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SBK第4戦オランダ決勝、感慨にふけるベイリス
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インテリマーク編集部
  2008年5月2日

SBK(世界スーパーバーク選手権)が4月27日にダッチTTで有名なオランダのアッセン・サーキットにおいて、2008年シーズンの第4ラウンドとなるオランダ戦決勝レースの日を迎えている。ここでは、レースウイーク初日と2日目に引き続き良好な晴天に恵まれたこの日のアッセンでのレース1とレース2の内容と結果、ならびに主要ライダーのコメントなどを紹介する。


■グリッド順、ポールポジションはベイリス、芳賀選手は2番グリッド
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7万5千人の観衆が詰めかけた4月27日のアッセン・サーキットのスターティング・グリッドには、ポールポジションにドゥカティーのトロイ・ベイリス、1列目2番グリッドにはヤマハ・イタリアの芳賀紀行選手、3番グリッドにはステリルガルダ・ゴー・イレブンルーベン・ザウス、1列目最後の4番グリッドにはヤマハ・イタリアのトロイ・コーサーがつけて、この日のSBKカテゴリ最初のレースとなる現地時間12時からの全22周回のレース1開始を待った。
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2列目5番グリッドにはチーム・アルスター・スズキのマックス・ノイキルヒナー、6番グリッドにはハンスプリー・テンケイト・ホンダのカルロス・チェカ、7番グリッドにはチーム・スズキ・アルスターの加賀山就職選手、2列目最後の8番グリッドにはガンダリーニ・レーシングのヤコブ・シュムルツがつける。

上記以外の日本勢では、カワサキPSG-1の玉田誠選手が3列目10番グリッド、ハンスプリー・テンケイト・ホンダの清成龍一選手は4列目13番グリッド、YZFヤマハの中冨伸一選手は5列目16番グリッド、アルト・エボリューション・ホンダの青山周平選手は7列目となる25番グリッド。
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■初日に左ひじを骨折していたランチはレースを欠場

初日の第1予選で転倒した際、強打した左ひじの骨に小さくひびが入っていた事が後に判明したR.G.チームのロレンツォ・ランチは、2日目には無理をしてスーパーポールに出場し4列目16番グリッドを確保はしたものの、痛みの激しさから次戦のモンツァ戦に備えこの日の2回のレースは欠場する事を決定しており、このため17番以下のグリッドは全て1つずつ繰り上がっている。

また、前々回のオーストラリア戦において左手首を骨折し、全治1ヶ月と診断されたステリルガルダ・ゴー・イレブンのマックス・ビアッジは、今週末を通してセッティングに苦しみ5列目17番グリッドからのスタートとなった。


■レース1、ホールショットはベイリス
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気温19度、路面温度23度、湿度39%の良好なドライ・コンディションに恵まれたレース1の開始をつげるシグナルの消灯と同時に、猛烈なスタート・ダッシュを見せたのは、ポールポジションからスタートしたドゥカティーのトロイ・ベイリスだった。


■好スタートの加賀山選手がベイリスの背後に
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そのままホールショットを奪ったベイリスに続いて2列目からの好スタートを見せたチーム・スズキ・アルスターの加賀山選手が2番手で1コーナーに進入、背後の3番手にはヤマハ・イタリアのトロイ・コーサー、4番手にはステルリガルダ・ゴー・イレブンのルーベン・ザウス、5番手にはヤマハ・イタリアの芳賀選手、6番手にはハンスプリー・テンケイト・ホンダのカルロス・チェカ、7番手にはチーム・アルスター・スズキのマックス・ノイキルヒナーが続く。


■2ラップ目に芳賀選手はザウスを巻き込み転倒
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ザウスがコーサーを交わして3番手に浮上した2ラップ目、同じくコーサーを交わした芳賀選手が鋭角左コーナーのイン側から3番手のザウスに並びかけるが、左に倒し込んだ芳賀選手はコーナーを曲がりきれずにザウスの進路をふさぎ2台は接触。勢いのついた芳賀選手のマシンは起き上がるとすぐに右側に転がり、投げ出された芳賀選手はアスファルトに落下、ザウスはタイヤを滑らせながらゆっくり転倒した。

