を12年まで延長するに至った昨年度のF1ランキング2位、ルイス・ハミルトンは、再びドライバーズとコンストラクターズの世界チャンピオンを2008年から狙いたいと以下の通り語った。
「自分にとってはボーダフォン・マクラーレン・メルセデスが2012年まで契約を延長してくれるなんて本当に素晴らしい事です」とハミルトン。
「去年はフォーミュラワンのチームとしては初年度でしたが、わたしはマクラーレンおよびメルセデス・ベンツとは1998年からの関係がありますから、そのおかげでフォーミュラワンでの経歴をスタートする最初の1年目から、このチームのための仕事をリラックスして行う事ができました」
「レースで将来的にドライバーズとコンストラクターズの年間タイトルを狙う上で、本当に正しいチームに入れたと思っています。今後も多くの挑戦が続く事になりますが、それらの目標を実現できる人たちに囲まれていますから、100%前向きな姿勢になる事ができます」
「その挑戦の1つの手始めが2008年シーズンです。ヘイキとは一緒に楽しく仕事を進めていますし、ペドロやゲイリー、それに他のチームのメンバーとも一丸となってMP4-23の開発を進めています。」
「アルバート・パークでのスターティング・グリッド上でシグナルが消えるのを見るまでにこれから57日間ありますが、そこまでの時間を最大限に活用し、メルボルンには高い戦闘力のマシンを持ち込めるようにする意欲に満ちあふれています」
■マーティン・ウイットマーシュ「特に議論は必要なかった」
ボーダフォン・マクラーレン・メルセデスのCEOとなったマーティン・ウイットマーシュ氏は、今回の契約への合意はスムーズに進んだとして以下の通り説明した。
「2007年シーズンの終わりまでに、ルイスは過去のルーキーたちの記録を全て打ち破りましたが、ボーダフォン・マクラーレン・メルセデス・チームはすでに2008年シーズンに向けての挑戦に全ての視線を向けています」とウイットマーシュCEO。
「1月9日の水曜日に、チームはルイスのマネージャーとの協議の場を設けており、それにより今回の合意がめでたく成立するに至りました。その段階においても、ルイスとはまだ昨年に結んだ契約が進行中でしたので、正確には特に議論が必要だった訳ではありません」
「ヘイキはチームに12月から加わりましたが、それから彼とルイスは力を合わせてチームの力になろうと一緒に頑張ってくれていますので、次のシーズンも大変に白熱したものになると自信を持って言えます」
■ノベルト・ハウグ「昨年からすでにトップクラスだった」
メルセデスベンツ・モータースポーツの副社長であるノベルト・ハウグ氏は、昨年度のハミルトンの活躍を高く評価し、さらにF1以前のハミルトンの歴史も振り返りながら、以下の通りコメントしている。
「ルイスはその特別な能力を、ルーキー・シーズンだった昨年の17レースの内、1年目にして4回の勝利と6回のポールポジションを記録、僅か1ポイントの差で世界チャンピオンの背後につけた事で証明しました」とハウグ副社長。
「マクラーレンとメルセデスがルイスとここまでの10年間を共に戦ってきた事はすでに有名な事実です。MBMのカートチームに所属していた頃の彼はまだ少年でしたが、ルイスが昨年に見せた実力と活躍、ならびにチームとメルセデス・ベンツ社を代表して聴衆の前に姿を見せた様は、すでにどれもトップクラスでした」
「彼の父親であるアンソニー氏とその家族の存在は、彼が成長する過程において大きな役割を果たしています。わたしたちはフォーミュラワンでの長期に渡る協力関係を開始するに至りましたが、ボーダフォン・マクラーレン・メルセデス・チームの全員が、目標の達成に向けて必死に頑張り続ける事は言うまでもないでしょう」
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