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日本GP特別企画 コニカミノルタ・ホンダチーム・インタビュー
インテリマーク編集部
2006年9月21日

今回は、今週末の9月22日より栃木県のツインリンクもてぎにて開催されるMotoGP日本グランプリに向けての特別企画として、コニカミノルタ・ホンダチームのライダーである玉田誠選手と、その技術責任者であるジュリオ・ベルナルデッレ氏への本サイトからのインタビュー内容を紹介する。
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■JiRの組織構成と理念

まず始めに、玉田誠選手がライダーとして所属するコニカミノルタ・ホンダチーム(JiR)の理念と組織構成を以下に掲載する。

JiR(JiR SCS社)の概要

コニカミノルタ・ホンダチームのレーシング母体であるJiR(ジャパン・イタリア・レーシング)SCS社は、現在のチーム責任者であるジャンルカ・モンティロン氏により、モナコを本拠地として2004年に設立されたのがその始まりだ。
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モンティロン氏は、多くの有名オートバイ企業での活動を含む二輪モータースポーツ界での特筆すべき経験と成功の中で、彼が築いた革新的な方法論を実現するためにJiRの設立を決心している。
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JiRと他の競合チームとの最も大きな違いは、スポーツと技術、ならびに二輪モータースポーツの分野が生む社会的な利益という3つの要素を融合させる力だ。

2004年の終わりに、JiR SCSカンパニーはイタリアの拠点として、現在のチームの技術責任者であるジュリオ・ベルナルデッレ氏が運営するJiR SRLを設立し、現在に至る。
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JiRの任務(ミッション)

JiRの掲げる主な任務は以下の4点。

・MotoGP最高峰カテゴリーにおいて競技を行う事

・モーターサイクル文化を世界に押し広げる広報活動を行う事

・パートナーと長期スパンでの協同体制を確立する事

・二輪モータースポーツ界における代表的な企業となる事

写真■玉田誠選手へのインタビュー

コニカミノルタ・ホンダの玉田誠選手は、2003年から現在のJiRの前身となったチームに所属し、2004年には優勝、JiRとなった2005年には3位表彰台をツインリンクもてぎで獲得している。

今回は、もてぎでの2度目の勝利を狙う玉田誠選手の日本GPに向けての体調や意気込み、ツインリンクもてぎでの経験、チームの現在の雰囲気やその中でのコミュニケーション方法、および海外での生活などのプライベートな部分についても一部紹介する。

日本GPに向けての質問

ドイツで負った怪我の具合はいかがですか?

今はもう大丈夫です。ザクセンリンクで怪我をした時はもう少し早く治ると思っていましたが、予想外に長くかかりました。
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今週のホームGPの舞台となるツインリンクもてぎの特徴を簡単に教えてください。

ツインリンクもてぎはMotoGPカレンダーの中では一番詳しいサーキットでしょうね。クラッシックとも言える古いタイプの4.8kmのコースと、自動車レースに適した2kmのオーバルコースがあります。
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ライダーとチームの両方に忍耐を強いるような部分があります。コースレイアウトだけではなく、天気の予測もつきにくいですからね。

写真ツインリンクもてぎに対して玉田選手が持つ印象を教えてください。また、今までで最高と言えるもてぎでの経験はどんな事でしょうか?

ツインリンクは大好きですよ!ここでは何回か優勝した思い出がありますからね。スーパーバイク時代もそうですが、最高の経験はMotoGPでの優勝です。それにこのサーキットは加藤大治郎選手と長い時間を一緒に過ごしたという思い入れがあり、大切な意味を持つ場所です。

今週のホームGPでは優勝できるようにベストをつくします。それがコニカミノルタやホンダ、それに自分を支えてくれているチームのスタッフ全員に感謝を表す最良の方法ですから。今は集中力もレースへの意欲もいつもよりずっと高いですよ。ここでのレースは、自分にとっての起爆剤になります。

ホームGPに向けての作戦はありますか?また、もてぎで勝利を狙う上で一番重要な事はなんでしょうか。

写真セッティングをもてぎの特徴にあわせて最適化できるように、初日午前のフリー走行からチームと一緒にバイクをチューニングする予定です。そのあとはレースタイヤの選択ですね。

もてぎで重要になるのはパワフルなエンジンとリアタイヤの強力なトラクションです。ブレーキも重要ですが、MotoGPクラスは全員が同じ材質のものを使っています。

日本GPでの目標を教えてください。

ベストラップとポールポジションと表彰台です。

今までのレース人生の中で、一番記憶に残っているのはどんな事ですか?

当然2004年にここで表彰台の頂点に立った時の事です。日本での勝利でしたし、最高の瞬間でした。

生活(プライベート)についての質問

写真玉田選手が今住んでいる国や街について、その雰囲気などを教えてください。また、レースのない週などは、どのように過ごしていらっしゃいますか?

