ドプニエ「中野選手の存在は僕にとって有利」
2006年2月4日 ShoppingOn編集部

フランス人のランディー・ド・プニエは今期より250ccからステップアップし、カワサキの日本人ライダー、中野真矢選手のチームメイトとして2006年MotoGPを戦う。彼も中野選手と同じく、子供の頃からレースに参戦している英才ライダーだ。彼は、3歳にして初めてバイクに跨り、6歳で最初のレースにデビューした。

フランス国内選手権125ccで1997年と98年に年間タイトルを獲得する傍ら、ドプニエは98年の世界GPにワイルドカード参戦を果たしている。ワイルドカード時の優れた走りにより、彼はその翌年の世界GPフル参戦へのチケットを手にした。

2001年には、プライベーター仕様のアプリリアの250ccマシンを手にして世界GP250ccクラスに昇格。ワークス体制を持たずして2回の表彰台を獲得した彼に、アプリリアがワークスバイクを与えるまでにはそれほどの時間を必要としなかった。2003年、彼はアプリリアのワークスバイクを手にすると、その年のカタルーニャGPですぐさま初の勝利をあげた。

世界250ccでの3年間に、彼は5回の独走勝利、22回の表彰台と9回のポールポジションを獲得し、2005年の終盤には、カワサキレーシングチームとのMotoGPライダー契約を結び、中野真矢選手と同じく2006年のNinja ZX-RRを手にした。

24歳のフランス人のマシンへの適応能力は素晴らしく、昨年のセパンでのテストですぐにカワサキレーシングチームはドプニエの才能に太鼓判を押した。ドプニエは現在MotoGP冬季テストに参加し、この後は来る2006年3月26日のスペインヘレスでのスターティング・グリッドを待つばかりだ。

以下に、カサワキレーシングチームがリリースしたランディー・ド・プニエの今シーズンへの意気込みが伝わるインタビューを紹介しよう。シーズンオフ中のGPレーサーのトレーニングや250ccとMotoGPの違い、中野選手との仲について興味のある方は是非お読み頂きたい。

Q:今年はMotoGPでのルーキーシーズンとなりますが、最高峰クラスのライダーになる事はあなたにとってどんな意味を持つものでしたか?

A:MotoGPへの昇格は僕にとって本当に大きな出来事です。最上級のカテゴリーですし、周りはトップライダーばかり、バイクも最速ですからね。どのライダーも僕にとっては目標となる人たちばかりです。世界のトップライダーとカワサキのファクトリーバイクで戦えるなんて最高のチャンスです。カワサキの皆さんから頂いた信頼を、今シーズンの結果でチームにお返しできればと思います。

Q:カワサキチームからMotoGPへのオファーをもらった時のあなたの心境はどうでしたか?

A:とても信じられませんでした。まさに夢の実現です。250ccのシーズン中盤には苦しい戦いをしていましたから、突然MotoGPのワークスチームから声をかけて頂いた事は本当に最高の心境でした。

Q:ZX-RRをある程度乗りこなしてから(2005年末の冬季テストで)の冬休みは、あなたにとって充実したものでしたよね?

A:全くです。MotoGPバイクがどんなものかを事前に経験できましたので、冬休み中に自分が何を準備するべきかをよく理解できました。お陰で11月のセパンでのテストを終えた後は、2006年シーズンに向けて自分が何を準備するべきかについてのみ考えられましたし、実際に冬休み中の行動に役立ったと思います。先日のセパン(1月23日)までには自分の身体をZX-RRに乗る為の完璧な状態に仕上げておく事ができましたし。

Q:冬休み中の数ヶ月には何か特別なトレーニングを行ったのですか?

A:毎年冬季はハードトレーニングを行っていますが、今年はカワサキの身体能力専門家のドクター.トニー・ヘッドが用意してくれたメニューをこなしました。昨年末にはイギリスに飛んで、トニーによる身体能力の分析を受けました。その結果を元に、トニーが僕の冬季メニューを組んでくれたのです。

彼はまた、私の冬季トレーニングにも密着してくれて、今年のプレシーズン開始時に僕が疲れすぎる事のないように管理もしてくれました。去年は休み中やレースとレースの間に多くのトレーニングを行いすぎていたようです。どうして昨シーズンのレース中盤に疲れやすくなったのか当時の自分には理解ができていませんでした。

トニーが言うには、身体には休息の時間を与え、レースの合間にはしっかり体力の回復をさせておかないと実戦で100%の力を発揮できないそうです。彼は私がシーズン中に最高の体力を維持できるように、回復の為の休息時間をトレーニングメニューに組み込んでくれました。

Q:250ccからMotoGPに乗り換えるのは大きなステップになると思いますが、ツーストロークの250ccマシンとフォーストロークの990ccマシンを比較してみて、何か共通点はありましたか?

