|
|
|
F1中国GP、レース後の全ドライバーと関係者の詳細コメント |
|
|
|
|
2007年10月10日
以下に、F1中国GP決勝レース後の全ドライバーと関係者の詳細コメントをまとめて紹介する(レース全体の流れはこちらの記事を参照の事)。
■優勝)キミ・ライコネン フェラーリ
すごく嬉しいですね!自分にとっても、素晴らしい活躍を見せてくれたチームの全員にとっても、本当に素晴らしい結果でした。この勝利は本当に欲しかったものですし、その望みが叶いました。
レースの序盤はひどいアンダーステアを抱えていましたが、状況は次第に良くなりました。自分はドライタイヤに交換するのが非常に遅かったドライバーの1人でしたが、再び雨がしばらく降った事でそれがいい展開を生んだと思います。
2回目のピットストップ後にもまだ若干アンダーステアの挙動はありましたが、レースの終盤に向けては最初と同じように状況は改善されていきました。アロンソがすごく速いのは分かっていましたが、あの状況の中ではすでに精一杯の状態だったんです。
マシンの調子はウェットでもドライでも全体的に好調でした。先週のフジは不運でしたが、今日は自分たちにいい流れがきましたね。今回のレースは、このスポーツの世界ではどんな事でも起こり得るという実例になったと思います。
年間タイトルの観点から言えば、まだ状況は非常に難しいですよ。最終的な結果は自分たちの頑張りに見合わないものかもしれませんが、それでもブラジルでは全ての力を発揮できるように頑張るつもりです。
最後はおもしろいバトルになる筈です。予想が難しいし、面白くなるでしょうね。
●フェラーリ・チーム代表:ジャン・トッド
スクーデリア・フェラーリのフォーミュラ1における200勝目を、ここ上海で祝う事ができたのは大変に素晴らしい事だと思います。複雑で予想がつかない不安定な天候により、本当に難しいレースでしたね。
キミはこれで今シーズンの通算5勝目を数え、チームとしては通算8勝目になります。彼はいかなるミスも犯す事なく、驚異的なレース運びで勝利しました。
フェリペもいいレースを見せてくれましたね。おかげで厳しい走行条件の中でドライタイヤがどのような挙動を見せるのか、チームが把握するのに大変に役立ちましたが、雨が少しの間戻ってきた事が彼のレースに影響したのは誠に残念でした。
日本GPの難しい週末では多くのチームが大変な目に合いましたが、その経験が今回は活きたように思います。
また、今回ポイント獲得を果たした私たちの友人であるトロ・ロッソ・チームにも、祝福の言葉を贈りたいと思います。4台のフェラーリがトップ8に入ったのは大変に素晴らしい事です。
私たちの目標であるドライバーズ・タイトルの獲得が今でも非常に厳しい事は良く理解していますが、このまま最後のレースの最終ラップまで全力を尽くして挑みたいと思っています。
●フェラーリ・レース・エンジニア:ルカ・バルディセッリ
恐らく今回は今シーズンの中でも一番難しいレースだったのではないでしょうか。雨が降ったりやんだりの不安定な天候に流れが左右されましたからね。
最初のピットストップで、結果としてキミはハミルトンとの差を開く事になりました。もっと早い時期に追い抜く事もできたとは思いますが、イエロー・フラッグが出ていたんです。その後に路面が乾いてからは、キミはペースを挙げてアロンソからの攻撃のチャンスを潰しにかかりました。
多分フェリペに関しては、チームがドライタイヤに変更するタイミングを焦りすぎたんだと思います。雨が降ってしまったのは都合の悪い流れでした。
結果としては非常にいいレースができたと言えるでしょうね。これは2名の非常に優れたドライバーの、不安定な路面状況への適応力のおかげです。サンパウロは激しいレース展開が予想されますが、最終ラップの最終コーナーまでベストを尽くします。
■2位)フェルナンド・アロンソ マクラーレン・メルセデス
今日は自分にとってはすごくいい結果でした。
レースの最初からフェリペとのバトルになりましたが、残念ながらオープニング・ラップ終盤には彼の前を走る事ができていません。その結果、彼のうしろで大きくタイムをロスする事になってしまいました。彼を高速コーナーで追い詰めるにはダウンフォースが足りていなかったんです。
