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2008年10月5日
オーストラリアGP2日目の10月4日、初日の午後とは異なり終日の晴天に恵まれたフィリップ・アイランドでは、午前中にMotoGPクラス3回目のフリー・プラクティス、午後にはその最終予選が行われた。
ここでは、MotoGPクラスにおける午前のフリー・プラクティス(FP3)の結果と午後の予選結果、ならびに2日目の走行を全てを終えた直後のMotoGPクラス全ライダーの詳細コメントを紹介する。
■MotoGPクラス午前FP3の結果
以下に、晴天のドライ・コンディションには恵まれたものの、気温16度、路面温度20度、湿度38%の風が強く肌寒い環境で行われたMotoGPクラス午前のフリー・プラクティス3の結果を示す。
1) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分30秒558
2) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 1分30秒617
3) ホルヘ・ロレンソ SPA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分30秒702
4) アレックス・デ・アンジェリス RSM サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分30秒865
5) コーリン・エドワーズ USA ヤマハTech3 YZR-M1 1分30秒884
6) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分31秒014
7) ジェームス・トーズランド GBR ヤマハTech3 YZR-M1 1分31秒092
8) アンドレア・ドヴィツィオーゾ ITA JiRチーム・スコット RC212V 1分31秒154
9) 中野真矢 JPN サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分31秒186
10) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分31秒377
11) ロリス・カピロッシ ITA リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分31秒392
12) ランディ・ド・プニエ FRA ホンダLCR RC212V 1分31秒418
13) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分31秒710
14) ジョン・ホプキンス USA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分31秒802
15) トニ・エリアス SPA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8 1分31秒943
16) マルコ・メランドリ ITA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 1分32秒310
17) シルバン・ギントーリ FRA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8 1分32秒439
18) アンソニー・ウエスト AUS カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分33秒186
■午前中は転倒者が続出、ギントーリは左の肩甲骨を骨折
午前のFP3では低温路面の影響から、ドゥカティーのケーシー・ストーナーとマルコ・メランドリ、リズラ・スズキのロリス・カピロッシ、カワサキのジョン・ホプキンス、およびアリーチェ・チームのシルバン・ギントーリなどが転倒、ホプキンスを除きほぼ全員が高速コーナーで激しい転び方をしており、カピロッシはマシンを大破している。
この中で負傷したのはシルバン・ギントーリのみ。ギントーリは左の肩甲骨を骨折して激しい痛みを訴えたが、クリニカ・モバイルでの治療を受けた後には午後の予選に出場しており、本日10月5日午後に行われる決勝レースにも出場する予定だ。
■MotoGPクラス午後の予選結果
午前から路面温度が10度上昇し、気温18度、路面温度30度、湿度36%のドライ・セッションとなったMotoGPクラス予選の結果は以下の通り。
1) ケーシー・ストーナー AUS ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 1分28秒665
2) ホルヘ・ロレンソ SPA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分28秒734
3) ニッキー・ヘイデン USA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分28秒756
