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250ccクラス最終戦 ロレンソ「言葉では伝えきれない」 |
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2006年11月8日
MotoGP250ccクラスの優勝決定戦となるバレンシア・グランプリが、10月29日にスペインのバレンシア・サーキットで行われた。
この日のレースは全て青空に恵まれてドライ・セッションとなり、250ccクラスのレース前の気温は32度、路面温度は40度、湿度は10%と、レースウイークを通して最も温度の高いレース条件となっている。
■最終戦まで持ち越したタイトル争い
最終戦で最も注目されたのは、ポイントリーダーであるフォルツナ・アプリリアのホルヘ・ロレンソ(276pt)と、13ポイント差のランキング2位につけるヒューマンゲスト・ホンダのアンドレア・ドヴィツィオーゾ(263pt)との年間タイトル争いだ。
開幕直後の華々しい2連勝の後は転倒などの不運に見舞われ、シーズン前半は安定した成績を誇るドヴィツィオーゾにポイントリーダーの座を明け渡したホルヘロレンソだが、中盤戦に入ると連続して表彰台を獲得し、一気にランキング1位に返り咲いた。
■ポルトガルでのタイトル獲得を逃したロレンソ
オーストラリアと日本ではランキング2位のドヴィツィオーゾが2回続けて表彰台を逃した事から2人の差は27まで開き、前回のポルトガルでロレンソが年間タイトルを決める事が確実視されていた。
ポルトガルではロレンソ本人やチームも自らの勝利を確信しており、レースウイーク中は早めの祝勝ムードにすらあったフォルツナ・アプリリア陣営だが、実際のレースではドヴィツィオーゾが優勝、ロレンソは路面コンディションに苦しんで予想外の5位という結果に終わり、今回のバレンシアでの最終戦を前にしてトップ2名の差は再び13ポイントまで接近した。
■厳しい条件からの逆転タイトルを狙うドヴィツィオーゾ
この結果アンドレア・ドヴィツィオーゾは、一度は絶望的に見えた年間タイトルの可能性を最終戦までつなぐ事に成功している。しかしながら、彼の逆転タイトル獲得の条件は決して楽なものではない。
バレンシアでドヴィツィオーゾが逆転タイトルを決めるには、本人は確実に優勝して、ロレンソが5位以下に終わるのを祈らなければならない。逆に言えば、ロレンソはドヴィツィオーゾが優勝しても、4位以上を確保すれば初の250cc年間チャンピオンに輝く事になる。
■チームメイトのいない苦しい戦い
すなわち、ドヴィツィオーゾが年間タイトルを狙ってトップを走行しても、ロレンソとの間に最低でも3名のライダーが割って入らない限り、彼は年間チャンピオンの座にはつけない訳だが、今回のドヴィツィオーゾには、その間に割って入る頼みのチームメイトがいない。
■高橋選手の復帰目標は来年のIRTAテスト
バレンシアでのレースウイーク初日のフリー・プラクティス1において、ドヴィツィオーゾのチームメイトであるヒューマンゲスト・ホンダの高橋裕紀選手は転倒して右足を骨折する大怪我を負っており、彼からの援護射撃は望めない状況となった。
(写真下は高橋選手とヒューマンゲスト・レーシングの2007年シーズン契約発表時のもの)
なお、今シーズンは2回の優勝を飾り、世界にその速さを知らしめる事に成功した高橋選手にとっては残念な最終戦となったが、転倒の当日にバレンシアで受けた手術は成功しており、来シーズンのIRTAテストが始まる2月後半を復帰目標としている。
■ロレンソを後押しするアプリリア勢
その一方で、今回のバレンシアにアプリリア・レーシングは、ロレンソのチームメイトのエクトル・バルベラのみならず、アプリリアの開発ライダーであるアレックス・デボンも投入してきており、万全な体制でロレンソの優勝を後押しする構えだ。アプリリアのライダーとしてロレンソの優勝を願うというチーム・トースのロベルト・ロカテリも、終盤に来て非常に好調だ。
今回の優勝決定戦を、ロレンソは1列目2番グリッド、ドヴィツィオーゾは2列目7番グリッドからスタートする。ロカテリは1列目4番グリッド、バルベラは2列目6番グリッドからのスタート。
■ランキング3位を狙うデ・アンジェリスと青山博一選手