■ザウス「絶好調だったのに」、芳賀選手「残念なレース」

ここで最後尾に転落するもマシンを起こしてレースに復帰したザウスは「とにかく残念!自分はベストな状態だったのに芳賀に転倒させられた。コースに復帰してポイントだけは取ろうとしたが手遅れだった」とコメント。マシンのダメージが大きく、ここで無念のリタイアとなった芳賀選手は「ルーベンに追い越しをかけた時に接触してしまい転倒した。残念なレースになってしまった」と語った。


■ノイキルヒナーが3番手に急浮上
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4ラップ目にはノイキルヒナーが3番手に急浮上し、5ラップ目までに先頭のベイリス、2番手の加賀山選手、3番手のノイキルヒナーの3台がトップ集団を形成。やや後方の第2集団は4番手にチェカ、5番手にコーサー、6番手にチーム・スズキ・アルスターのフォンシ・ニエト、7番手にははカワサキPSG-1のレジス・ラコーニ、8番手にはそのチームメイトの玉田誠選手。


■5ラップ目に加賀山選手がトップに浮上
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5ラップ目に加賀山選手はベイリスからインを奪いトップに浮上。ベイリスは先頭の加賀山選手と真後ろのノイキルヒナーのスズキ勢に挟まれ2番手に後退。

■ニエトがハイサイドを起こしひざを強打
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カワサキの2台が第2集団から脱落した6ラップ目、6番手を走行していたニエトがハイサイドを起こし激しく転倒してひざを強打。一度はマシンを押してコースへの復帰は試みたものの走行をここで断念。

■先頭集団は5台体制に、玉田選手は6番手

ここでチェカとコーサーがペースを上げてトップの3台に追いつき、先頭集団は加賀山選手、ベイリス、ノイキルヒナー、チェカの5台体制に。玉田選手は単独6番手となり、ペースを落とし続けるラコーニは後方から追い上げる清成選手に交わされて8番手となった。


■トップの加賀山選手が痛恨のミス、一気に5番手に後退
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12ラップ目、先頭を走っていた加賀山選手がシケイン内でタイヤを一瞬砂地に落とすミスを犯し、軽くバランスを崩した加賀山選手は先頭集団内の残る4台に一気に交わされてしまう。ここでのトップ5の順位は先頭がベイリス、2番手がノイキルヒナー、3番手がチェカ、4番手がコーサー、5番手が加賀山選手。

■清成選手が6番手に浮上、玉田選手は8番手に

13ラップ目、玉田選手はガンダリーニ・レーシングのヤコブ・シュムルツと清成選手に立て続けに交わされて8番手に後退。清成選手はシュムルツを交わし6番手に浮上。


■先頭集団はベイリス、ノイキルヒナー、チェカの3台に
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14ラップ目に入るとコーサーと加賀山選手は先頭集団についていけなくなり、ここからの先頭争いはこのベイリス、ノイキルヒナー、チェカの3台に絞られる。15ラップ目に入るとベイリスはさらにペースを上げて後続の2台を1秒引き離し、2番手のポジション維持に気持ちを切り替えた様子のノイキルヒナーは、余裕の素振りで背後につける3番手のチェカを必死に振り切ろうと逃げ続ける。

ここでコーサーと加賀山選手は激しく4番手を争い、その後方を走る清成選手はシュムルツに交わされて7番手に。


■因縁の対決、なかなかノイキルヒナーにしかけなかったチェカが2番手に
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ベイリスが後続からのリードを2.5秒に広げた残り4周の19ラップ目、コース終盤のシケインでチェカがノイキルヒナーを交わし2番手に浮上。焦るノイキルヒナーはチェカに食い下がり、続く20ラップ目のメインストレートで2台は横並びとなるが、先頭のベイリスに続いて1コーナーを奪ったのはチェカの方だった。ノイキルヒナーは3番手に後退。

