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SBK第2戦オーストラリア、レース1とレース2の内容と結果 |
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2008年3月4日
SBK(世界スーパーバイク選手権)の第2ラウンドが、レースウイークを通して良好な晴天に恵まれたオーストラリアのフィリップ・アイランド・サーキットにて、決勝レースの日を3月2日に迎えている。
ここでは、レース1の序盤から怪我人が続出し、レース2においても有力ライダーが負傷するという波乱の展開となったSBKオーストラリア戦の2レースの結果を紹介する(最終予選の結果や各ライダーのグリッド位置についてはこちらの記事を参照)。
■SBKオーストラリア戦レース1の内容
SBK第2ラウンドの決勝当日となった3月2日、6万5千400人の観客がつめかけたオーストラリアのフィリップ・アイランド・サーキットは朝から青空と温かい陽射しに恵まれており、レース1が開始された正午の気温は22度、路面温度は30度、湿度は42%だった。
■負傷者が続出、波乱の幕開けとなったレース1
穏やかな気候の中で開始時刻を迎えたこの日のレース1だが、今回は開始と同時に大きな事故が発生している。
■1列目のファブリツィオがスタート直後にストール
レッドシグナルの消えたレース1の開始直後、1列目3番グリッドからスタートしようとしたドゥカティー・ゼロックスのミッシェル・ファブリツィオがグリッド上でエンジン・ストール。立ち往生して後ろを気にするファブリツィオは背後からは次々と激しい加速で1コーナーを目指して襲いかかる後続のライダーたちに飲み込まてしまった。
■最初にダビ・チェカが追突、左足に深い傷
ここで最初にカルロス・チェカの弟であるヤマハ・フランスのダビ・チェカがファブリツィオの右後方から接触、ここでファブリツィオは右足のふくらはぎに強度の打撲を負い、ダビ・チェカは左足に深い切り傷を負ってしまう。
■続いてイアンヌッツォが追突
この直後、バランスを崩したファブリツィオのマシンにチーム・ペデルチーニのビットリオ・イアンヌッツォが背後から衝突、ここでファブリツィオの右足のブーツは完全に脱げてしまい、突き飛ばされる形となったバイクのリアタイヤはホイールから脱落したが、幸いこの時にファブリツィオ本人の身体には深刻なダメージはなく片足で立ったままコース上に取り残された。
■イアンヌッツォは全治3ヶ月の重傷、ファブリツィオは比較的軽傷
不幸にも重傷を負ったのは追突したイアンヌッツォの方であり、ファブリツィオのマシンと接触後にコースの右側に勢いよくはじき飛ばされた自分のバイクに巻き込まれるように転がったイアンヌッツォは、この時に左手首の上部と親指部分以外の左の手のひらの骨をほとんどを骨折、さらに左手首を脱臼してメルボルンの病院に搬送された。すぐに手術を受けたイアンヌッツォだが、回復には60日から90日間を要する見込みだ。
■赤旗中断時にも混乱、カルロス・チェカの背後からラッセル・ホランドが追突
このグリッド上の事故を逃れてオープニング・ラップを争っていた他のライダーたちも、レッドフラッグの提示により結局半周ほどでレースを中断する事になったが、この赤旗中断の直後にも別の事故が発生している。左コーナーに進入しかかったテンケイト・ホンダのカルロス・チェカにブレーキングでバランスを崩したD.Fレーシングのラッセル・ホランドが追突、ここで2台は揃って転倒しカルロス・チェカは足首を痛めてしまう。
■危うく転倒は免れた清成選手
チェカの背後を走行していたテンケイト・ホンダの清成龍一選手は、チェカとホランドの事故に巻き込まれるのを避けてコースアウト、草の上をしばらくハイペースのまま走行する羽目になったが、幸い転倒は免れてそのまま無事にコースに復帰した。
■ルカ・モレリが重傷、この日の2レースの出場をキャンセル
また、青山周平選手のチームメイトであるアルト・エボリューション・ホンダのルカ・モレリ(写真右)も、カルロス・チェカが転倒したのと同じ頃に他のライダーに接触されて足の筋肉を損傷しており、この日のレース出場を全てキャンセルしている。
ちなみに、レース中断までオープニングラップをリードしていたのはヤマハ・イタリアのトロイ・コーサーだった。
■再スタートしたレース1をリードしたのはベイリス