今回の最終戦は、ロレンソとドヴィツィオーゾの年間タイトル争い以外にも、マステルMVAアスパルのアレックス・デ・アンジェリス(203pt)とKTMの青山博一選手(193pt)との、10ポイント差のランキング3位争いに決着がつくレースだ。
アレックス・デ・アンジェリスは一度も優勝は経験していないものの、今期は前戦までに10回の表彰台を獲得、対する青山博一選手は2回の優勝を含む7回の表彰台を獲得しており、どちらも2006年シーズンに入り、その活躍が世界から大きく注目されるようになった。
■世界が注目する青山博一選手の開発能力と走り
特にフル参戦1年目のKTMのマシンで表彰台争いを毎回見せる青山博一選手の開発能力と、クリーンでアグレッシブな走りへの評価は非常に高い。ダニ・ペドロサのチームメイトとしてホンダに乗って獲得した昨年のランキング4位と、今年にKTMのライダーとして最終戦を迎えてのランキング4位では大きく意味合いが異なる。
デ・アンジェリスからランキング3位を奪いたい青山博一選手は確実に表彰台の頂点を狙うと見られており、それを阻止したいデ・アンジェリスとの熾烈な最終戦でのバトルが展開される事は間違いないだろう。
今回青山博一選手はKTMで初のポールポジションを獲得。デ・アンジェリスは1列目3番グリッドからのスタート。
■その他の日本勢
青山博一選手の弟であり、レプソル・ホンダのルーキーとして初の250ccフル参戦となった2006年シーズンを戦ってきた青山周平選手は、ドヴィツィオーゾに次ぐ2列目8番グリッドから最終戦をスタートする。
開幕戦のヘレスで骨折し、今期初のレースは250ccクラス11戦目のチェコGPからという2年連続して怪我に泣く辛いシーズンを送ったカンペテーラの関口太郎選手は、6列目21番グリッドからのスタートとなった。
■レース開始、ロカテリが序盤からトップに
シグナルが消え、一斉にライダーが1コーナーに向けて猛加速をする中、先頭に立ってホールショットを奪ったのはチーム・トースのロベルト・ロカテリだった。ロカテリの後にはKTMの青山博一選手、フォルツナ・アプリリアのホルヘ・ロレンソ、ヒューマンゲスト・ホンダのアンドレア・ドヴィツィオーゾが続いて1コーナーに飛び込む。
■2番手につけるロレンソ、ドヴィツィオーゾは8番手
好調のロカテリはそのままオープニングラップを制し、2ラップ目突入時の順位は先頭にロカテリ、2番手にロレンソ、3番手にジレラのマルコ・シモンチェリ、4番手にアプリリア・レーシングのアレックス・デボン、5番手に青山博一選手、6番手フォルツナ・アプリリアのエクトル・バルベラ、7番手にレプソル・ホンダのダビッド・デ・ヘアが続いた。
ドヴィツィオーゾは8番手を走行し、その背後にはオープニングラップで9番手まで順位を落としたマステルMVAアスパルのアレックス・デ・アンジェリスがつけている。
■ペースの上がらないロレンソと追い上げるデ・アンジェリス
ロカテリが先頭で逃げの体制に入る中、ペースが上がらなくなりロカテリについて行けなくなったロレンソは、5ラップ目には背後から追い上げてきた青山博一選手に前を奪われ、続けて急激に後方から順位を挽回してきたデ・アンジェリスにも交わされて4番手に後退してしまう。
その後は先頭のロカテリを2番手の青山博一選手とデ・アンジェリスが追う形となり、その間の7ラップ目までにロレンソはチームメイトのバルベラとシモンチェリにも交わされて6番手まで順位を落とした。
■後退したロレンソの背後にはドヴィツィオーゾ
ポイントリーダーのロレンソの0.4秒後方には、逆転タイトルの可能性を持つドヴィツィオーゾが迫る。
■激しく5番手を奪い合う年間タイトルを争う2名
8ラップ目にドヴィツィオーゾはロレンソを交わし、ペースを上げてロレンソを引き離しにかかった。シモンチェリの転倒により11ラップ目にドヴィツィオーゾは5番手に順位を上げ、必死のロレンソが6番手からそれを追い上げる。コーナー入り口でロレンソが並びかけると、ドヴィツィオーゾはブレーキを遅らせて鋭くコーナーを奪う。
年間タイトルをかけて5番手を奪い合う2台の後方では、ロレンソをアシストしたいアプリリア・レーシングのアレックス・デボンが、7番手につけて様子を窺っている。
■ロレンソを逃がし、ドヴィツィオーゾを背後に抑えるデボン
12ラップ目のホームストレート、ストレート加速で勝るロレンソのアプリリアがドヴィツィオーゾのホンダのマシンを交わして5番手につけると、続けざまにデボンはドヴィツィオーゾよりも先に1コーナーへの進入を素速く奪って6番手に。
