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ヘレス合同テスト、年内最後の総合トップタイムはロッシ
フィリップでの残り1日を前に悪化するホプキンスの左足
  2008年11月28日

年内最後のMotoGP合同テストをスペインのヘレス・サーキットにて実施していた8チームはその最終日となる2日目の走行を11月27日に終え、一方ヘレスには合流せずに、やはり年内最後のテストをオーストラリアにて3日間の日程で実施しているカワサキとスズキの2チームは2日目の作業を同日に行った。
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ここでは、12月1日からの冬季テスト禁止期間を目前に年内の全てのサーキットでの作業をスペインで終えた8チーム(フィアット・ヤマハ、ドゥカティー・マルボロ、レプソル・ホンダ、ヤマハTECH3、サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ、プラマック・レーシング、オンデ2000、スコット・ホンダ)の最終日のタイムと総合順位、ならびにオーストラリアにおける3日間のプライベートテストの2日目を終え、年内は残り1日の作業を残すのみとなったスズキとカワサキの概況などを紹介する。


■ヘレス合同テスト2日目、午前中は路面が湿り本格的な作業開始は午後2時から

2日目となるテスト最終日のヘレス・サーキットは、日中は晴天だったテスト初日の晩に雨が降った事からこの日の午前中は路面が湿り、完全にアスファルトが乾いたのは午後2時近くだった。このため、ほとんどのライダーは午後1時30分頃までピット内で過ごし、その後は完全なドライ・コンディションに恵まれて午後5時までの走行と開発作業を実施している。
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■最終日のタイムと総合順位

午後にはテスト1日目とほぼ同じ気象条件となったヘレス合同テスト最終日の走行結果は以下に示す通り。なお、ヤマハTECH3のジェームス・トーズランドを除く全ライダーは初日のタイムを更新しており、トーズランドのタイムは初日の1分41秒539と約0.2秒しか違わない事から2日間の総合順位はこの最終日の結果と同じになる。
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1) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分39秒429(54周)
2) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分39秒447(47周)
3) ホルヘ・ロレンソ SPA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分40秒426(58周)
4) トニ・エリアス SPA サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分40秒448(56周)
5) アレックス・デ・アンジェリス RSM サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分40秒486(49周)
5) ニッキー・ヘイデン USA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP9 1分40秒486(70周)
7) ミカ・カリオ FIN プラマック・レーシング デスモセディチ GP9 1分40秒564(54周)
8) コーリン・エドワーズ USA ヤマハTech3 YZR-M1 1分40秒604(39周)
9) セテ・ジベルナウ SPA オンデ2000 デスモセディチ GP9 1分40秒856(48周)
10) アンドレア・ドヴィツィオーゾ ITA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分40秒966(46周)
11) ニッコロ・カネパ ITA プラマック・レーシング デスモセディチ GP9 1分41秒077(48周)
12) ジェームス・トーズランド GBR ヤマハTech3 YZR-M1 1分41秒740(45周)
13) ヴィットリアーノ・グアレスキ ITA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP9 1分42秒906(46周)
14) 高橋裕紀 JPN スコット・ホンダ RC212V 1分42秒918(60周)

ヘレスのサーキットレコードは2008年にダニ・ペドロサが記録した1分40秒116、ベストラップレコードは同じく2008年にホルヘ・ロレンソが記録した1分38秒189。
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■2008年最後のトップタイムは2008年度王者のバレンティーノ・ロッシ

2008年最後の合同テスト最終日をトップタイムで飾ったのは、2008年度のMotoGP最高峰クラスチャンピオンであるフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシだった。初日に引き続きバレンティーノ・ロッシは2日目も2009年型プロトタイムのYZR-M1で走行し、新型エンジンパーツなどを試す中、2008年シーズン中にペドロサが記録したサーキット・レコードを0.687秒、テスト初日のペドロサのトップタイムを0.096秒上回る今回の総合トップに立った。
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■初日トップのペドロサは0.018秒届かず惜しくも総合2番手

2日目はロッシに僅か0.018秒届かず、年内最後のテストを惜しくも総合2番手に終える事になったレプソル・ホンダのダニ・ペドロサは、初日の最新型のニューマチック・バルブ・エンジンの調整に引き続き、最終日はシャシーのセッティングに集中した様子だ。
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■総合3番手のロレンソはブリヂストンタイヤの作業に集中

総合3番手につけたロッシのチームメイトであるフィアット・ヤマハのホルヘ・ロレンソは、今回のテストはブリヂストン・タイヤに慣れる事を何よりも最優先とし、この日も乗り慣れた2008年型マシンに2009年型パーツを部分的に装着したテスト専用マシンで走行、調子が上がるにつれてマシンの2009年型パーツの割合を増やしていくという方法で作業を行っている模様だ。なお、ロレンソのタイムはシーズン終了後に初めてブリヂストンタイヤを経験するライダーの中ではトップに位置する。
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■グレッシーニ勢は中野選手の2008年度ワークスマシンを使用し総合4番手と5番手
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続く総合4番手と5番手には、2008年度中に中野真矢選手が使用していたワークス仕様RC212Vで今回のテストを行ったグレッシーニ・ホンダの2名がそれぞれつけており、年明け後のセパン合同テスト以降は改めて2009年型ワークスRC212Vが供給される予定のトニ・エリアスは、ホンダのマシンと新しいブリヂストンタイヤに慣れる事に集中しながらから、この日はリアまわりのトラクション調整を行い総合4番手。総合5番手のアレックス・デ・アンジェリスも2日間を通して新型ブリヂストンタイヤの挙動を学習し、同時にエリアス以外のホンダのサテライト・ライダーが2009年シーズン中に使用する事になる2008年型ワークス・マシンのセッティングを研究した。
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■総合5番手のヘイデン「デスモセディチに慣れてきた」、ストーナーはテスト見学