海外で生活している時はベローナ(イタリアの北東部)に住んでいます。住居にしているアパートは街の古い伝統的な地域にあって、そこからの景色はすごくきれいですね。アディジェ川(イタリア北部を南東に流れ、アドリア海までつながる河川)やローマの競技場が見えるんです。

ベローナは静かな街で、オフの時には気持ちよく過ごせる場所ですよ。移動しなくてもいい時だけですけどね。

休暇の時はだいたい通常よりは長く寝ます。公園をジョギングしたり、街の中心地やベローナの近くの丘を登りに自転車で出かける時もあります。
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海外にいるとすごく日本が恋しくなるので、チームではできる限り長い時間、日本人の仲間と一緒にいるようにしています。彼らとは仕事の現場で会いますから、そこでレース中のデータを分析すると同時に、メールをダウンロードしたり、レースウイーク中に撮られた写真を確認したりもします。それが終わってからはみんなで一緒に夕食ですね。

夕食の後も、可能な場合はビリヤード・ルームに行ったりして、みんなとすごく楽しく過ごしてますよ。

写真海外で生活していて日本と一番違うと感じる部分はどこでしょうか。また、良かったと思う点や、その逆に悪い点などはありますか?

海外で良かったと思うのは、パスタとピザといい天気、あとは女の子たちですね。悪い部分は友人たちや親戚に会えない事です。

普段レースに向けてはどんなトレーニングをしていますか?

普通は家にいる時に自分でトレーニングをします。サーキットに居る時はもっぱら静かに過ごしてますね。読書をしたり、好きな音楽を聴いたりしています。リラックスして過ごすのが好きですから、それで集中力を養えるんです。

GPライダーの中で一番親しい友人は誰ですか?

GPライダーの中で親友は一人だけでした。加藤大治郎選手です。

では、コニカミノルタ・ホンダチームの中で一番親しい人は誰でしょうか?

日本人のチームスタッフのみんなと仲良くしてもらっています。一緒にいてすごく楽しい人たちですよ。それ以外の他のスタッフも大好きですが、やはり文化的な違いはありますからね。

コニカミノルタ・ホンダチーム内に関する質問
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チームから発行されるプレスリリースの中に厳しい発言を目にするようになりました。今期は難しいシーズンだと思いますが、チーム内の雰囲気は現在どんな感じでしょうか?

このチームとは2003年から一緒に働いていますから、いい経験もたくさん共有してきました。今は簡単な状況ではありませんが、誰も自分のサポートを決してやめたりはしません。その逆に彼らはいつも僕の可能性を信じてくれていますし、常に自信を示してくれるので本当に助かっています。

チームとのコミュニケーションはスムーズでしょうか。玉田選手はチームの中では主に日本語を使う事が多いのですか?

チームの中での会話は基本的に英語です。みんな自分にも分かるように簡単な単語を使ってくれますからね。会話が難しすぎる場合は他の日本人のメンバーに常に聞くようにして助けてもらっています。
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技術責任者のベルナルデッレ氏との会話も英語ですか?

ベルナルデッレが英語で話す内容は理解できますが、誤解を避けるために彼と話す時には日本語で答えて、チーフメカニックがそれを翻訳して伝えるようにしています。

メカニックの方がチーム内の通訳も担当しているのですか?

うちの「公式」の通訳担当はチームの責任者です。彼はイタリア語も英語も流ちょうですから。

■ジュリオ・ベルナルデッレ氏へのインタビュー

今期の2006年より、コニカミノルタ・ホンダチームの技術面での全責任を負うのが、JiR SRL(イタリア拠点)を運営するジュリオ・ベルナルデッレ氏だ。以下にベルナルデッレ氏のインタビューを紹介する。

MotoGPバイクの技術的な概要を教えてください。

MotoGPで使っている990ccフォー・ストロークのバイクは、他のどんなレーシング・バイクからも想像がつかないエンジン出力とハンドリングの融合体です。
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MotoGPは第5世代に入っており、今シーズンの終わりには260馬力に達します。以前の500cc時代と比べると、どのサーキットでもだいたい3秒から4秒タイムが縮まっています。

ちなみに今は新しいレギュレーションが施行される直前です。新しいルールでは、排気量が800ccのフォー・ストローク・エンジンを積んだバイクのみが利用可能になりますが、誰にとってもエキサイティングな挑戦がまた新しく始まるわけです。

アッセンでは、ミシュランが玉田選手のために用意した16インチタイヤを使用していたと思いますが、今でもそのタイヤを使う事はありますか?それとも現在は標準タイヤのみでしょうか。
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あのタイヤを開発したのは、マコトのライディング・スタイルで非常に速く走れるようにする事と、コーナーの中央で深くマシンを傾けられるようにする事が目的でした。技術的には、タイヤ側面のグリップ力を最大限に引き出し、さらにタイヤからの路面情報をライダーに伝えやすくしようとしました。

結果は悪くありませんでしたが、今シーズン中に自分たちが必要としている全てのニーズをミシュランが完全に把握する事はできないようですので、標準の16.5インチタイヤに今は戻しています。

この作業は次の冬季テストから再開する予定です。
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チーム責任者のモンティロン氏は、セパンでのプレスリリースの中で2007年の計画を立案中だと述べていました。今後2人ライダー体制になるような計画はあるのでしょうか?

今後のチームの方向性は、玉田選手がシーズンを終えた時の成績次第です。その時に、ホンダとチームのタイトル・スポンサーであるコニカミノルタと協議の上で、将来に向けての最終決定を行う予定です。


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