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2006年2月17日 ShoppingOn編集部
カワサキレーシングチームは、3月3日のIRTAテストを前にして幸先のいいスタートが切れた。エースライダーの中野真矢選手、およびルーキーのランディー・ド・ピュニエの冬季テストは実に好調だった。
今年2度目となるセパンサーキットでの冬季テスト最終日は、マレーシアの気まぐれな雨によりどのチームも最終日のタイムアタックを断念した。この結果、カワサキNinja ZX-RRに乗る中野真矢選手が2日目に記録した2分01秒80は3日間を通しての2番手タイム(トップはフォルツナヤマハのマルコ・メランドリが初日に出した2分01秒65)となった。
中野選手はセパンの初日、新型Ninja ZX-RRのエンジンやパーツの評価を行う為、様々なセッティングを試したようだ。フィリップアイランドからの2週間、カワサキのエンジニアはインライン4気筒990ccエンジンの操舵性(ドライバビリティー)およびパワー出力の向上に向けて、いくつかの改善を加えている。
初日は排気系システムのセッティングが思うようにいかずにタイムを落としたが、二日目にはオーバーレブ(限界回転域)をより向上させるセッティングが見つかったようだ。中野選手はこの日に最速タイムを記録している。カワサキチームのテスト作業の方向性に間違いはなかったようだ。
三日目の今日は、路面が殆ど乾かない最悪のテストコンディションの中、中野選手は31周回しか走れなかったものの、全てのブリヂストンタイヤのテストを終らせている。今回はドゥカティーのテスト王であるカピロッシも予定を完了できていないだけに、中野選手やチームの計画性は非常に優れていると言っても過言ではないだろう。
最終日の良くないコンディションの中でも、1月のレースタイヤでの記録の2分2秒65を0.45秒縮める2分2秒20を記録しており、これは今後に期待の持てる結果だ。
「初日は新しいエンジンやパーツのセッティングに時間を費やしたので、ラップタイムを考える暇はありませんでした。二日目はエンジンのオーバーレブをより向上するセッティング作業に取り掛かったので、結果的にバイクも乗りやすくなり、良いタイムに繋げる事ができました。」
「最後の2日間は雨に周回数を制限されてしまいましたが、エンジンとタイヤのテストは完了する事ができて良かったと思います。3回の海外テストはカワサキにとって期待の持てる結果となりましたね。今はカタルニアとヘレスで開催されるIRTAテストの為にヨーロッパへ出かけるのが楽しみです。」
また中野選手のチームメイトであるフランス人、MotoGPルーキーのランディー・ド・ピュニエも、今回のテストには満足している。ド・ピュニエは初日、ブリヂストンのリアタイヤをテストする傍ら、中野選手のマシンと同じくリファインされた彼のZX-RRのセッティングを進めたようだ。ちなみにこの日はド・ピュニエの25歳の誕生日だった。
ド・ピュニエは1月のセパンでの予選タイヤにおける自己ベストラップの2分02秒18を更新する事はできなかったが、レースタイヤにおけるベストラップは更新できたようだ。今回の3日間を通して6番手から8番手のタイムを記録しており、自信を持って次のIRTAテストに臨めるようだ。
ド・ピュニエの3日目の44周回を終えてのタイムは2分02秒47。これは当日の6番手タイムだ。ド・ピュニエはセパンでの冬季合同テストを終え、以下のように語った。
「繰り返しになりますが、今回は私とチームの両方にとって良いテストだったと言えます。」とド・ピュニエ。
「ブリジストンとのタイヤテストを進める中、多くの異なる種類のセッティングを試みました。お陰でバイクの乗りやすさは大きく改善されています。また、一番嬉しいのはラップタイムが良くなった事です。1月のセパンでの最後のラップタイムと比較して大きく進歩しましたので、今後に期待が持てます。ヨーロッパのIRTAテストにはタイヤもバイクも良い感触を持って臨めると思います。」
チームマネージャーのハラルド・エックルは、今期のZX-RRの性能に自信を示している。
「今回の冬季テストを通して、新型Ninja ZX-RRの戦闘力の高さを証明する事ができました。前年のマシンと比較して、前を行くチームとの差を大きく縮めたと考えています。この結果は、カワサキのエンジニア、およびチームやライダーにとって今後に向けての大きな刺激になるでしょう。」
「このテストを通してのシンヤとランディーの進歩には満足です。特にシンヤの昨日のタイムは非常に速かった。今は本当の意味でシーズンの開始となるカタルニアとヘレスに集中するべき時です。」
MotoGPクラスのIRTAテストは3月3日、スペインのカタルニアから開始される。今年がカワサキ、および中野選手にとって躍進の年になる事を期待したい。
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