デ・アンジェリスと同タイムを記録し同じく総合5番手につけたドゥカティー・ワークスのニッキー・ヘイデンは、前回のバレンシア合同テストに引き続きデスモセディチGP9とブリヂストン・タイヤに慣れる事に集中、今回のヘレスではより快適に走る事ができるようになったとしている。なお、前回の合同テスト終了後に古傷の左手首の手術を受けたチームメイトのケーシー・ストーナーは、2日目も初日に引き続きピット内で作業を見学しており走行は行っていない。
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■プラマック・レーシング(アリーチェ)のカリオとカネパは初のGP9を学習

デスモセディチGP9を今回から供給され、ワークスのヘイデンと同様に慣れないドゥカティー・マシンとブリヂストン・タイヤの学習を続けるドゥカティー・サテライトのプラマック・レーシング所属のMotoGPルーキー2名は、ミカ・カリオがヘイデンに次ぐ総合7番手、ニッコロ・カネパが総合11番手。
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■総合9番手のセテ・ジベルナウ「GP9に適応するにはまだ時間が必要」
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同じくドゥカティーのサテライト・チームであり、やはり今回からGP9を供給されたオンデ2000のセテ・ジベルナウは、7番手のミカ・カリオと8番手につけたTECH3ヤマハのコーリン・エドワーズに次ぐ総合9番手タイムを記録し、MotoGPクラス復帰に向けての2回目の準備作業を終えた。シーズン中の開発テストではGP9を経験していたものの、レギュラー・ライダーに混ざってのGP9での走行は今回が初めてだったジベルナウは、この日のテストを終えて「本当に快適に走れるようにGP9に適応するにはまだ時間が必要」とその感想を述べている。
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■総合10番手のドヴィツィオーゾはブリヂストンに合うライディング方法を模索

レプソル・ホンダに移籍して2回目の冬季合同テストを総合10番手に終えたアンドレア・ドヴィツィオーゾは、今回のヘレスではライディング・ポジションなど最適なベース・セッティングを模索しながら、経験の少ないブリヂストン・タイヤに関するセッティング作業に集中した様子だ。
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■ホンダ勢では高橋選手のみ2008年仕様のサテライトマシンで走行

スコット・ホンダのMotoGPルーキーであり、日本人唯一の最高峰クラスライダーとして2009年シーズンに挑む高橋裕紀選手は、総合12番手につけたTECH3ヤマハのジェームス・トーズランドと、総合13番手につけたドゥカティーの開発ライダーであるヴィットリアーノ・グアレスキに次ぐ総合14番手で年内全てのテスト作業を終えている。
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■高橋選手「本格的なタイムアタックは新型マシンの供給される年明けのテストから」

ホンダのサテライト勢の中では今回のヘレスでも唯一2008年型サテライト仕様RC212Vで走行した高橋選手は、前回のバレンシア合同テストに引き続きまずはMotoGPマシンとブリヂストン・タイヤに慣れる事に集中しており、本格的なタイムアタックは新型マシンが供給される年明けのテストから行いたいとしている。なお、前回のバレンシアではトラクション・コントロールなど電子制御関連の機能をほとんど使用せずに走行していた高橋選手だが、今回の2日間は電子制御まわりの調整にも着手したという。
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■オーストラリア、スズキとカワサキのプライベートテスト2日目の概況

続いて、オーストラリアのフィリップ・アイランドにて3日間の日程で行われているスズキとカワサキのプライベート・テスト2日目の概況を簡単に紹介する。完璧な路面コンディションに恵まれた初日とは異なり、2日目の11月27日は時折のにわか雨に見舞われ、各チームはその度にテスト作業中断を強いられた様子だ。
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■フィリップ・アイランド2日目の走行タイム、スズキはこの日もタイムは未公開

初日と同様にスズキは2日目のタイムも公表していないため、今回の走行結果も以下のカワサキの3名分のみとなる。なお、スズキは最終日以降にこの3日間分のより詳細な情報を公開する見込みだ。ちなみにクリス・バーミューレンは80周回程度、カピロッシは60周回程度の走行を2日目に行っている。

1) マルコ・メランドリ ITA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分31秒8(64周)
2) オリビエ・ジャック FRA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分32秒1(37周)
3) ジョン・ホプキンス USA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分32秒5(51周)

フィリップアイランドのサーキットレコードは2008年にニッキー・ヘイデンが記録した1分30秒059、ベストラップレコードは2008年の予選でケーシー・ストーナーが記録した1分28秒665。


■メランドリは午後にマシンを大破したが本人に怪我はなし

オーストラリア2日目のこの日はカワサキのマルコ・メランドリが午後遅くに4コーナーを通過時に転倒、マシンを大破しているが、本人は特に大きな怪我を負わず、最終日も問題なくテストを行う予定だ。

■ホプキンスはシーズン中の左足の怪我が2日目に入りさらに悪化
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初日にシーズン中のアッセンで負傷した左ひざと左足首の不調と痛みを訴えていたカワサキのジョン・ホプキンスは、2日目はさらに状況が悪化しており、患部にテーピングを施し氷で冷やしたものの、この日はコーナリング中のフットペダルに体重をかける事すら難しい状態だったという。この影響により好タイムを狙うのは難しかった事から、ホプキンスは主にブリヂストン・タイヤの評価作業をこの日は中心的に行っている。

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