デボンにロレンソとの間を奪われた7番手のドヴィツィオーゾは、逃げる5番手のロレンソを追いかけたいが、8番手のデボンから前を奪い返す事ができない。
ロレンソの4秒前方の4番手には、先頭の3台から5.5秒離されたエクトル・バルベラが単独走行を続けている。
■2番手を争うデ・アンジェリスと青山博一選手
後方でアプリリア2台のチームプレイとヒューマンゲストの1台が戦う中、2番手からトップのロカテリとの差を詰めていた青山博一選手は、デ・アンジェリスの背後からの飛び込みによりコーナーで前を奪われてしまう。
一度はデ・アンジェリスに差を開けられた青山博一選手だが、17ラップ目にはデ・アンジェリスを捕らえて2番手を奪い返すと、激しく先頭を行くロカテリの追撃を開始。20ラップ目までに先頭のロカテリと2番手の青山選手との差は全くなくなり、3番手のデ・アンジェリスは様子を見るように2台から少し距離を取った。
■青山博一選手はロカテリからトップを奪うが・・・
21ラップ目、サーキットレコードを更新して激しくロカテリを追い上げる青山博一選手はついにトップに浮上したが、その直後、左コーナーを曲がりきれずに転倒してアスファルトを滑走した。青山博一選手の背後となる2番手を走行していたロカテリはこの転倒を避けて大きくタイムを落とし、その横をデ・アンジェリスが悠々と通り抜け先頭に浮上。デ・アンジェリスは、ロカテリと青山博一選手のバトルから転倒の危険性を察知していたという。
この青山博一選手の転倒により、順位は先頭からデ・アンジェリス、2番手にロカテリ、3番手にバルベラ、4番手にロレンソ、5番手にデボン、6番手にドヴィツィオーゾ、7番手にレプソル・ホンダの青山周平選手となり、この順位は変動する事なく最終ラップまで続いた。
■デ・アンジェリスが初優勝とランキング3位を獲得
最終ラップを終えて最初にチェッカーを受けたのは、念願だった250ccでの初優勝を最終戦で決める事になったマステルMVAアスパルのアレックス・デ・アンジェリス。デ・アンジェリスは今期に11回の表彰台を獲得し、シーズン終盤の目標としていたランキング3位を守りきる事に成功した。
2位には、21ラップ目のアクシデントまではレースをリードしていたチーム・トースのロベルト・ロカテリが入り、最終的にランキングは青山博一選手の4位に次ぐランキング5位を獲得。続いてフォルツナ・アプリリアのエクトル・バルベラが3位でチェッカーを受け、バルベラにとっては今期の中国GP以来となる表彰台を獲得した。
■ロレンソが念願の250cc年間タイトルを獲得
フォルツナ・アプリリアのホルヘ・ロレンソは4位でコントロールラインを抜け、ついに自身初となる250cc年間タイトルを獲得した。開幕戦での初優勝時と同様に、ロレンソはバイクを降りて彼のホームであるスペインの観客席に駆け寄り、いつまでも激しく踊り続けている。
■青山周平選手はルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得
アプリリア・レーシングからスポット参戦を果たしたアレックス・デボンは5位、続いてレプソル・ホンダの青山周平選手が6位でチェッカーを受けた。
この結果、年間ランキング8位となった周平選手はジレラのマルコ・シモンチェリを抑え、2006年度250ccクラスのルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得している。
■ドヴィツィオーゾは17ポイント差のランキング2位
年間を通してロレンソとのタイトル争い続けたヒューマンゲスト・ホンダのアンドレア・ドヴィツィオーゾは最終ラップで周平選手に交わされて、バレンシアでの最終戦を7位で終えた。この結果、ドヴィツィオーゾのランキングは、2006年度250cc年間チャンピオンとなったホルヘ・ロレンソから17ポイント差の2位となった。
また、カンペテーラの関口太郎選手は、21番グリッドからの順位を16位まで挽回してチェッカーを受けたが、惜しくも最終戦でのポイント獲得は逃している。
■判明している250ccクラスの来期体制
2007年度の250ccクラスの体制だが、チャンピオンとなったホルヘ・ロレンソは来期もフォルツナ・アプリリアから参戦する。チームメイトについては現在のところ不明だ。