ベイリスは後方2台のバトルを尻目にペースを伸ばし、21ラップ目には2番手につけるチェカとの差を3.5秒まで拡大。


■ベイリスが余裕のウィリー・ゴール、チェカは2位、ノイキルヒナーは3位に
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最終ラップを単独トップのまま走りきり、先頭で余裕のウィリー・ゴールを決めたのは、今期4回目の優勝を決めて大差のランキングトップをひた走る今期絶好調のSBK最年長チャンピオン記録保持者、ドゥカティーのトロイ・ベイリス。「もちろんとても満足」と述べるベイリスに続き2位でチェッカーを受けたのは、昨年度までMotoGPを戦っていた今年のSBKルーキー、ハンスプリー・テンケイト・ホンダのカルロス・チェカ、3位表彰台はバレンシア戦での負傷から復帰したばかりのドイツ人ライダー、チーム・アルスター・スズキのマックス・ノイキルヒナーが獲得した。

■2位のチェカ「ノイキルヒナーには気を遣った・・・」
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前回のバレンシアでは初優勝目前のノイキルヒナーに無理な追い越しをかけ、相手に怪我を負わせた上に自分はコースに復帰するという後味の悪い結末を迎えてしまい、その後のオフウイーク中は「時間を元に戻したい」と何度も悔やんだという今回2位のチェカは「今日はノイキルヒナーのすぐ側を走行していたので特別な気持ちがあった。ずっとバレンシアの時の事を考えていたし、追い越しは慎重に行いたかった。その結果2番手だったが、トロイは確実にリードを広げていたので、いずれにしても追いつくのは不可能だったと思う」とコメントしている。

■復帰レースで表彰台を獲得したノイキルヒナー「もう怒ってない」
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バレンシアで骨折した鎖骨の手術をドイツで受けた後、もうバレンシアの事は怒ってないと述べ、アッセンに入ってからはすぐにチェカとも笑顔で握手を交わした復帰戦3位のノイキルヒナーは「素晴らしいレースだった。自分にとって嬉しい結果となったし、トップ集団のライダーたちの中でずっとポジションをキープできて気分がとてもよかった。2つの右コーナーで問題が若干発生していたが、おそらくリアブレーキを使いすぎてフロントが滑っていたんだと思う」とレース1終了後にコメントした。


■日本勢のレース1結果

日本勢では、12ラップ目にミスをするまではトップを走行していたチーム・スズキ・アルスターの加賀山選手は惜しくも表彰台に届かず4位、ハンスプリー・テンケイト・ホンダの清成龍一選手が7位、カワサキPSG-1の玉田誠選手は8位、YZFヤマハの中冨伸一選手がポイント圏内の15位、アルト・エボルーション・ホンダの青山周平選手は19位だった。ヤマハ・イタリアの芳賀紀行選手は2ラップ目の転倒によりリタイアしている。


SBKオランダ戦レース1の結果
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気温19度、路面温度23度、湿度39%、ドライ・コンディションの中で行われたオランダ戦レース1の結果は以下の通り。