こうしてレース1は仕切り直しとなり、重傷のイアンヌッツォとルカ・モレリの2名を除く全ライダーは、改めて全22周回のレースに挑むべくスターティング・グリッドにつき、当初予定の30分後となる午後0時30分から再びレース1が開始された。
レースの序盤からトップに躍り出たのは、2日目の第2予選中に転倒して左肘を8針縫う大きな怪我を負ったばかりの元最年長SBKチャンピオン、ポールポジションからスタートしたドゥカティー・ゼロックスのトロイ・ベイリスだった。
■芳賀選手はベイリスを追うもタイヤのグリップ不足により後退
オープニング・ラップから3周目までは、1週間前のカタール開幕戦での転倒時に右手首と右肩を痛めたヤマハ・イタリアの芳賀紀行選手が、チームメイトのトロイ・コーサーと共に先頭で逃げるベイリスの背後につけていたが、しばらくして芳賀選手はグリップ不足により後退を開始し、その後はコーサーの後方にテンケイト・ホンダのカルロス・チェカ、16番グリッドからの激しい追い上げを見せるステリルガルダのマックス・ビアッジとルーベン・ザウス、ドゥカティー・ゼロックスのミッシェル・ファブリツィオ、チーム・アルスター・スズキのマックス・ノイキルヒナーが次々と迫った。
■玉田選手とラコーニはマシン・トラブル
なお、カワサキPSG-1の玉田選手は開幕戦のカタールと同じくマシントラブル(エレクトロニクス系トラブルによる点火不良)に見舞われ、13ラップ目にピットイン、そのままリタイアしている。ちなみにチームメイトのレジス・ラコーニも全く同じ問題を抱えて7ラップ目にピットインしていた。
■2番手に急浮上したビアッジが転倒
レースの中盤に入ると、先頭のベイリスは余裕の走りで後続を引き離して単独トップとなり、それを2位手集団から抜け出したマックス・ビアッジが追い、残る表彰台圏内をザウス、コーサー、ファブリツィオの3台が争う形となったが、16ラップ目にビアッジは低速ヘアピンで突如フロントを滑らせて転倒したことから、後方3台の3位争いはここで2位表彰台争いへと切り替わっている。
■余裕のベイリス、2位争いはザウス、コーサー、ファブリツィオ
先頭のベイリスが余裕の走りを見せる中、ビアッジの転倒後にはザウスが2番手につけ、それをコーサーとファブリツィオが激しくポジションを入れ替えながら追ったが、ザウスは20ラップ目に2台に交わされて4番手に後退、20ラップ目にはコーサーが2番手を確保し、3番手のファブリツィオがそれに食い下がった。
■ベイリスが地元勝利を達成、2位も地元のコーサー、3位はファブリツィオ
最終ラップ、ドゥカティー・ゼロックスのトロイ・ベイリスが余裕の地元勝利を飾り、その4.2秒後にはヤマハ・イタリアのトロイ・コーサー、さらに0.5秒後にはドゥカティー・ゼロックスのミッシェル・ファブリツィオが3位表彰台を獲得。健闘を見せたステリルガルダのルーベン・ザウスは表彰台まで約0.5秒足りなかった。
■ベイリス「嬉しい地元優勝」、コーサー「バイクは完璧」
優勝した地元オーストラリア出身のベイリスは、「最後はタイヤが厳しかったが何とかなり地元で勝てて嬉しい」とコメントし、2位表彰台を獲得した同じく地元出身のコーサーはファブリツィオとのバトルについて「激しい抜き合いが何回かあり、大回りしてしまう事もあったが全く動じなかった。お互いに少し大きな動きをしすぎたかもしれないが今回のバイクは完璧だった」と述べた。
■表彰台を獲得しても神妙なファブリツィオ「他のライダーに申し訳ない」
また、今回3位表彰台を獲得したミッシェル・ファブリツィオは、レース1の最初に大事故とレッドフラッグを引き起したスタートミスについて「他のライダーたちに申し訳ない事になった」と神妙な面持ちで述べた上で、「ダビ・チェカのバイクが衝突した時に負傷し、レース1の再スタート後もずっと足に痛みを抱えていたが、歯を食いしばって自分のやるべき事をやった」とコメントしている。
■日本勢のトップは8位の芳賀選手、清成選手も9位と健闘
日本勢のレース1の結果は、序盤はトップグループ内を走ったもののタイヤのグリップの問題から後退したヤマハ・イタリアの芳賀紀行選手が8位、テンケイト・ホンダのSBKルーキーである清成龍一選手がSBK初ポイントの9位、SBK参戦3年目となるYZFヤマハの中冨伸一選手が今期初ポイントの15位、アルト・エボリューション・ホンダのSBKルーキーである青山周平選手が18位だった。
■玉田選手はリタイア、今回加賀山選手は欠場
