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2006年10月25日
緊迫のMotoGP最終戦が今週末に行われるバレンシア・サーキット(リカルド・トルモ・サーキット)は、MotoGPカレンダーの中に5つある反時計周りのサーキットのうちの1つだ。バレンシアが最初に世界グランプリを迎えたのは1999年の事であり、今週末のグランプリは連続8回目の開催となる。
ここでは、バレンシア・サーキットの特徴と、ロッシのメカニックであるジェレミー・バージェスが語るセッティングの方向性、および昨年のレース結果などを紹介する。
■2番目の低速サーキット
バレンシアはMotoGPバイクでの1ラップあたり最高の平均速度は時速154.9kmと遅く、今年のグランプリの中では2番目に低速のサーキットとなる。
ちなみに、最も低速なサーキットは前回のエストリルであり、3番目に低速なサーキットはアメリカGPの行われたラグナ・セカだ。
■ライダーの技量が重要視されるバレンシア
バレンシアの全長は4005メートル、5つの右コーナーと8つの左コーナーを持ち、ストレートは876メートルに及ぶ。コーナーの多くは低速コーナーだが、その大部分は短いストレートでつながっており、ライダーは殆ど休み無くコーナリングと加速を連続して繰り返す事になる。身体にかかる重力(G)は常に大きく、体力的に厳しいサーキットだ。
最後から2番目の左にループするロングコーナーと、高速で飛び込む1コーナーが特徴的なこのサーキットは、次々と折り返しの要求される幾何学的に描かれたシケインの数々が、多くの低速コーナーでつながれている。
複雑なコーナリングが要求されるストレートの少ないコースレイアウトにより、マシンのパワーよりも、ライダーのライディング技術がより重要視されるサーキットとも言える。
■サーキットの全景を見渡せるスタジアム
バレンシアは、観戦者の事を中心に考えて設計された近代サーキットとしても有名だ。
15万人を収容可能な観客席は、この他に類を見ないコースレイアウトを取り囲んでおり、ほとんど障害物に邪魔される事なくサーキットの全景を見渡せるという、モータースポーツの世界選手権が行われるサーキットとしては希な特徴を併せ持っている。
このレース観戦者にとって嬉しい空間設計は、現在のマステルMVAアスパル・チームのオーナーであるホルヘ・アスパル・マルティネスの考案によるものだ。
■ジェレミー・バージェス「今期学んだのは1列目の重要性」
ロッシのチーフ・メカニックを務めるジェレミー・バージェスは、バレンシアはロッシがあまり好きではないタイプのサーキットだが、ヤマハYZR-M1にとっては相性の良いサーキットだと語り、予選とレースで最高の走りができるセッティングにしたいと語った。
「バレンシアはすごくタイトで曲がりくねったコーナーが多いので、バレンティーノにとって好みと言えるサーキットではありません。ただ、彼は2004年にここで勝っていますし、後方のグリッドから(予選15位)スタートする事になった去年も3位でしたから、M1にとっては相性のいいサーキットです。」とバージェス。
「今シーズンに自分たちが1つ学んだのは、このカテゴリーで常に勝ちたければ、1列目からのスタートが不可欠だという事です。ですから今回もフリー・プラクティスの時間を使ってバイクのセッティングが正しい方向かどうかを確かめ、予選とレースの両方に備えたいと思います。」
「低いギアを多用しなければならないという事実以外には、テクニカルな面でバレンシアについて語る事はあまりありません。それに高速部分はバックストレートとメインストレートの二箇所しかありませんから、スロットルを大きく開ける事も少ないんです。」
「最後の左ロングコーナーは、世界中のどのコースにもない独特なものです。レースの勝敗を左右する重要な部分ですから、特にバイクのセッティングではここに焦点をあてて、ストレートに十分な速度で戻ってこれるかどうかを確かめる必要があります。」
■昨年のレース結果
昨年の2005年シーズンの最終戦となったバレンシアでは、バレンティーノ・ロッシがセッティングに苦しみ予選を15位で終えるという、今年のヤマハのシーズン前半の不調を予感させるような、当時としては珍しく苦しむロッシの表情が目立つグランプリだった。
この時のレースの結果は、優勝がテレフォニカ・モビスター・ホンダのマルコ・メランドリ、2位がレプソル・ホンダのニッキー・ヘイデンであり、若手が頭角を現し始めた時期でもある。
なお、15番グリッドからスタートする事になったロッシは決勝では調子を取り戻し、次々と多くのライダーを交わして3位表彰台を獲得している。
バレンシアのラップレコード(レース)はマルコ・メランドリが昨年に記録した1分33秒043、ベストラップ(予選)はテレフォニカ・モビスター・ホンダのセテ・ジベルナウが昨年に記録した1分31秒874。
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