ウェットのブリヂストンで走っていた最後の方は、タイヤがほとんどスリックみたいにすり減ってしまい難しい状況でしたが、最後に雨が降り出すまではできる限りその状態のまま走り続けるように頑張りました。最後のピットストップではフェリペの前に出る事ができたので、結果としてこの作戦は正しかったですね。
今回のレース結果でタイトル獲得の可能性が上昇したとは思いますが、決して簡単だとは思いません。でも、2週間後にチェッカー・フラッグを見るまでは絶対に諦めません。
●マクラーレン監督:ロン・デニス
レースの序盤はミスをしないように誰もが慎重に走っていましたね。
ルイスは順調にレースをリードし、フェルナンドと2台のフェラーリよりも若干早くピットストップを行いました。それらの全てのマシンがタイヤ交換を行わなかったので、私たちの作戦が正しかったのは明白です。自分たちと同様にライバルたちも、通り雨が過ぎるのを、ドライ・タイヤに履き替える直前まで我慢しようとしていました。
その後、ルイスは最初にピットストップしましたが、タイヤの状態から濡れたピットレーンで小さなミスを犯してしまい、大回りをしてグラベルに飛び込む結果に終わりました。フェルナンドの2度目のストップはその次くらいの周回でしたが、彼はそこから素晴らしいレースを見せ、年間タイトル候補の座を着実に取り返してきましたね。
いつも通り、私たちは次戦のグランプリに集中します。フェルナンドとルイスの両方がキミよりもポイントをリードしていますから、シーズン最終戦となるブラジルはとても面白い事になる筈ですよ。
■3位)フェリペ・マッサ フェラーリ
勝利を狙って戦いたかったです。でもレースは不安定な天候の影響をもろに受けてしまいました。
ドライタイヤに変更したタイミングが理想的とは言えませんでしたね。雨がすぐに戻ってきてしまい、コース上でラインを維持するのは難しい状況になったんです。いずれにしても、ああいう状況でリスクを冒す場合は、うまくいく事もあればだめな時もあります。
ただ、タイヤが消耗した事で難しい状態が続きましたが、レースの終盤にはすごく調子が良くなりました。全体的に見れば、最終的には表彰台でレースを終える事ができた訳ですから、今回はそれが重要でしたし、チームのためには満足いく結果だったと思います。
残りは1レースですが、何があっても不思議ではないので、ライバルの前を走り続けられるように頑張り続けるつもりです。
■4位)セバスチャン・ベッテル トロ・ロッソ
スタートがグリッドの真ん中付近でしたから、レースの序盤はすごく難しかったです。数メートルの範囲の視界は確保できましたが、それ以上は水しぶきがひどかったですね。だからスタートした後は滑りやすくてリスクが高くても、何台かの車から抜け出す事に全勢力を使いました。
可能な限り激しく攻め続けて、コバライネンを交わした後はやっと視界が広がり、そこからはもっと激しく攻める事ができるようになったんです。ドライタイヤに履き替えるのと同時に雨が降り出しましたが、有り難い事にすぐにやんでくれました。
ジェンソンとのバトルになりましたが、途中で彼が2ストップ作戦を取っている事に気がついたので不安はありませんでしたね。最後の20周はペースを落とさなければいけないような厳しい状態でしたが、それでも信じられないほとにうまくいきました。
チームの全員にとって素晴らしい日になりました。だってトニオ(リウッツィ)も6位完走ですよ。昨日はグリッドのペナルティーを受けて気分的には最悪でしたが、今日は走りでリベンジを果たす事ができて本当に良かったです。イタリアのファクトリーから出る時にみんなから「セバスチャン、ポイントを取り返してこいよ」と言われたので「頑張ってみる」と返事をしていたんです。
フジではあともう少しでしたが、今回はやっと素晴らしい成績を残す事ができました。これからピットストップの時にすごい仕事をしてくれたチームとお祝いします。彼らの作戦は素晴らしかったですよ。
●トロ・ロッソ共同オーナー:ゲルハルト・ベルガー
チームの頑張りと両方のドライバーのおかげで素晴らしい結果を残す事ができました。全員がものすごく頑張ってきましたからね。今年はちょっとだけ不運に見舞われがちでしたが、今日はすべてがうまくいきました。