4) ランディ・ド・プニエ FRA ホンダLCR RC212V 1分28秒808
5) ジェームス・トーズランド GBR ヤマハTech3 YZR-M1 1分29秒031
6) ダニ・ペドロサ SPA レプソル・ホンダ・チーム RC212V 1分29秒277
7) コーリン・エドワーズ USA ヤマハTech3 YZR-M1 1分29秒513
8) アンドレア・ドヴィツィオーゾ ITA JiRチーム・スコット RC212V 1分29秒558
9) 中野真矢 JPN サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分29秒710
10) アレックス・デ・アンジェリス RSM サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V 1分29秒925
11) ロリス・カピロッシ ITA リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分29秒942
12) バレンティーノ・ロッシ ITA フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1 1分30秒014
13) トニ・エリアス SPA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8 1分30秒202
14) シルバン・ギントーリ FRA アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8 1分30秒297
15) クリス・バーミューレン AUS リズラ・スズキMotoGP GSV-R 1分30秒545
16) ジョン・ホプキンス USA カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分31秒157
17) マルコ・メランドリ ITA ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8 1分31秒939
18) アンソニー・ウエスト AUS カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR 1分31秒995
フィリップ・アイランドにおけるMotoGPクラスのサーキットレコード(レース中)は2005年にマルコ・メランドリが990ccマシンで記録した1分30秒332、ベストラップレコードは今回ケーシー・ストーナーが記録したポールポジションタイムの1分28秒665。ちなみに昨年のポールポジションタイムはダニ・ペドロサが記録した1分29秒201。
■予選ではロッシが転倒して首を捻挫
この日の予選では前回の日本GPにおいて年間タイトルを決めたばかりのバレンティーノ・ロッシが転倒し、頭部と首を強打している。ロッシは予選残り14分のところで2コーナーを曲がりきれずにコースオフして草の上を高速滑走、コントロールを失い頭からグラベルに倒れ込む形で転倒した。
この時にロッシは首に捻挫を負いしばらくは身動きを取らなかったが、その後は自力で立ち上がってピットに戻っている。セッション残り2分のところでロッシは再びコースに復帰したが、アウトラップを終える前に時間切れとなり、タイムの更新はならなかった。
なお、ロッシは予選終了後にクリニカ・モバイルで首の治療を受け、そのまま滞在中のホテルに戻って本日の決勝レースに向けて静養した様子だ。
■オーストラリアGP決勝レースに向けての全ライダー詳細コメント
以下に、2日目の予選を終えた直後のMotoGPクラス全ライダーの詳細コメントを、この日の予選結果順に紹介する。
■1列目
●ポールポジション)ケーシー・ストーナー ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8
今日の午前中はレース用のセッティングに少し苦しんだので、レースタイヤを装着した状態でマシンを正しく機能させられるよう、午後に入ってからもその作業に時間を使わなければいけませんでした。その問題を解消してからはとても自信が持てるようになり、予選タイヤを装着してからもいいラップタイムを刻む事ができています。
全く同じ予選タイヤを3本使用したのは今シーズンに入ってからは今回が初めてでしたが、1本目は最終区間のいくつかの左コーナーを通過しているうちにグリップを使い果たしてしまいました。だから最後に予選タイヤを装着した時には、ゴムを温存できるようになるべくバイクを長く倒し込まないようにして走りましたが、おかげで最後の3つのコーナーを通過する時にはほとんど命がけでしたね。
1列目を確保するには十分なタイムが出せたとは思っていましたが、結果的にポールポジションになるとは思ってもいなかったので本当に驚きました。だから今日は特別に嬉しいです。
今回は自分のホームグランプリですが、自分やチームは特にプレッシャーを感じていませんし、とにかく楽しみたいと思っています。ファンの人たちも同じように楽しんでくれると嬉しいですね。