A:全くありません。全てが異なります。共通点はタイヤが二つでその間にエンジンがある事くらいです!ZX-RRに初めて乗った時には凄い好印象を受けました。最強のレーシングバイクですよ。一度MotoGPバイクに乗ってしまえば他のどんな種類のバイクにも決して乗りたくなくなります。Ninja ZX-RRの真のパワーはとにかく凄いの一言です。乗れば素晴らしい経験ができると思います。

Q:MotoGPマシンの殆どがそうだと思いますが、Ninja ZX-RRも繊細な電子制御パッケージを搭載していますね。トラクションコントロールなど、電子制御による恩恵はどの程度感じるものなのでしょう。あなたにがMotoGPバイクに適応する上で助けになるものですか?

A:現段階では、僕はMotoGPバイクの性能をフルに使い切っていませんので何とも言えません。まずはバイクに慣れる事が先決ですし、自分のライディングスタイルを今は穴埋めしながら乗っている感じです。MotoGPバイク独特の特性もありますしね。今はマシンの特定分野の開発を行う事よりも、自分のライディングスタイルを開幕までに向上させる事の方が自分にとっては重要です。

Q:あなたもチームメイトの中野真矢選手も250ccからのステップアップ組ですね。二人のライディングスタイルと開発の方向性は似ていますか?また、今後それらの情報を共有する事はあるのでしょうか。

A:私は真矢のライディングスタイルとは少し異なるみたいで、セッティング情報を共有する事が少なくなってきています。ポジション(バイクに乗る位置等)が異なりますのでバイクのセッティングも自然に違ってくるのでしょうね。ただ、二人の身長と体重は非常に近いので、セッティングの方向性が二人で大きく異なるという事にはならないと思います。

実際、ピットではお互いにセッティングの情報を交換していますよ。タイヤは全く同じものを使う傾向にありますし。

Q:チームメイトの中野選手のような経験豊かなライダーの存在が、あなたの今期のマシン開発の助けになると考えていますか?

A:間違いありません。真矢をチームメイトに持った事は僕にとって凄く有利です。彼も250ccからMotoGPに乗り換えたのですから、僕に現在必要なものを真矢は知っていると思います。真矢は本当に良いチームメイトで、付き合いやすいしバイクの乗り方についてもオープンに語ってくれます。間違いなく今期は彼からたくさん学ぶ事になりますよ。

Q:ブリヂストンタイヤを使用するのは今期が初めてですね。ここまでの冬季テストを通して、ブリヂストンの人たちにどんな印象を持っていますか?

A:今までチームにタイヤ専属の技術者を持った事がありませんでしたので、僕には本当に有り難い事です。どの人も良い人ばかりですし、タイヤの性能を発揮するにはどうしたら良いかを知り尽くしています。MotoGPでの勝利にタイヤの性能は非常に重要ですから、現在トップレベルの競争力を持つブリヂストンがチームを支援してくれるのはとても良い事です。ここまでブリヂストンタイヤには本当に好印象を持っています。

Q:今年MotoGPを戦うフランス人はあなた1人ですが、それについてプレッシャーを感じる事はありますか?特にホームレースとなるル・マンに緊張しませんか?

A:そうですね、フランスのファンは今年の僕になんだか凄く期待してくれていますし、特にル・マンでの成績はそうですね。でもこれは良い緊張感です。ファンが僕を支援してくれている証拠ですから。以前にはル・マンで4回表彰台に立っていますが、今回はMotoGPでの最初のホームレースですからさらに気合をいれなきゃと思います。ル・マンでは頑張りますが、もちろんシーズン全てを通して良い成績を目指しますよ。

Q:今年のMotoGPカレンダーにあるどのサーキットが一番好きですか?

A:一つを選ぶのは難しいですね。高速サーキットのヘレスも好きですし、ムジェロもカタルーニャもブルノも好きです。一つ選ぶとすればヘレスかもしれません。テクニカルサーキットですし、なおかつ最終セクションが凄く高速になるんです。いつも楽しんで走っています。

Q:MotoGPライダーになって一番良かったと思える事はなんでしょうか。

A:ここまでで一番良かった事は世界で一番速いオートバイに乗れた事です。それ以上に何かありますか?


カワサキの中野選手は元気の良いチームメイトと今期は戦う事になりそうだ。中野選手にとってもドプニエの存在は刺激となり、2006年は更に速くなるように思える。ブリヂストンタイヤの開発も進む今、今年のカワサキチームは予想以上の戦いを見せてくれそうだ。

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