チームの努力が生んだ成果です。限られた資源の中で必死に戦い戦闘力を維持する事ができるようになりましたが、さらにもっといい仕事はできます。
すぐに次のサン・パウロですが、もっとポイントが獲得できるよう頑張ります。
■5位)ジェンソン・バトン ホンダ
今日は素晴らしいレースでしたね。今シーズンの最高位でしたし、4ポイントを獲得できてすごく嬉しく思います。
レースの序盤はウェットの中でマシンの調子があまり良くなくて苦しみました。グリップが得られていなかったので、そこではポジションを落としています。
路面が乾いてきたのでピットストップを決断し、ドライのオプションタイヤに履き替えて燃料を軽く補充しましたが、そこからはファーステストを記録したり、もう最高の気分でした。
たくさんの車を交わす事ができたし接近戦の楽しいレースでしたね。今日はポイントを獲得できたので本当に満足しています。
●トヨタ・エンジニアリング・ディレクター:ジャッキー・エッケラート
アジアでの一週間に2回のウェットレースですから、実に挑戦のしがいがありましたね。今回はスタンダードのウェットタイヤを使う上ではいい路面状況だったと思います。1チームだけはエクストリーム・ウェット(悪条件用レインタイヤ)を選んだようですが、これは明らかに今回の路面にはふさわしくなかったでしょう。
レースの序盤に自分たちのマシンは他の車の中でペースを維持するのに苦労していましたが、これは燃料を多く搭載していたからです。
みんながドライタイヤを履きにピットに戻ってから再び雨が降り出したので、ルーベンスはウェットを選択しました。これはギャンブルでしたが、雨は2周回を走ったところでやんでしまい、ルーベンは余分なピットストップを強いられる結果となり、これにより彼のポイント圏内での完走の夢は消え去りました。
ジェンソンは予定よりも早くピットに戻りました。路面がウェットタイヤで走るには乾きすぎていたからですが、この結果、私たちは予定していた1ストップ作戦を実施する事ができなくなり、計画していた優位性を確保する事ができていません。
しかしながら、コースがマシンで混雑していてレースの前半はいくつかポジションを落としましたが、ジェンソンは怒濤の走りで5位完走を成し遂げています。しばらくポイントを獲得できていませんでしたから、チームが非常にいいムードになりましたね。
■6位)ビタントニオ・リウッツィ トロ・ロッソ
レースの最初から終わりまで素晴らしかったです。もう全てが完璧でした。セバスチャンの1ストップ作戦の方が優れていたと思いますが、今はもうそんな事どっちでもいいです。
両方のドライバーがポイントを確保できましたから、チームにとって本当に素晴らしい結果になりましたね。自分もミスをする事なくウィリアムズとルノー、それにBMWといいバトルができました。
自分たちに今回以上の活躍が不可能だとは思いませんし、チームのためにも彼らが頑張った分に見合うだけのポイントを持ち帰る事ができてすごく満足しています。今年は何度もポイントが獲得できるだけの力を見せてはきましたが、一度も結果にはつながりませんでしたからね。
今は全員が大満足です。今回はチームの成長とみんなの優れた仕事ぶりを見せつける事ができましたので、次のブラジルには本当に前向きな姿勢で向かう事ができます。自分たちの力をフジとここの両方で示す事ができた後ですからね。
■7位)ニック・ハイドフェルド BMWザウバー
今日は4位も可能だったので、ものすごくがっかりです。
今だから言える事ですが、28ラップ目から2度目のウェットタイヤに履き替えたのは間違いでした。あの時に最初のウェットタイヤは完全に終わってしまっていて12秒ほどロスしていましたし、何よりもあれからもっと雨が激しくなると思っていたんです。でも32ラップ目を過ぎたところで、またドライタイヤを履きにピットに戻る羽目になってしまいました。
レースの序盤は調子が良くて、グリッドの位置からポジションを2つ上げる事に成功し、ほとんど表彰台圏内でした。4ラップ目にヘアピンの前のブレーキングでミスを犯し、そこでリウッツィに抜かれてしまいました。