●2番グリッド)ホルヘ・ロレンソ フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1
ここでは全てのセッションを通して安定した走りができていますし、今日の午前中にはさらにもう一歩改善が進んだので、午後にはすごく速く走れるようになっていました。風がすごく強かったので、気象条件は見た目よりもかなり難しかったですよ。ただ、いずれにしてもバイクの調子はとても良かったです。
こんなに僅差でポールポジションを逃した事については残念ですが、1列目は確保できたので満足です。それにレースペースもすごくいいですからね。ただ、ライバルたちも同様に速いので、明日の激しいバトルが本当に楽しみです。
スタートが最近の自分の課題ですが、昨日はプラクティス中に何回か練習したので、明日こそはうまく決めてトップ集団内のポジションをキープしながら戦えるように頑張ります。また自分を1列目に押し上げてくれたミシュランとチームに感謝しています。
●3番グリッド)ニッキー・ヘイデン レプソル・ホンダ・チーム RC212V
1列目は常にとても重要ですからこの結果を嬉しく思いますが、正直に言えば少しだけ残念な気持ちです。以前にここではポールを数回獲得していますが、今回も可能性は十分にあったし、結果的にはコンマ1秒未満の差ですからね。
今シーズンはまだ1回も取れていないので、本当にポールポジションが欲しかったんです。今回がその1回目になれば嬉しかったでしょうね。ただ、今週末はずっと高い競争力を維持できていますし、昨日のウェット・セッションと今日の午前中はトップタイムでしたから、そんなに理想から離れた状況ではありません。
ただ、レースが楽じゃないのは分かっています。もう少しトラクションが得られるようにバイクの調整を続ける必要がありますし、自分自身もラップ周回をもっとうまくまとめられるようにしなければいけません。
チームはここでも素晴らしい仕事を進めてくれています。レプソル・ホンダのスタッフ全員が本当に真剣に作業を続けていますし、ミシュランタイヤの調子も良さそうです。明日は誰ひとりとして自分を引き離せないよう全力でいきますよ。
■2列目
●4番グリッド)ランディ・ド・プニエ ホンダLCR RC212V
この結果と、明日のレースに向けての準備作業にはとても満足です。まだタイヤ選択の最終決定はこれからですが、今日は何種類かのリアタイヤを試す中で良好な結果が得られています。
自分の走行ペースは一貫して速いので、今回はトップ8を狙っていけるでしょうね。予選タイヤでの走りにも満足できました。僅かコンマ1秒差で1列目は逃しましたが、この4番グリッド獲得はチームと自分自身にとってはすごくいい結果でした。
●5番グリッド)ジェームス・トーズランド ヤマハTech3 YZR-M1
今回は嬉しいけど、ほんの少しだけ悲しい気もします。1列目にも行けた事が分かっていますからね。最後の予選タイヤで走った時に2コーナーで大回りになってしまい、他の場所でもコーナー脱出時に少しタイヤを滑らせてしまいました。
それでもコントロールラインを抜けた時には29秒フラットの数字を見て嬉しく思いましたが、1列目が28秒7でポールポジションが28秒6だと知った時には、数回ミスをしながらもあとコンマ3秒でポールだった事を思い知ったんです。
ただ少なくとも、どこでそのコンマ3秒をロスしたかを把握できていたのは幸いでした。トップのライダーたちとの僅かなタイム差はどこから生じたのかとか、どこを改善すればいいのかとか、色々悩まないで済みますからね。
バイクはドライでも素晴らしく調子がいいので、今週末を通して頑張ってくれているTECH3のスタッフに感謝したいと思います。自分がここまで熟知しているサーキットを走れるのは本当に久しぶりですし、バイクの感触もずっといいです。
全ての歯車が噛み合って自分本来の実力をまわりに見せる事ができるのは、本当に気分がいいですね。もしこのサーキットでもうまくいかないようだったら、事態は深刻だったと思いますよ。経験のあるサーキットならこのバイクでもうまく走れる事を証明できて本当に良かったし、今回は願い通りでした。
リアまわりを調整していますが、レースに向けてもすごくいいセッティングが仕上がりました。新しいセッティングのおかげでコーナー脱出時のタイヤの調子が良くなったので、スピンや横滑りせずにかみつきが良く、今回のように進入角が深いコーナーの連続でもタイヤの寿命が長持ちするようになりました。このサーキットではそれが不可欠ですしね。
明日はスタートがうまくいけばトップ集団に加われない理由なんてありませんから、すごく期待してしまいます。だってトップ集団の中で激しく攻め込んで走るなんて、しばらくできていませんからね。それをしに自分はMotoGPに来たんです。
今の様子だと激しいレースになりそうですが、自分の誕生日を祝う意味でも明日は全力で戦い、いい結果を狙っていきます。
●6番グリッド)ダニ・ペドロサ レプソル・ホンダ・チーム RC212V