カワサキPSG-1から初のSBKフル参戦を果たしている玉田誠選手は、開幕戦のレース1と同じく今回のレース1でもマシントラブルに見舞われて13周目にリタイア。なお、開幕戦で左の鎖骨を骨折したスズキ・アルスターの加賀山選手は今回のオーストラリア戦は欠場している。
●レース1の結果
以下に、SBKオーストラリア戦レース1の結果を示す。
1) トロイ・ベイリス AUS ドゥカティ・ゼロックス・チーム Ducati 1098 F08
2) トロイ・コーサー AUS ヤマハ・モーター・イタリア WSB Yamaha YZF R1 +04秒221
3) ミッシェル・ファブリツィオ ITA ドゥカティ・ゼロックス・チーム Ducati 1098 F08 +04秒738
4) ルーベン・ザウス ESP ステリルガルダ・ゴー・イレブン Ducati 1098 RS 08 +05秒171
5) フォンシ・ニエト ESP チーム・スズキ・アルスター Suzuki GSX-R 1000 K8 +05秒543
6) カルロス・チェカ ESP ハンスプリー・テンケイト・ホンダ Honda CBR 1000RR +05秒895
7) マックス・ノイキルヒナー GER チーム・アルスター・スズキ Suzuki GSX-R 1000 K8 +05秒964
8) 芳賀紀行 JPN ヤマハ・モーター・イタリア WSB Yamaha YZF R1 +14秒826
9) 清成龍一 JPN ハンスプリー・テンケイト・ホンダ Honda CBR 1000RR +18秒899
10) ロベルト・ロルフォ ITA ハンスプリー・ホンダ・アルセア Honda CBR 1000RR +20秒633
11) グレゴリオ・ラビラ ESP ベント-アクシア VK ホンダ Honda CBR 1000RR +21秒601
12) カール・マガリッジ AUS D.F レーシング Honda CBR 1000RR +29秒281
13) ロレンツォ・ランチ ITA R.G.チーム Ducati 1098 RS 08 +29秒500
14) ケナン・ソフォグル TUR ハンスプリー・テンケイト・ホンダJr Honda CBR 1000RR +30秒030
15) 中冨伸一 JPN YZFヤマハ Yamaha YZF R1 +30秒223
16) セバスチャン・ジンバート FRA ヤマハ・フランス Ipone GMT 94 Yamaha YZF R1 +30秒800
17) ラッセル・ホランド AUS D.F レーシング Honda CBR 1000RR +50秒107
18) 青山周平 JPN アルト・エボルーション・ホンダ・スーパーバイク Honda CBR 1000RR +1分07秒385
DNF) マックス・ビアッジ ITA ステリルガルダ・ゴー・イレブン Ducati 1098 RS 08 (15周走行)
DNF) 玉田誠 JPN カワサキ・PSG-1・コルセ Kawasaki ZX 10R (12周走行)
DNF) アイルトン・バドビーニ ITA チーム・ペデルチーニ Kawasaki ZX 10R (9周走行)
DNF) ロイック・ナポレオン FRA グリリーニPBRチーム Yamaha YZF R1 (7周走行)
DNF) レジス・ラコーニ FRA カワサキ・PSG-1・コルセ Kawasaki ZX 10R (6周走行)
DNF) ヤコブ・シュムルツ CZE Guandalini Racing by Grifo's Ducati 1098 F08 (2周走行)
DNF) ダビ・チェカ ESP ヤマハ・フランス Ipone GMT 94 Yamaha YZF R1 (0周走行)
-) ビットリオ・イアンヌッツォ ITA チーム・ペデルチーニ Kawasaki ZX 10R
-) ルカ・モレリ ITA アルト・エボルーション・ホンダ・スーパーバイク Honda CBR 1000RR
■SBKオーストラリア戦レース2の内容
引き続き良好なドライ・コンディションとなったレース2開始時の気温は28度、湿度は47%となり、路面温度はレース1の時から17度高い47度まで上昇している。
■またしても波乱のレース開始、5名がジャンプスタート「シグナルが長すぎる」