レースが進んだところで彼には追いつきましたが、そのまま抜き返す事はできていません。各コーナーではものすごく接近したんですけどね。でも、ストレートでは全然だめでした。
●BMWザウバー・チーム代表:マリオ・タイセン
チームにとってはひどく大変なレースウイークになりました。金曜日と土曜日にも3回の油圧系トラブルが発生しています。
ヨーロッパでのレースとは異なり、ここではそういう問題を分析して対処を取るチャンスがないんです。だからレースが始まる前からトラブルが発生する危険性は分かっていたんですが、それで結局、ロバート(クビサ)はレースをリードしている最中にマシンが停止するという辛い状況に陥りました。
ニックについては特にテクニカル上の問題は発生していませんが、通り雨のせいで2度目のタイヤ交換をする事になり、その結果として彼はポジションを3つも落としました。
月曜日の朝には調査を開始できるように、私たちは今回問題のあった部品を手荷物の中に混ぜてミュンヘンに飛ぶつもりです。
当然のことながら、私たちも最後のタイトル争いがどうなるのか非常に興味がありますし、新しい世界チャンピオンが最終戦で決定する事を嬉しく思っています。
●BMWザウバー・テクニカル・ディレクター:ウィリー・ランプ
厳しい気象条件の下、大変なレース展開になりました。
どちらの車にもレイン用のセッティングを施し、スティントを長く取れるように計画していました。しかしながら、ニックのピットストップのタイミングはあまり完璧とは言えませんでしたね。このために彼は順位をいくつか落とす結果になっています。
ロバートはレースをリードしている真っ最中にトラブルに見舞われましたが、これは非常に辛い事態でした。
私たちはこれから、シーズンの最後となるブラジルを完璧な状態で迎えられるように、可能な限りの準備を進めるつもりです。
■8位)デビッド・クルサード レッドブル
フラストレーションの溜まるレースでした。
5番グリッドからスタートしての8位完走は非常に残念な結果です。ただ、中国でポイントの獲得ができた事に関しては、ウィリアムズとのランキング4位争いを考えれば良かったと思います。その差はさらに接近しました。
今日のタイヤ交換はちょっと宝くじみたいな感じでしたね。残念ながらドライタイヤに履き替えたタイミングで小雨が降り出し、次の2周回で30秒もロスする結果に終わりました。
●レッドブル・チーム代表:クリスチャン・ホーナー
レース序盤は気象条件が不安定でしたから、正しいタイミングで正しいタイヤを選んでドライバーを走らせられるかどうかに勝負がかかっていました。
スタートから最初のピットストップまで、デビッドはウェットタイヤで先頭集団の背後の5番手につけていました。あの段階ではドライを履くのが正しく思えたので交換作業を行い、最後まで走りきれる量の燃料を入れましたが、彼が再びコースに戻ろうとピットレーンを離れた直後にまた少し雨が降り出し、結局彼の貴重なタイムをロスする結果に終わりました。
ドライタイヤを選択したドライバーたちはその優位性を確保することが今回はできていませんでしたね。
マークについては全く逆の状況でした。彼は湿った路面ではマシンに問題が発生し、あまりいい状態ではなかったので、かなり早めにドライタイヤに履き替えたんです。その時点では正しい決断だったと思いますね。そしてまた雨が降り出してウェットに履き替えてからドライタイヤに交換するまでの2周回は、その時にコースを走っていた車の中では一番速いペースを記録していました。
ですが不幸にして、結局彼はポイント圏内でレースを終える事はできていません。2台の両方がトップレベルで戦えるポジションからスタートしたのに、これは非常に残念な結果でした。獲得できたのはたったの1ポイントですから、これには本当にがっかりです。
今日はトロ・ロッソが4位と6位を獲得していますね。彼らには祝福の言葉を贈りたいです。
●ルノー・チーフ・エンジニア:ファブリス・ロム
今日の結果は少し残念でした。マシンの状態は良かったんですが、こういう不安定な走行条件では正しいタイミングで正しいタイヤを選択できるかどうかが重要なんです。その後は最終的に5番手から10番手までが15秒以内という接近戦に再びなりましたが、このレース内容ではあまり意味がありませんでした。