1) トロイ・ベイリス AUS ドゥカティ・ゼロックス・チーム Ducati 1098 F08 
2) カルロス・チェカ ESP ハンスプリー・テンケイト・ホンダ Honda CBR1000RR +2秒132
3) マックス・ノイキルヒナー GER チーム・アルスター・スズキ Suzuki GSX-R1000 +2秒179
4) 加賀山就臣 JPN チーム・スズキ・アルスター Suzuki GSX-R1000 +10秒919
5) トロイ・コーサー AUS ヤマハ・モーター・イタリア WSB Yamaha YZF-R1 +11秒051
6) ヤコブ・シュムルツ CZE Guandalini Racing by Grifo's Ducati 1098 F08 +11秒979
7) 清成龍一 JPN ハンスプリー・テンケイト・ホンダ Honda CBR1000RR +15秒184
8) 玉田誠 JPN カワサキPSG-1コルセ Kawasaki ZX-10R +18秒395
9) グレゴリオ・ラビラ ESP ベント-アクシア VK ホンダ Honda CBR1000RR +18秒634
10) マックス・ビアッジ ITA ステリルガルダ・ゴー・イレブン Ducati 1098 RS 08 +20秒699
11) レジス・ラコーニ FRA カワサキPSG-1コルセ Kawasaki ZX-10R +25秒759
12) ケナン・ソフォグル TUR ハンスプリー・テンケイト・ホンダJr Honda CBR1000RR +26秒064
13) アイルトン・バドビーニ ITA チーム・ペデルチーニ Kawasaki ZX-10R +35秒582
14) カール・マガリッジ AUS D.F レーシング Honda CBR1000RR +36秒266
15) 中冨伸一 JPN YZFヤマハ Yamaha YZF-R1 +37秒215
16) ルーベン・ザウス ESP ステリルガルダ・ゴー・イレブン Ducati 1098 RS 08 +37秒286
17) セバスチャン・ジンバート FRA ヤマハ・フランス Ipone GMT 94 Yamaha YZF-R1 +39秒037
18) ラッセル・ホランド AUS D.F レーシング - ベルトッチ Honda CBR1000RR +45秒162
19) 青山周平 JPN アルト・エボルーション・ホンダ・スーパーバイク Honda CBR1000RR +1分4秒895
20) Arie Vos NED Fabricom - MCT Racing Ducati 1098 RS 08 +1分05秒022
21) ロイック・ナポレオン FRA グリリーニPBRチーム Yamaha YZF-R1 +1分22秒777
22) ロベルト・ロルフォ ITA ハンスプリー・ホンダ・アルセア Honda CBR1000RR (20周走行)
DNF) フォンシ・ニエト ESP チーム・スズキ・アルスター Suzuki GSX-R1000 (9周走行)
DNF) ミッシェル・ファブリツィオ ITA ドゥカティ・ゼロックス・チーム Ducati 1098 F08 (9周走行)
DNF) ルカ・モレリ ITA アルト・エボルーション・ホンダ・スーパーバイク Honda CBR1000RR (6周走行)
DNF) ダビ・チェカ ESP ヤマハ・フランス Ipone GMT 94 Yamaha YZF-R1 (6周走行)
DNF) 芳賀紀行 JPN ヤマハ・モーター・イタリア WSB Yamaha YZF-R1 (1周走行)
-) ビットリオ・イアンヌッツォ ITA チーム・ペデルチーニ Kawasaki ZX-10R (スタートせず)


■レース2、負傷したニエトは痛み止めを打っての参加

引き続き良好な晴天に恵まれたレース2開始時点となる午後3時30分の気温は19度、路面温度は23度、湿度は39%だった。なお、レース1で激しく転倒してひざを強打したチーム・スズキ・アルスターのフォンシ・ニエトは、痛み止めを打ってレース2にも参加している。


■ホールショットはまたもベイリス、2番手にはザウス、3番手には芳賀選手
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シグナルが消え、またも好調なスタートダッシュを見せたのはポールポジションからスタートしたドゥカティーのトロイ・ベイリス、2番手には3番グリッド・スタートのステルリガルダ・ゴー・イレブンのルーベン・ザウス、3番手には2番グリッドからスタートした芳賀紀行選手がつける。
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芳賀選手の背後ではマックス・ノイキルヒナー、フォンシ・ニエト、加賀山就臣選手のスズキ勢3台が4番手を争い、さらにその後方にはハンスプリー・テンケイト・ホンダのカルロス・チェカが8番手につけ、それを9番手を争うカワサキPSG-1の玉田誠選手とレジス・ラコーニが追い、ステリルガルダ・ゴー・イレブンのマックス・ビアッジが11番手、ガンダリーニ・レーシングのヤコブ・シュムルツが12番手で1コーナーを抜けて行く。シュムルツの背後の13番手にはハンスプリー・テンケイト・ホンダの清成龍一選手。


■芳賀選手がザウスを交わして2番手に、3番手はまたも急浮上のノイキルヒナー
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2ラップ目の終盤に芳賀選手はザウスのインをついて2番手に浮上。先頭集団が団子状態に入り乱れた3ラップ目の最終シケインでは、ノイキルヒナーがザウス、コーサー、加賀山選手などを交わして芳賀選手の背後となる3番手に一気にポジションを上げた。