明日は2列目からスタートする事になりましたが、トップ集団と一緒に前に抜け出してレースをするためには今回も1列目に近いグリッドの確保が重要でした。今日の午後のブリヂストンの予選タイヤはとても良好でしたが、その性能を最大限に引き出す事は今回できていません。
午前中は温度条件の低さに少し苦しみましたが、午後に路面温度が上がってからは全てが改善されました。全体的にはいい1日でしたし、レースに向けて速いペースを確保できている事が今の一番重要な事です。レースには自信がありますよ。
明日はスタートをうまく決める事が不可欠ですし、レース序盤の周回が勝負になります。タイヤの一貫性も重要ですが、同時に体力も要求されるレースになるでしょうね。
■3列目
●7番グリッド)コーリン・エドワーズ ヤマハTech3 YZR-M1
午前中に5番手タイムを記録した時は嬉しかったですね。だから午後にはさらに調子が良くなる事を期待していました。朝はセッティングをスタンダードに戻した事で、その直後から調子よく走れるようになったんです。いいペースで走れていたし、これなら予選も大丈夫だと思いましたね。
でも、午後に入ってからは別のマシンに乗り換えなければいけなくなり、朝と同じような感触が得られなくなりました。普段ならバイクを変更する事はそれほど大げさな事ではないんですが、ここのように全ての区間が高速なサーキットの場合は常に感覚が繊細になり、いつもよりもその違いを大きく感じるんでしょうね。乗り味が硬めに感じて、あまり接地感を得る事ができませんでした。予選で激しく攻め込む時には、感触が得られない状態で速く走るのは難しいんです。
まあそんな事はありましたが、結果は7番グリッドでしたからものすごく満足しています。ひどく乗りにくかったので、もっと最悪の結果が待っていてもおかしくなかった訳ですから、この結果に文句は言えませんよ。今でも明日のレースは楽しみです。ここはスリップストリームを使いまくる事が不可欠ですが、今回は絶対に戦えると思っていますしね。
明日は自分にとって通算100回目のグランプリです。2003年から色々といい思い出も増えましたが、明日もそのうちの1つに加わって欲しいです。
●8番グリッド)アンドレア・ドヴィツィオーゾ JiRチーム・スコット RC212V
今日の予選結果にはとても満足しています。昨日も素晴らしい内容だったし、このままレースに向けて今の勢いを維持していきたいですね。今日はいい成績でしたが、明日はまた別の展開もあり得ますから引き続き全力で頑張るだけです。
今回ミシュランが用意してくれた全てのタイヤについて、その性能の大部分は引き出す事ができたと思います。とても柔らかいコンパウンドのタイヤで走った時でさえ調子が良かったですからね。それにフロントタイヤの調整はかなりの改善が進み、一貫して1分37秒台を維持して走る事ができていますから、レースでもトップ集団には十分ついていける筈です。
スタートをうまく決める必要はありますが、3列目からのスタートならポジションは挽回できると思っています。明日の午前のウォームアップではさらに調整を加えるつもりですが、改善の方向性はすでにつかんでいるので午後にはいいレースができそうです。
●9番グリッド)中野真矢 サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V
昨日のフリー・プラクティスから今日の午前までに色々いくつか試し、いいラップ周回を組み立てられるようになりました。まだ一貫性には欠けますが、速いペースは確保できています。
午後にはフロントのセッティングに少しだけ変更を加えて予選タイヤの性能を引き出せるよう試み、最後のタイヤを履いた時にはその効果が得られました。レースに向けてのペースには満足できているので、このグリッド位置には満足できています。
レースのためにあと少しだけトラクションを強化したいので、明日の午前中にはリアのセッティングを調整する予定です。
■4列目
●10番グリッド)アレックス・デ・アンジェリス サンカルロ・ホンダ・グレッシーニ RC212V
今日の予選では普段の自分たちのレベルに戻りましたが、今週末のレースペースはこのグリッド位置よりもずっといいです。
レースでは順位を挽回していい走りがしたいので、明日はスタートをうまく決める事が不可欠になります。トップ10を狙える状態にある事だけは間違いありませんよ。
●11番グリッド)ロリス・カピロッシ リズラ・スズキMotoGP GSV-R
今日は昨日に比べて僅かな進歩でした。ただ、このサーキットが自分たちとあまり相性が良くないのは分かっているので、冬季テストの時に比べれて大きな進歩を遂げている事に関しては大変に満足できました。
今日のレースタイヤでの自分のペースはそれほど悪くありませんが、予選タイヤでは思い通りにグリップを得る事ができずに少し苦しみました。今でも明日はいいレースができると思ってはいますが、ただ、少しばかり厳しい状況なのは間違いないでしょうね!
チームの全員には本当に深く感謝しています。午前中に転んだ時にバイクを完全に破壊してしまい、チームはそれをゼロから組み立て直す事になってしまいましたが、彼らはたったの1時間半の間にそれをやり遂げたんです。本当に素晴らしかったですよ!