今回のトロ・ロッソの活躍を祝福したいと思います。同時に自分たちが同じように戦えなかった事が非常に残念でなりませんが、だからと言って今回の結果が、私たちのマシンの調子がレースウイークを通して非常に高かったという事実を変えるものではありません。エンジンは大変に好調でしたし、アジアの2レースを通してトラブルは皆無でした。
1ポイントのみという成績は、本来であればもう少し上が狙えただけに残念でなりませんが、それでも貴重な事に代わりはありません。
■9位)ヘイキ・コバライネン ルノー
レースの最初が自分にとっての災難でした。スタートはうまくいって順位を3つあげたのに、アンダーステアがひどくてグリップもかなり悪かったんです。すぐに4台に交わされてタイムも大きくロスしました。
ドライタイヤにはいいタイミングで交換ができて、そこからはマシンの調子がすごく良くなったんですが、レースの中盤に変な形でタイムをロスしたんです。
キミが自分を周回遅れにしたんですが、彼は古いウェットタイヤを装着していて、自分は新品のドライタイヤだったんですよ。路面が濡れていたのでラインを外す事ができずにいましたし、トップを行くドライバーと事故を起こす訳にはいきませんから、彼を抜ける状態になるまでにだいたい7秒から8秒くらいロスしています。
その後はできる限り激しく攻めましたが、デビッドを交わすには至りませんでした。自分は速くは走れていたと思いますが、十分とは言えませんでしたね。
ドライではすごく調子良く走れたのにこの成績で終わった理由は昨日の予選結果です。マシンは全体の4番手タイムを記録していましたし、チームはもっと高い成績を獲得して然るべきでしたが、今日は彼らにふさわしい結果を残す事ができずに残念です。
残るはブラジルだけですが、もう後はいちかばちかやってみるしかないですよ。
●ルノー・エンジニアリング責任者:パット・シモンズ
スターティング・ポジションが低い中での不安定な走行条件という、非常に挑戦しがいのある難しい状況でした。
レースの中盤は異なる2つの戦略をもって全ての可能性を網羅しようとしましたが、2台とも似たような結果になりましたね。結局はレースウイークの一番重要な日に速く走る事ができませんでした。
しかしながら、私たちのコンストラクターズにおける年間順位はこれで決まりましたので、後は間違いなく白熱するインテルラゴス・サーキットでの今シーズン最後の戦いをいい結果で締めくくれるように頑張るだけです。
●ルノー・エンジン・オペレーション責任者:デニス・シェブリエ
昨日の午後と今朝に作戦を立てましたが、それが気象条件に大きく左右されてしまい、予想のつかない不安定なウェット-ドライのコンディションによってあまり努力が報われない結果に終わってしまいました。
13番グリッドと18番グリッドという低いスターティング・ポジションが悪影響を及ぼしたのも事実でしょうが、ポイントが少し足りない時に、こういう走行条件によってチャンスを逃すというのは大変に悔しい事です。
これで残るはブラジルだけですが、今回のレースからしっかり学び、今シーズン最後のレースでは自分たちの力を全て発揮できるようにしたいと思います。
■10位)マーク・ウェバー レッドブル
最初のスティントでのウェットタイヤ装着時にアンダーステアがひどくて1コーナーと12コーナーを抜けるのが難しい状態でした。どちらもラップタイムを稼ぐのには重要なコーナーなんです。
ドライタイヤに履き替える事にしましたが、その時点でのピットストップのタイミングはばっちりでした。ウェットとドライのどちらのタイヤを選ぶかは、正直難しい選択でしたね。ドライタイヤを履いたら雨がまた降り出し、最終コーナーで誰かがコースオフしているのを見ていたら、その瞬間に自分も同じ目に合ってしまいました。
無線でタイヤをウェットに戻すように伝えたんですが、これもまた失敗でした。雨はそれほど長く続かなかったので、またドライに戻す羽目になったんです。
残念ながら今日はあまり思い通りにはいきませんでしたが、デビッドがウィリアムズとの差を少しだけ縮めたので、あとはブラジルでどこまでやれるかですね。