ヒューマンゲスト・ホンダは、来期もアンドレア・ドヴィツィオーゾと高橋裕紀選手のペアという、今期と同じ体制での参戦が決定している。
マステルMVAアスパル(アプリリア)は、今期の125ccの年間チャンピオンとなったアルバロ・バウティスタが250ccクラスにステップアップし、同チームに参加する事が確定している。また、MotoGPクラスへのステップアップの噂などが飛び交ったアレックス・デ・アンジェリスについても、引き続き同チームから250ccに出場する。
(写真下は、バレンシアで250ccクラスの合同テストに参加するアルバロ・バウティスタ)
レッドブルKTMの来期のラインナップは、KTM2年目となる青山博一選手と、125ccの同チームからステップアップしてくるミカ・カリオの2人体制となる事が、バレンシア戦の最終日に公式発表されている。
レプソル・ホンダはGP2年目となる青山周平選手のシートは確定しているものの、そのチームメイトは現在も不明だ。スポンサーの関係上、今シーズン途中に引退したセバスチャン・ポルトに代わるスター・ライダーが求められる同チームだが、有力候補の目処は立っていない状態だとされている。
なお、今期は125ccクラスで戦った2005年度125ccチャンピオンのトーマス・ルティーも、ミカ・カリオやアルバロ・バウティスタと同様に来期はステップアップし、アプリリア・ワークスがフルサポートをするカフェラテ・レーシングから250ccクラスに参戦する事が決定している。
■各ライダーのコメント
以下に、最終戦終了後の各ライダーのコメントを示す。
優勝)アレックス・デ・アンジェリス RSM マステルMVA・アスパル
やっと世界グランプリでの初優勝を達成する事ができました!自分のためにも、必死に1年間を通して頑張ってくれたチームのためにも本当に嬉しく思います。
序盤の追い上げがうまくいき、ロカテリや青山と一緒にトップを走る事ができましたが、2人はかなりリスクの高い走りをしていたので、少し距離を取っていたんです。
レースの残り僅かなところで青山が転倒してロカテリが後退し、その後のコースは貸し切り状態になって、そのまま独走優勝でした。世界グランプリでの優勝は初めてですから、最高に嬉しいです。
チームにとって最高の最終戦になったと思います。
3位)エクトル・バルベラ SPA フォルツナ・アプリリア
今回のレースにはそれほど満足していません。自分の選択ミスでタイヤに問題を抱えていましたし、それが結果に大きく影響しました。
本当はもっと前に出て優勝を狙いたかったんです。最終戦で3位表彰台を獲得できた事には満足するべきでしょうが、トップから離されているという点で少し後味の悪いレースでした。
今年は複雑なシーズンでしたね。上向きだった調子を骨折で台無しにしてしまい、いくつかテクニカル面でのトラブルも解消できませんでしたから、「これがバルベラの真の速さだ」という好調な走りを見せる事ができませんでした。
4位)ホルヘ・ロレンソ SPA フォルツナ・アプリリア
この感覚はとても言葉にはできません。
何時間か経てば実感が湧いて泣くかもしれませんが、今はただ有頂天になってるのが分かるだけで他の感覚がないんです。経験してみない事には理解できない不思議な感覚だと思います。
最後まで油断のできないレースでした。スピードもリズムもあまり得られなかったので、高い成績を狙う事は全くできない状態でした。ドヴィツィオーゾに交わされた時は少し不安に襲われましたが、今回は彼を交わして逃げ切る事ができました。
すごく大変なシーズンでしたね。何回かの悪い成績を挽回するために、みんなで力を合わせる必要がありましたが、世界で最高のチームのおかげで、最後にはやり遂げました。このタイトルをチームのみんなと、自分を愛して応援してくれた人たちに捧げたいです。彼らが自分の味方についてくれた事を心から誇りに思います。
ドヴィツィオーゾは偉大なライダーですし、将来も自分のライバルになる事は間違いありません。ただ、今日は彼がもっと速く走ると思っていました。
ヘレスでの勝利は本当に特別でしたが、こんなにたくさんの人が応援してくれる目の前でタイトルを決められた今回も、スポーツ選手にとっては究極の夢のような出来事です。本当に長い戦いでしたが、ついに自分たちは世界チャピオンになりました!