●12番グリッド)バレンティーノ・ロッシ フィアット・ヤマハ・チーム YZR-M1
予選では激しく攻め込みましたが、残念ながら2コーナーで大回りになり草の上に出てしまいました。最初はバイクをコースに戻せると思っていましたが、すぐに泥で汚れた草に乗り上げてしまい、そこでコントロールを失いとまる事ができなくなったんです。結果的に頭と首を激しくぶつけながらグラベルに着地しました。
今日の午後のブリヂストンのレースタイヤと自分の走行ペースはとても良好だったので、12番グリッドから明日のレースをスタートしなければいけなくなった事が本当に残念です。
今はコスタ医師とクリニカ・モバイルのスタッフが自分の体調を元に戻すために手を尽くしてくれています。首の治療が終わったらすぐにこのままホテルに戻って、明日のためにしっかり休養するつもりです。
■5列目
●13番グリッド)トニ・エリアス アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8
タイヤに昨日と同じ問題を抱えています。路面温度が同じなので、残念ながら状況は変わりません。このハンデがある以上、最大限に激しく攻め込む事は不可能です。
レースタイヤでは9番手にまでタイムを上げる事ができましたから、明日はさらにもう少し上が狙える事を願っていますが、レースの序盤は注意しながら走り、可能な限り早くタイヤを温められるように頑張るつもりです。
●14番グリッド)シルバン・ギントーリ アリーチェ・チーム デスモセディチ GP8
肩がひどく痛みます。左の肩甲骨を骨折してしまったので、最大限に激しく攻め込んで走るのはかなり辛い状況です。ただ、タイムアタック中のエドワーズが後ろを走らせてくれたので、予選ではいいタイムを記録する事ができました。
怪我がある以上、明日は自分にとって本当に厳しいレースになりますが、いつも通り全力を尽くして戦うだけです。
●15番グリッド)クリス・バーミューレン リズラ・スズキMotoGP GSV-R
今日の予選結果には満足できていませんが、今日はバイクに大きな進歩が得られましたし、レースタイヤでの戦いならもっとかなり上の順位が狙えます。ペースも安定していますしね。
レースタイヤに関する作業内容には満足できています。ただ、予選タイヤを装着した時には、過去にフィリップ・アイランドで抱えていたのと同じような問題が発生してしまい、バイクがタイヤを酷使する形になって、1周回を通してグリップを維持する事ができない状態でした。おかげで今日はかなり厳しい戦いを強いられましたね。
明日はいいスタートができる事と、全ての地元オーストラリアのファンにいいレースが見せられるよう祈るだけです!
■6列目
●16番グリッド)ジョン・ホプキンス カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR
今日の最大の目標は、特にマシン・バランスを改善してもっと走りやすいセッティングを見つける事でした。コーナー進入時にはフロントが押され、脱出時にはリアが滑っていますからね。
いい作業の方向性を見つけようと頑張りましたが、いくつかの点で改善は進んだものの、ラップタイムに効果が表れるほどの十分な進歩は得られていません。
午前はホンダ・コーナーへの進入時にフロントを滑らせて軽く転んでしまいましたが、原因は路面温度が低くてタイヤが十分に温まっていなかった事です。今得られているグリップレベルを最大限に利用するためには、もっといいコーナリング性とマシンの安定性を実現していく必要があります。
予選では全ての周回の最終コーナーでタイムを大きくロスしていたので、明日の午前中にはその部分の改善に集中して取り組む必要があります。
●17番グリッド)マルコ・メランドリ ドゥカティ・マルボロ・チーム デスモセディチ GP8
ここは自分たちにとって相性のいいサーキットだと思っていたので、この結果には本当にがっかりです。これで最終日がさらに難しくなってしまいました。午前中は問題を抱えた後に転倒しましたが、ゆっくりと真っすぐに走っていた時だったので非常に奇妙でした。何も進展がない状況です。
普段ならコーナー脱出時の遅れを取り戻すためにブレーキをかなり激しくかけるんですが、今日はブレーキングにも自信が持てないのでそれすらできていません。本当に難しい状況に陥っています。レースまでに流れを変えられるか、様子を見ていくしかありませんね。
●18番グリッド)アンソニー・ウエスト カワサキ・レーシング・チーム ZX-RR
今日はバイクの感触がもっと良くなるようにセッティングに大きな変更を加え、その結果フロントの接地感に少しの改善は見られましたが、マシン全体として見れば飛躍的と言えるような効果は得られていません。
コーナリング中は特にマシンが安定しません。予選タイヤを履いてもその状況に変わりはなく、本来ある筈のグリップさえ感じる事ができない状態です。今回は自分のホームグランプリですから、もっといい走りを見せたかったので悔しく思いますが、どうしてもいいラップタイムが一度も出せないんです。
あまり明日のレースには自信が持てませんが、今晩の作業中に何かが見つかって、レースの開始までに抜本的な改善が得られる事を願っています。
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