■11位)ジャンカルロ・フィジケラ ルノー
今日はずっと全力で走りましたが、もう少しいい作戦を練るべきでしたね。マシンが最初はすごく重くて不安定でしたから、あまり給油していなかったまわりの車ほど速くは走れなかったんです。
ドライタイヤに変えたタイミングはばっちりでしたが、その後にもう1回ストップしなきゃいけない事が分かっていたので、とにかく全力で攻め続けました。うまくいきそうな雰囲気でしたが、結果は時間切れでしたね。
あれだけ他の車をたくさん抜いた後で11位に終わったのはとても悔しいです。もっと上の成績が本来は狙えた筈です。
■12位)アレクサンダー・ブルツ ウィリアムズ
今日はもっと雨が降ってくれる事を願っていました。
今回の気象条件はレース序盤の自分には好都合でした。ドライタイヤを装着したのは自分が最初だったと思いますが、その時の路面ではものすごく調子が良かったので、あのまま帽子からうさぎを取り出すような結果になるんじゃないかと期待していたんですけどね。
でも、次第に昨日と同じようなタイヤのグリップ不足に見舞われてしまい、その後は順位を落とす事になりました。
●ウィリアムズ・エンジニアリング・ディレクター:パトリック・ヘッド
自分たちのグリッド・ポジションがレースに悪影響を及ぼすと思っていましたから、気象条件が難しくなったのはチームにとって幸運な事だったのかもしれません。
ニコがすごくいい走りをしたのは間違いありません。まわりの車を何台も交わしましたからね。ただ、また彼はパンクに見舞われてしまい、車体にもダメージを受けてしまったんです。その結果、彼には想定外のピットストップが必要になり、ポイント獲得の可能性は消えてしまいました。さらに私たちはその時に正しくないタイヤ選択をして彼をコースに送り出してしまい、そこで全ては終わりました。
アレックスは低いスターティング・ポジションに苦しめられましたし、両ドライバーにとってもチームにとっても、今回のレース結果は期待外れなものでした。
トロ・ロッソのドライバーたちの活躍を祝福しなければなりませんね。2名は揃っていい仕事をしたと思います。
■13位)ヤルノ・トゥルーリ トヨタ
今週は本当に苦しいレースウイークでしたね。昨日はマシンのバランスに問題があったので、今日のレースは挽回を狙ってのチャレンジの連続でした。
スタートはうまくいきましたし、最初の路面条件の時にウェットタイヤの調子も良くていい位置に抜け出す事はできましたが、ピットストップの後に順位を落としたんです。
今日は誰にとっても難しいレースだったと思いますが、自分にとってもなかなかうまくいかない日でした。全力で激しく攻めましたが、ポイント獲得には至っていません。
次戦はブラジルですが、今回よりはいい結果を狙いたいですね。
●トヨタ・チーム代表:山科忠氏
チームは予選で素晴らしい活躍を見せていいグリッドを確保しましたが、またもレースの序盤にラルフのマシンは残念な事態に陥りました。何が起きたのかを注意深く分析していく必要があると思います。
その後はスタンダードのウェットタイヤを装着した状態でマシンの戦闘能力の高さを示す事ができましたし、2名のドライバーは揃ってあの状況下での最高の走りを見せてくれましたが、ドライタイヤに変えた途端、2名は共に難しい状況に直面したようです。今回のレースの鍵はその部分ですね。ピットストップのタイミングとタイヤの選択は悪くありませんでしたが、その後に何が起きたのかを分析しなければなりません。
ああいった不安定な気象条件の時にレースは常に難しくなるものですが、それでもピットクルーたちはいい仕事をしてくれました。これから向かうブラジルでは、最後のレースでベストを尽くせる事を願っています。
■14位)佐藤琢磨 スーパーアグリF1
面白い内容でしたが、自分たちにはきついレースでした。
スタートがうまくいって順位を上げましたが、あの時はウェットの中での激しい追い抜き劇になり面白かったです。でも数周回を走ったところでメカニカル上の問題が発生してしまい、そこからは車が大きく跳ね上がるようになったんです。