アレックス・デボンの働きは最高でした。彼は素晴らしいし、偉大な人物です。
完璧な人間などこの世にはいませんが、時々自分がしてきた態度について、今は本当に申し訳なく思っています。ただ、人間であり続けるという事は、間違いを犯しながらも、それを通して学び続ける事なんでしょう。
6位)青山周平 JPN レプソル・ホンダ
あまり満足はできていません。
スタート時にミスをして最初に順位をいくつか落としてしまい、すぐに抜き返そうと思ったんですが、自分より速いライダーが多くて追いつくのが難しい状態でした。
全力で走った事に間違いはありませんが、まだ十分じゃないと思います。もっとトレーニングが必要なのは明らかですし、このクラスでさらに経験を積む必要もあります。
最初のシーズンとなった1年を振り返ってみても、結果にはあまり満足できません。もっと高い成績を期待していましたし、フランスの1回だけじゃなくて、もっと多く表彰台に乗るつもりでした。
まだ自分の実力は十分じゃないと思います。改善していく必要があります。
7位)アンドレア・ドヴィツィオーゾ ITA ヒューマンゲスト・ホンダ
オープニングラップでギアを4速に入れた時に、オーストラリの時と同じ現象が起きてエンジンの調子が悪くなり、その後はストレートで100%のパワーをマシンが出せなくなりました。
先頭集団に追いつこうと頑張りましたがペースが十分ではなく、あれ以上に速くは走れませんでした。一度はロレンソに近づきましたが、彼はリスクを冒さず落ち着いた走りをしていただけですから、勝ち目は無かったと思います。
シーズン全体を通して安定したいい走りができたのは間違いありませんが、完全には満足できていません。第1戦からパワーが不足していた事もありますが、年間ポイントについては最終戦までにもっとロレンソとのポイント差を縮める事は可能だったと思います。ただ、いずれにしても今回のレースは苦しんだので、結果に大きな違いはなかったでしょうけどね。
ロレンソの勝利を称えたいと思います。彼はすごく速くなりましたし、バイクから得られる優位性もフルに活用できていました。
2007年シーズンに自分たちはレースに戻ってきますが、この状態のままでタイトル獲得は難しいでしょうから、本当に頑張らなければいけないと思います。
シーズンを通して最高の力を見せてくれたチームの全員に感謝しています。
DNF)青山博一 JPN レッドブル・KTM
トップ集団に追いついてからは彼らから逃げ切ろうと頑張りましたが、激しく攻めすぎたせいでひどくタイヤが滑り出したのに気がつき、転倒だけは避けようとしたんですが、ダメでした。レースですから、どんな事が起きてもおかしくありませんからね。
今シーズンの年間ランキングは去年と同じ4位でしたが、自分のレッドブルKTMでの初年度の成績としては嬉しい結果です。頭の中には来年に向けて達成したい課題もまだ山のようにあります。
自分のまわりで働き、サポートしてくれたすべての人たちに感謝したいと思います。
欠場)高橋裕紀 JPN ヒューマンゲスト・ホンダ(手術後のコメント)
日を増す毎に体調は良くなっています。昨日(11月1日)はベットから出る事ができて、筋肉を刺激する医療機器で治療を受けました。
医者は自分の術後の経過にとても満足していますし、明日(11月3日)には退院できます。その後はイタリアに渡り、クリニカ・モバイルの施設でリハビリを始める事にしました。
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