レース1はスタート直後から波乱の幕開けとなったが、続くレース2もスタート直前にちょっとしたハプニングが発生しており、「シグナルがあまりに長すぎた」と後に不満をもらすヤマハ・イタリアのトロイ・コーサーがシグナルが消える前にクラッチをリリースして2番グリッドからジャンプスタート、コーサーは慌ててブレーキをかけて再び停止したが、コーサーの動きにつられて3番グリッドのファブリツィオが発進してしまい、それにつられて2列目6番グリッドのヤコブ・シュムルツ、3列目10番グリッドのカワサキPSG-1のレジス・ラコーニ、4列目13番グリッドのハンスプリー・ホンダ・アルセアのロベルト・ロルフォ(写真下)も一斉にクラッチをリリースしてしまう。
■レース2序盤をリードしたのもベイリス
この5名のライダーが脱力感を味わう中、シグナルが完全に消えてから正しくスタートし、レース序盤にトップに躍り出たのはレース1勝利者であるドゥカティーのトロイ・ベイリスだった。
■すぐにコーサーがトップを奪うが免れないジャンプスタートのペナルティー
スタートに失敗して出遅れたコーサーはすぐにベイリスに追いつき2ラップ目にはトップに立ったが、コーサーを始めとするジャンプスタートの5名のライダーには4ラップ目にピットスルー・ペナルティーが提示されており、すなわち実質のトップはベイリスだ。
■誕生日を迎えた芳賀選手はレース2でもグリップ不足に苦しみ後退
ここでコーサーとベイリスの背後につけるのはこの日に33歳の誕生日を迎えたヤマハ・イタリアの芳賀紀行選手だったが、芳賀選手はレース1の時と同じくグリップ不足に苦しみ、トップ集団にはついていけなくなる。
■ペナルティーを受ける必要がなくなるコーサー、トップは再びベイリス
なお、ジャンプスタートのペナルティーを受ける直前の5ラップ目にコーサーは突如フロントを滑らせ転倒、そのままリタイアしており、「路面に水かオイルがこぼれていた気がしたので、後続のバイクもそのまま一緒にグラベルに飛び込んでこないか心配だった」と後に語っている。
■16番グリッドからの怒濤の追い上げを見せたビアッジが再び転倒
コーサーの転倒直後にトロイ・ベイリスはレース2でも単独トップに立ち、その背後の2番手のポジションは後方グリッドからの激しい追い上げを再び見せたステルリガルダのマックス・ビアッジとチーム・スズキ・アルスターのフォンシ・ニエトにより争われたが、7ラップ目にニエトの背後につけていたビアッジは右コーナー直前にマシンのバランスを崩してレース1に引き続き転倒、左手首を骨折してコースを離れるという最悪の結果に終わった。
■ビアッジは骨折し全治1ヶ月「スーパーポールのトラブルさえなければ!」
左手首の骨は比較的に素直な折れ方をしたものの、完治には30日間を要する事になったマックス・ビアッジは「ニエトのブレーキングが早すぎたので慌ててギアを落とそうとしたらコントロールを失いまた転んでしまった。昨日のスーパーポールでギアが折れて16番グリッドになった事が全ての元凶。あんな事さえなければ2レース連続でこんな事にはならなかったのに」と前日のスーパーポールでの我が身の不運を嘆いている。
■2番手を争うニエトとザウスの背後に迫るカルロス・チェカ
コーサーとビアッジが脱落した後のレース中盤、トップを快走するベイリスの遥か後方では2番手を争うニエトとステリルガルダのルーベン・ザウスの背後にテンケイト・ホンダのカルロス・チェカが迫り、チェカは11ラップ目までにザウスとニエトの2名を交わして2番手に浮上、最後の6周を残してタイヤが終わってしまった先頭のベイリスとの距離を徐々に縮めていった。
■ベイリスは地元ダブルウインを達成、2位はチェカ、3位はニエト
最終ラップを逃げ切り、レース2でも勝利を手にしたのは地元ダブルウインを達成したドゥカティーのトロイ・ベイリスだった。ベイリスの背後1秒差にまで迫ったテンケイト・ホンダのカルロス・チェカは、今回の2位によりSBK移籍後初の表彰台を獲得。続いてチェカから3秒遅れの3位表彰台を獲得したのは、開幕戦レース2で勝利を飾ってからの勢いが衰えないチーム・スズキ・アルスターのフォンシ・ニエトだった。
■19番グリッドからの快進撃を見せた清成選手は6位
4位はステリルガルダのルーベン・ザウス、5位はチーム・アルスター・スズキのマックス・ノイキルヒナー、6位は19番グリッドからの快進撃を見せたテンケイト・ホンダの清成龍一選手が獲得している。
■ベイリス「ダブルウインは無理かと思っていた」
ベイリスは地元でのダブルウインを達成し、「今年はダブルウインの達成は難しいと思っていたので夢がかなった気分。昨日の転倒の後、チームはすごい勢いでマシンを修復してくれた。レース1が終わった時にはひどく疲れた感じがしたが、今は最高に気分がいい」との喜びのコメントを述べた。