すぐに無線でチームには状況を伝えましたが、問題を解消する手段はどこにもありませんでした。気象条件が変化してからは前方の何台かをつかまえる事はできましたが、スピードが十分ではなく追い抜く事はできていません。
有り難い事に完走はできましたが、車のハンドリングは理想からほど遠い状態です。それが原因でレースはさらに難しくなりました。
●スーパーアグリ・チーム代表:鈴木亜久里氏
今回もまた難しいコンディションの厳しいレースになりました。
タク(佐藤選手)はいい走りを見せましたが、アンソニーがバリチェロと一緒にレース序盤からコースを外れたのは実に残念です。
必死に頑張り続けたチームの全員には感謝しています。また、今日はいい活躍を見せたトロ・ロッソのドライバーたちにも祝福の言葉を贈りたいですね。
今シーズンは残り1レースのみとなりましたので、このまま自分たちのファイティング・スピリッツを高く維持しながら、去年のブラジルでの成績を再現できるように頑張るつもりです。
■15位)ルーベンス・バリチェロ ホンダ
不幸にして午後は意志決定の場面が多くなりすぎて、いいレースができるチャンスを逃す事になりました。
最初のピットストップで雨が降り出した時には、残りのレースはずっとウェットになるだろうと思ったんです。それでウェットタイヤを履きにピットに戻ったんですが、これが間違った選択だった事は数ラップ走行した後にすぐ分かりました。
残念なレースウイークの終わり方でしたが、2週間後にはブラジルで母国グランプリを迎えますから、今はそれが楽しみです。
■16位)ニコ・ロズベルグ ウィリアムズ
自分たちにとって今日はあんまりうまくいかない1日でした。
スタートには出遅れて順位を落としましたが、ウェット路面ではかなり調子が良かったので、そこから何台かを交わす事はできました。でも、次のスティントでタイヤをドライに交換したら昨日の予選の時と同じタイヤの問題が発生したんです。
29ラップ目のストレート終端で左のリアタイヤがパンクしましたが、誰とも連絡を交わしていなかったので何が原因でそうなったのかは分かりませんでした。いずれにしても、もう一回余分のピットストップが避けられないのは確実でしたので、そこで自分のレースは終わったも同然でしたね。
今は次のブラジル戦が楽しみです。シーズンの最後をいい結果で終わりたいですね。
■17位)山本左近 スパイカー
レースを終えてみて言えるのは、今日はタイヤの選択にいくつかミスがあったという事です。ただ、誰にも予想がつかない場面では、リスクを冒さなければならない事もあります。当たればうまくいったでしょうし、当然外れれば厳しいレースになりますが。
1つ良かったのは今回も完走ができたことですね。複雑な路面条件の中でタイヤを4回も交換しましたが、クルーたちはとてもうまく作業を進めてくれました。
ここからは気持ちを自分の好きなブラジルのコースに切り替えて、シーズンの最後をいいレースで締めくくれるように頑張ります。
●スパイカー・チーム・テクニカル・オフィサー:マイク・ガスコイン
大雨になる事を予想してスタート時からエクストリーム・ウェットを履くというギャンブルに出ましたが、その予想は完全に外れました。
それでスタンダードのウェットに履き替える事を余儀なくされ、この瞬間から完走狙いのレースにならざるを得ませんでしたが、さらに不運にもドライに履き替えてから再び雨が降り出し、エイドリアンがリタイアする事になってしまいました。
左近はいい走りでこの難しいコンディションの中を完走しましたが、今回のレースの事はもう忘れるべきだと、全員が思っているのは間違いありません。
●スパイカー・チーム代表:コリン・コレス
雨が激しく降るのを期待していたのに、その予想が外れた事で大変なレースになってしまいました。
こういう難しいコンディションに向けての作戦を誤る事は普段はあまりないのですが、今回は払ったリスクに見合う結果を得る事ができていません。しかしながら、後方のグリッドからスタートする時には失うものなどありませんし、リスクは常に意味を持つのです。
今回はうまくいきませんでしたが、まだ残りの1レースがありますので、そこではいい走りが見せられる事を願っています。
■DNF)ロバート・クビサ BMWザウバー