ノイキルヒナーが芳賀選手と並びかけようとする4ラップ目、後退するラコーニを交わし、それに続けてシュムルツとビアッジも交わした清成選手は、前方に迫った玉田選手も交わして9番手に浮上。玉田選手は10番手に後退。

■混戦模様となった序盤の順位
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各ライダーの差が広がらず、先頭から長い1列が形成される中、各所で激しいバトルが繰り広げられた6ラップ目の順位は先頭がベイリス、2番手が芳賀選手、3番手がノイキルヒナー、4番手がザウス、5番手が加賀山選手、6番手がコーサー、7番手チェカ、8番手がニエト。
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■順調にペースを上げ続けていた清成選手にマシン・トラブル

ここで順調にポジションを上げて玉田選手と9番手を争っていた清成選手は、バイクのステアリング・ダンパーに不調を訴えて大きくポジションを後退。後にリタイアとなった清成選手は「クランプの部分が壊れた理由は分からないが、バイクの感触がレース1の時よりも良くなっていただけに不運だった」とコメント。
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■着実に後方からポジションを上げるチェカ

先頭のベイリス、2番手の芳賀選手、3番手のノイキルヒナーの3台がトップ集団として長蛇の列から若干抜け出した7ラップ目の最終コーナー、6番手を行くコーサーの真後ろにはチェカが迫り、続く8ラップ目の1コーナーではチェカがコーサーからインを奪いコーサーは7番手に後退。
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■後方に沈んでいくコーサー、チェカは加賀山選手を交わし5番手に

そのままペースを上げる6番手のチェカは10ラップ目に5番手を行く加賀山選手の背後にまで迫り、ペースを落として後退を続ける7番手のコーサーの後方には8番手の玉田選手が現れる。11ラップ目にチェカは最終シケインの入り口で加賀山選手からインを奪い5番手に浮上。加賀山選手はチェカに食い下がるが前を奪い返す事はできない。
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同じ頃、玉田選手はシュムルツに前を奪われ再び9番手に後退。8番手のシュムルツはペースの伸びない前方7番手のコーサーに近づいて行く。


■トップ争いはベイリスと芳賀選手、ついていけないザウスとノイキルヒナー

12ラップ目にはトップの3台に一度は離されかけたザウスが追いつき、先頭集団はベイリス、芳賀選手、ノイキルヒナー、ザウスの4台により形成されるが、14ラップ目に入ると後方を何度も振り返り確認しながらレースをコントロールしている先頭のベイリスがペースを上げ、それを追う2番手の芳賀選手についていけなくなったノイキルヒナーとザウスの2台は徐々に後退を開始。ここからのトップ争いはついに先頭のベイリスと2番手の芳賀選手の2台に絞られる。
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トップを争うベイリスと芳賀選手が第2集団となった3番手のザウスと4番手のノイキルヒナーを1.5秒引き離し、第2集団の3.2秒後方から5番手のチェカが6番手の加賀山選手を振り切ってハイペースの追い上げを見せる16ラップ目、玉田選手はベント-アクシアVKホンダのグレゴリオ・ラビラに交わされて10番手に後退。その背後ではニエトとビアッジが11番手を争っている。
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■またもノイキルヒナーの背後に迫るチェカ
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先頭のベイリスが2番手の芳賀選手との距離をコース後半でやや広げた18ラップ目、ここでザウスはノイキルヒナーを交わして3番手に浮上。4番手となったノイキルヒナーの背後には5番手のチェカが迫る。
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その頃、コーサーは玉田選手に交わされて10番手に後退し、玉田選手は9番手にポジションを復帰。

■チェカがノイキルヒナーを交わし4番手に浮上、逃げる表彰台圏内のザウス
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残り3周の20ラップ目、ノイキルヒナーの真後ろにまで迫ったチェカがレース1と同じく最終シケイン入り口でノイキルヒナーの前を奪い4番手に浮上。その後はザウスとチェカの間に3番手争いが勃発し、5番手となったノイキルヒナーはその2台のペースにはついて行けなくなる。


■スパートをかけるベイリス、逃がさない芳賀選手
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残り2周の21ラップ目、コースの前半区間で激しい走りを見せる芳賀選手が逃げる前方のベイリスとの差を一気に詰めるが、コース後半区間に入るとややベイリスのペースの方が速くなる。