■チェカ「まだバイクに改善は必要」
SBKでの初表彰台を獲得したカルロス・チェカは「レース2は勝てるかもしれないと思ったが、レース1の時と同じようにベイリスにはまだ余裕が残っていた。でも、シーズンのこの段階で2位が獲得できたのはいい事だと思う。ザウスとニエトを引き離す上では十分なペースで走れたが、まだバイクには改善の余地がある」とコメント。
■日本人ライダーのコメント
以下に、日本人ライダー全員のレース2終了後のコメントを紹介する。
■清成選手「バイクの感触は良くなった、後は速く走るだけ」
日本勢最上位の6位となったテンケイト・ホンダの清成龍一選手は今回のレースを振り返り「この結果は本当に嬉しい。ただ、まだスタートが悪すぎるし、レースの後半にはラップタイムを維持できるようになったが序盤の内容には満足できていない。もっとスタートを良くするには予選の走りを改善する必要があるので、このまま頑張り続けたい。バイクの感触はどんどん良くなっているし、セッティングも良くなったので、後は速く走るだけ」と、今後への課題と抱負を述べた。
■芳賀選手「自分にとっての開幕は次回のバレンシア」
33歳の誕生日を迎えたこの日、レース2でもタイヤのグリップ不足に苦しみ、清成選手に次ぐ7番手でチェッカーを受けたヤマハ・イタリアの芳賀紀行選手は、「クリニカ・モバイルの人たちにすごくいいマッサージをしてもらったので今日の体調は悪くない。彼らにはすごく感謝している」と、開幕戦で負った右手首と右肩の怪我の具合について説明した上で、「今週はずっとグリップが不足していた。今年のここまでの開幕2戦はなんだかまだトレーニングをしているような状態だし、バイクの性能を完全に引き出す事ができていないので、自分たちの今シーズンはヨーロッパに戻ってから開幕する気分」と、次戦のバレンシアからは本調子で挑みたいとの構えを示している。
■玉田選手「マシンの課題は山積み」
レース1ではマシントラブルに見舞われてリタイアしたものの、レース2は14番手でフィニッシュし開幕戦に続く2度目のポイント獲得を果たしたカワサキPSG-1の玉田誠選手は「レース1ではレジスと同じ問題が発生した。レース2ではチャタリングに悩まされてコーナーの進入が難しく、方向転換が今も思い通りにできていない状態。リアのトラクションにもいくつか問題がある。今日は数ポイントは獲得できたので、バレンシアではその流れのまま行きたい」とコメント。
■中冨選手「2戦連続のポイント獲得」
レース1とレース2を共に15位で終え、今回は2レース連続のポイント獲得となったYZFヤマハの中冨伸一選手は「レース1ではタイヤから比較的いい感触が得られていたが、レース2はそれほどでもなかった。両レースでポイントが獲得できたのは大変な努力を続けてくれているチームのために良かった」と述べた。
■青山選手「経験を重ねながらいい方向には進んでいる」
レース2では4周目にクラッチ・トラブルを抱えてピットイン、そのままリタイアとなった青山周平選手は「カタールに比べれば今週は改善が進んでいるが、ここでも厳しい状態だった。進歩はあるもののランキング的に見れば何も変わっていない。ここまでのレースを通して頑張っているので、さらに経験を積む事はできているし、今は目標に向かっていい方向に進んでいるとしか言えない」と、前回のカタールに引き続き今は経験値を蓄えているとの姿勢を示した。
●レース2の結果
以下に、SBKオーストラリア戦レース2の結果を示す。
1) トロイ・ベイリス AUS ドゥカティ・ゼロックス・チーム Ducati 1098 F08
2) カルロス・チェカ ESP ハンスプリー・テンケイト・ホンダ Honda CBR 1000RR +01秒127
3) フォンシ・ニエト ESP チーム・スズキ・アルスター Suzuki GSX-R 1000 K8 +04秒395
4) ルーベン・ザウス ESP ステリルガルダ・ゴー・イレブン Ducati 1098 RS 08 +06秒621
5) マックス・ノイキルヒナー GER チーム・アルスター・スズキ Suzuki GSX-R 1000 K8 +11秒550
6) 清成龍一 JPN ハンスプリー・テンケイト・ホンダ Honda CBR 1000RR +11秒620
7) 芳賀紀行 JPN ヤマハ・モーター・イタリア WSB Yamaha YZF R1 +12秒049
