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リズラスズキ、セパンで新型シャシーの本格テストを開始 |
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2006年11月13日
前回のバレンシアでの合同テストに引き続き、リズラ・スズキチームは今週の11月15日(水)から3日間の予定で開催されるマレーシアでのMotoGP合同テストに参加する。
■バレンシアでスズキの800ccエンジンに明るい兆し
2007年シーズンに向けての第一回目の合同テストとなった今月のバレンシアでは、レギュラー・ライダーの2名が初めてスズキの800ccプロトタイプに乗り、2日目にはレプソル・ホンダのダニ・ペドロサに次ぐ2番手タイムをクリス・バーミューレン、3番手タイムをジョン・ホプキンスが記録するという、スズキにとって幸先の良いスタートを切った。
この際、990ccクラス最後のレースとなったバレンシア・グランプリのレース時と比較すると、バーミューレンとホプキンスの両名は、それぞれの自己ベストを揃って約0.7秒上回るタイムを800ccエンジンで記録している。
■新型シャシーのテストを本格的に開始するリズラ・スズキ
バレンシアでは2006年型シャシーに新型800ccエンジンを搭載し、主にエンジンまわりを中心とするテストを行ったリズラ・スズキ勢だが、今週のセパンでは2007年型マシンに採用されるプロトタイプ・シャシーやサスペンションのテストも本格的に行い、シャシー・バランスやブリヂストンタイヤとの相性などを含む、総合的なパッケージとしてのテストを開始するという。
また、今回のセパンには前回のバレンシアと同様に、スズキの800ccマシンの開発を日本で先行して進めているテストライダーの青木宣篤選手も参加する事が決定している。
■セパンでは990cc時代のタイムに近づくのは難しい?
セパンはバレンシアと大きく特性の異なるサーキットだ。リズラ・スズキ勢をはじめ、バレンシアではいくつかのチームが990ccでの走行時のタイムを800ccマシンで上回ったが、これはバレンシアが中低速サーキットであり、元々990ccマシンのパワーを使って走行するとタイトに感じるコーナーが連続している事にも起因する結果だろう。
上の図に示す通り、セパンは高速ストレートを2本持ち、多くの中高速コーナーから構成されるサーキットだ。走行ラインが制限されるバレンシアとは異なり、コース幅はバレンシアの2倍以上となる25メートルを誇る。
■エンジン・パワーの差が顕著に
好タイムを出すにはエンジンパワーがフルに要求されるサーキットだけに、セパンでのタイムには各メーカーの800ccマシンの進化の度合いが顕著に表れる筈だ。バレンシアで好タイムを記録したリズラ・スズキ勢のセパンでの活躍にも注目だが、その他にも800ccマシンのデビューが予想されるカワサキなど、注目すべきところの多い3日間となるだろう。
なお、現段階でのマシンの熟成度が高いと噂されるドゥカティーのデスモセディチGP7に乗るライダーは、今回のセパンには参加しない。
■ホプキンス「こんな気持ちは初めて」
バレンシアでのテストに好感触を示し、800ccマシンの開発に前向きな姿勢を見せるジョン・ホプキンスは、スズキに来てから年末のテストをここまで楽しみに思ったのは初めてだとコメントしている。
「マレーシアでまたバイクをテストできるのが今から本当に楽しみです。スズキに所属して以来、こんな気持ちで年内テストを迎えた事なんて一度もありませんよ。」とホプキンス。
「バレンシアでバイクの調子はすごくいい感じでしたから、セパンのような性質の異なるサーキットでどんな挙動を見せるか確かめるのはいい事でしょうね。」
「まだ先が長い事は良く分かっていますが、このままの調子で続けていけば2007年のいい結果につながるでしょうし、それを狙いますよ!」
■バーミューレン「開発の優先項目がセパンで分かる筈」
初年度の2006年は、初めて走るコースの学習に多くの時間を消費する事になったクリス・バーミューレンだけに、2年目となる2007年シーズンへの期待は高いようだ。セパンでは新マシンの性能を確かめたいとバーミューレンは語る。
「バレンシアでは新しいバイクで自分たちの力を示す事ができたと思います。ただ、他のメーカーと同様に、今後もまだ自分たちの全力の改善作業は続きますよ。」とバーミューレン。
「セパンは前回のバレンシアとはコースレイアウトがかなり異なりますから、800ccを試すのにはいい場所でしょうね。」
「今回のテストではバイクの扱いに関してもいいアイデアが得られそうです。異なるサーキットでの走行性能も分かりますから、今後は何に集中していくかの優先順位も確かめれる筈です。」
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