■チェッカー直前、ベイリスに並びかける猛加速の芳賀選手
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最終ラップ、芳賀選手がまたもコース前半でベイリスとの距離を大きく削るが、後半区間ではまたややベイリスが芳賀選手との距離を広げる。最終シケイン入り口に最初に飛び込んだのはベイリス。背後につける芳賀選手は最終コーナーでイン側を確保、そのまま芳賀選手はコントロールラインに向けて鋭い加速を見せ、外側にややふくらんで加速する前のベイリスとの差はここで一気になくなる。ベイリスのリアタイヤと芳賀選手のフロントタイヤが並びかけた。


■ベイリスがダブルウインを達成、芳賀選手は惜しくも2位
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ここで最初にチェッカーを受けたのは、僅差でトップを守りきったドゥカティーのトロイ・ベイリスだった。ヤマハ・イタリアの芳賀紀行選手は0.08秒差で惜しくも優勝は逃したものの2位表彰台を獲得。
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■3位はザウスを交わした紳士

そして激しい3位争いを制したのは、最終ラップの終盤に鋭いコーナリングでザウスの右イン側を奪ったハンスプリー・テンケイト・ホンダのカルロス・チェカだった。ザウスの前を勢い良く奪った瞬間にチェカは腕を上げて背後のザウスに挨拶。今回のアッセンではバレンシアでのノイキルヒナーとの一件を振り払うかのように、世界的に有名なその紳士ぶりを発揮。
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■ベイリス「初めてアッセンで走った時もノリとの戦いだった」

ポールポジションからの見事なダブルウインを飾り、開幕からの8レース終了直後の現時点においてランキング2位に浮上したチェカから70ポイントの大差を開いたポイントリーダーのベイリスは「素晴らしい週末になった。SBKでアッセンを走るのは今回が最後になるが、初めてここでレースをした時にもノリ(芳賀選手)とすごいバトルを演じたので、最後にまた彼と素晴らしいバトルができた事は素晴らしい。あの時は彼が勝ったが、今回は自分が勝てたので締めくくりとしても完璧と言える」と、初めてアッセンでSBKを戦った時の芳賀選手との攻防戦を懐かしむコメントを残した。
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■芳賀選手「なんとか追い抜きのチャンスをうかがったが・・・」

残念なレース1の後のレース2では2位表彰台を獲得、ランキング6位を保持する事に成功した芳賀選手は「レース2では激しく攻め続けた。レース終盤にベイリスはスパートに入ったが、そこから引き離される事はなかったし追いつく事もできた。なんとか彼を交わそうとチャンスをうかがってはいたが、終盤の彼のコーナーでのライン取りは鋭く、アクセルワークも良かった。レース2の結果には満足している。十分に満足していると言えば嘘になるが」とレース2終了後に語った。
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■チェカ「ここでのベイリスは強すぎ」

レース1に引き続き連続して表彰台を獲得し、年間ランキングの2位に浮上したカルロス・チェカは「今日の目標はトロイに接近する事だったが、このサーキットで彼は強すぎたし、彼と戦って勝つ方法は見つからなかったと思う」とコメント。
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■日本勢のレース2の結果
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その他の日本勢のレース2の結果は、チーム・スズキ・アルスターの加賀山就臣選手が6位、カワサキPSG-1の玉田誠選手が9位、YZFヤマハの中冨伸一選手が再びポイント圏内の15位、アルト・エボリューション・ホンダの青山周平選手は21位だった。ハンスプリー・テンケイト・ホンダの清成龍一選手はメカニカル・トラブルにより8周を走行したところでリタイアしている。


写真■加賀山選手「レース2ではフロントに問題」

レース2を6位で終え、現時点のランキングは11位に浮上した加賀山選手は「レース1の時と同じバイクで走ったが、感触はレース1の時の方が良かった。リアタイヤの調子が悪く、かなりの振動やチャタリングの問題を抱えていた。速く走ろうとすると振動がさらに悪化するので、完走が狙える範囲で最大限に攻めて走り続けた」とレース2でのマシン状況を説明した。

