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2008年1月17日
年明けのヘレス合同テスト2日目の1月15日、過去に6年間在籍してF1年間タイトルの2連覇を達成した古巣のルノーF1チームに1年ぶりに復帰を遂げたフェルナンド・アロンソは、昨シーズンの最終戦以来となるサーキットでの初走行を披露し、この日のトップタイムを記録している。
■ルノーF1チームの公式プレスが復帰1日目のアロンソに質問
INGルノーF1チームの公式プレスは、今回のアロンソの復帰1日目の夕方に彼へのインタビューを実施し、その内容を世界のメディアに向けて公開している。1年ぶりに戻ったチームの印象やトラクション・コントロールのないテストマシンを初めて走行しての感想、ならびに昨年のチームメイトとの関係など、興味深い質問の内容は多岐にわたっている。
■フェルナンド・アロンソ インタビュー
ここでは、その1月15日に行われたインタビューの全文を以下に紹介する。
●明けましておめでとうフェルナンド。2008年からルノーで走る事を発表してからは、今まで何をしていましたか。
スペインでクリアスマスを家族や友人たちとリラックスして過ごしました。
それ以外はスイスに移動して体力トレーニングを始めていました。1年の中でもすごく多くの集中的な作業が待ち受ける時ですからね。
●新しいシーズンに向けて、冬季期間中を通してどのようなトレーニングを行っていますか。
常に最大限の力を発揮できるようにするには、冬の間に基礎体力をしっかりと整え、体調を万全にしておく事が大切なんです。もちろんシーズン中の各レースの間にも軽いトレーニングは続けますが、1年の開始時期が最も集中的にトレーニングを行う時期になります。
主に取り組んでいるのはジョギングと水泳、それとジムに通っての訓練です。
●2008年に3つの願いが叶うとすれば何を望みますか。またその理由も聞かせてください。
1つ目はみんなの健康ですね。特に自分の身近にいる人たちの健康は、自分にとって一番重要な事だと思うからです。
2つ目は幸福である事です。なぜなら、それが次に大切な事だからです。
3つ目は今年の仕事がうまくいく事ですね。この3つと、それ以外の色んな多くの自分の願いが2008年には達成できればいいなと思っていますよ。
●2007年はフォーミュラワンの世界にとってもあなた個人にとっても、色々な点で論争の的になる事の多い1年でしたね。2008年に向けてはどのような姿勢で取り組もうと考えていますか。
いつのシーズン開始時期でも自分が狙うのは、自分の可能性を最大限に引き出せるように頑張って最善の努力を尽くす事だけです。
INGルノーF1チームと一緒なら、その目標が達成できる事は分かっています。なぜなら、過去にもそれを成し遂げた経験がありますからね。
自分は可能な限りの全ての力を出し切りたいと思っていますし、チームも勝利に向けてはどんな努力もする覚悟でいます。このスポーツに取り組む上での姿勢は、常にそういうものですよ。
●今日、あなたはルノーでの活動を開始しましたが、ルノーで仕事をするのは2006年に年間タイトルを獲得して以来の事ですね。チームのメンバーと再会した時にはどのような気分でしたか。
ものすごく嬉しい気分でしたね。いい思い出と膨大な安心感に包まれました。
今のチームのカラー・デザインは自分にとっては初めてのものですし、ヘルメットのデザインも今シーズンに向けて新しくなりました。ただ・・・、唯一足りなかったのは新型のマシンだけです!
●今回はR27(2007年型車両)で行う事になった今年最初のテストですが、どのくらいの結果を予想していますか。また目標があれば教えてください。
今回のテストには特に具体的な目標は設けていません。
個人的なレベルで言えば、電子制御によるドライバー・アシスト機能がない車で走るのに慣れるいい機会だと思っていますので、この2日間は単純に新しいルールに沿った車に適応するための練習に使うつもりです。
●ルノーと一緒に戦う2008年は、あなたにとっては全く新しい冒険の年になると見ていますか。それとも、過去のストーリーの続編としてのページを新たに開くような気分でしょうか。
その両方で間違いないと思いますよ。チームは2006年に自分が離れた時のものとは全く別物ですからね。
かなり大きな変更がいくつもあったようですし、色々な部分に改善が見られます。それに多岐の分野にわたり強化がなされていますから、1つの見方をすれば、新しいチームで新しい冒険を開始するようなものです。
またその一方で、過去の6年間をルノーのドライバーとして過ごしてきたのを忘れる事など不可能です。あの頃の思い出は今でもすごく印象的なものとして心の中に強く残っているんです。
●2007年当時のチームメイトとの関係について昨年は色々と書き立てられましたが、2008年のネルシーニョ(ピケJr)との関係はどんな風になると思いますか。
昨年にも言いましたが、あまりにも間違った内容が多く書かれすぎです。ただまあ、新聞を売るためだってのは理解していますけどね。
まだネルシーニョの事をあまり詳しくは知りませんが、彼はいたってノーマルな人に思えますよ。フォーミュラワンの中で楽しく過ごしたいと思っているナイスガイに見えますし、マルケスやバトン、トゥルーリやフィジ、モンタニーやマクニッシュなど、彼らは全員かつてのチームメイトですが、彼らと何の違いも見いだせません。これらの誰ともうまくやってきましたし、全員が今でも友人のままです。
それに2008年は誰とも問題なんか起きない筈ですよ。ブラビオ(チーム代表)は今までにも常にそういう状況をとてもうまくマネージメントしてきた人ですからね。
●R28(2008年型マシン)についてはどこまで把握していますか。また、新しい車にはどんな事を期待していますか。
R28の性能を期待できるいくつかのデータはすでに見ましたが、それ以上について今は何も知りません。
新しい車が披露される時の期待感はいつでも非常に高いですよ。色んな願いをかけて車を仕上げていく事になりますからね。ただいずれにしても、いつもそうですが、その車を実際に最初に走らせてみる時を今は待つしかありません。
●1回目のテストはどんな感じでしたか。また、車(2007年型ベースのテスト車両)にはどのような印象を持ちましたか。
今回はF1のマシンに乗る事自体が久しぶり(最終戦のブラジル以来)でしたから、まだ少し様子見といった感じでした。でも、チームと一緒に仕事を開始するのは待ちきれない気分でしたよ。
それにもちろん、トラクション・コントロールのない車で走ったのは今回が最初です。でも作業が終盤に入る頃には、何回かリスクを冒すような走りもできるようになってきました。
全体的には、1日目の作業はかなり順調だったと思います。
●ドライバー支援機能のない車で走った時の第一印象はどうだったでしょう。それによりドライバーにとっては何が大きく変わりますか。
車はそれほど過激に変わったとは思いませんでした。これはむしろドライバーが、自身の限界点をどう見つけて、ドライビング・スタイルをそれにどう合わせていくかの問題だと思います。
シーズンの序盤にはそういう事に直面するんでしょうね。ただ、レースを2回か3回経験すれば、今までドライバー支援機能を使ってどういう風に走っていたかさえ忘れる事ができるようになる自信はあります。
新しいレギュレーションに従う以上、誰もが同じ条件の課題に取り組む事になりますから、結局最後はドライバー自身の適応力が問題になる筈です。
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