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2006年1月25日
1月21日に関東地方を襲った大雪により成田空港の発着スケジュールが麻痺してしまったことは、今回のプレシーズンテストで多くの日本人関係者に影響を及ぼした。
伊藤真一もその被害を被ったひとりだ。クアラルンプール国際空港に飛行機が到着したのは、直前の深夜1時で幸いテスト初日には間に合ったとはいえ、このテストの前にはインフルエンザで高熱に悩まされてもいた、という。
「セパンに来る前に40度の熱を出していたから、ちょっとキツかったですね。今日(23日)は鼻水程に収まっているんだけど、それでもまだ本調子じゃないですよね」
そういって苦笑するものの、体力的にはけっしてベストコンディションではない。そんな状態でも自分に与えられた仕事をクリアしなければならないのは、どの世界でも同じことだ。
「05年仕様のマシンに06年のパーツを入れて、マシンのベース確認とリアタイヤを少しテストした程度。タイムは3秒5だけど、まあ、そんなもんでしょ。テストテスト」
と冗談めかして笑みを浮かべる余裕は、長年積み上げてきた経験の賜物だろう。
「今日はニッキーの調子、あまりよくなかったんですかね。走ってても何だかついていけるんですよ。レプソルのツナギだけど、あれは岡田(忠之)じゃねえよなあ、とか思って(笑)」
ちなみにこの日、ニッキー・ヘイデンのタイムは全体の中で3番手となる2分02秒23だった。
翌24日はやや短めのショートロングランやリアタイヤのテストを行い、合計52ラップを周回した。タイムも、昨日よりも僅かに縮めて3秒3とした。
午後4時を回って、雨が降り始めたセパンサーキットのピット内で、
「時間も時間だし、この雨だから、今日のテストはひとまずこのへんで撤収、といったところでしょうかね」
と話をしていたちょうどそのとき、つかつかと歩み寄ってきたブリヂストンのスタッフから、
「伊藤さん、ウェット(タイヤのテスト)やりましょう!」
と声が飛んだ。 (西村章)
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