■玉田選手「基本セッティングの正しさを再確認できた」

レース2では9位を獲得し、ランキングの15位につけた玉田誠選手は「2レース共にスタートがうまくいき、完走もできたので満足はしている。リアのトラクションに問題を抱えていたのでペースを維持する事は非常に難しかったが最後まで持ちこたえた。セッティングはいい方向に向かっており、それが結果に表れてきている。ヘレスでテストした基本セッティングが正しい状態にある事も確認できた。一歩ずついい方向に進んでいると思う」とコメント。
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■中冨選手「次戦はもっと上位を」

両レースでポイント圏内となる15位を獲得し、ランキングは21位となったYZFヤマハの中冨真一選手は「レース1ではフロントタイヤに問題が発生して攻める事ができなくなったが、レース2では別のフロントタイヤを試したおかげで問題は改善された。ただ、他のライダーを抜くにはまだ難しい状態だった。全体としてあまりいい結果ではないが、両方のレースでポイントをトル事はできたので、次戦ではセッティングを変更してさらに上位を狙っていきたい」とレース後に語った。
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■清成選手「初めてのサーキットでも速く走る自信がついた」

レース2ではマシントラブルに見舞われ、8ラップを走行後にリタイアを強いられたランキング12位の清成龍一選手は「ステアリング・ダンパーのクランプ部が壊れてレースを継続する事ができなくなった。原因は分からないが、レースを序盤でリタイアする事になりとても不運だった。今の自分のライディング・スタイルではフロントを酷使しすぎてタイヤの消耗が早く、ラップタイムを維持するのが難しいが、レース2の時はフロントタイヤを変更した事で好感触が得られていた。そこでリタイアする事になってしまったが、途中でいいラップタイムを出せた時には嬉しかったし、初めてのサーキットを今後走る上での自信にもつながった。マシン性能についての理解はさらに深まっている。次回はもう少し運にも恵まれたい」とコメント。
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■ファブリツィオは両腕に激痛、アッセンでは絶不調のビアッジ

なお、今回のアッセンの2レース共にDNFとなったドゥカティー・ワークスのミッシェル・ファブリツィオは、このレースウイーク中に腕上がり症(アーム・パンプ)による激しい両腕の痛みを訴えており、レース2の終了後には母国のイタリアに戻って急遽手術を受けている。
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■ビアッジ「マシンを改善できなかった理由がわからない」

また、オーストラリアで骨折した左手首は回復に向かいつつあるものの、今回のアッセンでは初日からセッティングが決まらずに不調のレースウイークを過ごし、この日のレース結果も10位と12位という不本意な内容に終わったステリルガルダ・ゴー・イレブンのマックス・ビアッジは、「今週はバイクの調子を改善できなかった。なぜ予選とレースの両方でいいレベルに到達できなかったのか説明がつかない。モンツァまでには状況を改善できるよう、懸命な作業が必要になる」とコメントしており、アッセンでの不調の原因は腕の怪我だけではなかった事をレース後に明かした。
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SBKオランダ戦レース2の結果