油圧系の漏れが発生してレースをリタイアする事になりました。
パワステとミッションが全く使えなくなってしまいました。そのくらいしか今は言えませんよ。そこまではかなり調子が良かったんですけどね。
すごく難しい状態でしたが、雨が降り出してからも3〜4周はコース上で頑張り、それについては成功だったと思います。ただ、いずれにしてもレースは完走できなかったので、頑張りが報われたとは言えませんが。
■DNF)ルイス・ハミルトン マクラーレン・メルセデス
マシンから降りた時には胸をえぐられる思いでしたし、これはチームにとっても同じです。今シーズンはミスをせずにここまで来ましたが、それは今回まででしたね。でも、あと1戦ありますから、まだやれる筈です。
今回のレースでは最高のスタートが決まり、最初のピットストップも順調でした。
2度目のピットストップの前にはずっとチームと相談しながら、タイヤが消耗しているのにもかかわらず、タイヤをドライに交換する前に小雨の中を走りきる決断を下しました。
すごく慎重に走っていたので、キミに対してはあまり攻めの姿勢が取れていませんでしたが、全てが完璧に進んでいました。でも、ピットレーンでミスをしてしまい、そこで今回は終わりです。意志決定は正しかったと思いますよ。あれはただの不運です。
今はブラジルで戦う事に意識を集中し、この結果を挽回できるように全力で挑みます。
■DNF)ラルフ・シューマッハ トヨタ
厳しくて期待外れのレースでした。
最初の周回で他の車との衝突を避けようとした時にスピンしましたが、その後は順位を挽回しながら他の多くの車を交わす事ができていたので、リウッツィに当てられたのはすごく残念でした。もちろんわざとじゃない事は分かっていますが。
あの時には路面が乾きかけていたので、リスクを冒してドライタイヤに交換したんです。特にもう失うものはありませんでしたからね。でもすぐに通り雨にやられてグリップを失い、エンジンも死んでしまいました。
面白いレースでしたが、結果を残せなかったのは最悪です。トヨタでレースするのは残り1レースのみですが、このチームでの有終の美が飾れるよう、可能な限りの高いポイントの獲得を目指してブラジルには向かいたいと思います。
■DNF)エイドリアン・スーティル スパイカー
本当に残念なレースウイークでした。
天候の読みに少しリスクを冒して、今回は最初からエクストリーム・ウェット・タイヤを装着しました。もっと雨が降って欲しかったんですが、その後も雨脚は強くならずに結局スタンダードのウェット・タイヤに履き替えています。
運転するのがすごく難しい状態でしたが、2回目のピットストップでドライに履き替えるまではなんとか持たせました。でもタイヤを交換するのが結果的に早すぎましたね。すぐにまた雨が降り出したんです。
すごく悪いタイミングでドライに履き替えたので運転がまた辛い状態になり、突然最終コーナーを直行する形でバリアに突入しました。
チームの全員は今回の事を忘れてからブラジルに向かうべきでしょうね。レースにはいい時も悪い時もありますが、今回はその悪い方のレースでした。
■DNF)アンソニー・デビッドソン スーパーアグリF1
今回のレースウイークは最後が期待外れでしたね。
スタートがうまくいかなかったので、ルーベンスには簡単に追い抜かれてしまいました。なんとか彼を抜き返す事はできましたが、1ラップ目には他の車ともバトルになり、続く2ラップ目の1コーナー突入時にルーベンスが自分の右側のリアに接触してきて2台ともスピンしたんです。
ここでブレーキ・ダクトを覆った車体部分が破損して温度が跳ね上がり、ブレーキペダルをいくら踏み込んでもフロントブレーキしか効かない状態になってしまいました。それでピットに戻って破損した車体部分を取り除いてもらおうとしましたが、調査した結果、右のリアブレーキに空気を大量に送り込むのはすでに不可能な状態だと分かりました。
結果的にブレーキは元に戻らなかったので、自分とチームに危険を強いるのはやめて、その代わりにレースからリタイアする事にしました。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|