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2009年4月11日
2009年シーズンMotoGP開幕戦となるカタールGPが、ついに4月10日(金)にドーハ近郊に位置するロサイル・サーキットにて初日を迎えた。金曜日に行われたフリー走行では、路面が前日の砂嵐により非常に汚れていたことから各ライダーは思うようにグリップが得られず苦戦した模様だ。ここでは、昨年に引き続き夜間レースとなる開幕戦初日のMotoGPクラスにおけるフリープラクティスの結果と、ドゥカティ、ヤマハ、ホンダ、スズキの各ワークス・チームのライダーのコメントなどを紹介する。
■カタール開幕レースウィーク中のスケジュール
今シーズンから、コスト削減政策の一貫としてレースウィーク中のタイムスケジュールの見直しが行われている。全クラス共に初日はフリー走行1の1セッションのみが実施され、昨年までと比較するとMotoGPクラスのフリー走行セッションが3回から2回に削減、125ccクラスと250ccクラスにおいては予選セッションが2回から1回に削減されることになった。また、セッション所要時間についても変更が加えられ、MotoGPクラスについてはフリープラクティスと予選のセッションが60分から45分に短縮されている。
以下に開幕戦カタールGPのタイムスケジュールを記す。
●4/10(金) 20:30〜23:15
20:30 125 FP1
21:30 250 FP1
22:30 MotoGP FP1 日本時間:4/11(土)の午前4時30分
●4/11(土) 18:05〜23:50
18:05 125 FP2
19:05 MotoGP FP2 日本時間:4/12(日)の午前1時5分
20:05 250 FP2
22:05 125 QP
23:05 MotoGP QP 日本時間:4/12(日)の午前5時05分
00:05 250 QP
●4/12(日) 18:00〜
18:00 125 WUP
18:30 250 WUP
19:00 MotoGP WUP 日本時間:4/13(月)の午前1時
20:00 125 レース
21:15 250 レース
23:00 MotoGP レース 日本時間:4/13(月)の午前5時0分
■2009年カタールGP、MotoGPクラスのフリープラクティス1走行結果
以下に4月10日の夜間、気温25度、路面温度25度、湿度43%のドライ・セッションとして行われたMotoGPクラスの結果を示す。
1) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP9 1分57秒053
2) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分57秒439
3) コーリン・エドワーズ USA モンスター・ヤマハTech3 YZR-M1 1分57秒835
4) ホルヘ・ロレンソ SPA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分58秒272
5) アレックス・デ・アンジェリス RSM サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分58秒452
6) ロリス・カピロッシ ITA リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分58秒468
7) ミカ・カリオ FIN プラマック・レーシング デスモセディチ GP9 1分58秒499
8) アンドレア・ドヴィツィオーゾ ITA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分58秒506
9) マルコ・メランドリ ITA ハヤテ・レーシング・チーム ZX-RR 1分58秒757
10) ランディ・ド・プニエ FRA ホンダLCR RC212V 1分58秒771
11) ジェームス・トーズランド GBR モンスター・ヤマハTech3 YZR-M1 1分58秒850
12) トニ・エリアス SPA サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分59秒094
13) ニッキー・ヘイデン USA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP9 1分59秒158
14) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分59秒348
15) 高橋裕紀 JPN スコット・レーシング・チーム RC212V 1分59秒437
16) セテ・ジベルナウ SPA グループ・フランシスコ・エルナンド デスモセディチ GP9 2分00秒595
17) ニッコロ・カネパ ITA プラマック・レーシング デスモセディチ GP9 2分00秒597
18) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 2分01秒435
ロサイル・サーキットにおけるMotoGPクラスのサーキットレコード(レース中)は2008年にケーシー・ストーナーが記録した1分55秒153、ベストラップレコード(予選タイヤ)は2008年にホルヘ・ロレンソが記録した1分53秒927。
■ワークス・チームの各ライダーのコメント
以下にワークス・チームの各ライダーのコメントを初日のタイム順に紹介する。
■ヘレスのセッティングが好調 初日トップのケーシー・ストーナー(ドゥカティ・マルボロ)
「バイクの感触は本当にいいし、ヘレスのセッティングがここでもうまくいっている。コースが砂ぼこりだらけでリアのグリップが不足しているので明日はいくつかセッティングを変更するつもり」
■スペシャルステッカーは地震被災地へのメッセージ 2番手のバレンティーノ・ロッシ(フィアット・ヤマハ)
「テストの時はケーシーとの差が1秒あったが、今日はもっと縮めることができてとてもうれしい。テストの時より暖かいこともあってさらに自信を持って思うようにM1に乗れている。セッションが45分になったのは奇妙なことだし、以前よりももっと計画的に物事を進める必要があるが、全体的には自分としてはそれほど影響はない」
「今週はバイクに"Forza Abruzzo"のスペシャル・ステッカーを貼っているが、これは先週地震が起きたアブルッツォ州の人々へのメッセージ。アブルッツォは自分の故郷であるタブリアからそれほど離れていない町だし、このような大変な時には私達はいつでも町の人々と共にあるということを知って欲しい」
■フロントの感触以外は順調 4番手のホルヘ・ロレンソ(フィアット・ヤマハ)
「ハード・ブレーキング時に少し問題があってフロントタイヤの感触があまりよくなかったがそれ以外は順調。セッションの終わりに大きく改善が進んで最終ラップタイムがとても良くなったから心配はしていないし、明日はもっと時間があるのでさらに改善できると思う」
「セッションが45分となったのは十分な時間だとは言えないが、短縮された理由は理解できるし、それがチャンピオンシップの助けになるのなら必要なことだと思う」
■明日は古いセッティングに戻す 6番手のロリス・カピロッシ(リズラ・スズキ)
「最初のプラクティスとしてはそれほど悪くないが今日はセッティングに少し苦戦した。前回のテストの時とは違う新しいセッティングを試したもののうまくいかなかったので、今日のセッティングを少し活かした以前のセッティングに戻すつもり」
「45分間のセッションは本当に短く感じる。多くの作業をこなすのが難しくなってしまったし、その上こういう砂だらけのサーキットでは特にタイヤ本数が限られているのは厳しい」
■MotoGPデビュー戦よりも興奮! 8番手のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(レプソル・ホンダ)
「ファクトリーバイクでの初めての公式セッションなので、去年のMotoGPデビューの時よりも興奮した。今日は前回のヘレスのテストと比べて改善は進んだが、セッションが45分間に短縮されているので作業手順を変更する必要があった。もう少し解決しなくてはならない問題が残っているが自信はある」
■バイクに2台ともトラブル発生 13番手のニッキー・ヘイデン(ドゥカティ・マルボロ)
「今日はあまり良くない一日。最初に乗ったバイクにセンサーのトラブルが起きてセカンドマシンに乗り換えたが、今度はクラッチに問題が発生した。時間が飛ぶように過ぎて前回のナイトテストの時のような走行ペースを取り戻せなかった」
■フロントのハードタイヤは温存 14番手のクリス・バーミューレン(リズラ・スズキ)
「本当に思うようにいかないレースウィーク初日だった。タイヤの本数が限られているためレースで使うフロントのハードタイヤは1本も使いたくなかったので柔らかい方のタイヤで作業を進めた。セッションの序盤はそれほど悪くなかったが、終盤になるとバイクのフロントが滑ってコーナースピードを保つのに苦労した。以前のような速いペースで走行できずいらいらしたが、フロントのハードタイヤは全部取ってあるのでそれを履けばタイムは上がると思う」
■怪我をおして出場 18番手のダニ・ペドロサ(レプソル・ホンダ)
「45分間のセッションを全部通して走行するというレースウィーク最初の目標は達成できた。正直なところバイクの感触はあまりよくないが、長い間バイクに乗っていなかったのでこれは予期していたこと。スピードやブレーキングポイントなど体をMotoGPバイクに慣らすのにまだ時間がかかりそう。膝が思うように曲がらないので、いつものライディングポジションを取れず、今はまるで自分が不器用になった気がする」
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