気温22度、路面温度31度、湿度31%、ドライ・コンディションの中で行われたオランダ戦レース2の結果は以下の通り。
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1) トロイ・ベイリス AUS ドゥカティ・ゼロックス・チーム Ducati 1098 F08 
2) 芳賀紀行 JPN ヤマハ・モーター・イタリア WSB Yamaha YZF-R1 +0秒082
3) カルロス・チェカ ESP ハンスプリー・テンケイト・ホンダ Honda CBR1000RR +6秒336
4) ルーベン・ザウス ESP ステリルガルダ・ゴー・イレブン Ducati 1098 RS 08 +7秒575
5) マックス・ノイキルヒナー GER チーム・アルスター・スズキ Suzuki GSX-R1000 +8秒011
6) 加賀山就臣 JPN チーム・スズキ・アルスター Suzuki GSX-R1000 +13秒999
7) グレゴリオ・ラビラ ESP ベント-アクシア VK ホンダ Honda CBR1000RR +15秒215
8) ヤコブ・シュムルツ CZE Guandalini Racing by Grifo's Ducati 1098 F08 +16秒376
9) 玉田誠 JPN カワサキPSG-1コルセ Kawasaki ZX-10R +17秒269
10) トロイ・コーサー AUS ヤマハ・モーター・イタリア WSB Yamaha YZF-R1 +18秒380
11) フォンシ・ニエト ESP チーム・スズキ・アルスター Suzuki GSX-R1000 +18秒926
12) マックス・ビアッジ ITA ステリルガルダ・ゴー・イレブン Ducati 1098 RS 08 +21秒452
13) カール・マガリッジ AUS D.F レーシング Honda CBR1000RR +23秒794
14) ロベルト・ロルフォ ITA ハンスプリー・ホンダ・アルセア Honda CBR1000RR +29秒847
15) 中冨伸一 JPN YZFヤマハ Yamaha YZF-R1 +30秒252
16) レジス・ラコーニ FRA カワサキPSG-1コルセ Kawasaki ZX-10R +31秒249
17) セバスチャン・ジンバート FRA ヤマハ・フランス Ipone GMT 94 Yamaha YZF-R1 +31秒328
18) アイルトン・バドビーニ ITA チーム・ペデルチーニ Kawasaki ZX-10R +39秒814
19) ケナン・ソフォグル TUR ハンスプリー・テンケイト・ホンダJr Honda CBR1000RR +49秒956
20) ラッセル・ホランド AUS D.F レーシング - ベルトッチ Honda CBR1000RR +51秒554
21) 青山周平 JPN アルト・エボルーション・ホンダ・スーパーバイク Honda CBR1000RR +51秒642
22) ロイック・ナポレオン FRA グリリーニPBRチーム Yamaha YZF-R1 +1分02秒682
23) Arie Vos NED Fabricom - MCT Racing Ducati 1098 RS 08 +1分02秒729
DNF) ミッシェル・ファブリツィオ ITA ドゥカティ・ゼロックス・チーム Ducati 1098 F08 (10周走行)
DNF) 清成龍一 JPN ハンスプリー・テンケイト・ホンダ Honda CBR1000RR (8周走行)
DNF) ルカ・モレリ ITA アルト・エボルーション・ホンダ・スーパーバイク Honda CBR1000RR (4周走行)


■SBKオランダ戦終了直後のポイントランキング
写真
アッセンでのレース2が終了した時点のポイントランキングは以下に示す通り。

1) トロイ・ベイリス [AUS] [ドゥカティ] 178
2) カルロス・チェカ [ESP] [ホンダ] 108
3) トロイ・コーサー [AUS] [ヤマハ] 89
4) フォンシ・ニエト [ESP] [スズキ] 85
5) ルーベン・ザウス [ESP] [ドゥカティ] 81
6) 芳賀紀行 [JPN] [ヤマハ] 67
7) マックス・ノイキルヒナー [GER] [スズキ] 66
8) マックス・ビアッジ [ITA] [ドゥカティ] 54
9) グレゴリオ・ラビラ [ESP] [ホンダ] 48
10) ロレンツォ・ランチ [ITA] [ドゥカティ] 42
11) 加賀山就臣 [JPN] [スズキ] 41
12) 清成龍一 [JPN] [ホンダ] 39
13) ミッシェル・ファブリツィオ [ITA] [ドゥカティ] 37
14) ヤコブ・シュムルツ [CZE] [ドゥカティ] 35
15) 玉田誠 [JPN] [カワサキ] 28
16) ケナン・ソフォグル [TUR] [ホンダ] 26
17) カール・マガリッジ [AUS] [ホンダ] 25
18) レジス・ラコーニ [FRA] [カワサキ] 21
19) ロベルト・ロルフォ [ITA] [ホンダ] 20
20) ラッセル・ホランド [AUS] [ホンダ] 10
21) 中冨伸一 [JPN] [ヤマハ] 9
22) ダビ・チェカ [ESP] [ヤマハ] 5
23) アイルトン・バドビーニ [ITA] [カワサキ] 3
24) セバスチャン・ジンバート [FRA] [ヤマハ] 3

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