8) グレゴリオ・ラビラ ESP ベント-アクシア VK ホンダ Honda CBR 1000RR +12秒134
9) ラッセル・ホランド AUS D.F レーシング Honda CBR 1000RR +13秒462
10) カール・マガリッジ AUS D.F レーシング Honda CBR 1000RR +15秒519
11) ケナン・ソフォグル TUR ハンスプリー・テンケイト・ホンダJr Honda CBR 1000RR +16秒225
12) ダビ・チェカ ESP ヤマハ・フランス Ipone GMT 94 Yamaha YZF R1 +21秒959
13) セバスチャン・ジンバート FRA ヤマハ・フランス Ipone GMT 94 Yamaha YZF R1 +21秒989
14) 玉田誠 JPN カワサキ・PSG-1・コルセ Kawasaki ZX 10R +29秒106
15) 中冨伸一 JPN YZFヤマハ Yamaha YZF R1 +29秒219
16) ロベルト・ロルフォ ITA ハンスプリー・ホンダ・アルセア Honda CBR 1000RR +32秒994
17) レジス・ラコーニ FRA カワサキ・PSG-1・コルセ Kawasaki ZX 10R +34秒380
18) ヤコブ・シュムルツ CZE Guandalini Racing by Grifo's Ducati 1098 F08 +42秒537
19) ミッシェル・ファブリツィオ ITA ドゥカティ・ゼロックス・チーム Ducati 1098 F08 +46秒623
20) ロレンツォ・ランチ ITA R.G.チーム Ducati 1098 RS 08 +47秒030
21) アイルトン・バドビーニ ITA チーム・ペデルチーニ Kawasaki ZX 10R +1分08秒601
DNF) マックス・ビアッジ ITA ステリルガルダ・ゴー・イレブン Ducati 1098 RS 08 (6周走行)
DNF) トロイ・コーサー AUS ヤマハ・モーター・イタリア WSB Yamaha YZF R1 (4周走行)
DNF) 青山周平 JPN アルト・エボルーション・ホンダ・スーパーバイク Honda CBR 1000RR (3周走行)
DNF) ロイック・ナポレオン FRA グリリーニPBRチーム Yamaha YZF R1 (3周走行)
欠場) ビットリオ・イアンヌッツォ ITA チーム・ペデルチーニ Kawasaki ZX 10R
欠場) ルカ・モレリ ITA アルト・エボルーション・ホンダ・スーパーバイク Honda CBR 1000RR
■ポイントランキング
SBK第2ラウンドとなったフィリップ・アイランドでの2レース終了時点のポイントランキングを以下に示す。
1) トロイ・ベイリス [AUS] [ドゥカティ] 88
2) フォンシ・ニエト [ESP] [スズキ] 61
3) ルーベン・ザウス [ESP] [ドゥカティ] 59
4) トロイ・コーサー [AUS] [ヤマハ] 45
5) カルロス・チェカ [ESP] [ホンダ] 45
6) マックス・ノイキルヒナー [GER] [スズキ] 39
7) マックス・ビアッジ [ITA] [ドゥカティ] 36
8) ミッシェル・ファブリツィオ [ITA] [ドゥカティ] 34
9) 芳賀紀行 [JPN] [ヤマハ] 22
10) グレゴリオ・ラビラ [ESP] [ホンダ] 18
11) 清成龍一 [JPN] [ホンダ] 17
12) ケナン・ソフォグル [TUR] [ホンダ] 17
13) ロレンツォ・ランチ [ITA] [ドゥカティ] 13
14) ヤコブ・シュムルツ [CZE] [ドゥカティ] 13
15) ロベルト・ロルフォ [ITA] [ホンダ] 12
16) カール・マガリッジ [AUS] [ホンダ] 10
17) 加賀山就臣 [JPN] [スズキ] 8
18) ラッセル・ホランド [AUS] [ホンダ] 7
19) 玉田誠 [JPN] [カワサキ] 6
20) ダビ・チェカ [ESP] [ヤマハ] 4
21) セバスチャン・ジンバート [FRA] [ヤマハ] 3
22) 中冨伸一 [JPN] [ヤマハ] 2
23) レジス・ラコーニ [FRA] [カワサキ] 1
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